著者
有田 広美 藤本 悦子 小林 宏光 大島 千佳
出版者
福井県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

手術を受けた高齢患者の集中治療室の睡眠・覚醒パターンはどのように変化し、どのような経過で元のサーカディアンリズムに戻るのかを明らかにすることを目的に、全身麻酔で手術を受ける患者を対象に手術3日前から術後5日まで客観的指標および主観的指標を用いて睡眠状態を測定した。その結果、術後は睡眠時間の奪取と分断が明らかになり、その障害は術後4日を経過しても元の睡眠リズムには戻らなかった。主観的指標の結果はアクチグラフの結果と一致するものであり、術後4日間は睡眠の質が低下することが示唆された。
著者
小玉 美意子 小田 原敏 アンジェロ イシ 吉田 文彦 音 好宏 鈴木 弘貴 金山 智子 中 正樹 日吉 昭彦 黄 允一 小林 直美 沈 成恩 章 蓉
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、2008年8月に行われた北京オリンピック報道によって視聴者の対中国意識がどのように変化したか探ることを目的とし実施された。調査の結果、テレビニュース視聴者の中国(人)についての認識は、オリンピック前後で部分的に変化があったことが明らかとなった。中国(人)イメージが変化した人は直接的な経験(渡航経験や友人・知人)が無い、オリンピック前に中国に対しネガティブな印象を持っていた人がオリンピックを契機に良い印象を持ったようである。このような傾向を持つ人は若い世代が多く、今後テレビの報道内容によって、若者は中国(人)イメージが変化する余地が示唆された。中国(人)の印象が変化しにくい人は、メディア接触によって先有傾向の強化・補強が行われていることが推察された。取り上げられた出来事がインタビュー対象者自身の中国経験やイメージと結びつけられていたからである。テレビニュースは中国を発生地とする報道が全体の38.1%を占め、中国報道の議題設定や放送局別の傾向が明らかになった。視聴者はオリンピックの競技ニュースというよりは、オリンピック開催前、期間中の関連報道から中国(人)に関する情報を得ていたようである。またテレビをよく視聴した人は、新聞、インターネットなどに多く接した人よりも肯定的イメージへの変化がみられた。
著者
伊藤 玲子 小林 朋子 古川 典子 関山 忠孝 大木 隆史 平沼 久人 山口 賢二 服部 知洋 林 伸一 橋本 修
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.58-61, 2010-02-01 (Released:2010-06-14)
参考文献数
11

71 歳,関節リウマチ (RA) にて加療中の男性が発熱,呼吸困難のため入院となった.患者は infliximab (IFX) (260 mg) を毎月 1 回,約 1 年間投与されていた.胸部 X 線にて,両側性の浸潤影を認め, 入院時より重症の低酸素血症のため人工換気を要した.血清中 β -D グルカン値上昇と胸部 CT における全肺野に及ぶ地図状のすりガラス陰影の出現により,Pneumocystis pneumonia (PCP) と診断した.ST 合剤投与により速やかに臨床症状の改善を認めた.MTX, IFX 治療を行い免疫抑制状態となった患者にしばしば感染性肺炎や薬剤性肺炎による急性肺障害が発症する.長期に免疫抑制治療を行っている高リスク患者においては,鑑別診断として PCP を念頭に置く必要がある.また,発症予防としての ST 合剤の投与も検討すべきである.
著者
鍋倉 賢治 榎本 靖士 門野 洋介 品田 貴恵子 白井 祐介 丹治 史弥 小林 優史
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

長距離走は、有酸素性能力(最大酸素摂取量、乳酸性代謝閾値、走の経済性の3要因)によってパフォーマンスの大部分を説明できると言われている。本研究では、レース中の生理応答、縦断的な体力測定などから中・長距離走のパフォーマンスと体力特性について検討した。中距離走の場合、有酸素性能力だけでなく無酸素性能力の貢献も大きく、また、体力特性に応じたレース戦略が重要であることが明らかとなった。一方、優れた長距離ランナーでは、3要因の中でも走の経済性の貢献が特に大きいこと、そして脂質をエネルギーに利用する能力が優れていることが明らかとなった。
著者
清水 元彦 小林 弥生子 中山 邦章 塩沢 丹里 藤井 信吾 清水 元彦
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本年度も、前年に引き続き、正常子宮平滑筋、子宮筋腫、子宮筋肉腫の各組織においてER,PRの異常、また腫瘍抑制遺伝子p53の蛋白質、RNAレベルにおいて定量的、定性的に調べ、各組織においてこれらの因子の異常の有無と程度を検討した。最初に免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下はER,PRの転写レベルで起こっているかどうかをmRNAレベルで調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でRNAを抽出し、RT-PCR法にて増幅しER,PRのmRNAを解析した結果、免疫染色法で明らかになったER,PRの発現低下は転写レベルでも低下していることが明らかになった。次にER,PRの転写レベルでの発現低下はER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列のDNAメチレーションによるかどうかを調べた。手術摘出材料を採取し、ホルマリン固定パラフィン包埋切片の連続した包埋切片上の組織よりdigestion bufferで可溶化し、マイクロウエーヴ処理法でDNAを抽出し、GCの塩基配列上のDNAメチレーションを認識できる制限酵素、HpaII及びHhaIで切断し、ER,PRプロモーター部位のプライマーにてDNAを増幅することによって、ER,PRプロモーター部位のGCの塩基配列にDNAメチレーションがあるどうかを調べる系を確立することができた。現在この系を使ってER,PRの発現低下とER,PRの遺伝子のプロモーター部位のDNAメチレーションの有無の相関性を調べているところである。
著者
小林 淑恵 渡辺 その子
出版者
科学技術・学術政策研究所
巻号頁・発行日
2014-05 (Released:2014-06-30)

研究機関に在籍している「狭義」のポストドクターの場合、将来のキャリアパスが不透明であり、任期を繰り返しつつ不安定な雇用のままで高齢化することが問題視されている。この現状と要因について明らかにするために、本研究では文部科学省 科学技術・学術政策局 基盤政策課で実施した『ポストドクター等の雇用・進路に関する調査-大学・公的研究機関への全数調査(2009年度実績)』の個票データを用い、正規職(常勤、任期なし)への移行に関する分析を行った。ポストドクターは30-34 歳で最も多く、博士課程修了後の年数は平均4~5年である。正規職への移行率は博士修了後5~7年程度でもっとも高く、ポストドクターというトレーニング期間を経て、任期の変わり目で移行するケースが多いことが明らかになった。しかし平均移行率は6.3%と、一般大卒者の非正規職から正規職への移行率よりも著しく低い状況にある。特に女性、理学・医学系、競争的資金で雇用されている者の移行率が有意に低いことから、これらの状況を踏まえた上で、任期の変わり目である5年目辺りまでに、安定した職へ移行できるような支援が必要であることを指摘している。また今後の課題として、本データでは捕捉されていない有期の特任助教から正規職への移行についても検討する必要がある。
著者
滝 和郎 半田 肇 米川 泰弘 三宅 英則 小林 映 新島 京 筏 義人 玄 烝休 鈴木 昌和 清水 幸夫
出版者
The Japanese Society on Surgery for Cerebral Stroke
雑誌
脳卒中の外科研究会講演集 (ISSN:03878031)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.159-164, 1984

Fourteen cases of arteriovenous malformations (AVM) of the brain, dura and scalp were embolized with ethyl-cyanoacrylate. Injection of the ethyl-cyanoacrylate was performed either by direct puncture of the feeding arteries or transfemoral catheterization with a detachable and leak balloon catheter. For every injection, 0.3 to 1.0ml of cyanoacrylate was used. With additional surgical removal, eight AVMs were totally eradicated and the remaining AVMs were partially embolized. Among the AVMs, dural AVM was most suitable for the cyanoacrylate embolization, and a high rate (67%) of total embolization without surgical intervention was obtained.
著者
小林 謙一 坂本 稔 松崎 浩之 宮田 佳樹 坂本 稔 松崎 浩之 宮田 佳樹 遠部 慎
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

縄紋時代の居住期間、特に竪穴住居の構築・使用・廃絶の時間経過を研究する目的で福島県井出上ノ原遺跡、神奈川県相模原市大日野原遺跡の縄文時代中期集落発掘調査を行い、データをとりながら年代測定用炭化種実・炭化材・土器付着物を採取し、年代測定を両遺跡あわせて約60測定行った。他に、日本先史時代の火災住居、重複住居や盛土遺構などの年代を測定し、縄紋集落の形成期間や形成過程を明らかにした。
著者
太田 孝彦 林田 新 村木 桂子 森下 麻衣子 吉田 智美
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

従来、江戸時代絵画は様式を語るのが常で、筆法が果たす機能に注意することはなかった。筆法の機能に注目してみれば、「書と画」の南画家たちにとって筆法修得は「古人になる」王道であり、狩野派が語る粉本の重視は筆法の価値を取り戻そうとする試みだったと解釈できる。こうした筆法重視の観点からは新たなる江戸時代の絵画史が語られることになる。それは従来の「美術」の観点から語っていた江戸時代の絵画史とは別の面を見せることになるだろう。
著者
佐久間 華 戸矢崎 満雄 藤本 修三 藤山 哲朗 林 健太郎 大畑 幸恵 Hana SAKUMA Mitsuo TOYAZAKI Shuzo FUJIMOTO Tetsuro FUJIYAMA Kentaro HAYASHI Yukie OHATA
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2013
巻号頁・発行日
2013-11-25

本稿は、瀬戸内国際芸術祭2013 春の部(2013年3月20日[春分の日]~4月21日[日])の一環として参加した「沙弥島アートプロジェクト by 神戸芸術工科大学」で行われた全ての活動について、成果物の画像を交えながらその内容を述べたものである。成果物として挙げられるのは、次の4つ、①香川県坂出市沙弥島内3カ所(西ノ浜、ナカンダ浜、旧沙弥小中学校)を舞台にした本学の教員(助手・実習助手含む)6名による作品展示・建築作品の公開、②準備期間中に行った地元の子供・親子を対象にしたワークショップ、③会期中に行った一般客及び地元住人を対象にしたイベント、④大学院の選択科目のひとつである大学院総合プロジェクト「沙弥島アートプロジェクト」において、担当教員の指導のもと、学生が行ったポスターや周辺地図などの印刷物およびスタッフ用パーカーなどのグッズ企画・制作である。This report assesses all the activities carried out in 'Shamijima Art Project by Kobe Design University' which was held as a part of Setouchi Triennale 2013 Spring term (20th March and 21st April 2013), together with the images of the project outcomes. The following four types of work have been completed in the project; ① Works of art and architecture created by six teachers of KDU(including assistants and a research assistant) in three different venues (Nishinohama Beach, Nakandahama Beach and Fomer-Shami Elementary and Junior High School), ②Workshops for the local people held in the preparation period, ③ Events for both the local and general visitors during the Triennale period, and ④ Poster, map and other graphic design works and goods productions such as staff costume created by students under the supervision in the one of the Kobe Design University graduate school's optional subjects which is also called 'Shamijima Art Project'.
著者
小林 良彰
出版者
公共選択学会
雑誌
公共選択の研究 (ISSN:02869624)
巻号頁・発行日
vol.2011, no.56, pp.19-19, 2011-07-15 (Released:2014-07-13)