著者
武田 香陽子 石突 諭 大野 裕昭 島森 美光
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.161-170, 2015-04-25 (Released:2017-03-03)
参考文献数
18
被引用文献数
1

目的 : 卒業基準を満たさなかった学生の学習状況の実態を把握し学習支援の在り方を検討する.方法 : 学習状況のアンケート調査を行い, その内容を成績別で比較した. さらに支援期間中の成績変化を解析した.結果 : 成績下位者は授業が理解できないため自習を希望していた. また, 卒業延期決定後から次年度授業開始までの顕著な成績低下が認められた.考察 : 授業が理解できず自習を希望する成績下位者に対しては授業前後の個別指導が必要と考えられた. また, 短期間で成績低下しないような分野 (領域) 横断型の勉強法の指導が有効と考えられた.
著者
加賀田 哲也 村上 加代子 伊藤 美幸 川崎 育臣 森田 琢也 チェン 敦子
出版者
小学校英語教育学会
雑誌
小学校英語教育学会誌 (ISSN:13489275)
巻号頁・発行日
vol.15, no.01, pp.142-154, 2015-03-20 (Released:2018-08-02)
参考文献数
12

文部科学省(2012)によると,日本の公立の小・中学校等の通常学級に在籍する児童生徒の約 6.5%が特別な支援を必要としている。つまり,40 人学級であれば,2.6 人が該当することになる。 一方,平成19 年度より特別支援教育の対象となった発達障害のある児童生徒への教育的支援および合理的配慮に関する英語教育からの関心と実践は,他教科に比べて乏しいと言える。しかしながら,昨今,特別支援教育の視点を取り入れた外国語教育における研究は,教育の権利としての児童生徒のニーズに加え,外国語学習を支援したいと願う教員からのニーズも高く,遅ればせながら,日本においてもようやくその必要性が意識されつつある。そこで,本稿では,発達障害である「自閉症スペクトラム障害」「注意欠如・多動性障害」「学習障害」の特性を概観した上で,2013年に小中教員を対象に実施した「英語学習に関する実態調査」に基づき,英語授業における「困難さ」を明らかにする。また,巻末の資料に,学びのユニバーサルデザイン (UDL) の視点を踏まえながら,特別な支援を要する児童が在籍する通常学級での授業づくりへの手がかりを示したい。
著者
杉本 重雄 三原 鉄也 永森 光晴
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.359-363, 2018-10-01 (Released:2018-11-20)
参考文献数
11

東日本大震災に関する記録を集めたデジタルアーカイブが多く作られ、国立国会図書館はそれらのポータルとして東日本大震災アーカイブひなぎくを提供している。現在、こうしたデジタルアーカイブの利活用性の向上が求められている。本稿では、筆者等がこれまでの研究から得た知見に基づきメタデータの視点から東日本大震災アーカイブにおける利活用性の課題に触れ、さらに、オープンデータ環境を利用したアーカイブ内ならびにアーカイブ間でのコンテンツ集約による利活用性の向上について述べる。最後に、アーカイブのコンテンツを結ぶことによる利活用性向上について考察する。
著者
迫 宏明 坂之上 茂 吉門 敬二 児玉 英明 森脇 可奈子
出版者
京都産業大学
雑誌
高等教育フォーラム (ISSN:21862907)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.81-87, 2013-03

本稿では、グローバル化時代の高等教育制度に関する基礎的調査について報告する。「グローバル人材育成推進事業」の開始に伴い、グローバルキャンパスの実現に向けた制度構築の基礎的調査を行うことを目的として、2012年度の後期に、先進的な取り組みをしている大学へのヒアリングと、 フォーラム参加を行った。ここでは、調査から得られたポイントを三つ共有する。第一に、教育情報の公表義務化と大学ポートレート構想について、日本私立大学連盟主催セミナー「私立大学に必要とされる教育情報の公表」の論点を紹介し、本学が検討すべきことを提示する。第二に、創価大学主催セミナー「グローバル化時代の大学教育」で提起された論点の紹介と、本学が検討すべき事項を提示する。第三に、学内文書の英文化に関し、大阪大学と同志社大学の先進的な取り組みをヒアリングした際のポイントと、今後、本学が学内文書の英文化を進める上で留意すべき点について整理する。
著者
森口 奈津美 中村 卓
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.9, pp.471-479, 2013-09-15 (Released:2013-10-31)
参考文献数
23
被引用文献数
2 1

本研究では相分離の連続相構造に注目し,卵白連続相(C/P) ·両連続相(C||P) ·寒天連続相(P/C)の異なる3種類の連続相構造にさらに油を添加した相分離構造(o/w (C/P),o/w (C||P),o/w (P/C))とその破断特性の関係を明らかにすることを目的とした.全てのゲルにおいて,油相-水相界面には卵白の凝集ネットワークが存在していた.また,油は分散相中には存在せず,油滴として連続相中に分散相(o/w)として存在した.卵白連続相構造(o/w (C/P))では,油滴は卵白リッチ相に存在し,アクティブフィラーとして働いたため,ゲルの力学的強度が増加した.一方で,寒天連続相構造(o/w (P/C))では,油滴がインアクティブフィラーとして寒天リッチ相に存在していた.しかし,同じくインアクティブフィラーである卵白分散相も多数存在したため,破断特性において油添加による変化がなかった.また,両連続相構造(o/w (C||P))では油添加により,寒天リッチ相内に油滴を覆う卵白と寒天間のインアクティブな界面が新たに分散相として形成されたため,より脆弱なゲルになった.この様に,連続相と油滴界面の相互作用が油添加による破断特性の変化に影響することが明らかとなった.
著者
鈴木 宏正 原 雄司 瀬戸 康史 森田 修史
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.161-162, 2010

本研究では,プラスチック製品の加飾法の一つである革シボについて,そのデザインから加工をコンピュータで支援する方法について検討している.本発表では,現状技術のレベルを見るためのフィージビリティースタディーを行ったので,それについて報告する.ここでは,シボの凹凸データを合成し,高品質表示を行い,さらには金型の直彫り加工によって試作品を作成した.
著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008 (Released:2017-06-27)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.
著者
西森康則 y.nishimori
雑誌
データマイニングと統計数理研究会(第 12 回)

We review algorithms and theory of manifold learning in machine learning.
著者
葛西 順一 森 武 中野 昭一 油座 信男 飯本 雄二 吉田 和人 小林 一敏
出版者
早稲田大学
雑誌
早稲田大学人間科学研究 (ISSN:09160396)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.41-48, 1989-03-25

The purpose of his study was to investigate the speed and the accuracy of smash strokes of forehand in which conditions of various timing and hitting point in table tennis. Two male subjects participated in the world championships, and one of them participated in The 24th Soeul Olympic Games. The pictures of the action in hitting was recorded by a video cassette recorder while the reaction of three dimentional forces of forceplate and the wave of impact on the racket were synchronized on date recorder. The results obtained as followes. 1) The ball speed were between 17.6m sec. and 26.0m sec., and the accuracy were 69 % and 74 %. 2) Player with higher performance showed higher accuracy of smash strokes in front position trend to use his leg and arm more efficiently and sufficiently for make the distance the middle point of a circle of turning of trunk shorter. 3) Player with higher performance showed higher speed of smash strokes in middle position trend to use his leg and arm more efficiently and sufficiently for make the distance the middle point of a circle of turning of trunk longer. The results obtained were as follows. It was guessed that to control the distance the middle point of a circle of turning of trunk strongly influenced on the accuracy and the speed of ball smashed in front and middle position.
著者
プレマチャンドラ I.M 森村 英典
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.112-133, 1985-06

小切手現金化窓口で、平均50分にも及ぶ長い待ちが生じている。この銀行では、到着客はcashierのところで小切手を差出すと、番号札を渡されて待つ。cashierは何人かの客の差出した小切手の内容をscroll bookに書込むとそれをofficerに小切手とともに渡す。(step1) officerは小切手の正当性(預金残高が確かにあること等)を調べた後、支払承認のサインをscroll bookに記入する。(step2) bookに記入された小切手全部に対する承認が終ると、bookは再びcashierに戻され、番号札と引替に現金が支払われる。(step3) 通常scroll bookは複数なので、step2の作業が行なわれている間、step1の作業は、次の客の集団に対して、別のbookを利用して実行され、officerから処理済のbookが戻された時点で中断して、そのbookをstep2に廻し、cashierはstep3の作業にとりかかる。このように、この待ち行列システムは、step2のサービス終了によってstep1のサービス時間が規定され、それが集団の大きさを定め、次のサービス時間に影響する、という形で進行するのでかなり複雑であり、正面から確率論的取扱いをすることは難かしい。たまたま、長い待ちを生んでいる現状なので、流体近似モデルを作って解析を試みた。現実の挙動をできるだけ追うような形でシミュレーションモデルも作り、その結果と流体モデルからの結果とを比較すると、少なくとも現状程度の待ちのあるときは、かなり良く合う。そこで、流体モデルによって、待ちを減少させるために、一度にbookに書込む客の数をどのようにするのがよいかを考え、野放図にその数を増やさず一定に押さえる方がかえって良い結果の得られることを示した。また、このモデルは、流体近似の適用可能性を探る一例となると思われたので、サービス時間分布、サービス速度、初期時点における客数等を変えて計算値とシミュレーション値との相対誤差を調べてみた。この結果、初期時点から窓口が空くようなことが起こらない限り、トラヒック密度が1にかなり近くなっても、流体モデルはなお有効であろうとの見通しを得た。