著者
竹原 幸生 江藤 剛治 鈴木 直弥 高野 保英 森 信人 水谷 夏樹 THORODDSEN Sigurdur T.
出版者
近畿大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

大気-海洋間の気体輸送現象に対するホワイトキャップの影響を明らかにするため,3台の高速ビデオカメラを用いた画像計測法により,風波界面近傍の流れ場計測技術を開発し,ホワイトキャップが生じている近傍の流れ場を明らかにした.さらに,気流と風波発達の関係も画像計測により明らかにした.また,砕波により生じた気泡の特性を画像計測により明らかにした.さらに,全球規模での大気-海洋間の気体輸送に対する砕波の影響も現地計測データや衛星データを用いて評価した.
著者
高橋 誠 森本 哲介
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.170-172, 2015-11-20 (Released:2015-12-05)
参考文献数
10
被引用文献数
3 6

The present study developed a Japanese version of the Strength Knowledge Scale (SKS: Govindji & Linley, 2007), and investigated its reliability and validity. The participants were Japanese university students. An exploratory factor analysis showed a one-factor structure. Internal consistency and test–retest reliability were sufficient. The SKS was associated with subjective well-being, self-esteem, characteristic self-efficacy, character strength, and identity. The findings showed that the Japanese version of the SKS had substantial reliability and validity. Furthermore, in this study the SKS was related to holding strengths and identity.
著者
出口 康夫 藤川 直也 大森 仁 大西 琢朗
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

分析アジア哲学の国際的な共同研究を推進した。具体的には2017年6月に「Dialetheism and Related Issues in Analytic Asian Philosophy」を開催し、アジア思想における「矛盾」の哲学的・論理学的意義に関する討議を行なった。同会議には Graham Priest, Jay Garfield, Mark Siderits, Ricki Bliss, Filippo Casati ら本研究プロジェクトの海外協力研究者が多数参加したのに加え、Wen-Fang Wang, Chih-chiang Hu, Chi-Yen Liu, Chun-Ping Yen (以上、台湾), Kanit Mitnunwong (タイ)といったアジアの研究者も参加した。その後は、この会議を踏まえ、英文論文集発刊のための研究・編集作業を進めた。発表を審査した上で、一定の基準を満たした発表者に対して原稿執筆依頼を行なう一方、外部の執筆者にも寄稿を依頼し、2017年12月から2018年3月にかけて提出された論文について、現在、査読作業を進めている。一方、Jay Garfield, Graham Priest, Robert Sharf ら海外研究協力者と進めている共著 What Can't Be Said の共同執筆の作業も進めた。具体的には2017年6月に四者による集中WSを開催し、その後も、各自が、適宜、メールやスカイプ等を駆使して議論を継続しつつ担当章の執筆を進めた。その結果、2017年年末までには、全章の原稿がほぼ完成し、その後、細部の調整を経て、2018年3月には原稿をOxfold University Press (New York)に送付し出版を依頼したところ、ただちに編集会議で認められ、現在、外部審査員による査読が行なわれている。
著者
山本 由喜子 冨森 温子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.293-298, 1998-11-20
参考文献数
13
被引用文献数
1

常圧(約100℃)で, 30, 60, 180分間, または高圧(115または120℃)で10または30分間加熱して鶏骨スープストックを調整し, 成分含量, 透明度, 粘度を比較し, 官能検査を行った。また市販固形スープの素の成分含量とも比較した。その結果, 常圧での加熱時間が長いほど, また常圧よりは高圧のほうが, 総固形物, タンパク質, ヒドロキシプロリン(Hypro)溶出量が増加した。しかし, 5'-アデニル酸, 5'-イノシン酸は, 高圧加熱でやや低値を示した。また旨味成分であるグルタミン酸を含めてほとんどの遊離アミノ酸は, 常圧加熱よりも高圧加熱で増加傾向が見られたが, 120℃では115℃以上に増加しなかった。コラーゲンの溶出は, 加熱時間が長く, また加熱温度が上昇すると著しく, またコラーゲン含量とスープストックの粘度は正の相関を示した。高圧調理では, 成分の溶出量が多いにもかかわらず透明度が高かった。市販固形スープの素は総固形物量が多く, また5'-イノシン酸とグルタミン酸が非常に多くて他のアミノ酸類の少ないものもあり, 調理したスープストックとの呈味性の違いが示唆された。官能検査の結果, 100℃で180分加熱は鶏骨臭が弱く旨味が強い, 120℃で30分加熱は鶏骨臭が強い, 100℃で60分加熱は野菜の香りが強く旨味が弱い, という特徴が認められた。しかし総合的なおいしさは, 3つのスープストックの間に有意差がみられなかった。以上の結果, 鶏骨スープストックを高圧加熱で調理することにより調理時間を短縮させ, 成分の溶出を促進する効果を認めたが, 呈味性を強めたり嗜好性を高める効果は認めなかった。
著者
殷 福星 高森 晋 大澤 嘉昭 佐藤 彰 川原 浩司
出版者
公益社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会誌 (ISSN:00214876)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.607-613, 2001 (Released:2008-04-24)
参考文献数
19
被引用文献数
11 17

Control of noise and vibration remains to be solved for the lowering of environmental load in all the industrial fields. It is necessary to take account of the noise and vibration problem when designing machines or structures. Therefore the development of damping materials suitable for structural parts that are easy to process and recycle, is urgently required. Mn-Cu damping alloys show the most satisfactory mechanical properties and damping capacity among the developed damping alloys. The M2052 damping alloy, which has a nominal composition of Mn-20Cu-5Ni-2Fe (at%), shows both a high damping capacity and a high strength. The damping capacity of M2052 alloy increases to a high level below a certain temperature, and the damping level also varies sensitively to the changes in vibration frequency and strain amplitude. By the peak-shift method the thermal activation energy for the {101} twin boundaries responsible for the low-temperature damping peak is calculated to be 4.88×104 J/mol. The tensile strength of the alloy is 500 MPa, accompanied with a superior workability for practical applications. It is confirmed experimentally that M2052 damping alloy is quite effective in damping the intolerable vibrations when used as structural parts.
著者
山森 光陽 伊藤 崇 中本 敬子 萩原 康仁 徳岡 大 大内 善広
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.501-510, 2018-03-01 (Released:2018-03-16)
参考文献数
16

児童の授業参加や課題従事行動を,観察対象学級の児童全員について即時的・経時的に把握するために,身体の揺れ,すなわち身体が1秒間に繰り返し運動する回数(周波数)を指標とすることが有効と考えられる.本研究は,授業参加や課題従事行動を加速度計で計測された3軸加速度から求めた周波数で把握できるようにするために,授業中の児童の様々な行動と,それらの行動に伴う身体の揺れの周波数との対応を示すことを目的として実施された.小学校第3,5学年を対象に授業を模した活動を実施し,一般的な授業に近い形で様々な行動を起こさせ,各々の動きに伴う身体の揺れを加速度計で即時的・経時的に計測し,それらの周波数を求めた.行動の種別ごとに,各々の児童がとり得る周波数の最大値の範囲を一般化極値分布に当てはめて検討した結果,当該行動をとっているかを判断するための周波数の範囲が示された.さらに,課題従事とは見なせない児童の行動の周波数はほぼ0Hz であるか2.5Hz を上回るかのいずれかになることも示唆された.
著者
森 みゆき
出版者
尚絅大学
雑誌
尚絅大学研究紀要. A, 人文・社会科学編 (ISSN:21875235)
巻号頁・発行日
no.47, pp.149-170, 2015-03-31

明治期の日本において,一般大衆がどのように西洋音楽を受容したのか。可能な限り,その全体像を把握し実態に迫るために,地方都市の新聞における西洋音楽関連記事を網羅的に調査した。明治21年(1888年)創刊の九州日日新聞における記事,楽器や楽譜の公告,さらに楽器や演奏者のイラストが描かれた公告(薬や時計など)を調査し,時代順に一覧化した。
著者
本田 あゆこ 森地 茂
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.501-512, 1997-06-05 (Released:2010-06-15)
参考文献数
41

本研究は明治から戦前にいたる道路整備の過程の中で, 有料道路制度に関連する3つの事項, 道路の有料化の規定, 有料道路の経営方法, および有料道路の通行料金設定に対する当時の人々の考え方を, その特徴的なものを抽出し, 時代をおって整理し, それらが戦後の有料道路にどのような関連性を持つのかを考察したものである。
著者
飯塚 重善 高森 千恵子 山浦 美輪
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

将来の人間とロボットの共存のため,双方の円滑なコミュニケーション,インタラクションを実現するためのロボットのデザイン要件を導出することを目的に,SF映画を素材にして,ロボットと相対する人間の対ロボット心理を考察し,そこから,『70デザイン項目』をベースにしてロボットデザイン原則の導出を試みた.その結果,『70デザイン項目』に当てはまる項目を多数見いだすと共に,既存項目のロボット向けアレンジ,そして新たにロボット向けに必要と考えられるデザイン原則を提案するに至った.そして自律型ロボットに関して,インプリメントすべきと考える倫理的なデザイン項目を導出することができた.
著者
曹 蓮 杉森 伸吉 高 史明
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.1-10, 2017 (Released:2017-04-25)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

In this study, we investigated cultural differences in multisensory perception of emotion between Chinese and Japanese participants, focusing on mutual interference of visual and auditory emotional information. In this experiment, the face-voice pairs were consisted of congruent or incongruent emotions (e.g., a happy (an angry) face with a happy (an angry) voice in congruent pairs, and a happy (an angry) face with an angry (a happy) voice in incongruent pairs). Participants were asked to judge the emotion of targets focusing on either face or voice while ignoring the other modality’s information. In the voice-focus condition, the effect of to-be-ignored facial information was smaller in Japanese than Chinese participants, only when the participant and the target belonged to the same cultures (in-group). This indicated that Japanese people were more likely to be based on the voice information in multisensory perception of emotion of in-group. Our study illuminated that although both Japanese and Chinese people belonged to the Eastern culture, there were cultural differences in perceiving emotion from visual and auditory cues.
著者
冨森 崇
出版者
日本箱庭療法学会
雑誌
箱庭療法学研究
巻号頁・発行日
vol.26, pp.79-93, 2014

福島県は,東日本大震災において人類未曾有の地震・津波・原発事故・風評被害の4重苦に襲われた。特に原発事故による放射能汚染は,県民生活に大きな制限と分断をもたらし,今でもなお危機が続いている「イン・トラウマ」の状況にある。この状況下で福島県臨床心理士会は東日本大震災対策プロジェクトを立ち上げ,福島県からの委託事業,日本ユニセフ協会からの委託事業,ふくしま心のケアセンター等の県内外の多くの団体と連携・協力し,乳幼児とその保護者を対象に現地の団体だからこそできる地域に根ざした,自分たちにしかできない心理支援活動を展開してきた。本稿では,震災後の生活や福島県の現状,当プロジェクトの2年間の活動を報告する。