著者
横山 寿世理 ヨコヤマ スゼリ
雑誌
2010-2012年度科学研究費補助金(若手研究(B))研究成果報告書
巻号頁・発行日
2013-06

課題番号:22730401 アルヴァックス『集合的記憶』『労働階級と生活水準』『記憶の社会的枠組み』の文献研究を通じて、集合的記憶論の保存の役割を学説的に明らかにした。また、そのような集合的記憶論が、実際の集合的記憶事例を分析する際の方法論となり得るのかを検証するために、原爆文学批評を集合的記憶として考察した。
著者
巣山 晴菜 横山 知加 小松 智賀 野口 恭子 兼子 唯 鈴木 伸一 貝谷 久宣
出版者
一般社団法人日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 = Japanese journal of behavior therapy (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.87-97, 2013-05-31
参考文献数
19

本研究の目的は、「不安うつ病尺度(Anxious Depression Scale; ADS)」の開発であった。不安障害にうつ病を併発した患者114名、うつ病を併発していない不安障害患者153名、大うつ病患者80名、大学生97名を対象に質問紙調査を行った。ADSは「行動・情動症状」、「身体症状」、「攻撃的情動(動的情動)」、「非攻撃的情動(静的情動)」の4因子で構成され、内的整合性は高かった(α=0.72〜0.92)。また、ADSは他の対象者と比較して不安うつ病患者において有意に高得点であり、うつ症状評価尺度と中程度の正の相関関係にあった。以上の結果から、ADSは高い信頼性と妥当性を有することが明らかにされた。
著者
土屋 隆 横山 和也 小林 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.578, pp.7-13, 2000-01-21

各種メータ等の検針システム内で使用されるリードスイッチの磁石のバックラッシュに起因する誤作動を改善するために、感動値15AT以上において感動値と開放値との差(PI-DO)が5.5AT以上となるワイドディファレンシャルタイプのリードスイッチ設計を行った。 現在量産されている汎用型リードスイッチの寸法を基に、バネ部の厚さ、接点部の厚さ、オーバラップ、及び接点メッキ厚さについてシミュレーションを行った。その結果、開発目標を満足するリードスイッチの設計ができた。
著者
村上 敬宜 横山 ナンシー尚子 高井 健一
出版者
社団法人日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1068-1073, 2001-10-15
被引用文献数
10 23

The mechanism for fatigue failure in extremely high cycle fatigue in the regime of <i>N</i>>10<sup>7</sup> is studied on a bearing steel, JIS SUJ2. Special focus was given to the fracture morphology in the vicinity of fracture origin (subsurface nonmetallic inclusion) of a heat treated bearing steel (Specimen QT). The particular morphology looks dark during optical microscopic observation. Specimens with short fatigue life of the order of <i>N<sub>f</sub></i>=10<sup>5</sup> did not have such a dark area, ODA (optically dark area). To investigate the influence of the hydrogen trapped by nonmetallic inclusions on fatigue properties, specimens heat treated in a vacuum followed by quenching and tempering (Specimen VQ) were prepared. Specimens VQ contained 0.07ppm hydrogen as compared to 0.80ppm hydrogen for conventional Specimens QT. Specimens VQ had a slightly smaller ODA than Specimens QT. Hydrogen was detected by a Secondary Ion Mass Spectrometer around the inclusion at fracture origin of Specimens QT and Specimens VQ. Thus, it can be concluded that the formation of ODA is closely related to hydrogen trapped by nonmetallic inclusions. Estimations of fatigue limit by the √<i>area</i> parameter model based on the original size of inclusions for fatigue limit defined for 10<sup>7</sup> cycles are -10% unconservative. Considering the size of ODA into fatigue limit estimation, the √<i>area</i> parameter model can predict the mechanical fatigue threshold for small cracks without influence of hydrogen. The mechanism of duplex <i>S-N</i> curve is also discussed.
著者
横山 陽子
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書 (ISSN:18817165)
巻号頁・発行日
vol.240, pp.66-146, 2012-03-28

千葉大学大学院人文社会科学研究科研究プロジェクト報告書第240集「記録史料に関する総合的研究VII - 記録史料と日本近世社会VI -」菅原憲ニ 編"A Comprehensive Study on Historical Records and Archives - Historical Records and Archives in the Early Modern Japanese Society -" Report on Research Project No.240
著者
後藤康路 油井誠 横山昌平 小島功 石川博
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.16, pp.1-6, 2012-11-12

本論文では, KDDcup 2012 track2 の商用検索エンジンの大量検索ログからの広告クリック率予測タスクを MapReduce 処理系である Hadoop 上で確率的勾配降下法 (Stochastic Gradient Descent) を用いて解いた事例を示し,大規模機械学習を実践的システムに適用したことにより得られた知見を示す.本論文の核となる貢献は,確率的勾配降下法による大規模なオンライン学習を Hive/Pig 上でそれぞれ実現した事例を示し,課題となる問題とその対処法などを明らかにすることにある.また, Hadoop 操作系として代表的な Hive と Pig について,それぞれの特徴,言語体系の違いによる学習器の実装への影響,性能差を述べる.
著者
折津 政江 横山 英世 野崎 貞彦 村上 正人 桂 戴作
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.39, no.8, pp.595-602, 1999-12-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

心療内科受診者を対象に, ストレス耐性度チェックリスト(STCL)を施行した.信頼性分析のほか, 因子分析で得られた結果を第1報で報告した健常群で得られた結果と比較検討し, さらに判別分析を行った.平均得点は健常群より有意に低く, 判別分析では, 判別率77.8%で異なる群として有意に分けられた.因子分析では, 「明朗・積極性」「対人寛容性」「自己不確実性」「自己本位」「過緊張」の5因子が抽出された.ストレス耐性をストレッサーに対し, 調和的かつ適正に認知・評価し対処する機能と考えると, STCLはストレス耐性度をある程度推測することができるものと思われたが, より正確に測定するために, 追加すべき要因のほか, 対象の見直しやストレッサーやストレス反応との関連などの検討を重ねることが必要であろうと考えられた.
著者
横山 亮一
巻号頁・発行日
2013

Thesis (Ph. D. in Engineering)--University of Tsukuba, (B), no. 2623, 2013.1.31
著者
阿部 香澄 岩崎 安希子 中村 友昭 長井 隆行 横山 絢美 下斗米 貴之 岡田 浩之 大森 隆司
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.263-274, 2013 (Released:2013-05-15)
参考文献数
29
被引用文献数
4

There has been many problems in situations surrounding children such as child neglect, deterioration in the quality of play, etc. We believe that robotic playmates would greatly help to solve these problems. In this paper we propose a playmate robot system that can play with a child. Unlike many therapeutic service robots, our proposed playmate system is implemented as a functionality of the domestic service robot with a high degree-of-freedom. This means that the robot can play with children at a high level, i.e., beyond a therapeutic effect, using its physical features. To sustain the player's interest in the system, we also propose an action selection strategy based on a transition model of the child's mental state. The robot can estimate the child's state and select an appropriate action in the course of play. Part of the proposed algorithms was implemented on a real robot platform, and experiments were carried out to design and evaluate the proposed system.
著者
ナマンガラ ボニフェス 横山 直明 池原 譲 田口 修 辻村 邦夫 杉本 千尋 井上 昇
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.70, no.8, pp.751-759, 2008-08-25
参考文献数
35
被引用文献数
5

アフリカトリパノソーマ症(AT)は家畜およびヒトの健康を著しく損なう,獣医学および医学上きわめて重要な熱帯原虫病である.しかしながらATに有効なワクチンおよび安全な治療薬はない.野生動物やアフリカ在来品種のウシではATに自然抵抗性を有することが知られているが,獲得免疫によるAT抵抗性メカニズムは不明である.本研究ではTrypanosoma congolense (Tc)急性感染期マウスにおけるCD4/CD25陽性T細胞の役割を,抗CD25モノクローナル抗体(抗CD25)処置によって同細胞群を選択的に排除することで解析した.その結果,抗CD25処置群では感染初期の末梢血液中におけるTc増殖が有意に抑制され,生存日数の延長が観察された.また,抗CD25処置群のサイトカイン応答ならびにTc抗原特異的抗体応答はいずれも対照群とは逆にTh1タイプに偏っていた.以上の結果はTc感染抵抗性に感染初期のTh1タイプ免疫応答活性化が必要であることを示唆している.
著者
林 達郎 周 向栄 陳 華岳 原 武史 藤田 広志 横山 龍二郎 兼松 雅之 星 博昭
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.4, pp.451-457, 2008-08-10 (Released:2009-01-21)
参考文献数
11

The number of osteoporosis patients is increasing every year in Japan. Bone mineral density (BMD), which is the helpful feature quantity in diagnosing osteoporosis, is generally measured in the central part of the vertebral body. It's possible to measure BMD at each location in X-ray CT images having a high spatial resolution. If bone mineral density of the vertebral body is not homogeneous, grasp of the lower BMD location inside the vertebral body may be helpful to clinical diagnosis. In this paper, using X-ray CT images of 80 subjects (40 male and 40 female subjects), BMDs of trabecular bones from the 12th thoracic vertebra to the 1th sacral vertebra (S1) were measured at each location. The present study showed that anterior and central locations of thoracolumbar and lumbar vertebra, and posterior, inferior, and central locations of S1 had lower BMD values. Therefore, at the thoracolumbar and lumbar vertebra, if the BMDs of anterior or central locations are selectively measured, prediction of fracture risk at vertebral bodies could be improved.
著者
斎藤 秀紀 菱沼 透 横山 詔一 柳沢 好昭 大坪 一夫
出版者
国立国語研究所
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

本年度は、次ぎに示す4項目の研究を行った。(1) 「漢字符号への二律背反機能の実装」現在、使用されている漢字符号には、種々の機能不足が指摘されている。代表的な事柄には、使用できる文字の拡張に対する要望と、適正規模の文字集合による処理の効率化の対立がある。本報告は、これらの対立する二つの関係を構造化4バイトコードに要求する機能として、構造の要素と構造および構造間の関係を使い規定する方法を述べた。(2) 「インターネットでの日本語教育リソース提供の試み」本研究では,海外で日本語教育大学機関及び富士通と日立ソフトエンジニアリングの協力を得て,協働学習による日本語学習リソースの授受を試行した。これにより,日本語学習リソース提供についての幾つかの課題は,受信側である現地機関側のコンピュータ及びネットワーク環境の整備,送受信双方で使用できるツールやユーティリティの選択,発信側のデータの作成方法の検討により解決することが判明した。(3) 「『新聞電子メディアの漢字』調査について」実際の新聞紙面とそのCD-ROMを詳細に照合して漢字の出現頻度を調査した。紙面に出現したJISにない漢字(JIS外漢字)254字については、TrueTypeFontoを開発し、合計6.611文字の漢字頻度表を作成した。(4) 「中国語情報科学用語における漢字の特性」日本語と中国語の情報科学用語を比較した場合、日本語はカタカナ表記の語が多いのに対し、中国語は漢字表記である。表記上の差異は、中国人の日本語学習者に負担となっている。表記上の差異に関わらず、日本語・中国語とも出自はほとんどが英語である。以上の考え方に基づき英語(原語)を媒介として中国語漢字とカタカナ語を含めた日本語の情報科学用語との対応を調べ、中国漢字1字との対応表を作成した。
著者
小林 甫 ボロフスコーイ ゲンナデ ストレペートフ ヴィクト ベルナルディ ロレンツォ メルレル アルベルト デイアマンティ イルヴォ サルトーリ ディアナ グリサッティ パオロ ネレシーニ フェデリコ カヴァリエーヴァ ガリー カンコーフ アレクサンド 上原 慎一 横山 悦生 田中 夏子 土田 俊幸 新原 道信 浅川 和幸 小内 透 所 伸一 杉村 宏 木村 保茂 クム ソフィア コルスーノフ ヴィクトル KORSUNOV Victor KONKOV Alexander BOROVSKOI Gennadi STREPETOV Victor DIAMANTI Ilvo BERNARDI Lorenzo リム ソフィア カヴァリョーヴァ ガリー ディアマンティ イルヴォ グリサッテイ パオロ 山口 喬
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

昨年度までの研究によって、非重工業化地域の内発的な産業・社会の発展を将来的に担う、青年層における青年期自立の内実は、職業的自立と社会的自立との相互連関を追求することで考察しうることを確認した。本年度はそのことを、3カ国の青年層に対する「共通調査票」を作成して、定量的に分析することに主眼を置いた。イタリアでは、ヴェネト州内の国立技術高校、職業高校(ヴィチェンツァ市)、私立の職業訓練機関(ヴェロ-ナ市)の生徒を対象とした。サハリンでは、ユジノサハリンスク市、コルサコフ市の職業技術学校、普通科高等学校/リチェ-イの生徒、失業地帯マカロフ市の職業技術学校生と失業青年を取り上げた。日本は、北海道・長野県・岐阜県の工業高校生、東京の工業高等専門学校生、そして北海道と岐阜県の職業能力開発短期大学校生を選んだ。教育階梯差と地域差を考慮してである。この国際共通調査の結果を含め、2年数か月の研究成果を持ち寄り、国際研究報告会を札幌で行った(平成6年10月6日-11日。イタリアの報告4、ロシア3、日本6)。イタリア人の報告によれば、工業や手工業を学んでいる青年層は、現在校を自ら選んで入学し(学科への興味、技術・技能の習得など)、卒業後は家業を継ぐか、自らによる起業を望んでいる。ロシアにおいては、不本意入学的な職業技術学校生と、“意欲"を示す高校生/リチェ-イ生に二分されるが、卒業後の進路としては、いずれも第一次・第二次産業を志向せず、第三次産業の何かの部門を熱望している(銀行、商業、貿易など)。小売業、旅行業、漁業の中小企業を希望する者も25-30%いる。日本では、教育階梯差に関わりなく、一定の不本意入学生を含みつつ、おおむねは「就職に有利だ」という理由で入学し、(イタリア、ロシアと同じく)厚い友人関係を保持している。しかし、卒業後の進路には地域差が見られる。中小企業の選択は各々3分の1程度だが、他の地域への転出希望において北海道(工業高校生、ポリテクカレッジ生)、城南の中小企業地帯出身者が多い東京の高専生に高かった。対極に、岐阜(工業高校、ポリテクカレッジ)と長野とが来る。岐阜県では名古屋など愛知県内への通勤希望も多い。-だが、生活価値志向においては、日本(4地域)とイタリアには大きな違いは存しない。いずこにおいても、自由時間、家族、友情、愛情に高い価値を置き、やや下がって仕事が位置づく。シンナーや麻薬、理由のない暴力、汚職を否定し、結婚前の同棲を許容する。しかし、ロシアでは、高い価値の所在はほぼ同じだが、許し難いことの上位に、親や友人を援助しないことが入り、戦争時の殺人が許容される。ここには、ロシア(サハリン)的な生活上の紐帯と、反面での国家意識とが発現している。ところで、こうした共通の生活価値の存在は、一方では、若い世代が「市民社会」的なネットワーキングを形成しつつあることを示唆する。しかし、他方、職業的な価値志向としては“分散"することもまた事実である。私たちは現在、両者の相互関係の規定要因を見いだすべく分析を重ねているが、重要な要素として注目すべきは、「SOCIAL ACTORS」である。それは、イタリアでは「職業訓練-公的雇用斡旋(学校は不関与)-家族文化-労働組合-他のアソシエーション(社会的サービス分野でのボランティア)-地方自治政府」の連鎖として理解されているものである。青年層は、その生活価値・職業価値を、このような連鎖のなかにおいて、各自がそれぞれ意味づけてゆく。かつほぼ30歳位までは、多くの職業・職場を移動し、自らの“天職"を見いだすのだと言う。またロシアにおいても、1991年以前においては、90%以上の青年が第10学年まで進学して職業訓練を受けるとともに、アクタヴリストーピオニール-コムソモ-ルなどで社会生活のトレーニングを積み、同じく30歳位が各人“成熟"の指標であった。-こうしたイタリア、旧ロシアに対し、日本社会での青年期自立(職業的かつ社会的自立)の「SOCIAL ACTORS」は、企業内の教育・訓練が担ってきたとされる。だが、高等教育機関への進学率の上昇のなかの青年層は、アルバイトなどの学外生活を含む学校生活をそれに代用させているとも言い得る。この点の追究が、次回以降の研究テーマを構成する。