著者
居倉 博彦 児玉 光司 池田 俊太郎 橋田 英俊 桑原 大志 岡山 英樹 原 裕二 重松 裕二 小原 克彦 濱田 希臣 日和田 邦男 藤原 康史
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.619-622, 1997-06-15

症例は47歳,男性.1995年4月22日午前7時頃,くしゃみをした直後に前胸部圧迫感が出現した.痛みは約15分続いた.さらに,同年5月16日午前7時頃,くしゃみをした直後に前胸部圧迫感が生じた.その際,便意も催し,排便後に失神したが,意識は10分弱で同復し,胸痛も消失した.近医の紹介により同年5月29日に当院に入院した.6月1日に冠動脈造影検査を施行,コントロール造影では両側冠動脈に器質的狭窄を認めなかったためアセチルコリン冠攣縮誘発試験を行った.その結果,右冠動脈,および左回旋枝は完全閉塞し,それに伴って胸部圧迫感と心電図上ST上昇を認めた.以上より異型狭心症と診断した.以後,抗狭心症薬の投与により狭心症発作は一度も起きていない.本症例は狭心症発作の前駆症状にくしゃみを認めた稀な症例である.
著者
柳本 彰仁 池田 清宏 赤松 隆 河野 達仁 八巻 俊二
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.191-196, 2007-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
7
被引用文献数
1

輸送費の変化による工業の都市集積現象のメカニズムを表現したKrugmanの提案したモデルは, 複数の均衡解を持つことが知られている. しかし, 地域 (都市) 数が2と3の場合については, その特性に関する多くの分析がなされているものの, 都市数が更に増加した場合における輸送費変化による人口の空間的 (地域・都市間) 集積・分散パターンの分析に関しては十分な知見が得られていない. そこで, 本論文では, Krugmanモデルを円周上に位置する同一の人口を持つ多都市モデルへと拡張し, 計算分岐理論による数値解析法により, その可能な解を網羅的に求め, その適用可能性を示す.
著者
平川 経晃 小寺 良尚 福田 隆浩 公益財団法人日本骨髄バンク 黒澤 彩子 田島 絹子 山崎 裕介 池田 奈未 小島 裕人 田中 秀則 金森 平和 宮村 耕一
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.153-160, 2018

<p>骨髄バンクコーディネートにおける実情把握を目的として,2004年1月~2013年12月に日本骨髄バンクへ登録された患者18,487人,ドナー延べ223,842件の解析を行った。末梢血幹細胞移植例は除外した。移植到達患者あたりのコーディネート件数の中央値は11件,登録から移植までの日数中央値は146日,登録患者の40%が移植未到達であった。HLA6/6抗原フルマッチドナー推定人数が多い場合に,移植到達率が上昇し,移植到達日数が短縮した。ドナー側のコーディネート終了理由は年齢・性別で異なり,20代男性ドナーは健康理由による終了率が低く,ドナー都合による終了率が高かった。複数回コーディネートを受けたドナーのうち,前回の終了理由が患者理由の場合,ドナー理由で終了した場合と比較して採取到達率が高かった。本結果を基盤情報として,より効率的で迅速なコーディネートを目指した施策の検討が必要であると考えられた。</p>
著者
池田 孝則
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 : FOLIA PHARMACOLOGICA JAPONICA (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.527-538, 2003-12-01
参考文献数
35
被引用文献数
2 39

イベルメクチン(ストロメクトール)は放線菌<i>Streptomyces avermitilis</i>の発酵産物アベルメクチン類から誘導された半合成の環状ラクトン経口駆虫薬である.イベルメクチンは線虫<i>Caenorhabditis elegans</i>(<i>C. elegans</i>)の運動性を濃度依存的に阻害した.<i>C. elegans</i>の膜標本には,イベルメクチンに高親和性の特異的結合部位が存在し,イベルメクチン類縁体のこの結合部位に対する親和性と<i>C. elegans</i>の運動抑制作用の間には,強い正の相関が認められたことから,イベルメクチンの抗線虫活性には,本部位に対する結合が重要であることが示唆された.<i>C. elegans</i>のpoly(A)<sup>+</sup>RNAをアフリカツメガエルの卵母細胞に注入すると,イベルメクチンにより不可逆的に活性化されるクロライドチャネルの発現が確認された.本チャネルの薬理学的性質から,イベルメクチン感受性のチャネルはグルタミン酸作動性クロライドチャネルであることが示された.このグルタミン酸作動性クロライドチャネルについては,2つのサブタイプ(GluCl-&alpha;およびGluCl-&beta;)がクローニングされ,それらがグルタミン酸作動性クロライドチャネルを構成していることが示唆された.以上の結果からイベルメクチンは,線虫の神経又は筋細胞に存在するグルタミン酸作動性クロライドチャネルに特異的かつ高い親和性を持って結合し,クロライドに対する細胞膜の透過性が上昇して神経又は筋細胞の過分極を引き起こし,その結果,線虫が麻痺を起こし死に至るものと考えられた.ヒツジおよびウシの感染実験において,イベルメクチンは,<i>Haemonchus</i>,<i>Ostertagia</i>,<i>Trichostrongylus</i>,<i>Cooperia</i>,<i>Oesphagostomum</i>,あるいは<i>Dictyocaulus</i>属に対し,投与量に依存した強い駆虫効果を示した.糞線虫属<i>Strongyloides</i>に感染したイヌ,ウマおよびヒトに対しても,駆虫活性が報告されている.本邦における第III相試験では,糞線虫陽性患者50例を対象に本剤約200 &micro;g/kgが2週間間隔で2回経口投与された.投与4週間後に実施された2回の追跡糞便検査による駆虫率は98.0%(49/50例)であった.<br>
著者
中川 孝之 光山 和彦 鵜澤 史貴 神原 浩平 池田 哲臣
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.9-12, 2010
参考文献数
4
被引用文献数
2

筆者らは、ロードレース中継等の映像素材伝送で用いる800MHz帯FPUシステムの伝送容量増加や高信頼化をめざして、MIMO-OFDMの研究開発を行っている。これまで、MIMO-OFDMの中でも時間と空間のダイバーシティを利用する時空間トレリス符号(STTC)に着目し、16QAMで64状態のSTTCを提案して、ロードレースを模擬した伝搬環境で2送信2受信の時空間トレリス符号の伝送シミュレーションや基礎実験を行ってきた。本稿では、昨年暮れに広島駅伝コースで伝送実験を行い、MIMO伝搬チャネルの解析と提案する2×2 STTC-MIMO-OFDMの伝送特性を評価し、あわせて試作装置の性能確認を行った結果について報告する。
著者
西村 直也 柳 宇 鍵 直樹 池田 耕一 吉野 博 斉藤 秀樹 斉藤 敬子 鎌倉 良太 小畑 美知夫
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.175, pp.1-8, 2011-10-05 (Released:2017-09-05)
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究は医療施設における室内空気環境の維持管理のあり方について検討することを目的とする。第1報では調査の詳細および冬期、夏期における計18件の病院の外来待合室、事務室および病室に対する建築物衛生法の測定方法に準じた空気質の実測調査結果を示した。また第2報では浮遊微生物濃度の実態を明らかにした。第1、2報では建築物衛生法の環境基準値およびHEAS指針値を超過する室が多く見られ、適切に運用するためには、空気環境について定期的に監視することが有効であるという見解が得られた。本報では、温熱環境、空気質について連続測定や定量分析を行うことによって、より詳細に実態の解析を行った。その結果、室によっては温熱環境の日中変動が大きいこと、室内の浮遊粉じん濃度が外気の濃度に大きく影響を受けていること、VOC類の濃度は概ね低く抑えられているものの、DEGEEやカンファーなどが特徴的に検出されることなどを確認した。
著者
池田 清志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. US, 超音波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.345, pp.23-26, 2005-10-13
参考文献数
12

本論文では、VHF帯超音波光回折効果を用いた溶液濃度測定について述べている。駆動超音波周波数には、9MHzPZTトランスジューサーの高調波で生じる30-100MHzを用いた。試料溶液として、0.0-20.0% NaCl溶液と蔗糖溶液を用いた。AOセルで偏向された輝点を距離検出器により、トラッカ電圧V_Tに変換して、溶液濃度を測定した。NaCl溶液のトラッカ電圧感度は、第9高調波94.02MHzで、139.1mV/%となった。蔗糖溶液の感度は、第9高調波94.02MHzで、47.1mV/%となった。この感度は、9-30MHzのRaman-Nath回折を利用した時より、約11.2倍改善された。NaCl溶液の電圧感度の周波数依存性の比例係数は、1.23mV/%MHzを得た。

1 0 0 0 頼山陽と酒

著者
池田 明子
出版者
日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 = Journal of the Brewing Society of Japan (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.108, no.1, pp.32-36, 2013-01-15

筆者は著書「吟醸酒を創った男」で,この業界に知られる作家。北陸の古都・金沢に生まれ育ち,広島へ嫁いだのち,賴山陽に傾倒し著作も多い。「山紫水明」は山陽発明の語,山陽の晩酌は「酒に自分好みに水をブレンド」していた由。本解説を楽しく味わっていただきたい。
著者
池田 裕子
出版者
教育史学会
雑誌
日本の教育史学 (ISSN:03868982)
巻号頁・発行日
vol.59, pp.058-070, 2016 (Released:2017-04-03)
参考文献数
36

This paper analyzes agricultural education in Karafuto through an examination of the reorganization of the Karafuto Prefecture Colonial School established in 1934.This colonial school was the first prefectural school to offer vocational education. It was modeled on the private educational institution run by Yokoo Sosaburo, the first minister of Agriculture and Forestry in Karafuto. The purpose of this school was to provide an education to nurture middle-class farmers; hence it focused on the teaching of practical skills in agriculture in the subarctic zone as well as preparing students mentally for the region’s harsh labor conditions.In the first year, it fulfilled the minimum quota of students but in the following years it did not succeed in doing so. The two main reasons are: 1) the overemphasis on the teaching of practical skills, a fact that made it difficult to educate farmer leaders; and 2) Karafuto agriculture did not receive sufficient government subsidies to withstand the harsh labor conditions. IN an attempt to change this situation, Karafuto Prefecture promoted this school to an ‘official’ vocational school in 1939. With this reorganization, the school’s purpose shifted from its initial role of promoting social mobility through the teaching of practical agricultural skills to training middle-class farmers to be farmer leaders.The colonial school was established as an institution that, different from the modern schools that focused on the teaching of theoretical knowledge, prioritized the teaching of practical skills in agriculture; nevertheless it is possible to say that this type of ‘special’ vocational school was not perceived as providing a more attractive education than ‘official’ vocational schools.
著者
池田 輝久
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンピュ-タ (ISSN:02854619)
巻号頁・発行日
no.550, pp.162-165, 2002-06-17

ビジネスと映画は同じである。多くの人物が登場し,様々な行動をし,クライマックスへ向かっていく。営業担当者やプロジェクトマネジャは,自分が主役になれる,ビジネスのシナリオを1枚の紙にまとめ上げるべきである。そして,シナリオに沿って先手先手の活動を展開していく。重要な案件のシナリオ・チャートは必ず壁に張って,関連するメンバーの人たちと共有する。