著者
藤井 さやか 大澤 昭彦 小泉 秀樹 中井 検裕 中西 正彦
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.73, no.634, pp.2801-2802, 2008-12-30

There are two published refereed papers on Height Limitation of Building by Highest Limited Height Control Zone. Your paper contains many similarities with these papers. The similarities are not only same writings but also analytical flames and tables that those papers investigated. The question is raised why these papers are not listed as references on your paper.
著者
菊地 穂澄 矢吹 剣一 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.1056-1062, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
15

本研究では、全国の市区町村を対象として、土地所有、取引に関するデータを複合的に用いた分析を行い、土地取引が停滞している地域の偏在と、その流動に影響を与える要因を推定した。その結果として、土地取引の流動の沈滞は、既存ストック量などによる調整を行ったうえでも、特に山間部などの条件不利地域において顕著にみられることが分かった。また、同じ既存戸建て住宅でも持ち家と借家とでは取引の傾向が異なることなど、ストックの所有、利用の形態による流動の違いも明らかとなった。土地取引に限らない、不動産の流動の実態をより詳細に分析、解明することで、人口減少時代における戦略的な空き家対策の立案に貢献することが期待される。
著者
ウォンダラ ハルシット 鈴木 茜 竹中 大貴 磯部 裕汰 岡本 亮太 松坂 大和 真野 知也 三木 裕子 山崎 嵩拓 泉山 塁威 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画報告集 (ISSN:24364460)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.318-323, 2020-12-04 (Released:2022-06-08)
参考文献数
6
被引用文献数
1

2020年、COVID-19流行時に生活行動が制限されている中、都市公園は運動や休息する場所として利用することができた。しかし、一部の公園では、密集状態を避けるために遊具などのパークコンテンツを封鎖する対応がとられていた。感染症蔓延の状況下において公園利用を継続するためには、公園内の密集防止措置を講じる必要がある。本研究は東京都内の7か所の公園を対象に、パークコンテンツに着目して利用実態及び密集状況を把握した。その結果として、遊具および観覧を伴う広場では密集度が高い傾向が示された。それを踏まえた密集を防ぎながら公園利用を可能とする方策を考察した。
著者
秋月 優里 真鍋 陸太郎 村山 顕人 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.303-310, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
11

近年、移動販売は大きく2つの文脈で議論されている。1つ目は、自動運転などの新しい技術を導入した無人移動店舗構想であり、2つ目は買い物弱者対策としての移動販売である。この研究では、これら2つの文脈におけるギャップを指摘し、移動販売が都市空間をどのように利用しているかについて、異なる市街地タイプを有する4つの都市部・郊外部において事例調査を行った。事例調査を通して、1)移動販売は地理的環境や社会的環境に応じて様々な空間を停留所として使いこなしていること、2)移動販売の停留所決定方針は事業によって異なり、それぞれで空間を利用するために工夫を施した事業スキームが活用されていること、3)移動販売が⼀時的に場所の性質を転換させ、単に買い物だけではなく利用者間あるいは利用者とスタッフ間のコミュニケーションの場として機能していることが明らかとなった。
著者
姥浦 道生 小泉 秀樹 大方 潤一郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
no.37, pp.811-816, 2002-10-15
参考文献数
11
被引用文献数
2

本研究においては、ドイツ・ノルトライン-ヴェストファーレン州において大型小売店舗の建設誘導計画を通じた立地コントロールの実態を調査・分析している。結論としては、まず立地コントロール規準の適合性の判断に関し、判断資料となる数値の導出過程が明示的ではないこと、及び規準が抽象的なため主体によって適合性の判断基準が異なることが、明らかになった。また、これらの帰結として異なる結論の意見書が出されていたが、それらを専門的観点から調整する場は存在していないことが明らかになった。さらに、一方ではこの立地コントロール規準が、実質的には政治的な裁量の枠を限定していることも明らかになった。
著者
輿石 彩花 後藤 智香子 新 雄太 矢吹 剣一 吉村 有司 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.1355-1362, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
36
被引用文献数
3 3

コミュニケイティブプランニングの普及に従い、都市計画やまちづくりにおいて住民参加の重要性が高まっている。本研究では、2020年にバルセロナから日本に導入された住民参加のためのオンラインプラットフォーム「Decidim」に着目し、3つの先進的な事例からDecidimの日本での活用実態を明らかにする。導入者へのインタビューやDecidim上のコメントの分析から、Decidimの利用における効果や課題を明らかにした。日本では、様々な目的や方法でDecidmが導入され、参加の間口を広げることに寄与していた。一方で、行政や住民による受け入れ体制やDecidimの「使い方」、カスタマイズ方法に課題があることが明らかになった。日本におけるDecidimは、熟議のためのツールではなく、共感のためのツールであると言える。
著者
原田 裕典 真鍋 陸太郎 小泉 秀樹 大方 潤一郎
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.79, pp.99-104, 2012 (Released:2017-06-29)
参考文献数
3

Nowadays neighboring shopping districts in residential area distant from railway stations are in hard condition because of the motorization and the changing of the lifestyle. However, in the aged society these neighboring shopping districts may play impotant roles such as the place for not only shopping but also gathering and communicating. The purpose of this study is to clarify the significance of these neighboring shopping districts and the problems with the sustainability of them. The results are as follows; 1) Most of these neighboring shopping districts are in decline and do not have enough shops of perishable foods. 2) Whether declining or not, some people come to enjoy the shopping and communication with the shopkeeper. 3)The existence of a leader affects on the effectiveness of the projects in these neighboring shopping districts.
著者
鈴木 茜 矢吹 剣一 後藤 智香子 新 雄太 吉村 有司 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.926-932, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
20

今日、人々の「居場所」は、フィジカル空間のみならずサイバー空間にも存在すると言えるが、サイバー空間を含め人々がどのような「居場所」を持っているのかは、明らかになっていない。本研究では、サイバー空間およびフィジカル空間に形成される人々の「居場所」の様相を、「居場所」の特性と心理的側面に着目して明らかにすることを目的とする。本研究では、サイバー空間/フィジカル空間、個人的/社会的で4つに分類した「居場所」のタイプおよび空間・場の種類によって、「居場所」の心理的機能が異なることがわかった。さらに、調査結果に基づき、サイバー空間とフィジカル空間で「居場所」における違いをもたらす8つの視点を提案している。
著者
泉山 塁威 中島 伸 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1223-1230, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究では、「神田警察通り賑わい社会実験2017」を対象とし、社会実験の参加型プロセスを整理し、またアクティビティ調査による公共空間活用の可能性の検証を行うことで、「参加型社会実験手法」について考察し、課題と留意点を明らかにするを目的とする。2章では、「神田警察通り賑わい社会実験2017」のプロセスから、「参加型社会実験」プロセスを整理し、成果と課題を明らかにする。3章では、「神田警察通り賑わい社会実験2017」のアクティビティ調査結果から公共空間活用の可能性の検証を行い、成果と課題を明らかにする。4章では、2章、3章で得られた参加型社会実験プロセスと公共空間利活用の成果と課題から、「参加型社会実験手法」の考察を行い、課題と留意点を明らかにする。
著者
千々岩 芳朗 金澤 和貴 戸倉 晋 泉 秀樹
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.89-90, 2022-03-25 (Released:2022-05-06)
参考文献数
9

100歳以上の大腿骨近位部骨折9症例9股の術後生命予後と歩行能力の変化について検討した.術後30日以内死亡率は22.2%で,平均余命は1.77年であった.術後歩行再獲得率は43%であり,術前より約1.3段階の歩行能力の低下を認めた.100歳以上の超高齢者であっても生命予後及び術後歩行再獲得率が有意に低下するわけではなく,充分な術前評価と周術期管理を行った上で積極的に手術療法を行うべきであると考えられる.
著者
小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.133-138, 1992-10-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
7

THE PURPOSE OF THIS ARTICLE IS TO KNOW HOW THE CONDITIONS OF THE LOCATION OF BUSINESS , SUCH AS THE ACCESSIBILITY TO EXISTING MAJOR BUSINESS DISTRICTS DENSITY OF THE BUILDINGS AND THE RATIO OF THE ROAD , EFFECT ON THE MIXED LAND USE , HOW WE SHOULD SELECT RESIDENCE-BUSINESS MIXED LAND USE AREA WITH THESE THREE INDICES AND HOW WE DEAL WITH THE SELECTED AREAS CORRESPONDING TO THE CHARACTERS EACH DISTRICT HAS.
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.113-121, 2021
被引用文献数
2

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の公園を活用して施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目する。そして、行政の保育施設整備担当者と住民へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の手続きや要件について考察する。具体的には、各事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、公園の状況(空間面・利用面)、施設計画、行政が当該公園を選択した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、地域住民参加型の計画プロセスの必要性、公園の利用実態や場所の価値の把握の必要性、残された公園の管理運営や代替公園の整備もあわせて計画する必要性という観点から整備の手続きと要件を考察した。</p>
著者
後藤 智香子 近藤 早映 林 和眞 小泉 秀樹 三木 裕子 辻 麻里子
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1168-1175, 2019
被引用文献数
1

<p>近年、保育施設の開設を巡って地域社会から反対の声があがっている状況を踏まえ、本稿では特に住宅市街地内の民有地を活用して民間事業者が施設を整備した際に地域社会から反対の声があがった事例に着目し、複数主体(行政担当者、事業者、地域住民)へのインタビュー調査をもとに整備の実態を明らかにした上で、整備の方法について考察することを目的とした。具体的には、3事例について、保育施設整備に関する自治体の計画、事業者、当初計画地の立地状況(地域の空間状況、社会状況)と施設計画、事業者が当該敷地を選定した理由と経緯、地域住民への計画公表から収束までの経緯、争点と対応、開設後の状況に着目して、整備の実態を明らかにした。最後に、都市計画などと連携した立地計画の必要性、地域単位での敷地の検討の必要性、近隣住民の声と地域の公共性とのバランスという観点から整備の方法について考察した。</p>
著者
石塚 禎幸 李 鎔根 大月 敏雄 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.317-322, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
5

市街化区域内農地はあるべきものとして施策が見直された。本研究においては、農地の転用を公共交通利便性、人口構造の視点で捉え評価することを特徴とする。公共交通利便性の劣る地域で生産緑地から集合住宅への転用比率が高いことが明らかになった。またケーススタディにより徒歩圏外の住宅系用途への農地転用より人口増加、子育て世代の増加がみられ、集合住宅への転用が多い地区は就学前児童の増加がみられた。ただし徒歩圏外のより広いエリアで見ると住宅系への農地転用が年代別人口に与える影響は限定的である。
著者
小池 リリ子 瀬田 史彦 小泉 秀樹
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1161-1168, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
10

シェアビレッジプロジェクトは個人では維持が困難になった地域で思い入れがある古民家を、会員制民宿ネットワークとして活用し、多くの人々によって維持していこうという取組で現在秋田県五城目町と香川県三豊市仁尾町に開設されている。本プロジェクトによって古民家が開かれた地域や首都圏に在住する会員の関わり方にどのような変化があったのかを知るため、各地域で合計66名に対しインタビュー調査を行い、その回答からコミュニティの構成員を属性別に分け、グループ対グループのグラフ解析を行った結果、プロジェクト開始前後の人々の関わり方について、地域と首都圏の会員の繋がり以外にも、コミュニティの各グループが関わる新たな結びつきが見られた。このプロジェクトの展開により、首都圏コミュニティが地域コミュニティと繋がりやすくなっただけでなく、地域コミュニティ間でも繋がりの変化を生んだ。
著者
村山 顕人 小泉 秀樹 大方 潤一郎
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.829-834, 2003-10-25
参考文献数
16
被引用文献数
2

都市空間計画の策定は、都市の現在そして未来の状況を見据えながら、市民、企業、政府、その他団体等の多様な主体の都市空間に対する要求を将来像として整合的・統括的にまとめ、その実現手段を確保する取り組みである。そして、その中心的作業は、様々な要求を両立させる空間的解決策を導出することであると言える。よって、魅力的な都市空間を創出するためには、計画策定において創造的な空間的解決策を導出する技法の開発が必要であるが、これまで、計画策定への多様な主体の関与を前提としてそうした技法に着目した研究はない。本研究では、米国オレゴン州ポートランド・セントラル・シティ計画(Portland Central City Plan:以下「CCP」と記す)策定の事例を取り上げ、そこで適用された空間的解決策の導出技法を特定・考察することを目的とする。 本研究では、CCPの計画策定関連資料を収集し、次の手順でそれらの分析を行う。まず、CCP策定過程の各段階において検討・提示された空間的解決策の内容を再整理する。次に、空間的解決策の進化及び関連報告書等の分析に基づき、空間的解決策を導出した過程・作業を整理する。そして、最後に、そこで適用された空間的解決策の導出技法を特定・考察する。 本研究で特定された空間的解決策の導出技法は次の通りである。 (1) 共通要素と非共通要素を俊別した計画案作成技法 文章で説明された提案の分析・空間化の過程では、提案の共通要素と非共通要素(複数の方向性があり得る要素)の俊別作業が行われた上で、共通要素が空間構造モデルとして図化され、それを前提に非共通要素が5つの代替計画案として整理された。なお、共通要素とされた内容は、継続・発展させる既存の施策、既決定の事業、主要開発・整備可能エリアの位置など、既に一定の合意が形成されていたと考えられるものであった。 (2) 代替計画案検討・提示技法 土地利用計画素案の作成に向けて市民運営委員会に提示された5つの代替計画案は、いずれも現実的な土地利用代替案で、提案の非共通要素の整合的な組み合わせ(取引と選択)を分かりやすく表現するものであった。その導出過程では、共通要素(空間構造モデル)への適合、非共通要素同士の並立可能性の確認、現況調査結果から抽出された土地利用現況、開発・再開発可能性、市場将来予測等の前提条件の充足の作業が行われていた。なお、代替計画案の最終的な構成・表現に関わる技法の特定は、公開資料の限界により断念せざるを得ず、今後の研究課題として残される。 (3) 選択肢絞り込み技法 選択肢絞り込みには、5つの代替計画案の選択肢絞り込みと土地利用計画素案の選択肢絞り込みという2つの段階が存在していた。前者では、I-5フリーウェイ移設提案の例のように、事務局が選択肢の評価を行い、市民運営委員会がその結果に基づく選択肢絞り込みの判断を行ったことが推察される。そして、後者では、事務局による評価が困難であった選択肢が幅広い市民に土地利用計画素案として提示され、それに対する意見に基づき、市民運営委員会が選択肢絞り込みの判断を行おうとしていたのであった。 (4) 過程設計技法 CCP策定が始まる前に市民運営委員会が市議会の指導の下で予め決定していた過程は概略的なものに過ぎず、本研究の分析対象に相当する「代替計画案の作成」部分の詳細な過程は予め決定されていなかった。空間構造モデル、5つの代替計画案、土地利用計画素案という段階的な空間的解決策の検討・提示を特徴とする詳細な過程とそこにおける市民運営委員会、事務局、幅広い市民の役割は、市民運営委員会において、ビジョン・目標・方針提案第1次案の完成後、決定されていた。提案の内容を踏まえて適切に詳細な過程を設計する技法は、市民運営委員会及び幅広い市民の合意形成を伴う段階的な空間的解決策の導出に大いに貢献したものと考えられる。
著者
高槻 成紀 岩田 翠 平泉 秀樹 平吹 喜彦
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.155-165, 2018 (Released:2018-07-23)
参考文献数
38
被引用文献数
5

これまで知られていなかった東北地方海岸のタヌキの食性を宮城県仙台市宮城区岡田南蒲生と岩沼市蒲崎寺島のタヌキを例に初めて明らかにした。このタヌキは2011 年3 月の東北地方太平洋沖地震・津波後に回復した個体群である。南蒲生では防潮堤建造、盛土などの復興工事がおこなわれ、生息環境が二重に改変されたが、寺島では工事は小規模であった。両集団とも海岸にすむタヌキであるが、魚類、貝類、カニ、海藻などの海の生物には依存的ではなかった。ただしテリハノイバラ、ドクウツギなど海岸に多く、津波後も生き延びた低木類の果実や、被災後3 年ほどの期間に侵入したヨウシュヤマゴボウなどの果実をよく利用した。復興工事によって大きく環境改変を受けた南蒲生において人工物の利用度が高く、自然の動植物の利用が少なかったことは、環境劣化の可能性を示唆する。また夏には昆虫、秋には果実・種子、冬には哺乳類が増加するなどの点は、これまでほかの場所で調べられたタヌキの食性と共通であることもわかった。本研究は津波後の保全、復旧事業において、動物を軸に健全な食物網や海岸エコトーンを再生させる配慮が必要であることを示唆した。
著者
白澤 翔平 小泉 秀樹 大方 潤一郎 真鍋 陸太郎
出版者
公益社団法人 都市住宅学会
雑誌
都市住宅学 (ISSN:13418157)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.79, pp.82-87, 2012 (Released:2017-06-29)
参考文献数
3

Recently, a new business style called Ekinaka which has many stores in the wicket has been growing dramatically. The purpose of this study is to investigate the impacts to the surrounding commercial area of the station by the development of “ Ekinaka ”with the case of Akabane Station-“ecute Akabane” , and to clarify the main causes of them. The main results are as follows; 1) 20% of all users of “ecute Akabane” ceased to use some of the stores located in the surrounding commercial area of Akabane Station and this phenomena tends to occur at the stores which deal with ready made foods. 2) The principal factors of 1) are below two. The first factor is the similarity of the contents of commodities between “ecute Akabane” and the stores located in the surrounding commercial area of Akabane Station. The second is the predominance of the location of “Ekinaka”- its location in the wicket.
著者
樫田 美雄 岡田 光弘 五十嵐 素子 宮崎 彩子 出口 寛文 真鍋 陸太郎 藤崎 和彦 北村 隆憲 高山 智子 太田 能 玉置 俊晃 寺嶋 吉保 阿部 智恵子 島田 昭仁 小泉 秀樹
出版者
徳島大学
雑誌
大学教育研究ジャーナル (ISSN:18811256)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.93-104, 2008-03

ビデオエスノグラフィーは、当事者的知識を十分に摂取しながら行うビデオ分析であり、我々はこの方法で、高等教育改革の現場を研究した。生涯学習社会の到来を受けて、日本の高等教育は現在第2 次世界大戦直後以来の改革期にある。すなわち、「知識」より「生涯学習能力」の獲得を志向した、自発性を尊重するような様々な取り組みがなされ始めている。この高等教育の現場に対し、ワークプレース研究を行った。B大学工学部都市工学演習α班を分析対象とした調査の結果、①演習の課題解釈には「従来の指標の相対化の要求の程度」を巡って2つの解釈があり得たこと、②班内にはその2種類の解釈に対応した葛藤・対立的相互行為が存在したこと、③にもかかわらず、班内葛藤を生きる当事者がともに専門性(「都市工学」)を志向していたこと、④したがって、課題理解のいかんにかかわらず、班活動の全体が「都市工学演習」と呼び得るものになっていたこと、⑤その一方で、最終審査会場(ジュリー)ではこの2重性が十分レリバントなものとして浮かび上がって来ていなかったこと、これらのことがわかった。諸結果を総合すると、学生の自主的活動を尊重するタイプの、新しい学習方法の吟味・評価のためには、学生によるその方法の実践状況の分析が有意義であるだろうこと、また、それは、場合によっては教員の評価のパラダイムを変える力を持つだろうことなどが予測された。なお、本報告は、文科省科学研究費補助金「高等教育改革のコミュニケーション分析-現場における文化変容の質的検討-」(基盤研究(B)、 課題番号 18330105、研究代表者:樫田美雄)ほかによる研究成果の一部である。