著者
渡邉 誠 土谷 昌広 萩原 嘉廣 水野 康
出版者
東北福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

睡眠は心身の健康を維持する上で非常に重要な基盤であり,睡眠障害は精神および身体疾患を総じて増悪させる傾向にある.口腔環境においても同様であり,睡眠障害患者においては歯周疾患の高い罹患率が報告されている.しかしながら,これらの因果関係については不明な点が多い.我々は,大規模な被災者健康調査の結果から,歯周疾患と不眠症の罹患とが強く相関することを示した.それらの因果関係については不明であるが,本研究で介護施設において実施された,専門的口腔ケアの介入が口腔衛生状態の改善・維持が睡眠の質的改善に直結することを示唆したことから,睡眠障害患者への歯科的介入の有効性が示されたと考えられる.
著者
丸山 道生 栢下 淳 高見 澤滋 渡邉 誠司 高増 哲也 東口 髙志
出版者
一般社団法人 日本臨床栄養代謝学会
雑誌
学会誌JSPEN (ISSN:24344966)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.310-316, 2019 (Released:2020-06-15)
参考文献数
13

本邦では2019年末より,現行の経腸栄養用誤接続防止コネクタである医薬発第888号広口タイプコネクタ(以下,現行コネクタと略)が廃止され,誤接続防止コネクタに係る国際新規格であるISO80369-3(以下,ISOコネクタと略)が導入される.ISOコネクタのオス型コネクタは内腔の最小口径が狭いため,ミキサー食の注入に際し,注入圧の上昇によって注入が困難になる懸念がある.今回,小児病院3施設それぞれにおいてミキサー食の胃瘻注入を行っている患児の家族3名,看護師3名の計6名に対し,各施設の標準的ミキサー食の注入を行い,現行コネクタとISOコネクタの比較を行った.同時に,用いたミキサー食の物性も検討した.注入実験において,観察項目のミキサー食の投与時間,シリンジ持ち替え回数,主観的評価の「負担感」と「問題なく使用できるか」,いずれにおいても現行コネクタとISOコネクタで統計学的な有意差は認められなかった.この結果から,ISOコネクタでのミキサー食の注入は現行コネクタと変わりなく可能と判断された.
著者
萩原 志周 小野 健太 渡邉 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.64, 2017

近年、2020年東京オリンピックの追加種目に選出されるなどで、サーフィンが注目されている。日本のサーフィンにおいて四季の影響によりウェットスーツの着衣が必要な時期とそうでない時期がある。そして日本では、12 月~4 月と1 年間の約半分の時間をフルウェットのウェットスーツを着用している。 夏の暖かい時期に海への来場者が増える日本において、冬の海では、海の家やシャワー室などの設備がほとんどないのが現状である。そこで本研究では冬場の海におけるサーファーのウェットスーツ脱衣時にどのようなデザインであるべきなのかを調査を通して抽出された課題を踏まえて提案するものである。本研究の最終提案として、冬の海におけるサーファー対象者から見たフ ルウェットスーツ脱衣時の課題改善製品の提案を行う。
著者
渡邉 誠 金村 尚彦 今北 英高 森山 英樹
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.675-678, 2005-07-10

はじめに 末梢神経障害に対するリハビリテーションは,末梢神経損傷後の再生時にmisdirectionの問題が存在するために,知覚再教育としての知覚のリハビリテーションが必要となる. 末梢神経損傷後の知覚再教育は30 cpsと256 cps音叉の振動刺激および動的触覚のある部分が手掌まで回復してきた段階で開始するのが一般的である.Dellon1)は,末梢神経損傷後の知覚回復に関して,痛覚,動的触覚,静的触覚,振動覚の順に回復が認められたと報告している.この初期の回復段階,30 cpsや動的触覚は,皮膚機械受容器の一つであるマイスナー小体によるものとされる.マイスナー小体が初期に回復する理由として,複数の神経線維により神経支配されるため,神経再支配が起こりやすいと考えられている.機械受容器に関しては,立川ら2)は,日本ザルの前肢を用いた両側固有指神経切除後のマイスナー小体の形態的変化について,Navarroら3)は,坐骨神経の挫滅または切断後1~7週でのマウスfoot padへの感覚と神経再生の時間的順序を報告している.知覚障害に対するリハビリテーションの観点から,末梢神経と機械受容器の変性および再生過程の解明が進みつつある. 本研究の目的は,機械受容器の一つであるマイスナー小体に焦点を当て,ラット前肢の神経切断直後からのマイスナー小体の変性過程を形態および組織学的に検討することにある.とくに,このマイスナー小体の層板細胞より産生される非特異的コリンエステラーゼの分布域を調べることで,神経切断によるマイスナー小体の酵素活性領域の経時的変化を検討した.
著者
八里 大介 小野 健太 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.246, 2015 (Released:2015-06-11)

近年、経済状況の悪化や住民の価値観の多様化によって、行政主導でなく住民による地域活動が求められている。しかし、同じような経済状況・自然環境の2つの地域でも活動の成否が分かれることがある。その要因の一つは人的資源の差である。地域活動の先導役となる人材と、それに続く住民の有無が重要であり、彼らがうまく役割を分担できるような仕組みが求められている。本研究では、具体的な状況を把握するため京成稲毛駅近くで毎年11月に行われている灯篭祭り「夜灯祭」を事例に調査を行った。夜灯祭の運営では、リーダーが作業を細分化できなかったために、後手後手の運営に陥ったケースが見られた。不足が出ればその都度対応していくような現場調整的な運営の特徴があり、調整は立ち話の中で行われていた。そこで立ち話というスタッフ間のチェック機能を用いて、スタッフ会議中に作業の優先順位を決定できるツールを提案することで、リーダーの資質によらない運営を築く一助になると考えた。作業の優先順位をつけるにあたり、予想されるタスク同士のつながりを分類し、これを元に立ち話で抽出したタスクをスタッフ会議中に構造化できるツールを制作した。
著者
林 孝一 御園 秀一 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.2_1-2_8, 2014-09-30 (Released:2014-10-25)
参考文献数
9

日本の代表的なセダンの全高の推移において'80年代半ばに減少から増加に転じ、更に'90年代後半から2000年初頭にかけ100mm近くも急増する特異性を指摘した。その因子を抽出し、将来の自動車デザインのための知見を得ることを目標とした。全高の変化の様子から、1954年から2012年までの期間を4つに分け考察を行った。その結果、道路環境の変化、スポーツカーや帽子着用等の流行すたり、車自体の構造変化、プレス技術の進化、ユーザーの車への要求の変化、石油高騰と環境問題の悪化、エコカー減税や補助金政策の影響など、時代による各因子の影響で全高は特異な変遷を示したことが推定された。特に新たな快適性の提案をしたプリウスの影響が最も大きかった。一方、全高/全長というプロポーションの値で見ると、時代変化には左右されにくい、人が受容し得るセダンとしての領域、更には各車格毎の領域が存在する可能性が見えてきた。この領域の中央値を高級セダン、小型セダン、大衆セダン毎に導出した。
著者
小野 健太 渡邉 誠 樋口 孝之 渡邉 慎二 渡邉 誠 樋口 孝之 渡邉 慎二
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

現在,先進国が抱えている問題の多くは,人間関係の希薄化により生じている。本取組みはこの重要な課題に対し,相互扶助を促すデザイン行為をレシプロカルデザインと名付け,方法論・理論を構築し,この新しいデザイン概念の普及を通じて,問題を根本から解決することを目的に実施した。研究期間中,25プロジェクトを実施し,プロジェクト実施のためのルールの明確化を行い。また人間関係の希薄化の原因が,技術の一人化であると考え,調査・分析を行った。それらの内容は,2018年6月に開催されたThe 4th Aslla Symposium(韓国)にて口頭発表を行い,今後,IASDR 2019(英国)への論文投稿を行った。
著者
豊田 新 高原 周一 宮川 和也 守田 益宗 青木 一勝 佐藤 幸子 坂根 弦太 青木 宏之 蜂谷 和明 矢城 陽一朗 重松 利信 那須 浩郎 篠原 隆 宮宅 康郎 渡邉 誠 今井 剛樹 今山 武志 兵藤 博信 片山 敏和 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構理科教育センター 岡山理科大学教育支援機構学習支援センター 岡山理科大学教育支援機構学習支援センター 岡山理科大学理学部応用物理学科 岡山理科大学理学部応用物理学科 岡山理科大学自然科学研究所 岡山理科大学自然科学研究所 岡山理科大学非常勤講師
雑誌
岡山理科大学教育実践研究 = Okayama University of Science Educational Practice Research (ISSN:24339946)
巻号頁・発行日
no.1, 2017
著者
西村 一将 大井 孝 高津 匡樹 服部 佳功 坪井 明人 菊池 雅彦 大森 芳 寶澤 篤 辻 一郎 渡邉 誠
出版者
公益社団法人 日本補綴歯科学会
雑誌
日本補綴歯科学会誌 (ISSN:18834426)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.126-134, 2011-04-10 (Released:2011-04-21)
参考文献数
39
被引用文献数
2

目的:地域高齢者を対象に,20歯以上の保有と1年間での軽度認知機能障害(Mild Cognitive Impairment: MCI)発現との関連を検討した.方法:70歳以上の地域高齢者に対して心身の総合機能評価を2年にわたり実施し,1年目のベースライン調査時にMCIを認めず,かつ2年目の追跡調査が可能であった557名(女性310名)を分析対象とした.認知機能の評価にはMini-Mental State Examination(MMSE)を用い,スコアが26点以上を正常,25点以下をMCIとした.現在歯数については歯冠を残す20本以上の歯の有無について調査した.MCI発現との関連が疑われるその他の項目として,年齢,Body Mass Index,脳卒中既往,心疾患既往,高血圧,糖尿病,喫煙,飲酒,抑うつ傾向,学歴,配偶者の有無,ソーシャルサポートの状態,身体活動度,主観的健康感について調査した.結果:多重ロジスティック回帰分析を用いてベースライン調査から1年後のMCI発現の規定因子を検索した結果,男性において20歯以上の保有が,他の因子と独立して認知機能低下発現に対し有意なオッズ比の低値(オッズ比:0.19,95%信頼区間:0.04-0.82)を示した.結論:現在歯を20歯以上保有することは,咀嚼機能の維持のみならず,高齢期における認知機能の維持においても優位性を持つ可能性が示唆された.
著者
侯 茉莉 小野 健太 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.11-16, 2010-11-30 (Released:2017-06-24)
参考文献数
9

近年、中国では大学数、大学の学生数、及び研究機構、研究者が急速に増加している。大学進学率は、1990年の3.4%から2007年の23%まで成長した。本論では、急成長する中国の大学におけるデザイン関連学科の教育について、主に、カリキュラムや教育内容について、デザイン系学科を有する主な10校に対し、工業デザイン関連学科の調査を行った。これらのデータより、各大学の特徴をグループとして把握した。その結果、グループは4つに分類でき、中央美術学院、同済大学及び江南大学は、主にプロダクトに対しての技術性の実習科目を学ぶ大学、広州美術学院、北京理工大学及び清華大学のように、基礎知識の養成が重視される大学、湖南大学や復旦大学のように商業ベースの授業の多い大学、浙江大学のように感性に関する課程が多い大学というグループが形成された。また、10校中7校で、クリエイティブデザインという科目が設置されているのが特徴的であった。
著者
松井 実 小野 健太 渡邉 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.3_1-3_10, 2016

進化理論の適用範囲は生物にとどまらない.本稿は文化進化の議論を基盤に,設計の進化について論じる.設計は2つに大別される.一方は理念で,機能に関するアイディアや情報である.他方は設計理念に基づいて開発された製品などである.本稿は,前者の設計理念は進化するが,後者の人工物は進化の主体ではないことを示す.設計理念とその発露としての人工物の関係は,生物学における遺伝子型と表現型の関係に似ている.表現型とは,腕や目,行動などをさし,遺伝子型はその原因となる遺伝子の構成をさす.表現型は,生物の製作するものをさすことがある.たとえば鳥の巣やビーバーが製作するダムなどで,「延長された表現型」とよばれる.人工物は設計の表現型ではあるが,人間の延長された表現型ではない.人工物は文化的遺伝子の発露であって,人間の遺伝子の発露ではない.もしそうであれば,人工物の良し悪しによってその製作者の遺伝子が繁栄するか否かが影響されなければならないからだ.進化理論は,とらえがたい複雑な現象である設計を理解するには非常に有用である.
著者
川原 由紀奈 園田 茂 奥山 夕子 登立 奈美 谷野 元一 渡邉 誠 坂本 利恵 寺西 利生
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.297-302, 2011 (Released:2011-06-07)
参考文献数
16
被引用文献数
4 2

〔目的〕2006年以降より回復期リハビリテーション病棟での訓練時間は1日上限6単位から9単位に増加した.このことから訓練量増加の効果をADLとの関係で検討した.〔対象〕回復期リハビリ病棟に入退棟した脳卒中患者で,2005年度の5~6単位の群122名と2008年4月から9月の7~9単位の群41名とした.〔方法〕2群間の入退棟時FIM運動項目合計点(FIM-M),FIM-M利得(入院時-退院時FIM-M),FIM効率(FIM-M利得/在棟日数)と自宅復帰率の関係を比較した.〔結果〕7~9単位の群は5~6単位の群に比べFIM-M利得,FIM効率,自宅復帰率が有意に高かった.〔結語〕訓練増加がADL改善に効果的であると考えられる.
著者
渡邉 誠 奥山 夕子 登立 奈美 川原 由紀奈 木下 恵子 佐々木 祥 辻 有佳子 園田 茂
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.34, no.6, pp.383-390, 2012 (Released:2012-11-23)
参考文献数
14
被引用文献数
3 4

【目的】診療報酬改定により可能となった訓練量増加がADL改善に及ぼす影響を年齢別に検証した.【方法】当院回復期リハビリ病棟に入退棟した脳卒中患者で,一日の訓練単位上限が6単位(2時間)の時期に5~6単位の訓練を行った106名(6単位群)と訓練単位上限が9単位の時期に7~9単位の訓練を行った130名(9単位群)を対象とし,入退棟時のFIM運動項目(FIM-M),FIM-M利得,FIM-M効率を比較した.年齢別に3群,入院時FIM-M得点層別に2群に層別化し分析も行った.【結果】FIM-M利得,FIM-M効率は9単位群で有意に高かった.FIM-M低得点層で70歳以上と60~69歳のFIM-M利得,FIM-M効率,高得点層で70歳以上のFIM-M利得が9単位群で有意に高かった.【結論】訓練量の増加はADLをより改善させ,その程度は60歳代のFIM-M低得点層と70歳以上の高齢者で顕著であった.
著者
登立 奈美 園田 茂 奥山 夕子 川原 由紀奈 渡邉 誠 寺西 利生 坂本 利恵
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.340-345, 2010-07-25 (Released:2010-09-14)
参考文献数
18
被引用文献数
4 2

【目的】診療報酬改定による訓練量の増加と運動麻痺改善との関係を検証した.【方法】当院回復期リハビリ病棟に入退院した脳卒中患者で,1日の訓練単位数上限が6単位(2時間)であった時期に5~6単位の訓練を行った122名(6単位群)と,訓練単位数上限が9単位であった時期に7~9単位の訓練を行った41名(9単位群)を対象に入退院時のStroke Impairment Assessment Set(SIAS)の麻痺側運動機能5項目を比較した.入院時運動麻痺の重症度別に3群に層別化した分析も行った.【結果】入退院時のSIAS得点は9単位群で有意に高かったが,SIAS利得には有意差を認めなかった.入院時下肢中等度麻痺群と上肢軽度麻痺群において退院時SIASとSIAS利得が9単位群で有意に高かった.【結論】麻痺程度を層別化して検討することで1日6単位から9単位への訓練量増加により運動麻痺改善が認められた.
著者
山元 紀世子 乗安 久晴 櫛山 因 村田 幸栄 渡邉 誠 藤本 孝子 大楠 清文
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.277-283, 2017-05-25 (Released:2017-05-31)
参考文献数
10

Streptococcus infantariusによる感染性心内膜炎(infective endocarditis; IE)が冠動脈閉塞を引き起こした一例を経験した。症例は84歳男性。4年前に大動脈弁置換術の既往があり,胸痛を主訴に救急搬送された。緊急心臓カテーテル検査において冠動脈の左前下行枝から塞栓物が吸引されたが,来院時発熱はなくIEは疑われていなかった。塞栓物は病理組織検査にて微生物感染疑いと診断されたことから,血液培養や経食道心エコー検査などIEの精査が施行された。血液培養は翌日2セットすべてのボトルが陽性となり,また経食道心エコー検査にて大動脈弁に疣腫を認めたことから,IEによる冠動脈塞栓症と診断され,抗菌薬治療が開始された。弁置換術既往などIEのハイリスク患者は,症状や臨床検査値が軽度でもIEを疑い,早期精査施行が望ましい。IEの原因菌は16S rRNA塩基配列の解析によりS. infantariusと決定された。本菌を含むbovis groupの菌種は,IEや髄膜炎,消化管悪性腫瘍など重篤な疾患との関連性が高く,正確な菌種同定が求められる。しかし,Streptococcus属菌種は,生化学的同定法では鑑別困難な場合が多いため,同定困難な場合は専門施設へ解析が依頼できるよう,日頃から体制を整えておく必要がある。
著者
羽田野 袈裟義 種浦 圭輔 渡邉 誠 中野 公彦 斉藤 俊 松浦 正己
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B (ISSN:18806031)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.270-283, 2006 (Released:2006-08-18)
参考文献数
27
被引用文献数
3 4

プーリ・ワイヤ・フロート・カウンタウェイト・ラチェット機構を組み合わせたつるべ式構成の波力エネルギー変換システムの力学モデルを提示している.計算では,フロートの喫水状態を時々刻々調べ,フロートの一部没水,全没水及び宙吊りに応じて計算式を使い分けている.また,水槽実験により力学モデルの検証を行い,フロートがローリングを起こさない場合にはエネルギー利得の実験と計算が良好に一致することを確認した.次いで,実稼動を想定して諸量の計算を行い,フロートの喫水状態により発電量,ワイヤ張力などの力学量の時系列変化に違いが出ることを明らかにすると共に,種々の波高と周期の組合せに対してエネルギー利得の評価を試みている.
著者
林 孝一 馬場 亮太 御園 秀一 小野 健太 小原 康裕 渡邉 誠
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.6_39-6_48, 2014

60年近い歴史をもつ東京モーターショーに出展されたショーカーはそれぞれの時代の社会変化を鋭く反映してきた。本研究は各ショーカーの訴求ポイントをグループ化し、そのコンセプトを、「性能」、「社会対応」、「サイズ」、「付加価値」の4カテゴリーに分類し考察を加えた。その結果、日本の自動車産業とデザインの変遷は7つの時代に分類して精査していくことが適切であるとわかった。さらにその時代ごとのデザインへの期待や役割の変化が以下の4つに区分される事も判明した。1954~70年:欧米のライフスタイルに追従するドリームデザイン、1971~84年:機能とデザインの融合により意味と独自性があるデザインの創生、1985~2008年:製品多様化と市場の飽和を背景とした新規性コンセプトの探求とデザイン領域の拡大、2009年~現在: 環境問題や高齢化を反映した車の次世代モビリティーとしての再構築である。この様に社会情勢の変化に応じたデザインへの期待、役割の変化を明らかにした。
著者
梶田 航一 寺内 文雄 小野 健太 渡邉 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.151, 2016 (Released:2016-06-30)

交通事故やスポーツ事故等で頚髄損傷者(以下頚損者)になると、手足が麻痺するため、一般的な身体障害者用トイレを利用することができない。そこで従来のリハビリテーションの現場では高床式トイレというものが最善と考えられている。リハビリセンターなどでは頸損者が自力で生活が行えるようになるために各種の訓練を行っているが、その中で高床式トイレを使用するための訓練として直角移乗などの訓練も行われている。高床式トイレは車椅子から直角移乗をし、いざり動作で便座まで移動して使うものである。しかし高床式トイレは住宅を大幅に改修する必要がある、外出先に無いため頚損者が長期の旅行に行く事が出来ないなどの問題がある。そこで本研究では頸損者でも一般的な身体障害者用トイレに行くことを可能にする長座位車椅子という製品を提案した。実際の使用方法としては頸損者が普段使用している車椅子から直接長座位車椅子へ直角移乗をし、一般的な身体障害者用トイレの便器の上に長座位車椅子ごと移動し、排泄を行うというものである。
著者
渡邉 誠 熊谷 進 田口 收
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.195-196, 2007

If a plastic eraser is placed in liquid nitrogen it will explode. The characteristics of explosion of the eraser were studied experimentally. The most probable cause of the explosion was cryopumping of a subsurface void. After boiling on the surface of the eraser, liquid nitrogen penetrates into the eraser and then flash evaporates in the subsurface void. A cryopumping model was proposed to capture the unique characteristics of the eraser frozen in liquid nitrogen.
著者
田中 俊 小野 健太 小原 康裕 八馬 智 蘆澤 雄亮 渡邉 誠
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.168-168, 2011

昨今、日本において、男性化粧品業界で清涼感がひとつのキーワードとして、重用しされている。例えば、CMにおいて男性用化粧水はよく清涼感を強く押し出して宣伝されている。また、現在販売されている男性用化粧水を見てみると、ほとんどの男性用化粧水にメントールが配合されており、使ったときに清涼感を感じさせる使い心地になっている。 そこで、現状の「清涼感」を売りにした男性用化粧水を調査してみたところ、近年の男性化粧品の充実化により、多種の男性用化粧水が販売されているが、それらは、ブルーを基調にしたカラーやグラフィックに「清涼感」のアピールを頼っており、造形も似通っているため、似たような印象をうけてしまう事がわかった。そのためそれぞれの製品の特徴を打ち出していく為にはブルーを基調にしたカラーやグラフィックだけではない「清涼感」を表現する事で差別化を行う事が必要になってくると思われる。本研究において、ブルーを基調としたカラーやグラフィックではなく、造形により「清涼感」をアピールできる化粧水ボトルを提案することを目的とする。