- 著者
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             福永 寛
             
             櫻木 悟
             
             藤原 敬士
             
             藤田 慎平
             
             山田 大介
             
             鈴木 秀行
             
             宮地 剛
             
             川本 健治
             
             山本 和彦
             
             堀崎 孝松
             
             田中屋 真智子
             
             片山 祐介
             
          
- 出版者
- 公益財団法人 日本心臓財団
- 雑誌
- 心臓
- 巻号頁・発行日
- vol.43, no.2, pp.S2_154-S2_158, 2011 
        Kounis症候群とはアレルギー反応に伴い急性冠症候群をきたす症候群であり, 冠攣縮に合併したタイプ1とプラーク破裂に伴う血栓形成に起因するタイプ2に分類される. 今回, われわれはKounis症候群により心肺停止をきたした2症例を経験したので報告する.<BR>症例1: 76歳, 男性. 腰部脊中柱管狭窄症の術中にセフォペラゾンを投与したところ, アナフィラキシーショックを発症した. 下壁誘導にてST上昇を認めたため急性冠症候群と診断, 緊急冠動脈造影にて右冠動脈#1に血栓および#4AVに完全閉塞を認めた. 血栓吸引療法のみで再疎通が得られた.<BR>症例2: 61歳, 男性. 起床時より四肢・体幹に蕁麻疹を認め, その後, 心肺停止となり, 当院へ搬送された. 心肺蘇生術にて心拍再開したが, その後, 心室頻拍が頻発, 急性冠症候群を疑い緊急冠動脈造影を施行した. 冠動脈に有意狭窄は認めなかったが, 心電図上胸部誘導で一時的にST上昇を認めたため, 左前下行枝の冠攣縮と診断した.