著者
淺井 裕斗 村田 滋 田中 洋介
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.81, no.823, pp.14-00348-14-00348, 2015 (Released:2015-03-25)
参考文献数
11

This paper presents a normalized deconvolution approach for a digital holographic particle measurement in order to decrease the elongation of the reconstructed particles along the depth direction. The performance of this approach is evaluated using numerical simulations, and its practicality is experimentally demonstrated. In the numerical simulations, the performance is evaluated mainly based on the cross-correlation between the true distribution and the deconvolution results. Tests were carried out for two types of recording systems and three kinds of reconstructed information. The results indicate that the most accurate particle images were obtained using the phase-shifting observation method and reconstructed quantities that contain phase information, such as the complex amplitude. Furthermore, the RMS error in the particle depth position is found to be improved especially for higher number density within the particle distribution. Experimental measurements with standard particles confirm that particle elongation along the depth direction can be successfully suppressed using the normalized deconvolution method. The experimental results thus confirm that this method is useful for real particle measurements.
著者
田中 洋
出版者
東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻
雑誌
言語情報科学 (ISSN:13478931)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.237-250, 2009-03-01

Bis zu seinem Roman Narziß und Goldmund (1930) figuriert das Mütterliche als zentrales Thema Hermann Hesses (1877-1962). „Das Mütterliche" ist ein kollektives Symbol der Mutter und „die blonde strahlende Frau" eine konkrete Gestalt „des Mütterlichen". Für Narziß und Goldmund war zuerst der Titel Goldmunds Weg zur Mutter vorgesehen, woraus erhellt, dass die Geschichte um das verlorenen Bild von Goldmunds Mutter kreist und dann in das Thema „des Mütterlichen" übergeht. Zu Muttergestalten in Hesses mittleren und späten Werken liegen Arbeiten von Benett (1972) und Minkus (1997) vor. Am Leitfaden der Psychoanalyse Jungs vergleiche ich die Abhandlungen von Baumann (1997, 1999) und Ozawa (1982). Da die Psychoanalyse einen Schlüssel zum mittleren und späten Hesse liefert, orientiert sich die Interpretation in der vorliegenden Arbeit hauptsächlich an der Jungschen Archetypenlehre. Vergleicht man Hesses mittlere und späte Romane, etwa Demian mit Narziß und Goldmund, dann lassen sich bestimmte Bedeutungsveränderungen „des Mütterlichen" beobachten. Um sie zu analysieren, wird auch die Offenbarung des Johannes aus dem Neuen Testament herangezogen, da sie einige wörtliche Anspielungen auf den behandelten Komplex „des Mütterlichen" enthält.
著者
田中 洋子
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.58-72, 2021-03-30 (Released:2023-03-30)
参考文献数
21

ドイツでは大学の研究職の有期雇用割合が突出して高く,最も不安定雇用が多い職種となっている。本稿では大学教職員の国際比較に向けてドイツの大学の雇用構造を解明するとともに,ベルリン・フンボルト大学を事例として研究職の仕事と生活の関係を検討する。サービス労働組合,ベルリン・フンボルト大学人事部および研究者へのインタビュー調査,また同大学人事資料の分析を通じて明らかになったのは次の点である。第一にドイツでは日本よりも学術研究職の雇用が構造的に不安定であり,終身公務員である少数の教授を除いてほぼ全員が任期付の有期雇用となっている点,第二にこれと反対に,研究支援に携わるスタッフ職に関しては近年の法改正で雇用の安定化が大きくはかられている点である。学術研究職の有期雇用は歴史的な制度であるが,現在は高給与の専門職として雇用期間以外の労働条件は悪くはなく,時短勤務により研究と生活の調整が可能であることがわかった。
著者
高田 敦史 田中 洋
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.52-70, 2017-01-10 (Released:2020-03-31)
参考文献数
32

本論文の目的は,トヨタ自動車が1989年から販売しているレクサス(Lexus)が,ラグジュアリーブランドとしてどのような位置にあるかをケース分析によって明らかにし,ラグジュアリーブランドの新しい視点を提示することにある。世界のラグジュアリーブランド市場は近年大きな成長を遂げ,伝統的なラグジュアリーブランドとは異なるマーケティング戦略が実践されるようになった。現存のラグジュアリーブランドの特徴をブランド側,顧客側の両視点に分解してまとめてみたが,レクサスはこれらの特徴の全てを満たしているわけではないことが分かった。レクサスの成功は「ラグジュアリーブランドのパラドックス」を解決しつつ,先端的なモノづくりや顧客体験の創造をベースとした新しい「スマートラグジュアリーブランド」に属すると考えられた。つまりレクサスはラグジュアリーの新たな形を提示していると結論づけた。
著者
田中 洋一 山川 修
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会研究報告集 (ISSN:24363286)
巻号頁・発行日
vol.2022, no.1, pp.117-120, 2022-05-25 (Released:2022-05-25)

福井県の大学が連携して取り組む地域の問題解決のための授業では,デザイン思考を用いて,自律的学習者の養成を目指している.本稿では,2021年度の授業設計と評価について報告する.
著者
田中 洋子
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.5-24, 2018-06-30 (Released:2020-08-05)
参考文献数
87

「働き方改革」が進行中にもかかわらず,どういう人がどのくらい長く働いているのかという最も基本的な事実は,これまでの研究で十分に明らかにされてこなかった。正社員・非正社員の労働時間は統計で一括りにされ,事業所が提供する労働時間のデータは現実と異なるなど限界がある。法律で定められた週40時間の上限と,労使の36協定による労働時間,さらに職場でのサービス残業を含む実際の労働時間は大きく異なり,その乖離がどれほどあるか,なぜあるのかについても十分には解明されていない。 ここでは労働時間を議論する前提として,正社員の労働時間の長さ,それが決まる仕組み,実際の労働時間数について,日本が労働時間短縮の目標としてきたドイツと比較しながら確認する。両国は労働時間構造の二重化や,労使自治による協定労働時間,それと異なる実際の労働時間という重要な共通点をもっている。にもかかわらず,労働時間に大きな差がついているのはなぜなのか,比較歴史分析の視点から考察する。
著者
合田 美子 山田 政寛 石毛 弓 山本 佐江 田中 洋一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、自身の成長のために有用なフィードバックを誘起するために必要な要因を明らかにし、体系的にモデル化することを目的としている。研究方法は、データ駆動型アブローチとナレッジ駆動型アプローチを組み合わせる。研究範囲は、学習者とフィードバック提供者の1対1の場面、研究会のような学習者と複数のフィードバック提供者がいる1対多の場面とする。また、フィードバックをもらう場面だけでなく、その前後の要因も含め、動的・静的なフィードバック誘起要因を同定する。本研究では、フィードバックの提供だけでなく、学習者からの働きかけにより、より質の高いフィードバックを誘起する手法を提案する。
著者
吉井 美奈子 大本 久美子 岸本(重信) 妙子 田中 洋子 藤川 順子
出版者
日本家庭科教育学会
雑誌
日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, 2012

【目的】<br> 近年、消費者庁の設立などの機会によって、消費者教育の重要性が改めて認識されつつあるものの、今なお教育現場では消費者教育に関わる問題が山積している。消費者教育はこれまで必ずしも体系的に実施されてきたとは言えず、日本消費者教育学会も消費者基本計画に関する提言の中で、「系統的・計画的な消費者教育の欠如」を指摘している<sup>1)</sup>。消費者教育は、主に家庭科や社会科で行われているが、特に家庭科では衣食住などの各分野における体系立てた消費者教育が必要であると言える<sup>2)</sup>。これまで、本研究メンバーの一部で、食生活分野での教材を作成し、その効果を検証してきた<sup>3)4)</sup>。本研究では、体系立てた消費者教育を目指し、「安全」「契約・取引・家計」「生活情報」「環境・責任・倫理」の各領域の目標を設定し、その目標が達成できるような消費者を目指す消費者教育教材作りを衣生活分野において行う。<br>【方法】<br> 消費者教育を体系的に行うための領域別目標を掲げ、その各目標を達成できるような教材作りを「衣生活分野」において行った。具体的には、衣生活の流れに沿ったスゴロクを作成し、カードなどを使うことで購入、使用、管理、廃棄(環境への配慮)などが一連で学べるようにした。小・中・高全ての校種で活用できることを目的としているが、今回はまず中学・高校で活用できる教材作りを行い、改良を重ねながら小学校等でも活用できるようにしていく予定である。<br>【結果と考察】<br> スタートからゴールまでの間にあるイベントマスで「商品カード」「表示カード」「エコカード」を引きながら、自立した消費者を示す星マークを多く集めてゴールを目指す教材を作成した。スタート近くでは、衣服を購入するための金銭的なイベントマスを用意し、目標を立てて貯蓄することの大切さなどを感じられるようにした。「商品カード」では、様々な視点から商品を捉えられるように工夫した。「表示カード」では、商品についている表示をクイズ形式で答えるようにし、知識を確認できるようにした。「エコカード」では、環境に配慮した廃棄や再活用について考えられるようにした。また、全員がゴールした後、講師が「お知らせ」を発表することで、知的財産への配慮などの必要性を感じることができるようにした。 本教材の特長は、消費者教育を体系立てて学べるということの他に、ゲームを援用したことで、生徒が自ら学ぼうという意欲が高まるようにしたことである。加えて、ゲームを活用することで、単に「楽しかった」で終わらせず、知識を付けながらコマを進められるように工夫した。また、ゲーム終了後の振り返りを利用して、既にゲームを通して獲得したポイントの数を変動させて意外性を持たせることで、より強い印象を付けることができる。<br>&nbsp;1)日本消費者教育学会「消費者計画に関する提言」(2004年12月13日)内閣府へ提出した意見書<br>2)「消費者教育体系化シートの領域別目標の達成と課題-大学生の消費行動に関する意識調査を手がかりにして―」吉井美奈子、他(2010)消費者教育第30冊、日本消費者教育学会<br>3)「食生活における消費行動に関する領域別達成度と課題」岸本(重信)妙子、他(2011)消費者教育第31冊、日本消費者教育学会<br>4)「食生活分野における消費者教育教材の検討-教材開発の成果と課題-」吉井美奈子、他、日本消費者教育学会第31回全国大会、2011.10.23
著者
上田 泰之 田中 洋 亀田 淳 立花 孝 乾 浩明 信原 克哉
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.101-108, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
28

【目的】投球動作中の肩関節離開力,前後および上下方向の力学的ストレスに影響を与える因子を明らかにすること。【方法】対象は野球選手81 名。肩関節最大離開力・前方・上方関節間力を従属変数とし,肩関節,体幹,骨盤に関する因子27 個を独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】肩関節離開力を従属変数とした場合,ボール・リリースでの肩関節水平内転角度,体幹回旋角度など6 個の因子が選択された。肩関節前方関節間力を従属変数とした場合,非投球側足部接地での肩関節水平外転角度と肩関節水平外転トルクの因子が選ばれた。肩関節上方関節間力を従属変数とした場合,肩関節最大外旋位での肩関節外旋トルク,ボール・リリースでの肩関節外転トルクなど7 個の因子が選択された。【結論】肩関節離開力に影響する因子は報告されていたが,本研究では肩関節前方・上方関節間力についても検討した。その結果各々の力学的ストレスに対し影響する因子は異なることが示された。
著者
高橋 昭好 藤井 理行 成田 英器 田中 洋一 本山 秀明 新堀 邦夫 宮原 盛厚 東 信彦 中山 芳樹 渡辺 興亜 Akiyoshi Takahashi Yoshiyuki Fujii Hideki Narita Yoichi Tanaka Hideaki Motoyama Kunio Shinbori Morihiro Miyahara Nobuhiko Azuma Yoshiki Nakayama Okitsugu Watanabe
雑誌
南極資料 = Antarctic Record (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.25-42, 1996-03

南極氷床の深層掘削を行うため, 国立極地研究所は掘削装置開発小委員会等を設け, 1988年以来開発研究を行ってきた。開発の経緯については, 中間報告, 深層掘削ドリルの最終仕様, その完成までの経過にわけて, それぞれ報告してある。本報告では開発した深層掘削システムとその周辺装置について, ドームふじ観測拠点の掘削場の配置, 掘削作業の流れを説明したのち, 各論において, ウインチ, ケーブル, マスト, 操作盤, チップ回収器等の開発の経緯を設計基準, 具体的設計, 製作の流れに準じて説明した。
著者
三浦 理 磯貝 佐知子 吉野 真樹 馬場 順子 梶原 大季 小山 建一 竹之内 辰也 谷 長行 田中 洋史
出版者
特定非営利活動法人 日本肺癌学会
雑誌
肺癌 (ISSN:03869628)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.231-237, 2019-06-20 (Released:2019-07-02)
参考文献数
28

PD-1/PD-L1阻害剤に代表される免疫チェックポイント阻害剤を用いるがん免疫療法の開発は,肺がんの治療に大きな影響を与えた.これらの薬剤は,非小細胞肺がん患者の初回治療,2次治療さらには化学放射線治療後の維持療法において,標準治療と比較して生存期間延長効果が示されている.安全性と忍容性は非常に良好だが,これらの薬剤は免疫関連有害事象(irAE)を起こし得る.その頻度は稀であるものの,時に致死的となる重篤な事例に直面することがある.さらにirAEはいつ,どの臓器が罹患するかを予測することができず,未だ適切な管理方法は確立していない.未だ多くの医師は,irAEの管理に精通しているとは言いがたい状況である.これらの問題を克服するために,irAE発症のバイオマーカーを予測する検討や,集学的チームアプローチによる管理が試みられつつある.これらの検討は,患者教育を通したirAEの早期発見,管理に繋がる可能性がある.この総説では,肺がん治療におけるirAEに関わる現在のデータとコンセンサスをまとめた.
著者
田中 洋平 上野 高明 田中 清和
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.56-59, 2017-01-01 (Released:2018-01-15)
参考文献数
9

上肢切断者に対する能動義手や筋電義手は,処方後しばらくすると,使用中止や使用頻度の低下に至ることがある.我々は上肢切断者の能動義手,筋電義手について処方後の使用状況を調査した.対象は,2009年から2015年までに当院で能動義手,筋電義手を作製し,追跡可能であった成人片側上肢切断者21例を対象とした.上腕筋電義手,上腕能動義手,前腕能動義手において,義手の使用中止や使用頻度の低下があり,その主な理由は義手の重さ,頚部·肩周囲の疼痛,装着の面倒さであった.得られた課題を基に,今後も我々はより良い義手を提供できるよう,義手の改良や製作の工夫を行っていく必要がある.
著者
田中 洋平 Yohei Tanaka
出版者
淑徳大学人文学部紀要委員会
雑誌
研究論集 (ISSN:21895791)
巻号頁・発行日
no.4, pp.97-108, 2019

本論では中等教育段階における歴史教育と歴史学研究の結節を企図し、高等学校で使用されている日本史教科書の記述について、歴史学的知見からこれに検討を加えた。具体的には、近世宗教史分野の研究成果を整理するとともに、これに新たな研究知見を付与したうえで教科書の記述を再検討している。ここでは、これまでの研究史及び『肥後藩人畜改帳』の分析から、寺檀制度の成立に照応させつつ、それを担う寺院が建立されたことを確認し、にもかかわらず、そうした寺院がどの段階で造営されていったかという点について、教科書中には記述がないことを指摘した。併せて近世宗教史研究のうえで長らく議論されてきた「近世仏教堕落論」についても、これを教科書に記載したうえで、歴史事象に関する生徒間の討論を深化させるための素材とすることができる可能性について言及した。