著者
高橋 聡子 岩井 輝男 田中 良夫 前田 敦司 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.1050-1057, 1997-05-15
参考文献数
14

リスト処理プロセスとGCプロセスを同時に複数動作させることによって,リスト処理を並列化することによる処理時間の短縮が可能になった.しかし,セルの消費のペースはアプリケーションによって異なり,CPUの数も計算機によって異なるので,リスト処理プロセスの最適な数はアプリケーション,計算機によって異なると考えられる.本稿では,セルの消費速度やフリーセルの残量によってリスト処理プロセスとGCプロセスのCPU割当てを動的に決定する機能により,Lispの代表的なアプリケーションに対し,処理速度と実時間性とのバランスのとれた処理を行うことを可能とする並列Lispシステムの報告を行う.本システムの実装にあたっては,できるだけリスト処理の中断が生じることがなく,リスト処理に最大数のCPUが割り当てられるようCPU割当てのパラメータを設定し,CPU割当てを動的に決定した.その結果,リスト処理の中断がなくなり実行時間が短縮された.Parallel lisp system with parallel garbage collection(GC)can produce improvements in throughput by executing list processing in parallel.But,the optimal number of list processes and GC processes depends on machines and applications because the number of processors on a machine and cells which are consumed by various applications is different.In this paper,we report parallel lisp system which makes it possible to balance throughput and real time performance by dynamic allocation of CPU depending on speed of consuming cells and the number of remaining free cells.We dynamically changed CPU allocation according to the parameter which was set to avoid a disruption of list processing and allocateas many CPU as possible to list processing.Consequently,our system yielded improvements in throughput without any disruption of list processing.
著者
山口 謠司 田中 良明
出版者
大東文化大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

さまざまな携帯端末が、「本」の形を大きく変えようとしている。紙に印刷された「本」は、いずれ失われる時が来るのであろう。第一次世界大戦が始まったちょうど百年前、「本」は、知識や技術を伝えるためにはなくてはならないものであった。そして、その「本」を巡って焚書が行われ、また「本」によって国の運命が左右されるということが起こったのである。第一次世界大戦は、有線、無線による通信網の発達を促し、それまでの時代と一線を画すグローバル化の契機となった。我が国は青島の攻撃を行うことでドイツ総領事に置かれた書籍を鹵獲した。そして、同時にドイツが攻撃したルヴァン大学の図書館の再興のために書籍が寄贈された。
著者
岡本 学 田中 良明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.311, pp.111-116, 2001-09-10
被引用文献数
1

ネットワーク上での電子投票では, 二重投票や票の水増し・改ざんが憂慮される.また集計局が悪意をもてば, 集計中にその結果を洩らして利用する不正なども存在し得る.それらを防ぐ手段が提案されているが, 投票者の負担が多くなりがちであったり, 集計局を複数設置する必要があったりする.ここでは, PIN番号を付記したカードをあらかじめ作成して匿名に配布し, 投票者は単に自分が投票したい候補に対応したカードを提出することで投票作業が完了する方式を提案する.投票締切まではどのカードがどの候補に対応しているか公表しないため, 一つの集計局設置で済み, また, 集計局が途中経過を知ることはできない.
著者
小山 幸伸 佐藤 由佳 金田 直樹 米田 瑞生 新堀 淳樹 田中 良昌 林 寛生 梅村 宜生 堀 智昭 阿部 修司 上野 悟 元場 哲郎
巻号頁・発行日
2012-05-21

日本地球惑星科学連合2012年大会(JpGU Meeting 2012), 2012/05/20-25, 幕張メッセ(千葉県)

2 0 0 0 OA 私の敦煌学

著者
田中 良昭
出版者
愛知学院大学
雑誌
禅研究所紀要 (ISSN:02859068)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.19-44, 1996-03-31
著者
平野 基孝 首藤 一幸 田中 良夫 佐藤三久
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.79, pp.17-24, 2005-08-03
被引用文献数
2

我々は数千ノードからなるP2P、グリッド等の大規模並列分散コンピューティング用の安全な通信基盤の形成を目的として、匿名相互証明書とP2P通信を用いる認証方式AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross centificate)を提案する。AUBReXでは、2ユーザ間(友人)の信頼関係を、そのユーザ間以外では個人情報の特定が出来ないように生成されたエンドエンティティ名(SubjectDN内のCommonName)を持つX.509デジタル証明書を相互に発行しあうことで表現する。これを匿名相互証明書と呼び、匿名相互証明書からなる証明書チェインをP2P通信により生成、検査することで、直後の信頼関係を結んでいないユーザ間での、匿名性を確保した上でのユーザ認証機構を提供する。AUBReXを用いることで、中央集権的CAを必要とせず、かつ不特定多数のユーザ間でのPKIベースの相互認証が可能になり、P2P環境でのピア間相互認証に有効である。We propose an authentication method called AUBReX(Authentication method Using Buddy-buddy relationship Represented by Cross certificate),which enables a secure communication infrastructure of a thousand of nodes for P2P and Grid distributed parallel computing using anonymous cross certificates and P2P communication. In the AUBReX,a trusted relationship (fellowship,or buddy-buddy relationship) between two users is represented by issueing X.509 cross certificate each other. The cross certificate has a secure-hashed CommonName as an end entity,that can only be revealed between the users. By collecting such anonymous cross certificates via P2P connection and generating a certificate chain and verifying it, the AUBReX provides an authentication mechanism between users who don`t have direct turusted relationship. By using AUBReX,it enables that PKI based mutual authentication between any users without a centralized CA,in which is suitable for P2P environment.
著者
小田 眞由 木阪 吉保 小川 明子 横山 桂 砂金 光太郎 田鶴谷 奈友 田中 良憲
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.64, no.12, pp.632-640, 2023-12-01 (Released:2023-12-11)
参考文献数
32
被引用文献数
1

症例は61歳男性.6年前から糖尿病性腎症による腎不全で血液透析を導入された.30代でC型慢性肝炎を指摘されインターフェロン療法を受けたがウイルスは消失しなかった.40代から肝細胞癌に対して穿刺局所療法や塞栓療法を繰り返し受けてきたが,多発再発が指摘された際に造影剤アレルギーが発症したため塞栓療法が施行困難となり,アテゾリズマブ(Atezo)+ベバシズマブ(Bev)併用療法を開始した.Atezo+Bev併用療法は透析患者に対する投与の報告例はなく有効性や安全性は不明である.我々の症例ではAtezo+Bev併用療法開始後に甲状腺機能低下症と脳出血を来した.しかし,レボチロキシンナトリウム水和物投与とBev投与中止することで長期間にわたり投与継続できており,有害事象の早期発見と対応を行うことで血液透析中の肝細胞癌患者にもAtezo+Bev併用療法を行うことができると考えられた.
著者
齋藤 桃 岡田 洋右 鳥本 桂一 田中 良哉
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.301-306, 2022-09-01 (Released:2022-09-09)
参考文献数
14

症例は40歳女性.食後に生じる低血糖症状を主訴に当科紹介受診した.75g経口ブドウ糖負荷試験では,1時間後血糖245 mg/dl,2時間後血糖196 mg/dlであり耐糖能異常と診断した.しかし,6時間後血糖はインスリン遅延過剰分泌に伴い46 mg/dlと低血糖を呈しており,反応性低血糖と診断した.単純糖質を避けるなどの食事指導を行うとともに耐糖能異常・反応性低血糖に対してボグリボース0.6 mgの内服を開始した.低血糖症状の頻度は一旦減少していたが,徐々に低血糖頻度が再度増加した.詳細な問診により月経2-3日前に低血糖の頻度が多いことが判明したため,月経前後の血糖変動を確認するためFlash Glucose Monitoring(FGM)を装着した.FGMでは月経3日前より食後血糖の増悪とともに,反応性低血糖の出現を認め,一方月経4日後には食後高血糖は改善し,反応性低血糖も消失したことを確認した.月経前にはボグリボースの飲み忘れがないように服薬指導を行うとともに,月経数日前には昼食後の補食をするように指導を行い,低血糖出現頻度は減少した.これまで本例のように月経前に増悪する反応性低血糖症をFGMで評価し得た報告はない.反応性低血糖の診断や病勢評価,治療において,月経周期の血糖への影響についても考慮する必要がある.
著者
岩田 慈 山岡 邦宏 新納 宏昭 中野 和久 Sheau-Pey WANG 齋藤 和義 赤司 浩一 田中 良哉
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.56-61, 2012 (Released:2012-02-28)
参考文献数
25
被引用文献数
3 3

近年関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)をはじめとした自己免疫疾患に対し,生物学的製剤の高い有効性が報告されている.一方で,低分子化合物は経口投与可能であり,また廉価となる期待などから注目を集めている.Sykは72 kDaのチロシンキナーゼで,B,T細胞,肥満細胞,マクロファージ,好中球,滑膜線維芽細胞などの免疫や炎症に関与する公汎な細胞に発現している.SykはBCR,TCR,FcR,インテグリンなどITAM領域を含む多鎖免疫レセプターのシグナル伝達において重要な役割を担う.近年,Syk阻害剤(fostamatinib)のRAをはじめとした,気管支喘息,特発性血小板減少性紫斑病などの自己免疫やアレルギー病態に対する有効性が報告され,SLEモデルマウスにおいても皮膚症状,腎障害の進展抑制効果がみられているが,その作用機序は依然不詳である.我々は,ヒト末梢血B細胞において,Sykを介したBCRシグナルは,TLR9,TRAF-6のoptimalな発現誘導に極めて重要で,結果として,効率的なCD40,TLR9シグナル伝達が齎されることを明らかにした.以上より,Sykは自己免疫疾患のB細胞依存性病態において重要な役割を担う可能性が示唆された.本編では,RAやSLEを中心に,自己免疫疾患に対するSyk阻害剤のin vitro,in vivoにおける効果について概説する.
著者
野本 保夫 川口 良人 酒井 信治 平野 宏 久保 仁 大平 整爾 本間 寿美子 山縣 邦弘 三浦 靖彦 木村 靖夫 栗山 哲 原 茂子 浜田 千江子 佐中 孜 中尾 俊之 本田 雅敬 横田 眞二 須賀 孝夫 森 典子 下村 旭 金 昌雄 今田 聰雄 田中 良治 川西 秀樹 枝国 節雄 福井 博義 中本 雅彦 黒川 清
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.303-311, 1998-04-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
24
被引用文献数
25 25

硬化性被嚢性腹膜炎 (sclerosing encapsulating peritonitis, SEP) はCAPD療法における最も重篤な合併症の1つである. 平成7-9年度にわたり, 厚生省長期慢性疾患総合研究事業慢性腎不全研究班に参加した『CAPD療法の評価と適応に関する研究班』にてこの病態に焦点をあてSEPの診断基準, 治療のガイドラインを作成し検討を重ねてきた. 今回平成7-8年度の成果を土台に1年間経験を各施設より持ち寄りその実際的な問題点を明らかにし, 改訂するべき事項があればさらに検討を続けることを目的として叡知をあつめ, 平成9年度硬化性被嚢性腹膜炎コンセンサス会議を開催した.今回は主に診断指針の見直しおよび治療および中止基準の妥当性に焦点をあて検討し改訂案を作成した. 診断基準に関しては昨年度に提示した定義に根本的な変更点はなかった. しかし, 治療法に関し若干の手直しを行った. 栄養補給は経静脈的高カロリー輸液 (TPN) を主体に行うが, 具体的投与量を提示した. 一部症例にステロイド薬 (含パルス療法) がSEP発症直後の症例に著効を示した症例に加えて, 一方不幸な転帰をとった症例も報告された. また, 外科的腸管剥離についても再検討を行った. 中止基準に関しては一部の手直しと小児症例に関するガイドラインも新たに加えた.以上当研究班で3年余にわたる作業を行ってきたが, 現時点での諸家のコンセンサスを得たSEP診断治療指針 (案) を上梓することができた. しかしながら本病態の多様性, 治療に対する反応性の相違から基本的な治療方針の提示にとどめた. 今後さらに中止基準を含んだSEP予防法の確立や生体適合性の良い透析液の開発が重要であることはいうまでもない.
著者
田中 良哉 岡田 洋右
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.4, pp.669-674, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
5
被引用文献数
2 1

悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症は代表的な腫瘍随伴症候群で,進行癌の約10%に併発する.腫瘍細胞から産生された副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)は,腎でのカルシウム再吸収や骨でのカルシウム動員を介して高カルシウム血症をもたらす.ビスフォスフォネートは,骨吸収阻害を介して高カルシウム血症に奏功する.本稿では,PTHrP産生腫瘍による高カルシウム血症の発症の機序,診断,治療および今後の展望について概説する.
著者
田中 良幸 神田 龍馬 武田 雄策 山田 直樹 福庭 一志 正守 一郎 辻 敏夫
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.42, no.12, pp.1353-1359, 2006-12-31 (Released:2009-03-27)
参考文献数
15
被引用文献数
5 7

The present paper investigates human mechanical impedance during the operation of a virtual steering system according to dual-arm configurations. The developed steering system using an impedance-controlled robot can accurately estimate mechanical impedance properties around the rotational axis. Experimental results demonstrate that a human changes his/her impedance properties in both the grip position on a steering wheel and the magnitude of steering torque. Overall stability of a human-steering system is then discussed by means of the measured human impedance parameters.