著者
坂井田 節 塩谷 栗夫 田中 稔治
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
日本家禽学会誌 (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.44-49, 1987-01-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
16
被引用文献数
8 8

木酢液を主成分とする製剤が鶏の産卵成績や卵質におよぼす影響について検討した。本製剤は,広葉樹の樹皮や木片を乾留して得られる液体を精製したものに,コンフリーやセルラーゼ系酵素を添加し,この液体を4倍量の軟質炭素末に吸着させたものである。この製剤を1.5~2.0%飼料添加して産卵鶏に投与したところ,実験-1では産卵率が対照区より2.9%上回り,実験-2においては4.1~4.4%上回り,統計的にも1%水準で有意差を生じた。飼料要求率については,実験-1において対照区より0.06下回り,実験-2においては0.17~0.18下回り,統計的にも1%水準で有意な改善傾向が見られた。卵殼強度については,対照区2.84,投与区3.09となり,投与区が1%水準で有意に高い値を示した。卵白高,卵黄高,ハウユニットについては,当日卵では区間に差を生じなかったが,貯卵期間が長くなるのに伴って投与区のほうが高い値で推移する傾向を示した。このため区間および区×貯卵期間の相互作用項は1%水準で有意であった。これらの実験結果から本製剤の投与は,産卵成績や卵質について改善効果のあることが示唆された。
著者
林 俊郎 田中 泰恵
出版者
日本社会情報学会
雑誌
日本社会情報学会全国大会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.148-153, 2010

The Ukrainian presidential election campaign unfolded from December 2009 through February 2010. As a result the people of Ukraine chose the path of a major change in policy, towards pro-Russian alignment and away from the hitherto pro-Western alignment. Former President Yushchenko, a flag-bearer for the pro-Western alignment policies, received 6% of the total number of votes and was 5th amongst all of the candidates. Because no candidate received a majority of votes, a run-off election was held between the top two candidates. Both run-off candidates where flag-bearers for pro-Russian alignment, and in the end Yanukovych was inaugurated as president. Why was the sitting president defeated so soundly? It might be suggested that suspicions over the case of Yushchenko's attempted assassination by dioxin 5 years earlier could be a background for the Ukrainian people's dramatic change of direction.
著者
佐々 義也 染谷 和俊 磯村 雪彦 南 昭彦 田中 豊 蔵田 健治
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.15, no.23, pp.23-28, 1991-03-28

JSB & TOSHIBA realized total digital system by optical serial video inferface. A-STUDIO video syetem provides optical serial interface, and the video switcher is the newest one that is small size and small power dissipation. We adopted multi CPU system and LAN system for the control system. DPE (digital picture effect) of this system provides a lot of unique effect, for example 3D effect, post frame effect, etc.
著者
田中 愼一
出版者
北海道大学
雑誌
經濟學研究 (ISSN:04516265)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.9-18, 2005-03-10

近代日本の人傑をとらえ、これを論評するのは容易であるはずはないだろう。高尚偉大なる人物にして且つ文筆家であれば、その一代の文業に精通することが期待されるだけに、余計そうなるであろう。1984 年制定の五千円札以来にわかに族生の感ある新渡戸稲造研究家、その一員に達していない私としては、いわゆる群盲象を評す、にとどまることを危惧しつつ書いたのがこの小論である。焦点は新渡戸稲造の朝鮮(韓国)観、それが年代を経るなかでどのように推移していったのか、を追跡しようとした。しかも、関連する事柄で興味が湧いた際には、追求していく本来の大通りから、時には註をステップ台にして横町へ飛び込み、場合によってはさらに横町から左右の細い路地を覗き込みながらあわただしく出入りしたかのごとき叙述もしたのであった。文化的架橋者たらんことを使命にしていたとおぼしき新渡戸稲造は、その生きた多端な時代の運命をよく担っていた方なのではないか、というのが私の擱筆感の一つである。
著者
田中 明美 津田 喬子 竹内 昭憲 笹野 寛 前田 光信
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.26-32, 2003-01-25 (Released:2009-12-21)
参考文献数
23

慢性難治性疼痛に, 他の要因による疼痛や心的外傷が加わったことを契機にして薬物依存に陥った2症例の治療を経験した. 症例1は38歳男性, 指の再接着術後の断端痛による慢性疼痛を抱えていたが, 転院を契機に右上肢の痙攣を伴う疼痛性障害が増悪して薬物依存になった. 症例2は56歳男性, 椎間板ヘルニアの手術後の failed back syndrome として慢性疼痛を治療していたところ, 交通事故による頸椎挫傷後に上下肢の痙攣を伴う疼痛性障害を発症して薬物依存になった. 両症例とも過去の他院麻酔科治療歴から, 神経ブロック治療による除痛が困難であると判断して薬物依存を絶つことに治療目標をすえ, 交感神経ブロック療法に加えて心理療法により病状の理解と疼痛の認知を行い, 定期的に通院治療を続ける適正な痛み行動へと導いた. その結果, 両症例は慢性疼痛を受容して, 薬物に依存する行動がみられなくなった. 慢性疼痛患者の疼痛制御には, 心理テストの結果を踏まえた心理療法が適切に行われるべきである.
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011 (Released:2011-03-29)
参考文献数
19
被引用文献数
8

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.
著者
溝渕 雅広 田中 千春 佐光 一也 村上 宣人 仁平 敦子 阿部 剛典
出版者
中村記念病院
雑誌
北海道脳神経疾患研究所医誌 = Journal of Hokkaido Brain Research Foundation (ISSN:13405764)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.33-36, 1999-08-20

We described the clinical features of four cases who had "Pokemon" (television animation program) -induced seizures. Two cases showed photoparoxysmal response (PPR) during intermittent photic stimulation (IPS) and no spike discharges at rest on electroencephalography (EEG). One case had seizures with visual auras and showed spike discharges on the regions of bilateral occipital lobes at rest but no PPR. The last case had generalized tonic clonic seizures and showed bilateral synchronous generalized spikes and slow waves at rest without PPR during IPS. Therefore, the former two cases were recognized as situation-related seizures, and the remaining two cases were recognized as symptomatic occipital lobe epilepsy and idiopathic generalized epilepsy. These cases indicated that seizures were strongly provoked by red and blue flashing stimulation alternating at a frequency of 12 Hz rather than IPS.
著者
田中 俊輔
巻号頁・発行日
2012

筑波大学博士 (医学) 学位論文・平成24年3月23日授与 (甲第6208号)
著者
乾 崇樹 荒木 倫利 田中 朝子 服部 康人 竹中 洋
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.198-206, 2010 (Released:2010-10-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

Seventeen patients with central vertigo that began with vertigo, seen between 2000 and 2008 at the Department of Otorhinolaryngology of Osaka Medical College Hospital, were investigated. The patients included 14 males and three females. Their mean age was 59.2 years (range 27-82). The cases consist of six cerebellar infarctions, two anterior inferior cerebellar artery (AICA) syndromes, two Wallenberg syndromes, two medial longitudinal fasciculus (MLF) syndromes, three other brain-stem infarctions, one viral encephalitis, and one acute cerebellar ataxia. Thirteen cases (77%) had a history of a disorder that might reduce the cerebral blood flow, and six (46%) had multiple risk factors. The mean interval between the appearance of symptoms and the first visit to our hospital was 6.5 days, and it took 3.8 days to reach a diagnosis. Eleven patients (65%) were transported to hospital by ambulance. Seven (41%) had a delayed neurological abnormality other than vertigo. Nystagmus that was seen at the first visit suggested central vertigo in seven cases and peripheral vertigo in seven cases. In four cases (24%), the nystagmus changed over time, and initially three patients had nystagmus that suggested peripheral vertigo. In some cases, we made the diagnosis based on a neurological abnormality other than vertigo. In other cases, the diagnosis was based on the discordance between the neuro-otological findings and disturbed equilibrium that was inconsistent with peripheral vertigo. When diagnosing central vertigo that began with vertigo, it is important to consider not only neurological abnormalities but also neuro-otological findings and a balance disorder that cannot reasonably be explained as peripheral vertigo.
著者
田中 彩子 川合 里奈 林 涼子 鈴木 学
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】意欲とは物事を積極的に対処しようとする思考や行動であり,リハビリの遂行に重要で,ADLの自立度に影響するといわれている。意欲を向上させるには,楽しみや交流,目標設定が関係しているといわれている。趣味活動も例外ではなく,実際に導入している施設も多々存在している。先行研究で趣味活動の実施が廃用予防に効果的であったという報告はあるが,趣味活動が意欲向上に効果的であるという報告は極めて少ない。【方法】群馬県内の介護老人保健施設を利用する高齢者41名に,面接形式でアンケートを実施した。趣味に関するアンケートは,趣味の有無,内容,1週間の活動時間とした。そして意欲の程度に関しては「やる気スコア」を使用した。これは,14問の質問項目を3(全くない)~0(大いにある)の4段階判定とし,得点化した。統計処理は,Mann-Whitney検定を用いて,趣味の有無および文化的趣味と運動的趣味による「やる気スコア」得点の差異を検討した。また,趣味の頻度と「やる気スコア」得点との関係についてSpearmanの順位相関分析を用いて検討した。さらに,説明変数を趣味の頻度,目的変数を「やる気スコア」の得点に設定した単回帰分析を実施した。統計ソフトはSPSS20を使用し,有意水準は5%未満とした。【結果】アンケートに回答したのは41名(男性10名,女性31名)で年齢86.0±7.3歳であった。趣味の有無では,ある26名(63.41%),なし15名(36.58%)であった。趣味の内容に関しては,文化的趣味が20名(76.92%),運動的趣味が6名(23.07%)であった。「やる気スコア」は,趣味あり13.35±5.78点,趣味なし21.22±6.36点で前者が有意に高かった(p<0.01)。しかし,文化的趣味と運動的趣味との比較では有意差はみられなかった。また,1週間の趣味活動の合計時間とやる気スコアとの関係はp=0.481(p<0.05)となり,やや強い有意な相関がみられた。因果関係は回帰分析では,R2値は0.061と,このモデルの予測力は十分ではなかった。調整済みR2値は0.036と大きく低下していた。また,モデルの有意性もF(1.37)=2.422(p>0.05)と確立できなかった。標準回帰係数は0.248で,1週間の趣味活動の程度はやる気スコアに負の影響の傾向はあるものの,有意差はみられなかった。【考察】今回の結果から趣味活動が意欲向上に関与していることが示唆された。しかし,趣味の内容は特に関係はみられなかった。そして趣味の頻度は意欲向上に正の影響がみられることから回数の増加はよい効果をもたらすことが示唆された。しかし明らかな因果関係がみられないことから2つの因果関係は確立できず,他の要因が関係していると考えられた。【理学療法学研究としての意義】本研究では趣味活動の有無や程度と意欲向上との関係について検討し,身体機能が低下した高齢者の今後の理学療法に対する意欲や活動性向上の一助にすることを目的とした。
著者
田中 洋太郎 勝山 正則 長野 龍平 鷹木 香菜 谷 誠
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.125, 2014

滋賀県南部の桐生試験地において、鉛直及び横方向の地中水移動過程における溶存有機態炭素の動態解明を目的に、土壌水、地下水、渓流水を採取し、三次元蛍光分析を行った。検出されたピークは、難分解性フルボ酸様物質(A)、易分解性フルボ酸様物質(C)、変質性フルボ酸様物質(M)、アミノ酸様物質(T)であった(Wu et al., 2009)。土壌水のフルボ酸様物質の蛍光強度は表層0-20cmの鉛直浸透過程で分解・吸着によって急低下した。下層では蛍光強度が表層に比べ緩やかに低下するとともに、ピークM,Tが複数回確認された。地下水帯表層でも強度の低下が継続した。しかし、地下水帯下層では再び蛍光強度が上昇し、ピークC,Mが下層土壌層 と同程度の強度になった。Katsuyama et al. (2005)は、地下水帯下層が斜面部で基岩に浸透した地下水によって涵養されることを示したが、本結果はこの水が土層の蛍光特性を保持したまま移動することを示唆する。飽和帯地下水帯での横方向移動から渓流流出に至る過程では蛍光強度の変動は小さかった。以上から、DOC蛍光特性は地下水帯に至るまでに概ね決まるとともに、渓流へのDOC供給源を考える場合、地下水帯の層位に着目した質の評価が必要である。