著者
田中 正臣
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第129回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.186, 2018-05-28 (Released:2018-05-28)

【目的】ナラ枯れによる枯死木の処理について、資源の有効利用という観点から、枯死木のシイタケ原木への利用について検討した。【方法】ナラ枯れによって枯死したコナラ(胸高直径66.3cm)を約20cmに玉切り・小割し、ポリプロピレン製のフィルター付き耐熱性の袋に詰めた。それをドラム缶内で原木の材内温度が50℃を超えるまで蒸すことによって材内のカシナガを殺虫するとともに原木を殺菌した。原木が冷めた後、シイタケのオガ菌を袋中に振りかけ、室内に安置した。シイタケ菌が原木に蔓延してから袋から取り出し、原木を半日陰の林内に置床した。置床後、4年間に発生したシイタケ(子実体)の発生個数と生重量、傘の大きさを測定した。【結果】ナラ枯れによる枯死木(大径木)でもシイタケ原木として利用可能であることがわかった。シイタケ(子実体)は植菌後、1年目で子実体が発生した。発生個数、生重量は2年目が最も大きかった。発生した子実体の傘の大きさは、徐々に小さくなる傾向が見られた。総発生量(原木重量に対する生重量(%))は原木によって差があり、心材の影響が一因と考えられた。
著者
神原 康介 窪田 亜矢 黒瀬 武史 萩原 拓也 福士 薫 田中 暁子
出版者
Architectural Institute of Japan
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.79, no.701, pp.1593-1602, 2014
被引用文献数
4

Many elderly people were killed by Tsunami during Great East Japan Earthquake in Akahama, Otsuchi town, Iwate prefecture. The purpose of this paper is to describe the evacuation behaviors by interviews with residents in Akahama which is along the rias Coast and clarify how the built environment influence on the evacuation behaviors of the elderly. It is found that 1) geographical features such as nearness of a rising ground, sloping road to the sea and a narrow plain land are good for evacuation, 2) the towns background such as past tsunami, seawall construction and elementary school which has never been damaged in a few hundred years influence on evacuation behaviors and 3) family network and local community led to an influence on a turning point of an evacuation behavior, but there were younger people who tried to help the elderly and damaged or killed.
著者
木村 容子 清水 悟 田中 彰 鈴木 まゆみ 杵渕 彰 稲木 一元 佐藤 弘
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.265-271, 2008-03-20
参考文献数
19
被引用文献数
6 10

抑肝散およびその加味方の有効な頭痛の患者タイプを検討した。対象は,随証治療にて抑肝散およびその加味方を投与した頭痛の患者45人(男性6人,女性39人,中央値38歳,範囲25-68歳,片頭痛34例,緊張型頭痛6例,混合型頭痛5例)とした。年齢,性別,身長,体重と,初診時に認められた体質傾向と随伴症状からなる31項目を説明変数とし,頭痛改善の有無を目的変数として,多次元クロス表分析により最適な説明変数とその組み合わせ検討した。この結果,単変量解析では,抑肝散による頭痛改善に有効な情報は,「眼痛」,「背中の張り」,「目の疲れ」,「イライラ」の順であった。多変量解析では,「眼痛」,「イライラ」,「背中の張り」の組み合わせが,抑肝散による頭痛改善を予測する一番よいモデルとなった。古典的考察を加え,抑肝散およびその加味方は「肝」と関連する頭痛において治療効果を期待できると考えられた。また,抑肝散およびその加味方は,呉茱黄萸で軽快するもののストレスによって再び増悪する頭痛にも有効で,ストレスなどの頭痛発作の誘因や増悪因子を抑えるはたらきがあると推察された。従来,抑肝散には緊張興奮型などの腹証が重要視されてきたが,本研究では興味深いことに,むしろ背部所見に頭痛改善と強い相関を認めた。これまで抑肝散に関する背部所見の有用性について述べた報告はなく,今後は抑肝散証では背診も重要となることが示唆された。
著者
田中 義一 閣下
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
1928-03
著者
田中 義一 閣下
出版者
ニッポノホン
巻号頁・発行日
1928-03
著者
田中 牧郎
出版者
日本語学会
雑誌
日本語の研究 (ISSN:13495119)
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.68-85, 2015-04-01

明治・大正期には多くの漢語が基本語化するが、雑誌コーパスの頻度によってそれを明確にとらえることのできる「拡大」「援助」を取り上げて、基本語化の過程を記述し、既存の基本語との間にどのような関係を構築していくのかについて研究した。その結果、「拡大」においては、新たな語義を加えながら基本語化していくことと、既存語「広がる・広げる」が言文一致によって基本語化するのと連動し、この語と類似性を高め、意味的・文体的な関係を強めていくことが分かった。また、「援助」においては、対象や主体に取る語句の性質を変えながら基本語化していくことと、既存語「助ける」と類似性を高め、意味的・文体的な関係を強めていくことが分かった。
著者
田中 優子
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.1930, pp.64-66, 2018-02-26

不正会計問題の発覚から経営危機に陥った東芝。再建に向け、昨秋には米投資ファンドを中心とする「日米韓連合」に半導体子会社を売却することで合意、12月には第三者割当増資も完了した。これにより、2018年3月期に2期連続の債務超過となる事態を回…
著者
山本 景子 田中 厳貴 倉本 到 辻野 嘉宏
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18840833)
巻号頁・発行日
pp.TJSKE-D-17-00070, (Released:2017-11-30)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Choreography is one of the important parameters in dance performance. To make dance cool, it is necessary to design the cool choreography. However, beginners can hardly design choreography because they do not know how to judge the choreography good or bad. In this paper, we propose a system which automatically estimates the coolness of choreography for Lock dance and supports for the beginners to design choreography more sophisticated. To realize the proposed system, we focus on the suitability between the dynamics of dance move and music as a parameter of the coolness. We propose the estimation formula of the coolness based on the suitability, and evaluate it experimentally. As the result, it is revealed that the higher the suitability becomes, the higher the coolness becomes especially for the experienced participants feel on the experimented environment. Consequently, it is expected that the proposed system enables beginners to design cool choreography.
著者
金森 雅夫 鈴木 みずえ 田中 操
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.214-218, 2002-03-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10
被引用文献数
30 75

高齢者が定期的にペット型ロボットAIBOとの活動に参加することで Quality of Life, 孤独感などに何らかの影響を及ぼしたと考えられるので報告する.施設高齢者では, AIBO活動中の評価の1回目と20回目を比較すると「発語」,「感情語」,「満足度」が有意に上昇していた (p<0.05). AKO孤独感尺度は3.33 (±2.16) から1.00 (±1.26) と有意に減少していた. SF-36のAIBO活動前後の比較を示したが, 日常役割機能 (身体) (RP) は活動前と比べると活動後が有意に上昇していた. カテコラミン濃度変化と相関する唾液 Chromogranin A (CgA) では, ロボット活動の対象群は活動直前と比べると有意に低下していた (p<0.01).症例1: 女性, 68歳, 慢性関節リウマチ, AKO孤独感尺度が減少し, 心がやすらぐと訴えた.症例2: 女性, 74歳, 頚椎骨軟骨症, AKO孤独感尺度が5点から2点と減少した. 他の入所者とのトラブルで塞ぎ込んでいたが, 後半はロボット活動に積極的に参加した.症例3: 男性, 84歳, 脳梗塞による体幹機能障害, AKO孤独感尺度は6点から1点と減少, ロボットと一緒に歌うなど表情が明るくなった. 家庭の親子間の会話の量が非常に増えた.以上の結果からペットロボットは動物と違い細菌感染の危険が全くないため, 医療機関では無菌室, ICU,痴呆病棟, 小児病棟における動物介在療法の代償として, あるいはロボット技術の進歩によってさらに別の心理社会療法として活用される可能性が示唆された.
著者
岸 啓 木下 健太郎 中原 子竜 奥谷 匠 田中 隼人 岸田 悟
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学学術講演会要旨集
巻号頁・発行日
vol.30, pp.269-269, 2010

rfスパッタ, オフアクシズ, GaドープZnO(GZO), 低温成膜, プラスチック基板
著者
田中 みどり
出版者
佛教大学国語国文学会
雑誌
京都語文 (ISSN:13424254)
巻号頁・発行日
no.24, pp.185-228, 2016-12-20

コス・オロスなど、オ段音に接する「ス」は敬語をあらわし、ア段音に接する「ス」は動作・作用が起きることを示す動詞語尾であった。すでに古事記の時代にもキコスとキカスとが同じ意味のものと認識されていた。日本書紀ではア段音に接する「ス」も敬語をあらわすものと考えられ、萬葉集では、「ス」は親愛をあらわしたり、語調を整えるものとして使用された。後に存続をあらわすようになった「リ」が、現存を明確に示したように、「ス」は動詞の動作性を明確にする語尾であった。
著者
田中 正明 小鹿 亨
出版者
四日市大学
雑誌
四日市大学環境情報論集 (ISSN:13444883)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.63-75, 2007-03-31

4 species of Cladocera belonging to the genus Moinodaphnia and Moina are described and figured. Moinodaphnia macleayii KING is newly recorded in Japan.
著者
田中 靖彦
出版者
Japanese Society of National Medical Services
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.58, no.9, pp.491-492, 2004

感覚とは, 外来刺激をそれぞれに対応する受容器によって受けた時, 通常経験する心的現象を言う. その種類としてはいろいろあるが, 視覚, 聴覚, 触覚, 嗅覚, 味覚を五感という. その他に, 平衡覚, 痛覚, 圧覚, 温覚などである. 医学的にいうと, 視覚, 聴覚, 嗅覚, 味覚, 前庭感覚(平衡覚)を特殊感覚という. さらに, 体性感覚としての皮膚感覚, 深部感覚, また, 内臓感覚として, 臓器感覚, 内臓痛覚も含まれる. このように感覚器(受容器)は体中いたるところに分布している.<br>人間の日常生活に, ことにコミュニケーションにはこれら五感が密接に関わっていることから, いろいろな「諺」としても汎用されてきている. 日く「生き馬の目を抜く」「馬の耳に念仏」「隔靴掻痒」「壁に耳あり, 天井に目あり」「二階から目薬」「寝耳に水」「見ざる, 聞かざる, 言わざる」「百聞は一見にしかず」「目と鼻の先」「目は口ほどにものを言い」「目から鱗」「目鼻をつける」「痒いところに手が届く」「痛し痒し」そして少々凝ったものとして「葵に懲りて膳を吹く」など, ちょっと考えただけでもこれぐらいの「諺」, 「言い習わし」をあげることが出来る. 西洋諺にも同じようなものがあることはご承知のとおりであるが, いかに生活に不可欠な機能かを物語っている.<br>これら視覚, 聴覚に代表される感覚機能は, 今日でも日進月歩の発展を続けるIT化(情報化)社会においてひと時も欠くことのできない機能であり, 一層その重要性が増してきている(反面その障害も増加してきているが). また、わが国は世界一の少子長寿社会でもあり, その生活の質(QOL)に大きく貢献するのが「感覚器」であることは, 論を待たない. さらに, この感覚器障害は, 全身疾患の併発症としてしばしば見られることはよく知られているところであるが, 加齢変化として, あるいは生活習慣病, 感染症, 先天異常や難病などに頻繁に見られるものである. これまでは生命保持に医療の主力が注がれてきており, この生活の「質」を確保するための感覚器についての取り組みは取り残されてきた感がある. 早急に国の医療政策の1つとして, 予防から治療, さらにリハビリテーションにわたり, 総括的な対策が講じられなければならない問題である.<br>「感覚器疾患」というくくりで, 国立病院療養所による政策医療ネットワークを形成している. 果たしてこれら全身におよぶ感覚器をどのようにまとめてゆくのがいいのか. 眼科, 耳鼻咽喉科はまず考えられるにしても, 皮膚科, 神経内科, 整形外科, 麻酔科, 脳神経外科, 口腔外科, はてまた精神科, などなど, 見えない, 聞こえない, 喋れない, ばかりでなく, 痛みや痒み, 香り, 臭いのない, 味がしない状況で果たして豊かな天寿をまっとうした, と言えるだろうか, これだけ人間の尊厳が問われる時代に, これら外界との接触の閉ざされた状態は, なんとしてでも開放しなければならない. 医学界のみならず, 最新のテクノロジーを駆使して速急に取り組まなければならない問題である. これはナショナルセンターにしなければとても扱えない範囲におよぶことになる. 近い将来, ナショナルセンターとして発展することを願っている.

2 0 0 0 GRACE地震学

著者
田中 優作 日置 幸介
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.69, pp.69-85, 2017 (Released:2017-05-26)
参考文献数
71

The Gravity Recovery and Climate Experiment (GRACE) satellite system was launched in 2002, and has been playing important roles in various disciplines of earth and environmental sciences through measuring time-variable gravity field of the earth. It also offers a unique viewpoint to study earthquakes in terms of mass redistribution. We provide a review of earthquake studies with GRACE, e.g. basic facts of the satellite system and available data types, several kinds of non-earthquake gravity changes which may mask the earthquake-related signals. We also summarize past researches about co- and postseismic gravity changes. Two dimensional coseismic gravity changes were first observed with GRACE for the 2004 Sumatra-Andaman earthquake. After that, GRACE has caught coseismic gravity changes of the 2010 Maule, the 2011 Tohoku-oki, the 2012 Indian-ocean, and the 2013 Okhotsk deep-focus earthquakes. Such coseismic gravity changes are due mainly to two factors, i.e., the density changes around the fault edges, and the vertical deformations of boundaries with density contrasts such as the surface and the Moho. Short- and long-term postseismic gravity changes are considered to stem from afterslip and viscoelastic relaxation, respectively, but further studies are needed to quantitatively explain the observations.
著者
加來 洋子 山口 秀紀 石橋 肇 卯田 昭夫 下坂 典立 鈴木 正敏 田中 晃伸 渋谷 鑛
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌 (ISSN:02872919)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.406-419, 2014-09

1980〜2013年の34年間に全国の報道機関紙(誌)が取り上げた歯科医療事故に関する記事について調査し,発生した事故内容について原因を分類し検討を加えた.1.報道件数の推移 1)34年間(1980〜2013)の全報道例数は167例,全報道件数は462件であった.2)全報道件数は,1980〜1989年:36件,1990〜1999年:56件,2000〜2009年:285件,2010〜2013年:85件で,2000年以降で急増し,2005年の57件が最多であった.2.全報道件数の内訳 1)民事訴訟関連:229件/110例が最も多く,次いで,事故発生関連:131件/29例,刑事訴訟関連:95件/25例,示談成立:7件/3例であった.2)民事訴訟関連:229件/110例の内訳は,賠償命令:85件/37例が最多で,次いで,提訴・控訴:68件/37例,和解:27件/11例,口頭弁論:26件/13例,棄却:22件/11例,調停申立て:1件/1例の順であった.3)事故発生病院種別からみた全報道件数の内訳は,歯科医院:296件/106例が最も多く,次いで大学病院:94件/36例,公的病院:63件/20例,国立病院:4件/1例,その他:5件/4例であった.3.全報道事故例数の内訳 1)全報道事故例数は100例であった.2)発生年別では,2001年の12例が最も多く,次いで1986年の9例,2002年の7例の順であった.3)診療行為(原因)別による内訳では,麻酔:18例(18.0%)(うち笑気吸入鎮静法:1例,全身麻酔:1例)が最多で,患者転帰別による内訳では,身体的後遺症:44例(44.0%)が最も多かった.4.診療行為(原因)別による報道件数の推移 麻酔:180件(39.0%)で,次いで,口腔外科手術:65件(14.1%),抜歯:57件(12.3%),一般診療:43件(9.3%),インプラント手術:41件(8.9%),誤認抜歯:21件(4.5%)の順であった.5.民事裁判で「賠償命令」が下された事故例について 賠償命令:37例中,34例が地裁判決,3例が高裁判決であった.診療行為(原因)別では,抜歯:10例が最多で,次いで,インプラント手術:7例であった.賠償請求額の最高額は,1億8,500万円で,智歯の抜歯手術後の身体的後遺症(2004年8月)に対しての訴訟で,地裁で4,000万円,高裁で3,310万円の支払いが命じられた.