著者
小倉 加奈代 田中 唯太 西本 一志
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告 ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.20, pp.1-8, 2012-05-25
被引用文献数
2

本稿では,大皿料理のように,共食者が料理を共有する共食場面において,しばしば見られる「遠慮のかたまり」という状況がどのような状況かを明らかにすべく,大皿上の料理の残量が最後の一個,最後の一口に近づくにつれ,食事をしている人々の取り分け行動にどのような特徴,変化がみられるのかに着目した分析,考察を行った.その結果,食事開始中盤から終了前にかけて,取り分け行動の停滞,停止が起こり,その停滞,停止直後に起こった取り分け行動が短い間隔で 2,3 度連続して起こることがわかった.この,停滞→取り分け行動の活発化という流れが「遠慮のかたまり」につながる最後の一個に向けての準備行動である可能性があることがわかった.In this paper, we try to analyze serving food to reveal a situation of "the last on piece of food". When we analyzed video data of table talks with some platters, we focused on serving food for each platter and for dining table. As a result, we confirmed situations of suspending serving foods from middle stage to end often occurred. In addition, we found after suspending serving food, serving food occurred continuously for short time span. A series of suspending and activating serving food is important for us to handle a situation of "the last one piece of food".
著者
田中 和彦
出版者
上智大学
雑誌
上智アジア学 (ISSN:02891417)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.313-401, 2005-12-27

<特集>東南アジアの土器と施釉陶磁器(Technology and Chronology of Gazed Ceramics in Southeast Asia) 第4部:フィリピン:貝塚土器の編年 (Part 4: The Philippines : Chronology of the Earthenware of Shell-middens, Earthenware and Glazed Ceramics in Southeast Asia)
著者
今井 龍一 神谷 大介 井上 晴可 田中 成典 藤井 琢哉 三村 健太郎 伊藤 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_58-I_66, 2021

<p> 建設現場における労働災害をゼロにするには,効果的な安全管理の対策の徹底が肝要である.安全管理の一方策として,ビデオカメラを用いて危険箇所への侵入や建機と接触する恐れのある作業者をリアルタイムに警告することが考えられるが,この場合,作業者の自動識別が必要となる.深層学習を用いた人物識別の既存研究では,顔認証,歩容認証や人物同定などで従来よりも高精度な成果を得ることが報告されているが,服装などが類似する作業者が往来する建設現場への適用は困難である.</p><p> 本研究は,建設現場の作業者が常に装着するヘルメットに着目し,深層学習の畳み込みニューラルネットワークに基づく人物の識別手法を提案した.そして,模様と符号の学習モデルに同手法の評価実験を実施し,建設現場における人物識別に適用できる可能性のある知見を得た.</p>
著者
高野 正博 緒方 俊二 野崎 良一 久野 三朗 佐伯 泰愼 福永 光子 高野 正太 田中 正文 眞方 紳一郎 中村 寧 坂田 玄太郎 山田 一隆
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.134-146, 2010 (Released:2010-03-05)
参考文献数
34
被引用文献数
1 1

会陰部に慢性の鈍痛を訴える症例があり,括約不全・排便障害・腹部症状・腰椎症状を加え5症候が症候群を形成する.我々は2001~2005年に537例を経験し,女性に多く,平均58.5歳である. 症候別に他症候を合併する率は,肛門痛では括約不全27%と低い他は,排便障害67%,腹部症状56%,腰椎症状56%である.括約不全で排便障害78%,肛門痛72%,腹部症状56%と高い.排便障害で括約不全31%,肛門痛71%,腹部症状63%,腰椎症状54%.腹部症状でも括約不全が29%と低い他は肛門痛75%,排便障害80%,腰椎症状60%.腰椎症状では括約不全が31%と低い他は,肛門痛77%,排便障害77%,腹部症状71%と高い.括約不全が低いのは肛門機能障害のあと一つの排便障害が第3症候の排便障害と混同されたことによる.その他の症候の合併率は60~80%と高く,この症候群の存在意義は大きい. この症候の病態はS2,3,4より出る仙骨神経と同じ部位の骨盤内臓神経との障害で,前者支配の会陰・肛門部と,後者支配の直腸の機能障害との合併発生によると考える.
著者
薄田 学 坂田 祐輔 山平 征二 春日 繁孝 森 三佳 廣瀬 裕 加藤 剛久 田中 毅
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.12 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.17-20, 2016-03-04 (Released:2017-09-22)

微弱な光により発生する光電子をアバランシェ増倍して出力する,電荷増倍型のCMOSイメージセンサを開発した.本イメージセンサは,低欠陥のシリコン基板内部に光電変換部と電荷蓄積部を分離して配置し,その間にp-n接合からなるアバランシェ増倍部を設けることで,光電子のみを10^5倍に増倍して読出し回路へ出力する構造を実現している.これにより,照度0.01luxの薄暗い環境下で自然なカラー撮像を実現した.また,印加電圧を制御して増倍率を調整することで,明るい環境でも暗い環境でも撮像を可能にし,ダイナミックレンジ100dBを達成した.本センサは,アバランシェフォトダイオード(APD)とトランジスタとを同一基板内に積層しており,APD搭載で世界最小3.8μm画素サイズのメガピクセルCMOSイメージセンサを実現している.
著者
伊木 れい佳 齋藤 恵美子 和田 伸子 高田 寛仁 四宮 真利子 嶋田 雅俊 田中 雅子 吉住 智奈美 阪井 宏彰 片岡 裕貴
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.93-98, 2021 (Released:2021-03-22)
参考文献数
17

【背景と目的】国内外を通し苦痛のスクリーニングの効果を検証した研究は少ない.今回兵庫県立尼崎総合医療センターにて化学療法導入時にスクリーニングを実施し,緩和ケア介入件数が増加するかを検討した.【方法】2018年2月から2019年1月に化学療法同意書を発行された患者を対象にスクリーニングを実施した.回帰不連続デザインを用いて導入前後の緩和ケアチーム介入件数の変化を評価した.スクリーニング回収率を算出し,回収に影響した因子についてロジスティック回帰分析にて評価した.【結果】チーム介入件数の変化の推定値は3.32件/月(95%CI: −3.19〜9.82)であった.回収率は月平均35.2(±7.94)%であり,回収有に関して診療科による差がみられた.【結論】当院で導入したスクリーニングでは緩和ケア介入件数の有意な増加は得られなかった.
著者
勝元 幸久 田中 良和
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.122-126, 2005-02-01
参考文献数
10
被引用文献数
1 1
著者
廻角 侑弥 久保 峰鳴 福本 貴彦 今北 英高 藤井 唯誌 稲垣 有佐 田中 康仁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.6, pp.779-783, 2020 (Released:2020-12-19)
参考文献数
20

〔目的〕変形性膝関節症(膝OA)患者の歩行能力と自己効力感の関連性を検討することとした.〔対象と方法〕対象は膝OA患者67名とした.測定項目は,10 m歩行速度,Timed up and go test(TUG),自己効力感,疼痛,膝関節伸展筋力,足趾把持力,痛みの破局的思考とし,関係性を分析した.〔結果〕10 m歩行速度とTUGはそれぞれ,自己効力感,膝関節伸展筋力,足趾把持力,痛みの破局的思考との間に有意な相関関係を認めた.また,10 m歩行速度とTUGに影響する因子として,自己効力感と膝関節伸展筋力が抽出された.〔結語〕膝OA患者の歩行能力には歩行に対する自己効力感が影響することが示唆された.

1 0 0 0 OA 鍛鉄場の主人

著者
田中キチ 編
出版者
文字新蔵
巻号頁・発行日
1886
著者
内藤 千尋 田部 絢子 石川 衣紀 石井 智也 池田 敦子 柴田 真緒 能田 昂 田中 裕己 高橋 智
出版者
学校法人松商学園松本大学
雑誌
教育総合研究 = Research and Studies in Education (ISSN:24336114)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.109-116, 2020-11-30

本稿では、筆者ら「北欧福祉国家における子ども・若者の特別ケア」研究チーム(代表:髙橋智日本 大学教授・東京学芸大学名誉教授)が調査したフィンランドのユースセンター「ハルユユースセンター (Harjun Nuorisotalo)」「ヌメラユースセンター(Nummelan nuorisokeskus)」(2019年9月)および「ヴァ モス・エスポー(Vamos Espoo)」の取り組みの紹介を通して、多様な発達困難を有する若者支援のあ り方を検討した。若者向けの発達支援の一つであるユースセンターの特徴は、若者の支援ニーズに丁 寧に寄り添う専門家やピアの存在により、ユースセンターが若者の居場所や安心できる環境となって いることである。日本の若者支援においても事後対応的支援ではなく、地域での早期・予防的支援と しての居場所づくりや支援内容の検討が課題である。
著者
田中 玲子
雑誌
日本文學
巻号頁・発行日
vol.10, pp.60-73, 1958-02
著者
鹿野 雄一 山下 奉海 田中 亘 小山 彰彦 菅野 一輝
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.43-53, 2017-04-25 (Released:2018-06-01)
参考文献数
41
被引用文献数
1

The current distribution of the Japanese eel Anguilla japonica and giant mottled eel A. marmorata were surveyed in 1120 inland water bodies on mainland Kyushu and the Nansei Islands, southern Japan. Anguilla japonica occurred at 8 and 2 sites on Kyushu and the Nansei Islands, respectively, the low catch rate apparently reflecting its cryptic life style. The likelihood of occurrence of A. japonica in stream habitats on the Nansei Islands was significantly lower than on mainland Kyushu. Anguilla marmorata occurred at 46 sites (mostly streams) on the Nansei Islands. Accordingly, low stream occurrence of A. japonica on the Nansei Islands may have resulted from interspecific competition. An informal verbal survey of 359 local respondents indicated that A. japonica had formerly been plentiful in Nansei Islands paddy fields, although a similar survey on mainland Kyushu found the habitat of A. japonica to be streams, rivers and/or estuaries. Local names of A. japonica on the Nansei Islands, including “paddy-dwelling eel” and “mud-dwelling eel”, also indicated adaptation of A. japonica to a paddy environment, the use of “stream-dwelling eel” for A. marmorata further suggesting habitat segregation of the two species. The paddy environment appears to be the primary habitat of A. japonica on the Nansei Islands. However, such paddy fields have decreased significantly in extent due to a recent crop change to millet. Restoration of the paddy environment is essential for future A. japonica conservation on the Nansei Islands.
著者
田中 陸人 矢吹 信喜 福田 知弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.I_114-I_123, 2021 (Released:2021-03-15)
参考文献数
27

就業中の作業姿勢の悪化は筋骨格系障害を始めとする労働災害の要因となるため,作業姿勢の定量的な評価を通じて姿勢の改善につなげる必要がある.既往研究では,機械式モーションキャプチャシステムが用いられているが,それらの機器は現場導入時のコスト増大が懸念される.そこで本研究では,建設現場での利用が開始されているヘルメット装着型端末を利用することで,コストの課題に配慮した上で,LSTM(Long Short-Term Memory)を用いた姿勢推定手法を提案する.また,検証実験では,OWAS(Ovako Working Posture Analyzing System)法による姿勢評価に対して,提案手法を適用することにより,鉄筋工作業員の身体負荷が大きい姿勢を再現率80%以上で推定できることを確認した.