著者
高橋 政代 柏井 聡 田辺 晶代
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

毛様体色素上皮細胞の培養と神経分化誘導成体ラット毛様体組織を分離して色素上皮細胞側が下面になるようにして培養皿に接着させた。塩基性線維芽細胞増殖因子を加えた無血清培地を用いた培養により、毛様体組織から増殖して培養皿上に遊走する細胞が得られた。これらの細胞は多くが神経幹細胞のマーカーであるネスチンを発現するようになった。毛様体色素上皮から増殖した細胞を引き続き神経分化誘導条件(血清添加)下で培養すると上皮様形態であった色素上皮細胞は劇的に形態を変化させ、一部には神経様突起をもった細胞も認められた。これらの細胞の一部はニューロンのマーカーであるNeurofilament 200およびグリアのマーカーであるGlial Fibrilary Acidic Proteinを発現していた。ただしこの培養条件下では視細胞のマーカーであるオプシンの発現は得られなかった。アデノウイルスを用いたCrxとGFPの遺伝子導入次に視細胞に特異的に発現するホメオボックス遺伝子であるCrxを導入することにより、毛様体の色素上皮細胞が視細胞に分化しうるかについて検討した。毛様体色素上皮細胞に対し、視細胞特異的ホメオボックス遺伝子であるCrxまたはレポーター遺伝子であるGFP(Green Fluorescein Protein)を組み込んだアデノウイルスを感染させた。引き続き神経分化誘導条件下で培養したのち免疫細胞化学的解析を行った。GFPを導入した毛様体色素上皮細胞からは視細胞のマーカーであるオプシン陽性細胞は得られなかったのに対し、Crxを導入した細胞ではオプシンを発現する細胞が多数認められた。これらの結果から成体ラット毛様体色素上皮から未分化な神経幹細胞あるいは神経前駆細胞が得られ、Crxを遺伝子導入することにより、毛様体色素上皮細胞は視細胞に分化転換する可能性があることが示された。
著者
平野 哲 才藤 栄一 加賀谷 斉 田辺 茂雄 伊藤 慎英
出版者
藤田保健衛生大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

バランス障害を有する患者23名に対してBEARと従来バランス練習のCrossover studyを行った.BEAR介入前後では,快適歩行速度,TUG,FRT,中殿筋筋力,下腿三頭筋筋力に有意な改善を認めた.1名の患者においてはEqui testを行い,足関節戦略の関与が上昇を示した.健常者7名に対して,3種類のゲームで,4段階の難易度の練習を行い,この時の下肢筋活動を表面筋電図によって評価した.各ゲームの筋活動量は難易度の上昇に伴い増加した.前後への重心移動練習中の三次元動作解析・表面筋電図同時計測を健常者,患者各1名に対して実施した.患者においては,健常者よりも膝関節の運動が大きかった.
著者
田辺勝哉 著
出版者
会通社
巻号頁・発行日
1911
著者
田辺 誠
出版者
神奈川工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

地震時の脱線後の鉄道走行車両と線路構造間の連成振動・衝撃現象を表わす効果的な力学モデルと数値計算法を明らかにし、地震時の編成車両の脱線後までの一貫した線路構造上の高速走行のシミュレーションが可能となった。また、地震時の脱線後の車両と線路構造間の激しい連成振動・衝撃現象を数値的に解明し、脱線しても軌道内を逸脱しないで走行する逸脱防止機能を有する新しい軌道構造の検討に役立てることができた。
著者
及部 佳代子 田辺 祥 田地 晶 横山 節雄 池田 義人 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.609, pp.17-24, 2002-01-18
被引用文献数
4

本論文では, 論文サーベイ活動の効率化を目的として, 論文間の類似度と参照情報に基づいて学術論文間の多様な関係を視覚化するシステムを提案する.本システムでは, ユーザの視点に基づく動的な視覚化を実現するために, ユーザの視覚化要求をグラフ描画問題における制約条件として定式化し, 視覚化アルゴリズムを議論することにより, 時間的, 空間的に安全な視覚化を実現した.ユーザは, この制約条件を組み合わせることにより, さまざまな視点から論文関係を観察することができる.本論文では, 本システムの概要と, 本システムにおける論文サーベイ活動の支援について述べる.
著者
手島 保 水澤 有香 田辺 康宏 深水 誠二 辰本 明子 弓場 隆生 小宮山 浩大 仲井 盛 小田切 史徳 北條 林太郎 高野 誠 櫻田 春水 平岡 昌和
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.42, no.SUPPL.1, pp.S1_30-S1_33, 2010 (Released:2012-08-21)
参考文献数
4

Brugada症候群の症例の心事故発生のリスクを層別化するために, 当科でcoved型ST上昇が確認された115例を検討した. 対象は男性108例, 女性7例で有症候性例は20例であった. 全例で加算平均心電図, 73例でpilsicainide負荷テスト, 87例に電気生理学的検査を施行した. 加算平均心電図のRMS40値は有症候性例で有意に低値(7.11, p < 0.01)でRMS40値が5µV未満の症例には有症候性例が有意に多かった(p < 0.01). RMS40値が10µV未満をLP強陽性とすると, 有症候性例には自然経過のcoved型ST上昇の出現(p=0.0013), LP強陽性例が有意に多く(p < 0.0001), 突然死の家族歴を有する傾向(p=0.065)が見られた. しかし電気生理学的検査におけるVFの誘発性には症候性例と無症候性との間に有意差は認められなかった. Pilsicainideを負荷するとRMS40の値は有意に低下したが, 症候性例と無症候性例を判別するには有用ではなかった. Brugada症候群のリスクの層別化には加算平均心電図は有用であり, LP強陽性例で特にRMS40値が5µV未満の症例はhigh riskである.
著者
筒見 拓也 野々垣 嘉晃 田辺 瑠偉 牧田 大佑 吉岡 克成 松本 勉
雑誌
研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC)
巻号頁・発行日
vol.2014-CSEC-65, no.16, pp.1-6, 2014-05-15

近年,DNS リフレクション攻撃に代表される分散型サービス不能攻撃,通称 DRDoS 攻撃 (Distributed Reflection Denial-of-Service attack) が脅威となっている.DRDoS 攻撃は,インターネット上における様々な種類のサービスを悪用するため,攻撃の傾向を分析するためには単一のサービスでなく,複数のサービスを用いて攻撃を観測することが重要である.本稿では,DRDoS 攻撃に悪用される恐れのある複数種類のネットワークサービスを模擬するハニーポットを用意し,DRDoS 攻撃を観測する手法を提案する.

1 0 0 0 OA 日本音楽講話

著者
田辺尚雄 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1926
著者
田辺 和裄 平井 誠 本間 一 堀井 俊宏 美田 敏宏 中村 昇太
出版者
大阪大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

本研究では、DNAポリメラーゼδの校正機能を欠損させることによって高頻度に突然変異を発生するネズミマラリア原虫Plasmodiumberghei(ミューテーター原虫)を用い、原虫の進化を予測する進化モデル実験系の構築を目指した。ミューテーター原虫に生じた変異をゲノムワイドに解析した結果、変異率は対照原虫よりも75-100倍上昇していた。また、サルファ剤耐性試験の結果から、ミューテーター原虫は薬剤耐性の予測を可能にする新たな研究手法となり得ることが明らかになった。
著者
田辺 和子
出版者
パーリ学仏教文化学会
雑誌
パーリ学仏教文化学 (ISSN:09148604)
巻号頁・発行日
no.26, pp.193-221, 2012-12-22

名古屋市所在の覚王山日泰寺には,タイ国王室から分骨されたインドピプラーワーでペッペによって発見された仏舎利が納められている。仏舎利奉迎の際にタイ国王ラマ五世から贈られた仏像と仏足跡も安置されている。それに加えて日泰寺にはタイ国から贈られた写本が所蔵されている。その写本カタログは,柏原信行氏によって『パーリ学仏教文化学』第14号に報告されている。本稿ではこのカタログをもとに重要写本,それのカヴァー,入れ物の影印と写本の大きさ,ナンバーを加えて報告した。そしてその中からプラマーライ・クローンスアットと呼ばれるプラマーライの絵付折本紙写本(日泰寺本)を選んで,タイ国の18世紀前半作製の水牛寺(Wat Hua Krabu)所蔵の絵付折本紙写本(水牛寺本)と比較対照し,その同異を述べ,タイのサムットコーイと呼ばれる葬儀本の実態を調査する。
著者
田辺哲人著
出版者
叢文社
巻号頁・発行日
1990
著者
永里 賢治 田辺 孝二
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
一般社団法人国際P2M学会誌
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.155-166, 2011-10-01

2007年に欧州の新しい化学物質管理政策であるREACH規則がスタートした。REACH規則は「予防原則の導入」や「ステークホルダーの政策参加」といった新たな試みを政策手段に加えるだけでなく、「欧州の産業競争力向上」といった産業政策も織り込んだ新しいタイプの環境政策である。本稿では実例を紹介しながら、化学物質管理政策のあるべき姿を「全体像」や「仕組み作り」といった国際プロジェクト・プログラムマネジメント(P2M)の視点で考察する。
著者
永里 賢治 田辺 孝二
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.206-215, 2011-05-14

2007年に欧州の新しい化学物質管理政策であるREACH規則がスタートした。REACH規則は「予防原則の導入」や「ステークホルダーの政策参加」といった新たな試みを政策手段に加えるだけでなく、「欧州の産業競争力向上」といった産業政策も織り込んだ新しいタイプの環境政策である。本稿では実例を紹介しながら、化学物質管理政策のあるべき姿を「全体像」や「仕組み作り」といった国際プロジェクト・プログラムマネジメント(P2M)の視点で考察する。

1 0 0 0 OA 世界一周記

著者
田辺英次郎 著
出版者
梁江堂
巻号頁・発行日
1910
著者
田中 雅一 江田 憲治 小池 郁子 高嶋 航 上杉 妙子 金 柄徹 田辺 明生 福浦 厚子 森田 真也
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究プロジェクトの目的は、ナショナリズムや国民国家創出との関係で論じられてきた軍隊をトランスナショナルな視点から分析することにある。対象は、在日・在韓米軍を含むアジアの軍隊に限り、歴史・人類学的なアプローチをとる。自衛隊のイラク派兵の影響から在韓米軍の再編による地域への影響に至るまで、その研究成果は多岐にわたる。基地反対運動や平和運動もまたトランスナショナル化していることが明らかになった。