- 著者
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原 勝己
田辺 昭
川下 辰広
角山 宏
鳥海 徹
- 出版者
- 岡山大学農学部
- 雑誌
- 岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.1, pp.55-61, 1976
1.産卵鶏にEMCを投与し,同時にpenicillamineあるいはsodium selenate (SS)を投与して,水銀の卵への移行に対するpenicillamineとSSの影響をみた. 2.penicillamine投与は水銀の卵への移行,全血中濃度に影響しなかった. 実験終了時(31日目)の組織中水銀濃度にもpenicillamineの影響はほとんど認められなかった. 3.penici11amineはEMCによる産卵率の低下をやや改善した. 4.SS投与によって卵への水銀移行量は1/2~1/5に減少した. また全血の水銀濃度は約1/2に低下した. 実験終了時(32日目)においてSS投与2群の肝の水銀量はそれぞれ対照群の15倍,28倍であった. 一方腎,脳組織では対照群の約2倍,浅胸筋では殆んど差がなかった. 血漿では逆にSS投与群は対照群の約1/2,血球ではそれぞれ1/3,1/5,羽毛では1/9,1/6であった. 5.SS投与は産卵を低下させ,またSS投与期間中はかなり激しい緑色下痢便が認められた。