1 0 0 0 OA 数理哲学研究

著者
田辺元 著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1925
著者
田辺 嘉彦
出版者
綜合宣伝社
雑誌
宣伝
巻号頁・発行日
vol.3, no.5, 1948-10
著者
石井 圭太 田辺 聡 三橋 利温 西元寺 克禮
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.376-380, 1994-10-31
被引用文献数
1

より多くの施設で使用可能な調理不要RI標識固形試験食の作成を目的として,インスタント焼きそばを用いて胃排出能検査を検討した。飲水と一緒に試験食を摂取させた場合は,胃排出曲線は液食パターンである指数関数曲線を示したが,飲水無しではlag phase後直線的に排出される固形食パターンを呈した。糖尿病性胃排出障害症例11例と健常人7例を対象に飲水無し法で胃排出能を比較検討したところ,全計測時期で有意に糖尿病群で胃排出遅延を認めた。以上から本試験食は飲水無しで施行することにより,RI標識固形試験食として臨床応用が可能であることが示唆された。
著者
吉田 修 北川 将之 上田 知亮 石坂 晋哉 油井 美春 長崎 暢子 志賀 美和子 木村 真希子 舟橋 健太 中溝 和弥 田辺 明生 三輪 博樹 伊藤 融 小川 道大 小西 公大 近藤 則夫 森 悠子 和田 一哉 佐藤 仁美
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

20人弱の日本のインド政治・社会研究者がインドにおける州への分権化・自治の進展について共同・分担して分析を行った。その研究結果は2014年度アジア政経学会西日本大会で発表するとともに同学会誌『アジア研究』第62巻第4号に特集として掲載され、インド政治が一国家の枠内にありながら州を単位とした比較政治の対象でもありうること、また政治的に進展した分権化が全国レベルでの緩やかな統合を可能にしていることが、インド研究の政治学全体への貢献として提示できることが示された。この成果はインドの「社会経済変化研究所」で国際セミナーを開催することでインド国内にもインパクトを与え、今後の国際共同研究に道を開いた。
著者
徳山 美知代 田辺 肇
出版者
静岡福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

里親と里子を対象としたアタッチメントに焦点をあてたプログラムを作成し、その有効性の検討を行った。4組の里親と里子を対象に測度と内省報告による検討を行った結果、里子の問題行動の減少と里親のストレス軽減などに肯定的な変化が見られた。さらに、里親のプログラムへの内省報告と里子の行動との関連を検討した結果、プログラムの要素である里親の敏感性の向上と、里子に対する安全感・安心感を高める働きかけによって、里子の里親を安全基地とした自律的な探索行動が促進されたこと、そういった肯定的な変化がアタッチメントに関連する問題行動の減少につながる可能性が示唆された。
著者
皆川 公夫 田辺 千絵
出版者
一般社団法人 日本てんかん学会
雑誌
てんかん研究 (ISSN:09120890)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-20, 1989-04-30 (Released:2011-01-25)
参考文献数
33
被引用文献数
2 3

未治療あるいは従来の抗てんかん薬では発作抑制が困難であったLennox症候群を中心とする難治性てんかん患児10例にTRH-tartrateを14日間連日筋注にて投与し, その短期効果を検討した。てんかん発作の抑制に関しては10例中8例に有効で, 5例には完全抑制が得られた。発作抑制効果は4~10日で発現した。脳波所見は10例中6例に改善がみられ, 4例ではてんかん放電が消失した。とくに, Lennox症候群では5例中3例に発作の完全抑制とてんかん放電の消失がみられ, 有効率が高かった。また, 全例に種々の程度の精神活動性の向上が認められたが, 重篤な副作用はみられず, 一部の乳児例に嘔吐, 発熱, irritabilityの増強が一過性に出現したのみであった。
著者
田村 俊和 氷見山 幸夫 田辺 裕 漆原 和子
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.179, 2003 (Released:2004-04-01)

地理学の特性としてしばしば語られる4つのキイワード(学際性,環境,地域,空間)を手がかりに,最近の日本の地理学研究の動向を,地理学の内外および国の内外から点検して,地理学はこれからどのようにしていくのがよいか,参加者とともに考えてみたい. 地理学の研究はほんとうに学際的か? たとえば変動地形の研究からジェンダーの地理学まで並べてみれば,その対象はきわめて多岐にわたり,個々の研究にとっての隣接分野は,全体としてはきわめて広い.しかし,本来多面的な地理学の個々の研究対象を,地理学(内の各分野)の研究において真に多面的視点から分析しているかというと,かなり心もとない.たとえば都市の緑地の配置やその評価・活用について,都市地理学,植生地理学,気候学等の研究者が共同で,あるいはその誰かが他方から知見や方法の教示を得て研究するよりも,都市計画や造園学などの研究者が,大胆に結論を出し,方策を提示している例が目につく.これら応用的とされる学問分野では,社会の要請する問題の構造を敏感に感じ取り,ときに自らの蓄積の少なさや手法の不十分さをも省みず,その要請に応える(かの)ような答を用意しようとしている.一方,地理学内部の個別の研究は,地理学が全体としては何とか保持している多面的視点をうまく活用できず,むしろ自らの視野を狭めているようにみえる. 地理学では環境の問題を正面から扱っているか? 環境への関心は,大小の波を経ながらも,1970年ころからは,社会において,したがって科学研究においても,高まってきた.古来,自然環境と人間活動との関係を重要な研究対象としてきたはずの地理学は,全体としてはこの波に乗れなかった.自然地理学のいくつかの分野では,個別の人為的環境悪化の発端となる現象のメカニズム研究で成果を上げたが,それを,問題発生の抑制に向けた人間(社会,企業,etc.)活動の規制にまで発展させて議論することは少なかった.人文地理学者の多くは,環境決定論批判の後遺症に陥っていて,人間-環境関係の研究に的確に取り組むすべを失っていたようにみえる.70年代後半ころから,大学その他で環境という語を冠した研究組織に地理学的発想をもった研究者が多少とも進出し,あるいはそのような組織の結成に積極的に関与して,関連する教育にも携わる例が増えてはきたが,一方で「地理学でも環境をやるのですか」という素朴な疑問が隣接分野から聞こえる状況は変わっていない.その原因の一つは,大学の教育体制にあると考えられる. 地理学では地域を深く認識しているか? 「環境」の場合と同様,「地域の科学」を自称することの多い地理学を置き去りにして,地理学の外の多くの分野で「地域(の)研究」が盛行している.しかしその中には,空間性を捨象した人間関係だけで地域をとらえているようなものもみられ,地理学が強みをもって地域の研究に(再)参入し,成果を上げる余地は,まだあるように思われる. 地理学は空間を扱う手法を発展させたか? いわゆる計量地理学の後で登場したGISは,地理学も学んだ地理学外の研究者・技術者により主として考案されたが,ある段階からは地理学出身者の寄与も小さくない.そして地理学研究・教育の強力な手法として,今までは概念的にしか論じられなかった空間現象を,具体的なデータに基づいて図示し,解析することが可能になってきている.地理学が伝統的に蓄積してきた空間解析の手法と知見を生かしつつ,この新しい手法の活用法や適用範囲の拡大を図り,新たな概念の展開にもつなげる可能性が,今までの実践の外にある. これからどのような方向をめざすのがよいか? たとえば,そろそろ時限の来るIGBPのような環境研究計画は,広範囲の学問分野を結集して初めてその推進が可能になるものではあるが,その一部を分担しつつ,各分野での成果をその都度結びつけ(できれば統合し)て全体像を示し,それが人間生活においてもつ意味を多面的に考え続け,公表していくということは,地理学諸分野の共通の目標になり得る.これにより,地理学内の少なくともいくつかの分野での研究は進展し,その他の分野にとっても波及効果があり,地理学全体として活性化し,その特性を外に向かってアピールできる.このような次の大きな研究課題を地理学から提案し,中心的に推進して行けないであろうか.
著者
合田 俊宏 大場 淳一 安田 慶秀 田辺 達三
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.807-810, 1993-06-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

AS症例におけるAVR後の心機能を使用弁サイズ毎に検討した。対象は成人AS症例30例で, 年齢は15~87(平均56.5)歳であった。使用したSJM弁は19mm:11例, 21mm:11例, 23mm:7例, 25mm:1例で, 2例に弁輪拡大術を, 1例にパッチ拡大術を合併施行した。術後の心エコー及び心カテーテルの計測値を19mm, 21mm, 23mm, 25mm弁の順に示す。LV-Ao圧較差(mmHg)は35.5±10, 26±11, 14±6, 10と19mmvs23mm(p<0.01), 21mmvs23mm(p<0.05)で有意差があった。FS(%)は29.9±5.5, 33.2±5.5, 31.9±4.0, 35.2と各群共, 術前より改善し各群間の差はなかった。ESWS (kdynes/cm2)は84.2±16.2, 81.4±20.4, 90.2±14.8, 76.6と術前より有意に低下し各群間に差はなかった。CI, PAWPには各群間に差はなかった。NYHA心機能分類では術前平均3.0から術後1.3へ改善し, 19mmと21mmでも同様に改善していた。BSA<1.5m2の症例では19mm弁で充分な心機能と臨床症状の改善を得た。
著者
石川 秀忠 田辺 雅次 中村 信行 斉藤 優理絵 李 文昭 塩野 宗則 新井 高 中村 冶郎
出版者
特定非営利活動法人日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.281-286, 1986-03-28
被引用文献数
1 1

比較的軽度の歯周疾患患者150名を用い, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度の3項目について全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の比較検討を行なった。歯周ポケットの深さ, 骨残存量, 動揺度とも全部診査法とRamfjordの6歯法による部分診査法の間に推計学的有意差は認められなかった。また, 歯周ポケットの深さ, 骨残存量において, 歯群の平均値と, 歯群の代表歯および代表歯+の歯の間に推計学的有意差は認められなかった。以上のことにより, Ramfjordの6歯法は部分審査法の一つとして有用であり, また歯群内の他の歯が代表歯としてしようできることも明らかになった。
著者
林 農 HIGUCHI H. KLICK Heiko LAMPARD D. LICHTAROWICZ エー CLAYTON B.R. CHOI KwingーS 田辺 征一 若 良二 河村 哲也 望月 信介 大坂 英雄 LAMPARD Desmond HIGUCHI Hiroshi
出版者
鳥取大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

本国際共同研究は、イギリス、ドイツ、及びアメリカの研究グルプと、本年13周年を迎えた西日本乱流研究会の研究者達が協力して、それぞれが既に研究成果を挙げ十分なデータを蓄積している運動量、熱及び質量輸送に関する実験結果を相互に交換して、これらに共通する基本原理を明らかにすることを目的としたものである。本共同研究の開始に先立つ4年前、研究代表者の林は文部省在外派遣研究員として、1991年8月から4ヶ月間ドイツ・ルール大学ボフム校に滞在し、K.Gersten教授及びHeiko Klick氏と遷移境界層中に発達する温度境界層に関して共同研究を行った。引き続き、1991年12月から4ヶ月間イギリス・ノッチンガム大学に滞在して、Kwing-So Choi博士とリブレット平面上に発達する境界層内の伝熱促進に関して共同研究を行った。その際、ノッチンガム大学のB.R.Clayton教授及びルール大学のK.Gersten教授の勧めもあって、3国間での資料交換についての国際共同研究を申請することに合意し、国内外研究者の組織化を進めた。その結果、幸いにも、平成7年度文部省科学研究費補助金国際学術研究に採択いただき、国際共同研究を実施する運びとなった。国際学術研究・共同研究では、国内の研究者グループと国外の研究者グループの対等の立場での研究者交流が重要な柱となっているので、本共同研究においても、研究経費は各研究機関の負担によることとし、研究者の交流による討論及び外国研究機関での研究に主眼をおいて学術交流を推進した。本共同研究の目的である討論をより深めるためには、各々の研究者が国内外の各地に点在する大学や研究所を訪問し互いの実験結果を比較し検討するよりは、経費と時間を有効に使うためにワークショップなりセミナーの形式を採用して多くの研究者が一堂に会して、課題の本質について討議することの方が能率良く且つ実り多い結果が得られると感じられたので、共同研究の実施期間である平成7年度中に、2度の 「質量,熱,運動量輸送の乱流制御」 に関する国際会議を開催した。一つは、1995年10月6日に鳥取大学において開催した国際交流セミナー 「質量,熱,運動量輸送に関する乱流制御」 であり、B.R.CLAYTON教授、Kwing-So CHOI助教授及びHeiko KLICK博士の3名に加えて、国際的学者である東京大学・笠木伸英教授及び名古屋大学・中村育雄教授、国内の研究グループである西日本乱流研究会の多くの研究者達が討論に加われるように配慮して、検討を十分掘り下げることができた。他の一つは、1995年8月22日にイギリス・ノッチンガム大学において開催したOne-day Colloquium 「Techniques in Turbulence Management of Mass,Heat and Momentum Transfer」 であり、西日本乱流研究会からも特別講師として、研究代表者の林農教授、研究分担者の大坂英雄教授、河村哲也教授、田辺征一教授が招かれて、ノッチンガム大学のスタッフのみならず、イギリス各地の大学、研究所、企業から集まった乱流制御問題に関心のある研究者達及び別途日本から参加の岐阜大学・福島千尋助手及び日本原子力研究所の秋野詔夫主任研究員らを交えて活発な意見交換が成され,十分な成果をあげることができた。また、河村哲也教授は、短期間であるが共同研究の相手先であるノッチンガム大学工学部機械工学科に滞在して、リブレット付き平板上に発達する境界層の数値シミュレーションに関する研究を行った。研究分担者の鳥取大学・若 良二教授もノッチンガム大学短期滞在中に乱流計測技術の調査研究についての成果を得た。今回の共同研究の結果として、本研究に加わったイギリス・ノッチンガム大学及びアメリカ・シラキュース大学と鳥取大学との大学間交流協定を締結する準備が進展している。したがって、ノッチンガム大学とはリブレット付き平板上の境界層の発達と熱伝達促進に関する共同研究を、シラキュース大学とは円柱後流の干渉とウェーブレット解析に関する共同研究を、大学間協力研究として、近い将来の文部省科学研究費補助金国際学術研究に申請するよう計画しているところである。
著者
田辺尚雄 著
出版者
内田老鶴圃
巻号頁・発行日
1909
著者
加藤 勇気 小山 総市朗 平子 誠也 本谷 郁雄 田辺 茂雄 櫻井 宏明 金田 嘉清
出版者
東海北陸理学療法学術大会
雑誌
東海北陸理学療法学術大会誌 第28回東海北陸理学療法学術大会
巻号頁・発行日
pp.86, 2012 (Released:2013-01-10)

【はじめに】 動的バランス能力低下を引き起こす要因として、足底感覚の低下が報告されている。その機序の一つとしては、機械的受容器の非活性化が示唆されている。臨床では、機械的受容器の賦活にタオルギャザーや青竹踏みが用いられている。しかし、刺激量が定量化できない事、随意運動が不十分な患者では施行できない事が問題となっている。近年、経皮的電気刺激(transcutaneous electrical stimulation以下TES)を用いた機械的受容器の賦活が報告され始めている。本手法は、刺激量が定量化でき、随意運動が不十分な患者でも施行できる利点がある。過去報告では、下腿筋群に対する運動閾値上のTESによって、足底感覚と動的バランス能力の改善を認めている。しかし、感覚鈍麻を認める患者においては、可能な限り弱い強度での電気刺激が望ましい。本研究では、足底に対する運動閾値下のTESによって動的バランス能力が向上するか検討した。【方法】 対象は健常成人17名(男15名、女3名、平均年齢24.6±3.2歳)とし、10名をTES群、7名をコントロール群に分類した。TES装置はKR-70(OG技研)を用いた。電極には長方形電極(8㎝×5㎝)を使用し、足底、両側の中足骨部に陰極、踵部に陽極を貼付した。TESは周波数100Hz、パルス幅200us、運動閾値の90%の強度で10分間連続して行った。コントロール群は10分間安静を保持させた。動的バランス能力の評価にはFunctional Reach Test(FRT)を用いた。FRTの開始姿勢は、足部を揃え上肢を肩関節90°屈曲、肘関節伸展回内位、手関節中間位とした。対象者には指先の高さを変えない事、踵を拳上しない事を指示し、最大前方リーチを行わせた。測定は2回行い、その平均値を算出した。統計学的解析は、各群の介入前後の比較に対応のあるt検定を用いた。本研究の実施手順および内容はヘルシンキ宣言に則り当院倫理委員会の承諾を得た。対象者には、評価手順、意義、危険性、利益や不利益、プライバシー管理、目的を説明し書面で同意を得た。【結果】 TES群は介入前FRT 34.6±3.2㎝、介入後36.9±3.2㎝と有意な向上を認めた。一方で、コントロール群は介入前34.3±1.9㎝、介入後34.6±2.0㎝と有意差は認められなかった。【考察】 足底に対する運動閾値下のTESは、動的バランス能力を向上させた。過去の報告で用いられた下腿筋群に対する運動閾値上のTESの作用機序としては、筋ポンプ作用によって末梢循環が改善され、機械的受容器が賦活されたと示唆されている。したがって、本研究における運動閾値下のTESの作用機序は異なるものであると考えらえる。運動閾値下のTESは、刺激部位の機械的受容器や上位中枢神経系の賦活が報告されている。機械的受容器の感受性改善は、足底内での細かな重心位置把握を可能とし、上位中枢神経系の賦活は、脊髄反射回路の抑制によって協調的な動作を可能にすると考える。今後、足底に対する運動閾値下のTESと重心動揺、上位神経系との関係を明らかにすることで、動的バランス能力向上の機序がより明確になると考える。【まとめ】 本研究によって足底に対する運動閾値下のTESが動的バランス能力を向上させることが示唆された。
著者
田辺 弘子 杉本 賢司
出版者
一般社団法人日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.220-231, 2005-09-01

タージ・マハルは、ムガール帝国時代に5代皇帝シャー・ジャハーンによって建設された霊廟で、1632年から毎日2万人が働き20年の歳月をかけて完成した。この建物はインド・イスラム建築の最高峰のデザインでウッタルプラデシュ州アーグラに位置する。世界遺産のなかでも美しさの点でこれほど抜きん出ている建物はなく、貴石象嵌と赤色砂岩および白大理石を使用した建物は、皇帝の王妃であるムムターズ・マハルのために建造された。国の財力を注ぎ込みすぎた王は、幽閉され亡くなったのちに王妃とともにタージ・マハル廟に祭られた経緯をもつ。皇帝は、タージ・マハル廟が完成後にヤムナ川を挟んだ対岸まで橋をかけ、自分のために同じ形の霊廟を黒大理石で造り二つの霊廟を橋でつなぐ壮大な計画をもっていた。本研究はタージ・マハル廟の白色大理石、赤色砂岩、宝石象嵌、ラコウリー・イートン煉瓦、白色目地などタージ・マハル廟の古代建築と色彩について検討したものである。さらに、この結果を踏まえて、新たに大理石を変色させない高度な吸水切断法を世界に先駆けて確立し、複雑な象嵌を高出力レーザーでつくり巨大な壁画を制作した。
著者
立花 亮 田辺 利住
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

キトサン溶液を無水酢酸でアセチル化することで、キチンゲルを作製した。塩基性の細胞増殖因子は、キチンゲルに残存するアミノ基を残した場合、結合せず、ヨード酢酸でカルボキシメチル化すると、強く結合した。また、キチン結合ドメイン融合FGF2は特異的に結合し、緩衝液にはほとんど溶出しなかった。キチンを分解するリゾチームによって、キチン結合ドメイン融合FGF2は徐放された。キチンの分解に伴ってゲル外に放出されたのであるが、ゲルの成分の徐放と異なるパターンで徐放されていることから、放出された後に、再結合が起こっていると考察された。結果的に、初期バーストのない理想的な徐放システムが得られた。