著者
石井 大輔
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.85-90, 2007 (Released:2007-06-27)
参考文献数
8

音楽著作物は歴史の中で次第に社会性を帯び大量消費されていくことにより,著作権制度自体に大きな影響を及ぼし,著作権を集中管理するためのシステムがつくられていく.本稿はフランスにおける,アンシャン・レジームから革命期を経て19 世紀にSACEM の設立に至る法制度的,社会的側面から音楽著作物の流通・利用と音楽著作権の生成,発展の過程を追う.そこでは楽譜出版の歴史,フランス著作権制度,音楽著作権の管理団体の勃興が取り扱われる.
著者
髙山 耕二 中村 南美子 園田 正 冨永 輝 石井 大介 柳田 大輝 飯盛 葵 松元 里志 片平 清美 大島 一郎 中西 良孝 稲留 陽尉 塩谷 克典 赤井 克己
出版者
Japanese Soceity for Animal Behaviour and Management
雑誌
日本家畜管理学会誌・応用動物行動学会誌 (ISSN:18802133)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.134-141, 2018-09-25 (Released:2018-11-28)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究では,明暗条件下でニホンジカ(Cervus nippon nippon;以下,シカ) 2頭(雄雌各1頭)の有彩色(赤,緑および青色)と無彩色(灰色)の識別能力を明らかにした.試験にはT字型迷路を用い,各有彩色と無彩色を対比させ,シカが有彩色を選ぶと報酬(飼料)を与えた.実験室内の色パネル中央部の照度は,LED電球を点灯した試験1で200lux,点灯しなかった試験2で0.1luxであった.1セッションを20試行とし,80%以上の正答率(χ2検定,P < 0.01)が3セッション連続で得られた場合,提示した有彩色をシカが識別したと判定した.試験1:点灯下で,2頭のシカは有彩色(緑,赤および青色)と無彩色(灰色)をいずれも4セッション目までに識別した.試験2:非点灯下で,シカ2頭は緑および青色を3セッション目まで,赤色を6セッション目までに識別した.以上より,シカは明暗に関係なく,各有彩色と無彩色を識別出来ることが示された.
著者
石井 大輔 齋藤 淳美 宮川 和也 辻 稔 武田 弘志
出版者
国際医療福祉大学
雑誌
国際医療福祉大学学会誌 (ISSN:21863652)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.66-74, 2016-03-31

がん患者の代表的な身体的苦痛である慢性疼痛が,患者の精神症状を増悪することが懸念されている.「痛み」の伝達経路は,情動調節に重要な脳部位である帯状回や扁桃体に直接的または間接的に入力しているため,痛み刺激自体がストレスへの対処(ストレスコーピング)に影響を及ぼす可能性が示唆される.本研究では,慢性疼痛がストレスコーピングに及ぼす影響について,マウスの強制水泳試験を用いて行動学的に検討した.その結果,炎症性慢性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.一方,神経障害性慢性疼痛は,強制水泳試験における無動時間の短縮,すなわち,ストレス刺激に対する受動的コーピングの障害を惹起した.なお,この条件下において,オープンフィールド試験における探索行動およびロータロッド試験における運動協調性には特筆すべき変化は認められなかった.また,神経障害性急性疼痛は,ストレスコーピングに影響を及ぼさなかった.これらの所見から,神経障害性慢性疼痛は,ストレス刺激に対する受動的コーピングに影響を及ぼすことが考えられる.
著者
辻 麻美 飯倉 麻子 小舘 亮之 石井 大祐 下村 道夫
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.2, pp.1-5, 2013-02-15

新たに読み始めようとする書籍を選ぶ際の手がかりとする情報は多様である.例えば,ジャンルや作家名などの情報以外に,表紙のデザイン,とりわけ絵を楽しむ漫画の場合は,登場人物の顔などの画像的特徴を手がかりとして選ぶ方法もある.本研究では,漫画ならではの特徴が表れると想定される顔要素の特徴量をベースとする漫画作品推奨システムを提案し,そのための基礎検討として,顔パーツ特徴量の算出方法について検討する.There are various ways to choose books we read. For instance, the genre and author's name are one of the helpful information to choose one book from various options. Pictures of characters (how they look) are also useful information especially when we are looking for picture book, Manga. This paper proposes a Manga content recommendation system focusing on the facial feature characteristics of main characters. When one Manga content is selected, the system returns similar content based on the similarity scores calculated by the facial features of their main characters.
著者
石井 大祐 張 傑 石上 諒 渡辺 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-5, 2014-02-14

マンガは 2 値線画からなる複雑な模様によって描かれている.従来,画像のエッジをとらえる画像特徴量として,HOG が使用されており,マンガにも一定の解析結果をもたらすことがわかってきている.その一方で,2 値の線画を扱ううえで,HOG 特徴量では形状をとらえるために冗長な次元がある.また,2 値の斜線は縦横 2 方向の合成によって構成されることから,方向の取得にも難点がある.本稿では我々の提案する 2 値線画像用に作成した特徴量 Histograms of Binary Oriented Pattern(HBOP) を用いてマンガ画像の解析を行う.マンガ画像解析において従来の HOG 特徴量と HBOP を用いた場合の比較結果を示す.Comic image was drawn into complex pattern using binary line. In conventional research, HOG it can treat image edge was utilized for to analyze Comic image as image feature. On the other hand HOG feature has redundant dimension for to treat binary line image. Moreover, diagonal line on binary image was consisted by combination of vertical and horizontal edge. Thus it is hard to get line angle. Histograms of Binary Oriented Pattern(HBOP) was proposed for to analyze binary line image by us. In this research, We analyze comic image using HBOP. Then, comparison results between HOG with HBOP on Comic image analysis was derived by examination.
著者
石井 大祐 河村 圭 渡辺 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.64, pp.187-192, 2009-05-21

コミックのコマ分割では高速かつ高精度な処理が必要とされている.我々はこれまで高速性と正確性の両立を目的とした高速高精度コマ分割手法(FAFSM)の提案を行ってきた.コマ分割では,処理プロセスの低減だけでなく,画像解像度の縮小により処理の高速化を行うことが可能である.しかしながら,画像解像度の縮小率が高くなるにつれてコマの分割精度は低下する.本稿では,実際にコマ分割実験を行い,コマ分割における分割精度と処理時間との相対的な評価を行った.そして,FAFSMにおける画像解像度変換によるコマ分割への影響に関して検討を行った.
著者
金丸 英樹 佐藤 徹 菅田 真生 石井 大造 丸山 大輔 林 正孝 濱野 栄佳 井手口 稔 片岡 大治 高橋 淳
出版者
特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会
雑誌
Journal of Neuroendovascular Therapy (ISSN:18824072)
巻号頁・発行日
pp.jnet.oa.2015-0039, (Released:2015-10-02)
参考文献数
11
被引用文献数
4 1

要旨: 【目的】近年脳血管内治療は普及の一途をとげているが,病変へのアクセス時に,ガイディングカテーテル(GC)を母血管に干渉せず留置できるかどうかは治療の成否に関与する重要な因子の一つである.そこで,GC を留置する際に機械的血管攣縮(mechanical vasospasm; mVS)を惹起する因子について検討した.【方法】対象は2012 年8 月1 日より2014 年7 月31 日までの2 年間に未破裂脳動脈瘤に対しコイル塞栓術を施行した連続64 例とし後方視的に検討した.mVS の定義として,GC を留置した母血管径が25%以上狭小化するものとした.【結果】mVS は24 例(38%)に認め,そのうちGC のサイズ変更を要したものは5 例,その他の症例では先端位置を変えることで攣縮所見は全例軽快した.mVS と関連する因子として,より年齢が若いこと(p<0.001),女性(p=0.03),高血圧でないもの(p=0.03)を認めた.Body Mass Index,Adjunctive technique の有無,治療後のDWI 高信号域の有無,治療時間,部位(ICA/VA),抗血小板療法(Single/Dual)は関連を認めなかった.【結論】より年齢の若い症例,女性,高血圧のない症例では機械的血管攣縮を引き起こしやすいと考えられる.
著者
中村 南美子 冨永 輝 石井 大介 松元 里志 稲留 陽尉 塩谷 克典 赤井 克己 大島 一郎 中西 良孝 髙山 耕二
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.343-349, 2021-08-25 (Released:2021-10-08)
参考文献数
32

3色覚であるヒトの色覚異常(2色覚)のうち,Protanopia(P),Deuteranopia(D)およびTritanopia(T)型の場合にはそれぞれ赤と青緑,赤紫と緑および青と緑の色が識別困難とされる.本研究では生理学的に2色覚とされるニホンジカ(Cervus nippon;以下,シカ)がこれらを識別可能か否かについてオペラント条件付けにより検証した.シカ2頭(推定3歳:オス・メス各1頭)を試験に用いた.1セッションを20試行とし,正刺激として提示した色パネルの選択率80%以上(χ2検定,P<0.01)が3セッション連続でみられた場合,シカは2つの色を識別可能と判定した.オスは18,5および3セッション目,メスは12,14および4セッション目でそれぞれの色の組み合わせを識別できた.以上より,供試したシカはP, DおよびT型のヒトで区別し難い色の組み合わせをすべて識別可能であり,行動学的手法によって導き出されたシカの色識別能力はヒトの2色覚と一致しないことが示された.
著者
針山 孝彦 高久 康春 鈴木 浩司 石井 大佑 下村 政嗣
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.201-206, 2015-04-10 (Released:2015-04-21)
参考文献数
8

Scanning electron microscopy (SEM) has become an essential tool for observing the biological materials, however, various complex procedures preclude observation of living organisms to date. Here we present a new method to observe living organisms by a SEM. We observed the active movements of animals in vacuo (10−5—10−7 Pa) by coating them with a thin polymer membrane, NanoSuit®, made by polyoxyethylene (20) sorbitan monolaurate and found that the surface fine structure of the living organism is very different from that of traditionally fixed samples. After observation of the larvae of mosquitos, despite the high vacuum, we could rear them in normal culture conditions. We also found that the NanoSuit® and self-standing biocompatible films were able to produce by plasma polymerization from various monomer solutions. Our method will be useful for numerous applications, particularly in the electron microscopic observation of life sciences.
著者
河原 純子 兵藤 透 太田 昌邦 平良 隆保 日台 英雄 石井 大輔 吉田 一成 馬場 志郎
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.695-698, 2011-08-28 (Released:2011-09-28)
参考文献数
13

蛍光眼底造影剤は,眼科領域では網脈絡膜疾患の診断,治療効果の判定に不可欠な検査である.今回,糖尿病性腎症にて血液透析中の44歳女性に対し眼底出血の疑いのため蛍光造影剤(フルオレサイト®静注500mg,以下一般名フルオレセインと記す)を使用した.造影後に透析を行った際,透析液排液ラインに造影剤の蛍光色が視認できたため,独自に作製したカラースケールを用いて廃液ラインの排液色の変化による造影剤除去動態を1週間経過観察した.結果,カラースケール値では,1日目開始時90,1日目終了時50,3日目開始時20,3日目終了時10,5日目開始時0,5日目終了時0であったが,5日目終了時500mL程度排液を集めると,僅かに色を確認することができた.
著者
梅崎 健夫 河村 隆 西田 健吾 早川 典 石井 大悟 志賀 信彦
出版者
国際ジオシンセティックス学会 日本支部
雑誌
ジオシンセティックス論文集 (ISSN:13446193)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.167-174, 2013 (Released:2014-11-06)
参考文献数
16
被引用文献数
4 3

水中の陽イオンおよび陰イオンを吸着除去する天然ゼオライトおよび多孔質ケイ酸カルシウムをパルプにす き込んだゼオライト機能紙およびケイ酸カルシウム機能紙を開発した.湖沼や河川などの富栄養化の要因であ る窒素およびリンに対するこれら上記2種類の多孔質担持機能紙の有効性を検証するため端緒として,アンモ ニア態窒素(NH4-N)およびリン酸態リン(PO4-P)を含む水溶液に対する吸着試験を実施した.試験結果に基 づいて,機能紙の吸着特性について検討した.主な結論として,ゼオライト機能紙へのNH4-Nおよびケイ酸カ ルシウム機能紙へのPO4-Pの吸着はそれぞれ短時間で生じること,水溶液中にNH4-NおよびPO4-Pの両者が混在 する場合においても互いの吸着を妨げないこと,一旦吸着すると容易に剥離しないこと,を明らかにした.
著者
岩田 忠久 柘植 丈治 石井 大輔
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.123-129, 2014

<p>現在,様々なバイオベースプラスチックが開発されているが,熱的あるいは機械的性質,加工性,生産性,原料問題など多くの課題を抱えている。本稿では,微生物産生ポリエステル合成において炭素源を糖から非可食系植物油へ転換する取り組み,木質バイオマスの1つでこれまで廃棄されてきたヘミセルロースであるキシランの有効利用に関する研究,食品廃棄物の1つであるコーヒーの搾り滓から抽出されるカフェ酸を原料としたポリエステル合成に関する筆者らの最近の研究成果について紹介する。</p>