著者
稲井 卓真 久保 雅義 江玉 睦明 高林 知也 小熊 雄二郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11204, (Released:2016-08-25)
参考文献数
56

【目的】本研究の目的は,3 次元上の股関節の動きが大腰筋の伸張率に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】先行研究によって報告されたパラメータから,筋骨格モデルを作成した。数理モデルを用いて,股関節の角度を変化させたときの大腰筋の伸張率を検討した。解剖学的肢位での大腰筋の筋線維長を100% とした。【結果】大腰筋の伸張率は,股関節の伸展20 度のみ(104.8%)より,股関節の伸展20 度に外転20 度・内旋30 度を加えることでより高くなった(106.5%)。【結論】股関節の伸展のみと比較して,股関節の伸展に外転と内旋を加えたとき,大腰筋はより伸張される可能性がある。
著者
山内 有信 中村 友香 狩谷 標 檜垣 俊介 山城 ミヤ子 稲井 玲子 東元 稔
出版者
鈴峯女子短期大学
雑誌
鈴峯女子短大研究集報. 自然科学篇 (ISSN:03895025)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.1-11, 2006-12-20

カテキン類摂取で体脂肪が低減されることが報告されている。しかし,これらの研究は中・壮年層で軽度肥満の者を被験者としているものがほとんどであり,若年層での研究はほとんど見当たらない。そこで,4週間に亘る高濃度茶カテキン飲料の摂取によって体脂肪低減効果が得られるかについて,研究の趣旨を説明して同意を得た健康な女子大学生を被験者として検討を試みた。その結果,BMI,体脂肪量および体脂肪率は有意に低下し,とくに体の部位別の体脂肪率では体幹部が有意に低下した。また,体年齢,ウエスト周囲径も有意に減少し,体重あたりの基礎代謝量は有意に上昇した。これらの結果から,とくに生活習慣病で問題となる腹部脂肪(内臓脂肪)が減少し,生活習慣病予防に対する効果が期待できると考えられた。
著者
箕輪 はるか 北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 齊藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 上杉 正樹 遠藤 暁 奥村 真吾 小野 貴大 小野崎 晴佳 勝見 尚也 神田 晃充 グエン タットタン 久保 謙哉 金野 俊太郎 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 髙橋 賢臣 竹中 聡汰 張 子見 中井 泉 中村 駿介 南部 明弘 西山 雄大 西山 純平 福田 大輔 藤井 健悟 藤田 将史 宮澤 直希 村野井 友 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 山守 航平 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【はじめに】日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした研究グループにより、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の陸域での大規模な調査が2011年6月に実施された。事故より5年が経過した2016年、その調査結果をふまえ放射性物質の移行過程の解明および現在の汚染状況の把握を目的として本研究プロジェクトを実施した。2016年6月から9月にかけて、のべ9日間176名により、帰還困難区域を中心とする福島第一原子力発電所近傍105箇所において、空間線量率の測定および土壌の採取を行った。プロジェクトの概要については別の講演にて報告するが、本講演では福島県双葉郡大熊町・双葉町の土壌中の放射性セシウム134Csおよび137Csのインベントリ、土壌深部への移行、134Cs/137Cs濃度比、また空間線量率との相関についての評価を報告する。【試料と測定】2016年6・7月に福島県双葉郡大熊町・双葉町の帰還困難区域内で未除染の公共施設36地点から深さ5 cm表層土壌を各地点5試料ずつ採取した。試料は深さ0-2.5 cmと2.5-5 cmの二つに分割し、乾燥処理後U8容器に充填し、Ge半導体検出器を用いてγ線スペクトルを測定し、放射性物質を定量した。【結果と考察】137Csのインベントリを航空機による空間線量率の地図に重ねたプロットを図1に示す。最大濃度はインベントリで137Csが68400kBq/m2、比放射能で1180kBq/kg・dryであった。インベントリは空間線量率との明確な相関がみられた。深部土壌(深さ2.5-5.0 cm)放射能/浅部土壌(深さ0-2.5 cm)放射能の比はおおむね1以下で表層の値の高い試料が多かったが、試料ごとの差が大きかった。また原子力発電所より北北西方向に134Cs/137Cs濃度比が0.87-0.93と明確に低い値を持つ地点が存在した。
著者
稲井 卓真 久保 雅義 江玉 睦明 高林 知也 小熊 雄二郎
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.404-411, 2016 (Released:2016-10-20)
参考文献数
56

【目的】本研究の目的は,3 次元上の股関節の動きが大腰筋の伸張率に及ぼす影響を明らかにすることである。【方法】先行研究によって報告されたパラメータから,筋骨格モデルを作成した。数理モデルを用いて,股関節の角度を変化させたときの大腰筋の伸張率を検討した。解剖学的肢位での大腰筋の筋線維長を100% とした。【結果】大腰筋の伸張率は,股関節の伸展20 度のみ(104.8%)より,股関節の伸展20 度に外転20 度・内旋30 度を加えることでより高くなった(106.5%)。【結論】股関節の伸展のみと比較して,股関節の伸展に外転と内旋を加えたとき,大腰筋はより伸張される可能性がある。
著者
徳永 由太 高林 知也 稲井 卓真 中村 絵美 神田 賢 久保 雅義
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.46 Suppl. No.1 (第53回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.I-106_2, 2019 (Released:2019-08-20)

【はじめに】膝関節周囲の悪性腫瘍による大腿四頭筋の広範囲切除によって膝関節伸展筋力は大幅に低下し,椅子からの立ち上がりや歩行などの日常生活動作に影響を及ぼすことが報告されている.一般的には,大腿四頭筋が膝関節伸展作用を発揮すると考えられているが,一部の先行研究ではハムストリングス(HAM)が膝関節伸展作用を発揮する可能性が提示されている.しかし,どのような姿勢でHAMが膝関節伸展作用を発揮するのかは明らかとなっていない.そこで本研究は,数理モデルを用いてHAMが膝関節伸展作用を発揮できる姿勢を明らかすることを目的とした. 【方法】身長1.8 m,体重80 kgの対象者を仮定し,体幹,大腿,下腿から構成される矢状面リンクモデルを構築した. HAMの膝関節屈曲および股関節伸展モーメントアーム(MA)はOpenSimのGait2392モデルで報告されており,HAMの筋張力を決定すれば,HAMによる膝関節屈曲および股関節伸展モーメントは一意に決定できる.本研究では10Nmの膝関節屈曲モーメントが発揮されるようにHAMの筋張力を設定した.膝関節を屈曲0度~90度,股関節を伸展30度~屈曲90度の範囲内で変位させ,順動力学シミュレーションを実施した.なお,純粋なHAMの作用を確認するため重力の影響がない姿勢を仮定した.HAM機能の判定には,シミュレーション開始時と終了時の膝関節屈曲角度の差を用いた.先行研究において,HAMが膝関節伸展作用を発揮するためには,HAMの股関節伸展MAが膝関節屈曲MAに比較して大きい必要があると報告されている.そのため,股関節伸展MAを膝関節屈曲MAで除した値(MA比)も算出した.上記の解析はScilab 6.0.0によって実施した. 【結果】HAMは膝関節屈曲7~0度かつ股関節屈曲2~62度(条件1),膝関節屈曲44~90度かつ股関節伸展30~屈曲50度(条件2),の2つの条件下で膝関節伸展作用を発揮した.条件1では膝関節角度が小さいほど,条件2では膝関節屈曲角度が大きいほど膝関節伸展作用が強くなる傾向にあった.また,MA比が大きい場合でも,HAMが膝関節伸展作用を発揮しないこともあった. 【考察】本研究の結果より,HAMの膝関節伸展作用の発揮はMA比の大小だけでは説明できないことが明らかとなった.先行研究において,筋の力学的作用はリンクシステムの姿勢により変化することが報告されている.本研究においても,姿勢の影響によりHAMの力学的な作用が修飾されている可能性が考えられた. 【結論】本研究は2つの条件下においてHAMが膝関節伸展作用を発揮する可能性を提示した.この結果から考えると,条件1・2におけるHAMの膝関節伸展作用をうまく活用することが出来れば,大腿四頭筋の機能不全を有する者であっても,椅子からの立ち上がりや歩行などの日常生活動作を円滑に遂行できる可能性が考えられた. 【倫理的配慮,説明と同意】本研究は数理モデルを用いた順動力学シミュレーションによる検証のため,倫理的配慮および説明と同意に該当する内容は含んでない.数理モデルに必要なパラメータは先行研究で報告されたものや既存のモデルを参照しているため,個人を特定する内容は含まれていない.
著者
山添 淳一 衛藤 希 尾崎 礼奈 倉田 理沙 湯川 綾美 祐田 明香 稲井 裕子 和田 尚久
出版者
一般社団法人 日本老年歯科医学会
雑誌
老年歯科医学 (ISSN:09143866)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.218-225, 2020-12-31 (Released:2021-01-28)
参考文献数
20

高齢者のなかには自身の疾患に対し病識が浅く,問診時に重大な疾患を申告しない場合がある。安全に歯科医療を提供するには患者情報を詳細に収集し,リスクに配慮しなければならない。臨床研修歯科医師の医療面接時には肥大型心筋症と診断されていたことを申告されなかったが,歯科治療前に肥大型心筋症を発見し,リスクに配慮した歯科治療を行った症例を報告する。 患者は73歳の女性。近在の歯科医院より全顎的治療のため紹介された。長年,保存治療および固定性補綴治療を行い,メインテナンスを行ってきたが,義歯による治療が必要となり,大学病院歯科を紹介受診した。既往歴に肥大型心筋症があったが医療面接時には申告されず,高血圧症,脂質異常症のみ申告された。申告のあった既往は経過良好とのことであった。局所麻酔下での治療前に簡易モニタリングでバイタルサインと心電図を測定したところ,循環動態の異常が疑われた。処置を中止し,通院中の内科に対診したところ,肥大型心筋症が判明し,その後は当院循環器内科と連携し,観血的治療を含む包括的歯科治療を行った。 本症例では歯科治療前に全身状態をモニタリングすることで肥大型心筋症であることを認識し,リスクに配慮した歯科医療を提供した。重篤な合併症の予防だけでなく,患者と良好な信頼関係を構築し,義歯製作までの歯科治療が奏功したと考えられた。教育病院の老年歯科医療ではモニタリングによる全身状態情報の把握を徹底する重要性を再確認した。
著者
守屋 慎次 森田 利広 稲井 幸治 清水 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.8, pp.1022-1029, 1991-08-15
被引用文献数
7

本論文の目的は次の三つである (1)「ストロークエディタ」という新しい種類のエディタを提唱し 実現したプロトタイプシステムについて述べることストロークエディタ上において入・出力し編集されるデータは利用者が書(描)いた筆跡であり この筆跡をエディタ内において表現するデータ型はストローク(点列)であるこのエディタの目的は 筆跡をそのままの姿でコンピュータに入力し 保存したり編存したり送信することであるこのエディタがその本質において必要としているハードウェアは 表示平面と入力平面とが一体となったいわば紙のようなコンピュータと スタイラスペンだけである(2)ストロークエディタでとられた対話の方式「直接指示・操作方式」を提唱してその性質を導き この方式の重要性を示すこと対話の方式を特徴づける上で また 使い易くする上で この方式が非常に重要であることを示す導出される性質の代表例として この方式により仮想物(例えばカーソノレ)が実物(例えばペン先)化されること 順次入力に必要な記号(カーソルや空白など)を利用者が意識する必要がなくなること そしてこの方式の必要十分条件がある(3)利用者へ機械を近づける方法を示すこと方法の主なものは 人が作業する場(本論文では筆削をするタブレット入力面)をそのまま受け入れる機械の場(本論文では液晶出力面) を作り上げることである
著者
二宮 和彦 北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 箕輪 はるか 藤田 将史 大槻 勤 高宮 幸一 木野 康志 小荒井 一真 齊藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 竹内 幸生 土井 妙子 千村 和彦 阿部 善也 稲井 優希 岩本 康弘 上杉 正樹 遠藤 暁 大河内 博 勝見 尚也 久保 謙哉 小池 裕也 末岡 晃紀 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 高瀬 つぎ子 高橋 賢臣 張 子見 中井 泉 長尾 誠也 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇 渡邊 明
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2018年大会
巻号頁・発行日
2018-03-14

日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした研究グループにより、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の陸域での大規模な調査が2011年6月に実施された。事故より5年が経過した2016年、その調査結果をふまえ放射性物質の移行過程の解明および現在の汚染状況の把握を目的として、福島県の帰還困難区域を中心として、100箇所で空間線量の測定と土壌の採取のフィールド実験を行い[1]、同時に計27箇所で土壌コア試料を採取した。本発表では、このコア土壌試料について分析を行ったので、その結果を報告する。土壌採取は円筒状の専用の採土器を用いて行い、ヘラを用いて採取地点で2.5 cmごとに土壌を切り取って個別にチャック付き袋に保管した。採取地点により、土壌は深さ20-30 cmのものが得られた。土壌を自然乾燥してからよく撹拌し、石や植物片を取り除いたのちにU8容器へ高さ3 cmに充填した。ゲルマニウム半導体検出器を用いてガンマ線測定し、土壌中の放射性セシウム濃度を定量した。なお、各場所で採取した試料のうち最低でも1試料は、採取地点ごとに放射性セシウム比(134Cs/137Cs)を決定するために、高統計の測定を行った。深度ごとの測定から、放射性セシウムは土壌深部への以降が見られているものの、その濃度は深度と共に指数関数的に減少していることが分かった。一方で土壌深部への以降の様子は土壌採取地点により大きく異なることが分かった。また、本研究の結果は同一地点で表層5 cmまでの土壌を採取して得た結果ともよく整合した[1]。[1] K. Ninomiya et. al., Proceedings of the 13th Workshop on Environmental Radioactivity 2017-6 (2017) 31-34.
著者
北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 箕輪 はるか 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 斎藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 阿部 善也 岩本 康弘 上杉 正樹 遠藤 暁 大河内 博 勝見 尚也 神田 晃充 久保 謙哉 小池 裕也 末岡 晃紀 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 高瀬 つぎ子 高橋 賢臣 張 子見 中井 泉 長尾 誠也 南部 明弘 藤田 将史 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇 渡邊 明
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【研究背景】 2011年3月に起こった、東京電力福島第一原子力発電所の事故により、福島県を中心とする陸域に大規模な放射能汚染が起こった。事故後の2011年6月には、日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした有志の研究グループが、汚染状況の把握のための土壌採取のフィールド実験を実施した。これにより初期の汚染状況が明らかとなったが、航空機サーベイ等による汚染状況の把握は継続して行われているものの、実際に土壌を採取して汚染状況の詳細を把握する大規模な調査はそれ以降行われていない。事故から5年以上が経過し、土壌に沈着した放射性核種(主に放射性セシウム:134Csおよび137Cs)は環境中でその化学形態等を変化させ、土壌の深部への浸透や流出により、初期とは異なる分布状況に変化していることが予想される。帰還困難区域の除染作業が開始されようという状況で、土壌の放射性核種の汚染状況を把握するのはきわめて重要である。そこで本研究では、福島県内の帰還困難区域を中心として土壌採取のフィールド実験を行い、その分析により現在の汚染状況の把握することを目的に実施した。【調査概要】 本研究プロジェクトは、2016年6月から9月にかけての9日間、のべ176名で実施した。福島県内の帰還困難区域を中心として、公共施設等を選定したうえで、各自治体との情報交換を行い、除染が行われていない地点全105か所を土壌採取場所として選択した。まずはNaIシンチレーターもしくは電離箱を用いて地面から1 mおよび5 cmの空間線量の測定を行い、専用の採土器を用いて表層より5 cmの土壌を採取した。試料採取場所におけるばらつきを評価するために、1地点ごとに5試料の採取を実施し、5年間の環境中での放射性核種の移動状況を評価するために、土壌は表層部の0.0-2.5 cmと、深部の2.5-5.0 cmに分けて採取した。また放射性核種の移行過程をより詳しく調べるために、4地点につき1地点程度、深さ30 cmのコア試料の採取も行った。本講演では、この調査について概要を説明し、事故直後と5年後の比較などいくつかの初期結果について簡単に紹介する。より詳細な結果については、別の講演にて報告が行われる。
著者
山内 有信 稲井 玲子 東元 稔
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.25-29, 2008-02-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
15
被引用文献数
2 4

Guava (Psidium guajava L.) has traditionally been used as a remedy for diabetes mellitus among people in the tropical and subtropical regions. To investigate the preventive effect of guava leaf tea (GLT) on the increase in blood sugar level, several studies were performed both in vitro and in vivo. An in vitro study showed some inhibitory effects of GLT on the activity of α-amylase, a group of starch-hydrolyzing enzymes. It was found that GLT markedly restrained the gastrointestinal transport and absorption of glucose in the small intestine after an oral administration of 1g of glucose to rats. GLT also suppressed the increase in blood sugar levels induced by the glucose administration. These results suggest that the inhibitory effect of GLT on the increase in blood sugar levels may be attributable to its inhibition of saccharolytic enzyme activity, as well as of the gastrointestinal transport and absorption of glucose in the small intestine.
著者
稲井 卓真 高林 知也 江玉 睦明 久保 雅義
出版者
一般社団法人 日本基礎理学療法学会
雑誌
基礎理学療法学 (ISSN:24366382)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.26-32, 2021 (Released:2021-11-04)
参考文献数
53

変形性股関節症は股関節痛に加え,関節可動域・下肢筋力・日常生活動作能力・生活の質の低下を伴う代表的な整形外科疾患である。しかしながら,変形性股関節症の進行を遅延させるエビデンスは十分には確立されていない。我々は,動作中の股関節の負荷の指標として股関節モーメントインパルスに着目し,歩行中の股関節内・外転モーメントインパルスと立ち上がり動作中の股関節伸展モーメントインパルスを検討した。歩行に関して,対側杖の使用により股関節内・外転モーメントインパルスが減少すること,および歩行速度の低下に伴い股関節内・外転モーメントインパルスが増加することを明らかにした。また,立ち上がり動作に関して,立ち上がり時間の減少に伴い股関節伸展モーメントインパルスが減少することを明らかにした。我々の知見は,股関節内・外転モーメントインパルスが低い(または高い)歩行パターン,および股関節伸展モーメントインパルスが低い(または高い)立ち上がり動作パターンを理解するために役立つと考える。さらに,我々の知見は変形性股関節症の進行を遅延させるために将来役立つ可能性があると考えられる。
著者
檜垣 俊介 稲井 玲子 松尾 達博
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.223-227, 2022 (Released:2022-10-19)
参考文献数
24
被引用文献数
1

希少糖とは, 自然界に存在量が少ない単糖である。その一つであるᴅ-アルロースは, これまでの研究から, 抗肥満・抗糖尿病など種々の有益な効果を発揮することが明らかにされている。一方, 落葉性潅木の一つであるズイナは, 希少糖ᴅ-アルロースとアリトールを大量に含むが, ズイナそのものの摂取による機能性を検討した報告はない。そこで本研究では, ズイナ乾燥粉末5%添加食をラットに摂取させ, ᴅ-アルロースと同様に体脂肪蓄積抑制作用があるか否かを検討した。3週齢のWistar系雄性ラット16匹を2群に分け, それぞれ対照食およびズイナ食を自由摂食させて8週間飼育した。体重増加量, 摂食量, および食餌効率には, 2群間に差は見られなかったが, 屠体脂肪量および総体脂肪量は, 対照群に比べてズイナ食群で有意に小さかった。これらのことから, ラットにおいてズイナ乾燥粉末には体脂肪蓄積抑制作用があることが示唆された。
著者
谷地畝 和夫 稲井 慎介 山本 健史 得能 将紀 小林 正人
出版者
一般社団法人 日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.27, no.65, pp.136-141, 2021-02-20 (Released:2021-02-20)
参考文献数
10

The seismic isolation structure has a habitability problem that it tends to be vibrated when it is always used. Therefore, we have newly developed a seismic isolation device that controls vibration in the infinitesimal range. The seismic isolation device is an elastic slide bearing and an oil damper integrated, and the performance of the damper in the infinitesimal vibration range was confirmed by vibration tests. We confirmed the effect of adopting it in a building by analysis. We also conducted dynamic tests to verify the performance of the seismic isolation device and put it into practical use.