著者
神原 康介 窪田 亜矢 黒瀬 武史 田中 暁子 道喜 開視
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.724, pp.1333-1343, 2016
被引用文献数
1

Akahama in Otsuchi, Iwate prefecture is one of the areas severely damaged by the Great East Japan Earthquake and Tsunami (3.11). A purpose of this paper is to clarify how residents used the evacuation places and shelters from emergency evacuation phase to refugee life phase in 3.11 in relation to the transition of disaster preparedness places and the transition of daily gathering places in order to get the suggestion about how to design a disaster preparedness place. In chapter 2, it is clarified that how evacuation places were used in three phases. In emergency evacuation phase, many residents evacuated to an elementary school, but there was flooded and many people got wet. In temporarily shelter use phase, residents could find a printing office near the school and about 140 people stayed there for 3 days. Many residents went to private houses and stayed. 3-chome residents could not find large facilities, so they went to a neighboring village. In refuge life phase, about 80 residents used the gymnasium of school, about 20 residents used welfare facility and 8 households used 2 vacant houses that were owned by Otsuchi-cho. In chapter 3 and 4, transition of disaster preparedness places and daily gathering places are clarified. In chapter 3, findings are as follows. 1) A damage of past tsunami was recorded, but evacuation behaviors or the places where people gathered was not passed down. 2) the understanding that a school was designated as a disaster preparedness place was widely shared. 3) In the late 80's, a numbers of preparedness place increased because of expansion of village. 4) In the late 90's, 1-chome's preparedness place was gathered to a school because a new gymnasium was built. 5) In the late 2000's, local organization decided that Akahama had 3 prepared places in terms of governance after a discussion that Hachiman Shrine didn't have a enough space. In chapter 4, findings are as follows. 1) A school and Community center had been the base of Akahama community. 2) A school had been the base of community, and that's why a school became center of disaster preparedness place in spite that there was not evacuation place during Sanriku tsunami of 1933. 3) A community center had been the base of community and located a little higher ground, and that's why disaster prevention materials was stocked before 3.11. In chapter 5, evacuation places and shelters in 3.11 are analyzed in three phases in relation to the transition of disaster preparedness place and daily gathering place. It is found that in emergency evacuation phase, a school had been known as a preparedness place in spite that in the past there was not evacuation place and gymnasium was located in dead end, and in 3.11 many residents were exposed to danger. In temporarily shelter use phase and refuge life phase, it can be necessary to think preparedness place not only inner village but also wider area, etc. In chapter 6, the following four points are suggested. 1) It is important to think the role of disaster preparedness place in the disaster phases. 2) Changes of a village environment and modernization of daily gathering place influence a numbers and characteristics of disaster preparedness place. 3) The actual condition of evacuation behavior such as gathering places in past tsunami disaster is necessary to be come up for discussion about the disaster prepared. 4) For the occurrence of a gap between evacuation places and disaster preparedness place, residential network is needed for a use of private houses or facilities, and also vacant ones owned by municipality should be prepared for an emergency evacuation.
著者
田中 信三 窪田 清己 田辺 正博
出版者
The Japan Broncho-esophagological Society
雑誌
日本気管食道科学会会報 (ISSN:00290645)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.287-292, 1984-08-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
9

Living canine larynx was blown through the trachea with both arytenoid cartilages fixed in the median position. The sound pressure level and fundamental frequency of the voice were measured under various flow rates and subglottal pressures, with and without electric stimulation of the thyroarytenoid muscles. From this experiment, the role of the thyroarytenoid muscles in voice regulation was found to be as follows:1) When the glottis is sufficiently closed, contraction of the thyroarytenoid muscles does not affect the relationship between aerodynamic power (flow rate times pressure) and the sound pressure level, in spite of increased glottal resistance (pressure divided by flow rate).2) When the glottis is sufficiently closed, contraction of the thyroarytenoid muscles decreases the fundamental frequency in relatively large aerodynamic powers.
著者
窪田 泰夫 宗広 明日香 小浦 綾子 白髭 由恵 横井 郁美 前田 麗子 石川 絵美子 細川 洋一郎 森上 純子 森上 徹也 中井 浩三 米田 耕造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.74, no.6, pp.630-635, 2012-12-01 (Released:2013-02-26)
参考文献数
7

ダラシン® T ローション 1 %はざ瘡の炎症性皮疹に対して有効性と安全性が確認された外用抗菌剤である。今回,炎症性皮疹を有する成人ざ瘡患者 23 例に,ダラシン® T ローション 1 %を 8 週間,半顔には直接塗布により,また対側半顔にはコットンパフを用いて塗布し,炎症性皮疹の減少率と安全性,また刺激感や使用感等に対する患者自身による評価を比較検討した。その結果,コットンパフ使用法および直接塗布法ともに開始時と比較して外用開始 8 週後には炎症性皮疹減少率が有意に高かった。しかし両群間の炎症性皮疹の減少率において 4 週後,8 週後に有意差は認められなかった。全症例において特記すべき有害事象はなかった。患者自身による評価では,両群間の治療効果・使用感・刺激感に有意差は認められなかったが,70 % (16 例/23 例) の患者が「医師から具体的な塗布方法について説明を受けて良かった」と回答していた。これはざ瘡外用治療の際に医師が患者に外用方法の具体的な説明・指導をすることが患者の治療満足度を向上させるためにも重要であることを示唆していると思われた。また,液状のざ瘡外用治療薬とコットンパフを用いて塗布する方法は日常の化粧行動でコットンパフの使用に慣れている「大人の女性」のざ瘡患者には勧めやすいものと思われた。≥
著者
竹安 栄子 春日 雅司 春日 雅司 窪田 好男 竹安 栄子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1.研究目的・なぜ地方議員を研究対象とするのか近年、女性議員の割合が増加してきたとはいえ、諸外国と比較すると極端な女性の政治的過少代表という状況に変わりはない。本研究は、(1)わが国の女性の政治的過少代表を生み出す構造的・制度的要因ならびに環境的・社会的要因を解明すること、(2)女性議員と男性議員の間に差異があるのかどうか、もしあるとすればどのような差異かを実証的に解明することを目的とする。先進諸国では、選挙制度が同じであるとするなら、女性の政治参画は地域政治レベルから国政レベルに進展すると報告されている。しかしわが国では、地方議会レベルの女性議員率が国政レベルよりも低いという状況である。本研究は、女性の政治参画が容易であると想定される地域政治レベルで女性議員の進出が進まない背景には、日本の地域社会特有の要因がある、という仮説の下に地方議員に着目した。2.調査方法とその経過(1)調査対象:全国の都道府県議会・市町村議会・東京23区区議会の議員。(2)調査期間:平成14年2月〜4月(この期間後返送された調査票も有効数に加えた)(3)調査方法:郵送法(議会事務局宛に調査票を送付し、事務局を通じて配布。回答は直接郵便で返送。)(4)発送総数と回収総数(率):発送総数62,025、回収数(率)17,062(27.5%、男性議員92.3%、女性議員7.7%)3.総括全国地方議員調査結果より得られた知見から、男性議員と女性議員の間に様々な差異が存在することが明らかとなった。以下、選挙資源の問題と代表者選出の公平性の2点に絞って記す。(1)政党の遺憾を問わず、男女議員ともに地域社会が集票に大きな役割を果たすと認識していた。男性議員は出生地と選挙区が一致する議員の割合が高いが、女性議員は顕著に少ない。これは男性議員にとっては地域社会との関係が生得的資源として集票に活用されるが、女性議員は自らの能力で支援・支持団体を獲得する必要があった。(2)男性議員と女性議員の間に、政党の違いを超えて、出身階層・学歴・職業・問題関心・政治家としての活動等多数の項目で差異があることが明らかになった。したがって女性の過少代表は、代表者選出の公平性を揺るがす問題であることが実証された。
著者
窪田 貴文 鈴木 勇介 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-143, no.9, pp.1-7, 2018-05-14

大規模なソフトウェアプロジェクトでは多くの開発者が修正 ・ 機能追加を行っており,膨大なファイルをコンパイルする機会が頻繁に生じている.例えば,オープンソースのブラウザエンジンである WebKit のビルドボットでは 31 日間のうち 26 日で 2000 秒超えるビルドが実行されており,その時のコンパイルしているファイル数は平均 1000 を超える.本研究では,まず,webkit を含むオープンソースの C/C++ プロジェクトのコンパイル時間を分析した結果を示す.その結果,コンパイラのフロントエンドにおいて冗長な処理が多く含まれていることがわかった.そこで本研究では,コンパイル結果を再利用することでコンパイラのフロントエンドの実行を高速化する手法を提案する.
著者
杉本 学 窪田 貴文 河野 健二
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:21888795)
巻号頁・発行日
vol.2018-OS-143, no.14, pp.1-8, 2018-05-14

コンピュータシステムの信頼性を損なう要因の一つに,オペレーティングシステムのカーネルフェイラがある.実際,Linux には 700 以上のフォールトが存在し,半年間に 187,000 件以上の障害レポートが報告されている.カーネルにおけるフェイラでは,エラーがカーネル全体に伝播する場合は少なく,多くはカーネル内のプロセスコンテキストに閉じたプロセスローカルエラーとなっている.そして,フェイラの約 73 % はこのプロセスローカルエラーによるものである.本論文では,プロセスローカルエラーによるカーネルフェイラを検知しエラー状態を取り除くことで,カーネルの実行を継続する手法を提案する.プロセスローカルエラーでは,エラー状態がプロセスコンテキストに閉じているため,フェイラの発生したプロセスを強制終了することでカーネル内のエラー状態を回復させることができる.これにより,従来のカーネルではフェイラとなっていた場合でも,カーネルを停止させずに他のプロセスの実行を継続することができる.
著者
関口 由紀 畔越 陽子 河路 かおる 長崎 直美 永井 美江 金子 容子 吉田 実 窪田 吉信
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.268-272, 2014
被引用文献数
1

間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の疼痛緩和と自律神経失調症状の治療に漢方薬を西洋薬に併用した症例を4例提示した。1例目は42歳女性で,膀胱部痛・陰部痛にたいして竜胆寫肝湯を投与し,自律神経失調症状の改善と慢性疼痛による血流障害の改善に加味逍遥酸を用いた。2例目は51歳女性で,内臓を温めて下腹部痛を改善する安中散を用いた。3例目は49歳女性で,全身の冷えに対して真武湯合人参湯を用いた。4例目は27歳女性で,下半身の冷えに対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いた。間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の自律神経症状改善をめざす漢方治療が結果的に患者の気血水のバランスを整えていた。
著者
安元 剛 坂田 剛 安元 純 廣瀬 美奈 飯島 真理子 篠塚 翔太 窪田 梓
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

全ての生物の細胞内に高濃度で含まれているポリアミンという生体物質が,空気中の二酸化炭素と高い親和性を有し,二酸化炭素を水溶液中に取り込むという新たな化学的知見から光合成および石灰化への寄与を検証した。その結果,二酸化炭素を吸収させたポリアミン溶液は,光合成で炭素固定を担う酵素であるルビスコの炭素源となりうることを明らかにした。また,シアノバクテリアの増殖をポリアミン輸送体阻害剤が有意に阻害し,ポリアミンの光合成への寄与の可能性が示された。ミドリイシサンゴの稚ポリプの骨格形成の場である石灰化母液内のpHが周りの海水と比較して高いことが分かり,生体塩基であるポリアミンの関与の可能性を示した。
著者
窪田 泰夫 森上 徹也 中井 浩三 横井 郁美 藤田 名都子 宗広 明日香 森上 純子 米田 耕造
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.163-168, 2010-04-01 (Released:2010-06-25)
参考文献数
8

尋常性乾癬患者19例を対象に,カルシポトリオール軟膏(ドボネックス® 軟膏50μ/g)とベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル軟膏(アンテベート® 軟膏0.05%)を用いた9週間の外用連続療法を実施し,その臨床的有用性をPASIとVASスコア,患者QOLにより評価した。外用連続療法の導入期では両剤を1日2回併用塗布し,続く移行期では平日はカルシポトリオール軟膏のみを,土・日は両剤を1日2回併用した。維持期ではカルシポトリオール軟膏の単独塗布を行った。皮膚症状の評価はPASIスコアから顔面,頭部を除いた準PASIスコアと患者によるVAS評価を併用した。QOL評価はDermatology Life Quality Index(DLQI日本語版)を用いた。その結果,治療開始時20.2であった準PASIスコア平均値は導入終了時には8.1となり60%の低下を示し(p<0.01),その後も経時的に減少して,観察終了時には4.4に低下した(baselineから78%の低下,p<0.01)。また,治療開始時9.2であったDLQI合計スコアは観察終了時には3.1となり(p<0.01),下位尺度のうち「症状・感情」,「日常生活」,「余暇」での改善が顕著であった(p<0.01)。副作用については局所の刺激感,血清Ca値の異常変動などは認められなかった。尋常性乾癬に対する今回の外用連続療法は,皮膚症状を速やかに改善すると共にその後の寛解維持も良好で,主に精神面,生活および行動面での患者QOLの改善をもたらすことが示唆された。
著者
伊藤 正敏 熊野 広昭 窪田 和雄
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究は、がん患者の情動変化を客観的に脳画像として評価する方法を開発し、心理テストを補足する情動検査法を確立することを目標とする。昨年度の研究により全身ポジトロン断層検査(PET)を用いてがん診断を行った72症例の脳画像を用い、帯状回、視床下部、海馬等の大脳辺縁系における広範なブドウ糖代謝の低下を認めた。この変化が脳器質障害によるものなのか、あるいは心因性の障害なのか不明であった。そこで、ドイツのアルバート・ルートヴィヒ大学核医学科との共同研究として、ドイツでのがん患者の脳の解析を行った。年齢・性別をコントロールした正常患者10名との比較をおこない、がん患者と比較した結果、前頭前野、側頭頭頂葉皮質、前・後部帯状回、大脳基底核、などにおいて代謝の低下が確認され、東北大学データを近い結果を得ることができた。また、癌患者21名を、(1)抑鬱度、(2)不安、(3)化学療法の有無、(4)残存癌組織の有無、の四項目に関してサブグループに分け、サブグループ間解析を施行した。その結果、前頭前野、側頭頭頂葉皮質、前部帯状回における代謝低下は、抑鬱度および不安と強い負の相関を示すことがわかった。化学療法の影響が前部帯状回で、腫瘍組織の残存という因子の影響は、小脳および後頭葉において観察されたが、がん患者に観察されるこのような代謝異常は、癌組織による脳に対する生物学的影響というよりも患者の心理的な間題により引き起こされている可能性が高いという結論を得た。一連の研究結果は、スペイン、バルセロナにおけるヨーロッパ核医学会で注目すべき演題として紹介された。
著者
沼倉 和美 窪田 和巳 徳永 瑞子
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.261-270, 2017-12-20 (Released:2018-01-10)
参考文献数
14

目的  本研究では、カメルーン共和国において、母親のマラリアに関する知識の実態を把握した上で、母親のマラリアに関する知識と子どもへの予防対策との関連を明らかにした。方法  2014年8月から9月に、カメルーン共和国ヤウンデ市のA保健センターへ予防接種に来ていた5歳未満児の実子を養育している母親50名を対象とし、筆者らが作成した質問紙をもとに聞き取り調査を行なった(回収率:100%)。質問紙は、母親のマラリアに関する知識、母親が子どもに実施している予防対策、マラリアの情報源、および対象者の属性により構成された。母親のマラリアに関する知識の項目(全4項目)を独立変数、子どもに実施している予防対策(全1項目)を従属変数として共分散分析を行った。分析の際には、対象者の属性を共変量として投入した。母親の年齢とマラリアの原因に関する知識について、それぞれ子どもへのマラリア罹患予防対策としての蚊帳の使用状況との関連においてX2検定を行った。結果  対象のうち、マラリアの原因について「蚊の刺咬」を知っている人は40人(80.0%)、知らない人は10人(20.0%)、マラリアの情報源として「病院や診療所の医療関係者(医師、看護師、助産師)」は39人(78.0%)、「テレビ」は26人(52.0%)であった。  マラリアに関する知識の項目(全4項目)と子どもに実施している予防対策の項目(全1項目)との関連において実施した共分散分析では、すべての組み合わせにおいて有意差が認められた。  マラリアの原因に関する知識と子どもへのマラリア罹患予防対策としての蚊帳の使用状況との関連において、X2検定では有意傾向が認められた。結論  本研究から、マラリアの原因、症状、予防対策、経済的負担に関して知識のある母親は、マラリアの予防対策を実施していることが明らかになった。  これらのことから、適切な予防対策によりマラリア罹患率や5歳未満児死亡率を減少させるために、マラリアの原因や蚊の習性を含めた正しい知識の普及が重要である。
著者
湯村 寧 菅野 ひとみ 小川 毅彦 斎藤 和男 佐藤 和彦 窪田 吉信 岩崎 晧 沢田 卓人
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.49, no.12, pp.727-734, 2003-12
被引用文献数
1

症例1:42歳男.5年5ヵ月の不妊を主訴として受診し,無精子症を指摘された.全身所見で異常はなく,精液検査所見も無精子症であった.染色体検査では末梢リンパ球培養G band法で細胞20個において検査を行ったところ46,XXと女性の核型であった.また2番染色体短腕p11,長腕q13を切断点とする腕間逆位が認められた.以上の所見よりXX male症例と診断した.さらにPCR法によるsex-determining region Y(SRY)は陽性,deleted in azoospermia(DAZ)は陰性であった.患者は挙児は希望せず,現在も外来で経過観察中である.症例2:29歳男.1年3ヵ月の不妊を主訴として受診した.症例1と同様に無精子症を指摘され,全身所見で異常はなく,精液検査所見も無精子症であった.染色体検査でも症例1と同様に末梢リンパ球培養G band法で,細胞20個において検査を行ったところ46,XXと女性の核型であり,以上の所見より,XX male症例と診断した.また,PCR法による測定を行い,SRYは陽性,DAZは陰性であった.挙児を希望し,非配偶者間人工授精により正常男児がえられたWe report two cases of XX male with chief complaints of infertility. Physical examination of both patients aged 42 and 29 demonstrated normal male habitus except for small testes. Semen analyses demonstrated no spermatozoa. Endocrinological examinations showed hypergonadotrophic hypogonadism. Vesiculograms demonstrated normal seminal tracts. Histological examination of their testes did not reveal germ cells; one case lacked seminiferous tubules and there was hyalinization in the seminiferous tubule in another case. Chromosomal analyses of peripheral blood demonstrated 46,XX. The sex-determining region Y gene was positive and DAZ (deleted in azoospermia) gene was negative in both cases.
著者
栗原 浩平 谷地 誠 窪田 英樹 池田 光毅 相建 太郎 濱田 濱弘 長野 克則
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間-生活環境系シンポジウム報告集
巻号頁・発行日
vol.34, pp.209-212, 2010-11-22

素材構成の異なる衣服の日射反射率Pd,日射透過率Tcl,日射吸収率りを実測し,素材により表色値と日射熱特性の関係が異なる力り証した。色彩色差計により衣服の表色値を測定し,アルベドメーターと全天日射計より日射反射率,日射透過率を測定した。衣服はA(綿100%),B(ポリエステル74%・綿26%),C (ポリエステル100%)のTシャツである。素材に関わらず太陽高度の上昇に伴い日射透過率は上昇し,日射反射率は低下した。視感反射率と日射反射率,日射透過率,日射吸収率の関係を比較したところ,日射反射率は殆ど差が見られなかったが,日射透過率はTシャツBがやや高い結果となった。同ルでTclとαclを変化させ日射作用温度へ及ぼす影響を計算した結果,衣服の日射透過を低減させると日射作用温は低下することを示した。
著者
石山 千代 窪田 亜矢 西村 幸夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.328-335, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
22
被引用文献数
1

我が国における「もっとも初期の住民憲章」であり今日まで約半世紀、運用されている「妻籠宿を守る住民憲章」の起源、すなわち地域が集落保存という新たな方向に舵を切る時に、自主規範としての住民憲章を制定することに着目する点に独自性がある。制定の背景を整理し、制定の過程自体を明らかにすることを通じて、私有財産や自らの生活・生業のあり方を左右しうる住民憲章が広域で合意形成されえた要因と自主規範の制定が集落保存初動期に果たしうる役割を考察した。集落保存の初動期に自主規範を考えることは、地域の置かれている状況を理解し、今後起こりうることを具体的に考え、地域の理念等を徹底的に話し合う重要な機会である。住民間での具体的議論の蓄積による合意形成につながり、一人一人の覚悟、「自律」につながるプロセスと捉えられる。これを促すベースをより良くつくる必要条件として、慎重かつ段階的プロセスと外部主体の活用、集落保存実施以前からの先見性ある対応、事業と計画上での部落間バランス調整と憲章制定の契機があげられる。自主規範が持続的に機能するには明解さも重要ゆえ盛り込める範囲には限界があり、運用システムの構築で補いうる。
著者
田中 成典 窪田 諭 北川 悦司 物部 寛太郎 中村 健二
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.II_41-II_50, 2011 (Released:2012-03-26)
参考文献数
26

我が国の建設事業においては,CALS/ECや情報化施工,生産性向上のために3次元データを利用する環境を構築することは重要な課題であるが,その要求を満たす3次元CADが存在しない.そのため,国産の3次元CADの開発を支援することを目的とした,汎用3次元CADエンジンの開発が求められている. そこで本研究では,建設事業において3次元CADを迅速かつ低コストに導入し,これを活用できる環境を構築するために,汎用3次元CADエンジンを設計するための調査研究を行った.ここでは,3次元CADの利用場面,標準化動向,汎用3次元CADエンジンに付随するシーズ,既存製品,IT要素技術について調査し,汎用3次元CADエンジンに対する要求を明らかにした.
著者
窪田実
雑誌
透析会誌
巻号頁・発行日
vol.17, pp.67-75, 2002
被引用文献数
3