著者
山内 敏正 窪田 直人 原 一雄 門脇 孝
出版者
東京大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

(1)アディポネクチン受容体の特異的アゴニストを植物(果物・野菜を含む)から抽出・精製し糖尿病の根本的治療薬を開発。:アディポネクチンと立体構造上ホモロジーを持ち、アディポネクチン受容体に結合してAMPキナーゼを活性化するオスモチン並びにPR-5ファミリーペプチドをあらゆる植物・果物からスクリーニングし、ジャガイモOSM-1h(89%)、トマトNP24(89%)、ピーマンP23(86%)、トウガラシosmotin-like protein(72%)に含まれることを見出した。(()内はタバコオスモチンとのアミノ酸配列相同性を示す。アディポネクチン受容体アゴニストであることが確認されたオスモチンを、肥満・2型糖尿病モデルマウスであるob/obマウスに投与したところ、糖・脂質代謝が改善されるのが認められた。(2)オスモチン測定系の確立。:PR-5ファミリー物質の抗体の作製を完了した。ウエスタンブロットにて反応性の検討中である。(3)果物・野菜の摂取量とオスモチンの血中濃度・メタボリックシンドロームとの相関の検討。:東大病院に入院・通院する糖尿病患者あるいは兵庫県宍粟郡の住民からなるコホート集団を対象として植物・果物の摂取頻度調査を行い、前者の集団では種々の植物・果物の摂取量と糖尿病関連臨床指標との相関を後者の集団では種々の植物・果物の摂取量と糖尿病発症率との相関を検討し、PR-5ファミリーのうちどの物質が実際に生体内で対糖尿病作用を強くもっているかのsupportiveなデータが得られるか検討中である。
著者
池田 葉月 窪田 好男
出版者
京都府立大学
雑誌
京都府立大学学術報告. 公共政策 (ISSN:18841740)
巻号頁・発行日
no.11, pp.77-97, 2019-12-25

行政では、何かの結果を報告したり説明したりする場合、文章中心の報告書を作成するのが一般的であり、それは地方自治体の公共政策の評価の制度である自治体評価においても同様である。しかし海外の先行研究では、文章中心の報告書以外にも様々な方法が紹介されており、それらの中には表やグラフ、イラストなどの視覚的な要素のように比較的容易に取り入れることができるものもある。公共政策の評価においては、評価の結果が利用されることが重要であり、そのためには、想定される利用者の目に止まり、よりよく理解されることが重要である。そのためには報告書に視覚的な工夫を凝らしたり、動画を用いたりすることが有効であるが、現状では一般的ではなく例も少ない。そのため、筆者ら(窪田・池田)が行った2 つの評価において試みた先行的な取組みを、評価結果の効果的な報告方法を実践した事例を紹介したい。
著者
窪田 正男 駒木 亮一 伊藤 芳和 新井 みち代 庭瀬 英明
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.295-298, 1994-12-05 (Released:2010-08-06)
参考文献数
6
被引用文献数
7 9

It has been known empirically that the odor evolved from human hair and scalp is different from the odor from body or foot.We tried to identified the volatile compounds evolved from human hair and scalp using headspace sampling method and extraction by acetone.By the headspace method, over eighty of compounds were detected and almost thirty subsequently identified. The latter belong to various chemical classes such as alkanes, alkenes, alcohols, aldehydes, and acids. we tried to reconstitute of the odor according to the result of analysis and using the sense of perfumers.Moreover, the changing of volatile compounds and increasing of scalp resident bacteriars during three days were investigated.
著者
木幡 義彰 内山 和郎 佐々木 敬典 土屋 和彦 須藤 一郎 杉浦 弘和 白鳥 泰正 窪田 良彦 宮岡 正明 斉藤 利彦
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:03899403)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.263-266, 1993-06-18 (Released:2015-07-15)
参考文献数
16

症例1は35歳男性(国籍 : カメルーン)。1992年1月,粘血便を主訴に受診。便潜血反応陽性を認めたため,大腸内視鏡検査を施行し,上行結腸下部の粘膜に刺入した白色調の寄生虫を認めた。虫体は鉗子にて摘出し,検索の結果,鞭虫の雌成虫であった。虫体摘出後も症状持続し,メベンダゾール投与にて軽快した。症例2は29歳男性。1991年1月,2年前から持続する左側腹部痛を主訴に来院。大腸X線検査にて横行結腸にポリープを疑ったが,大腸内視鏡検査にて盲腸の粘膜に刺入した寄生虫を8匹認めた。虫体は鉗子にて摘出し,検索の結果,アニサキス幼虫であった。主訴との関連は考えにくく,緩和型大腸アニサキス症と診断した。大腸内視鏡により腸管寄生虫症を確認し摘出した症例はまれであり,本邦報告例とともに若干の考察を加え報告した。
著者
関口 由紀 畔越 陽子 河路 かおる 長崎 直美 永井 美江 金子 容子 吉田 実 窪田 吉信
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.268-272, 2014 (Released:2015-03-30)
参考文献数
4
被引用文献数
1

間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の疼痛緩和と自律神経失調症状の治療に漢方薬を西洋薬に併用した症例を4例提示した。1例目は42歳女性で,膀胱部痛・陰部痛にたいして竜胆寫肝湯を投与し,自律神経失調症状の改善と慢性疼痛による血流障害の改善に加味逍遥酸を用いた。2例目は51歳女性で,内臓を温めて下腹部痛を改善する安中散を用いた。3例目は49歳女性で,全身の冷えに対して真武湯合人参湯を用いた。4例目は27歳女性で,下半身の冷えに対して当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いた。間質性膀胱炎/慢性骨盤痛症候群の自律神経症状改善をめざす漢方治療が結果的に患者の気血水のバランスを整えていた。
著者
窪田 啓次郎
出版者
日本超心理学会
雑誌
超心理学研究 (ISSN:1343926X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1-2, pp.13-19, 2007-12-08 (Released:2017-08-09)
参考文献数
15
著者
松村 千恵子 倉山 英昭 安齋 未知子 金本 勝義 伊藤 秀和 久野 正貴 長 雄一 本間 澄恵 石川 信泰 金澤 正樹 重田 みどり 窪田 和子 山口 淳一 池上 宏
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.194-203, 2014 (Released:2014-06-14)
参考文献数
30
被引用文献数
1

千葉市3 歳児検尿システムでは,蛋白・潜血±以上,糖・白血球・亜硝酸塩+以上の1 次検尿陽性者に,2 次検尿と腎エコーを施行。1991~2011 年度154,456 名の精査陽性率は1.5%で,膀胱尿管逆流(VUR)16 名(血尿5,細菌尿11,尿単独3),アルポート症候群,ネフローゼ症候群,巣状分節状糸球体硬化症(FSGS),糸球体腎炎等が診断された。11,346 名の腎エコーで,先天性腎尿路奇形(CAKUT)92(0.8%),うちVUR 24 名(エコー単独11),両側低形成腎2,手術施行17 であった。VUR 全27 名中,VUR III 度以上の頻度は細菌尿例において非細菌尿例より有意に高かった(各々10/11,7/16,p<0.05)。10 名(7 名両側IV 度以上)は多発腎瘢痕を有し,うち7 名はエコー上腎サイズ異常を認めた。FSGS 1 名が末期腎不全に至った。千葉市3 歳児検尿システムはCAKUT 発見に有用と考えられた。
著者
坂田 大三 窪田 忠夫
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
雑誌
INTENSIVIST (ISSN:18834833)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.579-586, 2016-07-01

癒着性腸閉塞adhesive small bowel obstruction(ASBO)に対する保存治療法として,米国では経鼻胃管〔short tube(ST)〕のみが減圧手段として使用されている一方,日本をはじめとする東アジアではイレウス管〔long tube(LT)〕が比較的多く使用されている。本稿では,減圧療法の歴史的変遷,STとLTの差異,日本でLTが多用されている現状について解説する。Summary●1995年の前向き無作為化試験において,イレウス管(LT)と経鼻胃管(ST)では小腸閉塞に対して減圧成功率に有意差を認めなかった。それ以降,欧米ではLTは使用されなくなっている。●近年,LTのさらなる製品改良と挿入技術の進歩により,LTの有用性が見直されてきており,臨床的にSTよりも有効である可能性を示唆する文献が報告されている。●内視鏡補助下での挿入を行うことでコストの問題はあるが,複数回の腹部手術歴があり癒着が高度なことが予想され,外科的介入が躊躇される症例はLTのよい適応となるかもしれない。
著者
諸隈 紅花 窪田 亜矢
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.1189-1196, 2016-10-25 (Released:2016-10-25)
参考文献数
46
被引用文献数
1

本論文はニューヨーク市ブルックリン区のウオーターフロント沿いの、歴史的な造船所のブルックリン・ネイビーヤード(BNY)を取りあげ、歴史的工場群を店舗・住宅等の別の用途に転換することで場所を再生するのではなく、歴史的環境において当初の製造という機能を活かして市営の工業団地として再生する、従来の歴史的港湾の再開発とは異なるタイプの保全型再開発が実現した背景、実態の把握、再生の方法、歴史的環境保全と製造業維持という二つの政策の相関関係を明らかにする。研究の手法は文献調査、2回の現地調査、及び関係者へのインタビューを用いる。BNYが製造業の場として再生された背景には当初からの周囲のコミュニティへの雇用の場としての位置づけ、グローバル経済下における都市構造の変化による中小製造業の工業空間への需要の高まりと「製造業の維持」を推進する民間の団体の存在があった。運営をまかされたNPOは市からの資金援助が少ないなかで補助金や公的資金等の様々な資金源を活用して、再開発を実現した。歴史的環境保全と製造業の維持政策には明確な接点はないが、BNYにおいては両者が一定のメリットを享受することで均衡を保っている。
著者
窪田 充見
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1998

論法博第115号
著者
窪田 隼人
出版者
日本労働法学会
雑誌
労働法 (ISSN:04853474)
巻号頁・発行日
no.22, pp.153-158, 1963-10
著者
梅田 聡 窪田 昭男 合田 太郎 田附 裕子 米田 光宏 川原 央好
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.259-262, 2015

外鼠径ヘルニア修復術後の子宮円靭帯血腫のために行った再手術の際に内性器を腹腔鏡下に観察し,内鼠径輪近傍で卵管の屈曲を認めた1 例を経験したので報告する.症例は1 歳女児.右外鼠径ヘルニアに対しMitchell-Banks 法を施行した.術後2 日目より創部の膨隆が出現し,術後8 日目の超音波検査で右鼠径部に腫瘤像を認め,血腫が疑われ再手術を行った.開創すると,遠位側ヘルニア囊内に子宮円靭帯の血腫を認めた.腹腔鏡で観察すると,卵管は内鼠径輪の近傍に鋭角に屈曲し癒着していた.腹腔鏡下に卵管の屈曲を解除後,ラパヘルクロージャー<sup>TM </sup>を用いて腹膜鞘状突起を再修復した.鼠径管を開放せず外鼠径輪の外で高位結紮を行うMitchell-Banks 法術後においても年少女児では卵管を巻き込む危険性があり,女児の外鼠径ヘルニア修復術の際には,年齢に応じたヘルニア囊内腔の十分な確認による高位結紮が肝要であると考えられた.

1 0 0 0 異邦人

著者
Albert Camus [著] 窪田啓作譯
出版者
新潮社
巻号頁・発行日
1951
著者
西川 亮 西村 幸夫 窪田 亜矢
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.103-108, 2010-10-25
参考文献数
3

本研究は欧州評議会の文化の道において、政策の変遷及び仕組みを明らかにすることを目的している。分析の結果、政策の変遷は6期に分類することができた。第1期:文化観光に関する議論(1960年代)、第2期:サンティアゴ巡礼道の再生に関する議論(1980年代前半)、第3期:東西欧の文化的なつながりの再生(1990年代前半)、ウィーン宣言の影響を受けた最初の規則制定(1990年代半ば)、各文化の道に地域における活動を求めるようになった規則の制定(1990年代後半から2000年代前半)、より厳しい規則による文化の道の質の維持(2000年代後半以降)である。文化の道では、欧州評議会、文化の道協会、ネットワーク組織が欧州文化アイデンティティの形成高揚を目的に活動を展開する仕組みがある。
著者
木ノ下 修 岡本 和真 小西 博貴 小松 周平 安川 覚 塩崎 敦 窪田 健 保田 宏明 小西 英幸 岸本 光夫 小西 英一 柳澤 昭夫 大辻 英吾
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.7, pp.1281-1287, 2013 (Released:2013-07-05)
参考文献数
23

症例は56歳男性.膵内分泌腫瘍に対し膵体尾部切除術が施行され,病理学的診断は膵内分泌腫瘍(Ki-67 LI:3%,NET G2),T2N0M0,fStage IIで癌遺残は認められなかった.術後補助化学療法を施行され無再発であったが,術後15年目に胃体上部後壁に約3cmの粘膜下腫瘤を指摘され胃部分切除を施行された.病理組織学的には膵内分泌腫瘍の胃壁内転移(Ki-67 LI:10%,NET G2)と診断された.術後15年目に再発した膵内分泌腫瘍の胃壁内転移は非常にまれである.
著者
庄山 茂子 大谷 紗友理 窪田 惠子 青木 久恵 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.339-348, 2017-04-25 (Released:2017-04-27)
参考文献数
28

大学病院に勤務する看護師20 名を対象に,通常のユニフォーム,各自好きなユニフォーム,病棟内の話し合いで決定したユニフォームを着用した場合の3 条件で職務を遂行してもらい,ユニフォームの採用条件の違いが看護師の心理やチーム医療にもたらす効果を比較した. (1)病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合の看護師の仕事に対するやりがい感は,通常のユニフォームを着用した場合より有意に高かった.患者や同僚への声かけ,ストレス,緊張感については,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった. (2)チーム医療に関する評価では,ユニフォームの採用条件の違いによる差はみられなかった.しかし,病棟内の話し合いにより決定したユニフォームを着用した場合においてのみ,「目標達成と向上心」が高い看護師は,患者や同僚への声かけが多く,やりがい感が高かった.「職務協働性」が高い看護師は,同僚への声かけが多かった.
著者
庄山 茂子 青木 久恵 窪田 惠子 栃原 裕
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.172-179, 2013-02-20 (Released:2017-05-30)
参考文献数
15

異なる6スタイルの看護服を看護師,歯科衛生士に着用してもらい,患者と看護師ならびに歯科衛生士(病院群)を対象に各スタイルの印象を調査し,スタイル間の印象の違いを明らかにした.(1)6スタイルの中で,「花柄のチュニックと白のパンツスタイル」は,患者群と病院群ともに看護 服として好ましい割合が高く,「ダークレッドパープルのスクラブと白のパンツスタイル」は,両群ともに好ましくない割合が高かった.特に,病気や治療に不安のある患者ほど「好ましくない」と回答した. (2)6サンプルの印象について因子分析の結果,患者群では,「思いやり,信頼・責任,積極性,活動性」の4因子,病院群では,「思いやり,信頼・責任,活動性,洗練」の4因子が得られた. 「思いやり」は花柄のチュニックや花柄のスクラブの因子得点が高く,「信頼・責任」は白のワンピースや白のチュニックに白のパンツスタイルの得点が高かった. 看護服のスタイルや色により,印象評価が異なることから,今後看護服の採用にあたっては十分な配慮が求められる.
著者
槙山 和秀 藤浪 潔 鈴木 康太郎 杉浦 晋平 寺西 淳一 佐野 太 斎藤 和男 野口 和美 窪田 吉信
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.95, no.4, pp.669-674, 2004-05-20
参考文献数
12
被引用文献数
2

(目的) 横浜市立大学医学部附属市民総合医療センター泌尿器科では後腹膜鏡下根治的腎摘除術を2002年5月から開始した. 当院で採用した術式により3名の術者が安全に後腹膜鏡手術を施行可能であったので, その手術成績を検討した.<br>(対象と方法) 2002年5月から2003年6月までに当院で腎細胞癌の診断で後腹膜鏡下根治的腎摘除術を施行した14例を対象とした. 術式は側臥位で, 6cmの腰部斜切開で後腹膜腔にアプローチ. 円錐外側筋膜を腎下極レベルまで切開, 尿管を確保し, Gerota 筋膜と腹膜, Gerota 筋膜と腸腰筋の間を鏡視下でメルクマールになるように剥離したうえで, 小切開に hand port device を装着し12mmトロッカーを3本留置し, 気腹して後腹膜鏡下に根治的腎摘除術を施行. 先の6cmの切開創から腎を摘出する. 本術式の手術成績を検討した.<br>(結果) 平均手術時間は244.4分, 平均出血量は, 217.9mlだった. 1例は出血のため, 1例は小動脈の処理が不十分と思われたために開放手術に移行したが, 輸血を施行した症例はなかった. 大きな合併症も認めなかった.<br>(結論) 本術式で3名の術者が安全に後腹膜鏡下根治的腎摘除術を施行し得た.