著者
松浦 信夫 竹内 正弘 雨宮 伸 杉原 茂孝 横田 行史 田中 敏章 中村 秀文 佐々木 望 大木 由加志 浦上 達彦 宮本 茂樹 菊池 信行 小林 浩司 堀川 玲子 菊池 透
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.427-434, 2008 (Released:2009-05-20)
参考文献数
25

小児において適応が認められていない,経口血糖降下薬メトホルミンの有効性,安全性を評価するために,臨床試験を行った.47名が試験に登録され,38名が試験を終了した.HbA1c値を指標とした主要評価項目では38名中30名(78.9%)が有効と判定された.HbA1c値,空腹時血糖など7項目を指標とした副次評価項目を経時的に比較検討した.試験開始前に比し12週,24週終了時でのHbA1c値,空腹時血糖は有意に低下した.乳酸値を含めた臨床検査値に異常なく,有害事象は47例中16例に,副作用は1例に認めたが,試験を中止するような重篤なものは認めなかった.
著者
小池 篤 竹内 正一
出版者
日本水産學會
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1711-1716, 1982
被引用文献数
3 9

The maximum catch per unit of gillnet (unit had about 131, 000 meshes) for Wakasagi (pondsmelt) <i>Hypomesus transpcificus nipponensis</i> was estimated from the catch data of experimental fishings. Each fishing operation was designed to have different soaking time of the gear with the repetition of haulinjg, in which the distribution of the enmeshed fish was recorded before the gear was reset into the water with the catch intact.<br> The distance between each enmeshed fish was measured from the record in each haul and the catch-loss which dropped off from the mesh was checked comparing with the position of each enmeshed fish in the former hauling.<br> The results obtained here are summarized as follows;<br> 1) Variation of catch with different soaking time from one hour to four hours showed the realized maximum number as more than 150 individuals.<br> 2) The ratio of loss number to the enmeshed fish amounted to over 20%, and higher percentage of this ratio was observed within one hour after the fish was enmeshed.<br> 3) The influence of the enmeshed fish seemed to decrease the efficiency of the neighbouring meshes within 7cm.<br> 4) Potential catch per unit in this type of gillnet was estimated to be approximately 1, 000 individuals.
著者
竹内 正之
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.56, no.10, pp.831-840, 1998 (Released:2009-11-16)
参考文献数
26
被引用文献数
3 6

For the development of new receptor molecules that can precisely recognize sugar molecules, we synthesized a number of diboronic acids. Since one boronic acid can react with two OH groups (one diol group) to form a boronate ester, one diboronic acid can immobilize two diol units to form a sugarcontaining macrocycle. The selectivity can be tuned by the relative spatial position of the two boronic acids and the complexation event can be read out by circular dichroism, UV-Vis, and fluorescence spectroscopy. The nature presents a variety of saccharide structures to us which are already utilized as a “recognition tag” or a “supramolecular building-blocks” in the life processes. If we gain some efficient interfaces to control chemical and physical properties of saccharides, it will become possible to mimic this chemistry in artificial systems. As a research target to challenge this new concept, we can now raise three examples which are currently studied in our laboratory.
著者
竹内 正之 池田 朋宏 新海 征治 田中 裕行 川合 知二
出版者
基礎有機化学会(基礎有機化学連合討論会)
雑誌
基礎有機化学討論会要旨集(基礎有機化学連合討論会予稿集)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.63, 2007

走査型プローブ顕微鏡を用いた実空間可視化・分光手法は、ナノテクノロジーやナノバイオロジーなど様々な研究分野において重要である。我々は、加熱蒸着できない分子の蒸着手法としてパルス噴霧法を開発することにより、DNAやポルフィリンなどの巨大分子の高分解能可視化および1分子分光を行ってきた。今回、界面に2次元結晶を形成することで知られているダブルデッカーポルフィリン錯体およびトリプルデッカーポルフィリン錯体のSTMによる高分解能STM可視化および分光を行ったので報告する。
著者
竹内 正義
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.139, no.5, pp.193-197, 2012 (Released:2012-05-10)
参考文献数
24
被引用文献数
1 2

生活習慣病の代表である糖尿病(diabetes mellitus: DM)は,インスリンの分泌障害や標的臓器における作用不全によって慢性の高血糖が引き起こされる代謝疾患群である.しかしながら,患者のQOLと生命予後の観点からみれば,DMは心血管病であるともいえる.事実,DM患者の約40~50%が心筋梗塞や脳血管障害などの心血管系の疾患が原因で死亡したり,寝たきりや認知症に陥っているのが現状である.また,DM腎症は1998年以降,新規透析導入の原因疾患の第1位を占め,その罹患者数は年間17,000人に達しており,網膜症によっても年間約4,000人の方々が失明に至っている.これらの事実はDMにおいては,心血管イベントを含めた慢性の血管合併症を未然に防いでいくことが,治療戦略上最も重要な課題であることを示している.一方,近年,加齢やDM状態で促進的に生成される終末糖化産物(advanced glycation end-products: AGEs),特に糖代謝中間体に由来するグリセルアルデヒド由来AGEs(toxic AGEs: TAGEと命名)が受容体(receptor for AGEs: RAGE)を介し,DM血管合併症の発症・進展に強く関わっていることが明らかになってきた.最近では,高血圧症,認知症,悪性腫瘍,非アルコール性脂肪性肝炎(nonalcoholic steatohepatitis: NASH)などの疾患にも関与することが示されており,TAGE-RAGE系の影響を抑えることが生活習慣病の発症・進展の予防および治療戦略上,必要なことがわかってきた.本総説では,AGEsについて概説するとともに,TAGEの多様な疾患への関与について言及する.
著者
佐藤 浩司 竹内 正雄 竹ノ谷 文子
出版者
上智大学
雑誌
上智大学体育 (ISSN:02870568)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.1-8, 2001-03-31

本多浩二教授退任記念号
著者
竹内 正弘 矢船 明史 成川 衛
出版者
日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.659-665, 2000-09-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
26

Nonlinear mixed effects models are often used for the analysis of repeated measure ments in clinical trials. A typical example is population pharmacokinetic analysis. Due to the statistical complexity, careful attention must be paid to some statistical issues in order to obtain reliable and robust results. This paper provides a description of the notes on the use of nonlinear mixed effects models for the analysis of repeated measurements in clinical trials. Three main issues are discussed in this paper: 1) a first-order lineariza tion, 2) a missing data, and 3) a measurement error.
著者
村本 弘昭 武藤 寿生 竹内 正義
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.467-473, 2013-05-28
被引用文献数
1

終末糖化産物(AGEs)は糖尿病や尿毒症において生成が促進され,血管合併症の発現に深く関与していると考えられている.われわれは既報で炭酸カルシウムからセベラマー塩酸塩に変更することにより血清AGEs濃度が低下し,透析患者の血管合併症が軽減する可能性について報告した.しかし,副作用である便秘は無視できない問題と考えられ,今回セベラマー塩酸塩の少量投与による血清AGEs濃度への影響を検討した.3か月以上安定して週3回透析を施行している患者21例を対象に,炭酸カルシウム投与量は変更せずセベラマー塩酸塩1.5 g/日を上乗せ投与し,血清AGEs,脂質,リン,カルシウムおよびインタクトPTH値を経時的に検討した.AGEsは食品中に多く含まれるglucose由来のGlc-AGEsおよび生体内で生成され強い毒性を呈するglyceraldehyde由来のGlycer-AGEsをELISA法で測定した.Glc-AGEsは16.03±10.53 U/mLから24週後5.57±4.40 U/mLと有意に低下した.Glycer-AGEsは開始時の平均値で2群に分けて検討したが,高値群で8.49±1.12 U/mLから24週後6.74±0.84 U/mLと有意に低下し,低値群では変化を認めなかった.Non-HDLコレステロール値は有意に低下し,HDLコレステロール値は有意に上昇した.血清リン値は約0.8 mg/dL低下し,血清カルシウム値には変化を認めなかった.Glc-AGEsは経口的に体内に取り込まれ強毒性のGlycer-AGEsの産生を増強することが報告されており,血清AGEs値の低下はセベラマー塩酸塩による食事中のAGEsの吸着除去効果も考えられるが,そのほかオキシダントなどさまざまな物質の除去による酸化ストレス軽減も影響している可能性が考えられている.今回の検討で,腹部症状を起こしにくい量のセベラマー塩酸塩投与でも有意な血清AGEs値の低下や血清脂質の改善を認め,透析患者の血管合併症を軽減させる可能性を示した.生体へのカルシウムの過剰な負荷を避けるためにも,まず基礎薬として服薬可能な量のセベラマー塩酸塩を投与することは透析患者にとって十分有用性があると考えられた.
著者
竹内 正己
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学産業貿易研究所報
巻号頁・発行日
vol.1, pp.2-25, 1969-03-25
著者
安達 茂実 古谷 徳夫 三沢 芳夫 石田 道雄 金沢 浩二 竹内 正七 田中 耕平
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.38, no.11, pp.2031-2036, 1986-11-01

概要 近年、絨毛癌に対する化学療法において、etoposlde(VP-16)やclsplatm(CDDP)の投与が試みられ、その有効性が報告されている。今回、Nude Mouse (以下NM)移植絨毛癌細胞株GCH-1に対するVP-16、CDDPの抗腫瘍効果をMTXとの比較において検討するとともに、VP-16、CDDPの組織内移行濃度とその抗腫瘍効果およひ副作用との関連性についても検討し、以下の結果を得た。 1)腫瘍増殖抑制率Inhlbltlon Rate (IR)はVP-16 82 6%、CDDP 74 6%、MTX 36 2%てあり、VP-16およひCDDPのIRはMTXのIRに比較して有意であつた。 2)VP-16、CDDP、MTX投与群担癌NM、非担癌NMにおける薬剤投与前との比体重の推移をみると、CDDP投与群に有意の比体重減少が観察された。 3)担癌NMの血清β-HCGの推移は、腫瘍の増大と並行して上昇する傾向を示し、腫瘍増殖抑制効果のみられた薬剤投与群では明確な上昇は観察されなかつた。 4)VP-16 25mg/kg、 CDDP 5mg/kg を担癌NMにone shot にて腹腔内投与し、腫瘍、血液、各臓器におけるVP-16、CDDP濃度の経時的推移をみた。投与後05時間において、血中濃度に対する腫瘍、肝、腎濃度を比較すると、VP-16では各々0 10倍、0 59倍、0 32倍、CDDPでは2 68倍、2 85倍、5 42倍であつた。したがつて、VP-16はその血中濃度の割には各組織への移行率は低く、一方、CDDPはその血中濃度の割には各組織への移行率が高かつた。次に、投与後4時間までの推移をみると、VP-16の濃度は急速に減少し、投与後05時間における濃度に比較して、血液、肝、腎濃度はほぼ10%以下に減少した。これに対し、腫瘍濃度はなお37 1%の遣残を示した。CDDP濃度の減少はVP-16に比較して連延し、血液、肝、腎濃度はなお50〜60%の遺残を示し、腫瘍濃度はむしろ減少が早く、約20%の遺残に過ぎなかつた。
著者
竹内 正明 尾辻 豊 春木 伸彦 西村 陽介
出版者
産業医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

老人性大動脈弁狭窄(AS)では僧帽弁狭窄(MS)がしばしば観察される。本研究では、3次元経食道心エコー法により僧帽弁複合体を評価し、弁輪弁尖の石灰化と僧帽弁口面積(MVA)の関連を検討し、大動脈弁置換術後このMSが心血行動態に及ぼす影響を負荷心エコー法により検討した。MVAはAS群で小さく、約1/4の症例は中等度以上のMSを呈し、MVAは、内側弁輪面積、僧帽後尖と弁輪のなす角度に規定されていた。負荷時さらにMSが増悪することはなく、負荷前に比べ負荷後MVAは増大した。負荷時のMVAの増大は血流量増加と比例した。ASに合併するMSは偽性のことが多く、高度でない限りは治療の対象とはならない。
著者
田中 聡 小林 郁夫 岡 秀宏 宇津木 聡 安井 美江 藤井 清孝 渡辺 高志 堀 智勝 竹内 正弘
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.694-700, 2004-10-20

難治性の悪性グリオーマに関しては高レベルの治療上のevidenceは少ない.1997年より,広義のグリオーマ90例(low grade glioma 12 例, GradeIII glioma 30 例, glioblastoma multiforme 42 例,medulloblastoma 6例)に対してACNU耐性遺伝子であるMGMTのRT-PCRによる検出に基づいた103回の個別化補助療法(individual adjuvant therapy ; IAT)を行った.手術により摘出した-70°C凍結検体よりtotal RNA を抽出し,最初の51回は通常のRT-PCR,最近の52回はreal-time RT-PCRに代表される定量的RT-PCRによるMGMTmRNAの検出・定量を行った.MGMTの発現量が少なかった68回はACNUを,MGMTが高発現であった35回は白金製剤を治療の中心に用いた.ACNUを用いた治療群と白金製剤を用いた治療群との問に治療成績の有意差は認められなかった.全体の有効率(partial response + complete response率)は53.3%, glioblastoma 42例の2年生存率は51.1%であった.2002年4月以降にreal-time RT-PCRの結果に基づいてACNU-vincristin-interferon-β-radiationまたはcis-platinum-etoposide-interferon-β-radiationによる補助療法を行ったGradeIIIとglioblastomaで,年齢3歳以上70歳未満, Karnofsky's performance scale が50以上の初発20症例の有効率は60.0%であった.IATが高レベルのevidenceを獲得するためには,症例を選択し,統一された治療法によるrandomized controlled trialを行う必要がある.
著者
竹内 正紀 宮本 重信 木村 照夫 坪田 諭治
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.52, pp.59-69, 1993-06-25
被引用文献数
26

地熱集熱用の熱交換器に建物などの基礎くいを利用し,積雪センサで制御される融雪システムを開発した.内径310mm,長さ22mのコンクリートくい2本からの取出し熱量で20.8m^2のコンクリート舗装面の積雪を溶かす実験を行い,実験期間(1991年1月〜3月)に,福井市の累計降雪深187cm(最大積雪深60cm)の降雪について,舗装面上をほぼ無雪の状態に保つことができ,本システムが間欠的な降雪のある比較的温暖な積雪地の融雪に有効であることを示した.さらに,くいと融雪面を一体の系とした数値シミュレーションを行い,くいからの取出し熱量と集熱量の数値計算結果と実験結果がよく一致することを示し,それらの予測が可能であることを示した.