著者
原口 和貴 大塚 真吾 荒牧 英治 若宮 翔子 灘本 明代
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:2188871X)
巻号頁・発行日
vol.2019-DBS-169, no.6, pp.1-6, 2019-09-03

これまで我々は一つのニュース記事から漫才台本を自動生成する手法を提案してきた.本論文ではヘッドラインニュースを構成する複数のニュース記事から漫才台本を自動生成する手法の提案をする.ニュース記事を漫才台本にする際,ネガティブなニュース記事を漫才にすることは不適切である.そこで本論文ではヘッドラインニュースの中からポジティブ/ニュートラルのニュース記事を抽出しこれら複数のニュース記事から一つの漫才台本を自動生成する手法の提案をする.
著者
若木 太一
出版者
長崎大学教養部
雑誌
長崎大学教養部創立30周年記念論文集(Bull. Faculty of Liberal Arts)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.一-一六, 1995-03-27

天和二年(一六八二)十月大坂で出版された『好色一代男』八巻八冊は、その後多くの風俗小説の出現をうながし、いわゆる浮世草子の創始を飾る作品として文学史の上でも画期的意味をもつ。その時代の欲望を表象する主人公「一代男」世之介は、どのような背景から生み出されたのか。『一代男』巻八の五 < 都のすがた人形 > は長崎を舞台とする一章であるが、本書執筆以前に西鶴の長崎来遊の足跡は認められない。そこで延宝九年(一六八一)刊の遊女評判記『長崎土産』の記事との比較をすると、巻頭の巻一の一 < けした所が恋のはじまり > 及び巻末の巻八の五 < 床の責道具 > の章との濃密な影響関係を指摘できる。すなわち西鶴は『長崎土産』の案内者「嶋原金捨」を原型として主人公世之介の出自・境遇・性格・趣味等の属性を付与し、造型したと考えられる。本稿は、両書の文章や構想・設定を具体的に比較・検討して、『長崎土産』が『一代男』の一原拠であることを考証する。
著者
久能 若葉 杉本 麻樹 杉浦 裕太
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.595-601, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
28
被引用文献数
2

本研究では,ウェアラブルデバイスを用いて手の甲の皮膚変形を計測して手指の姿勢を推定する手法を提案する.本研究で開発したウェアラブルデバイスは反射型光センサによって手の甲の皮膚を計測する.本手法は手の甲の皮膚変形から手指の姿勢を推定するため手指の位置を直接計測せず,手指の可動域を制限することなく姿勢情報を得られる.本手法はバーチャル空間におけるインタラクション手法などに使用できる.提案手法の姿勢推定精度を評価するためにユーザ実験を行った.
著者
奥田 若菜 奥田 若菜
出版者
国立民族学博物館
雑誌
国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology (ISSN:0385180X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.317-332, 2019

Language policy is a governmental intervention that assigns languages arelative status. One language can thus be given priority over others by anauthoritarian state, and this distinction reflects the political and social situationof the society. In this article, the author discusses the process ofestablishing the legitimacy of Portuguese as an official language in Timor-Leste and illustrates two pillars of the discourse upon which this legitimacyhas been built. The first pillar is the invocation of history and leaders'speeches about Portuguese during the struggle for Timor-Leste's independence,and the second is the argued necessity for Timor-Leste to join theinternational community for greater development. Resting on these two pillars,Portuguese has begun to function as the national language in Timor-Leste. 政府によって実施される言語政策は,特定の言語にある種のステータスを定めることであり,当該社会にある他の言語よりも優遇することでもある。権力による特定言語の意味づけは,当該社会の政治的社会的状況を反映するものである。本論では,東ティモールを事例に公用語ポルトガル語の正当性確立の過程を考察する。2002 年の独立と同時に公用語となったポルトガル語であるが,その決定に対する反対も根強くあった。東ティモールにはもう一つの公用語テトゥン語と,20 以上の地域言語が存在する。現在でも話者人口が少ないポルトガル語の公用語としての正当性を主張する際,根拠として以下の2 つが頻繁に言及される。1 つは,国家史,特に独立闘争のリーダーたちによる東ティモール史である。もう1 つは,今後の経済発展に欠かせない国際社会への参入の必要性である。この2 つを根拠とすることで,ポルトガル語は「我われの言語」として受容され始めている。
著者
加藤 敏文 井上 嘉則 上茶谷 若 齊藤 満 加賀谷 重浩 山本 敦
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 = Japan analyst (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.335-340, 2012-04-05
参考文献数
21
被引用文献数
5

固相抽出剤形状の多様化を目的として,逆相/陰イオン交換複合モード型ポリマー系吸着剤をポリエチレン粉末で焼結した多孔質円柱状の固相抽出剤を調製し,固相抽出特性を評価した.作製した焼結型固相抽出剤はモノリス様の連続孔を有しており,高流速下でも被検化合物を定量的に抽出可能であった.中性,塩基性及び酸性薬物を用いて抽出特性を調べたところ,中性及び塩基性薬物は疎水性相互作用により明確に保持され,メタノールで定量的に回収された.酸性薬物は疎水性相互作用と陰イオン交換相互作用が加味された複合相互作用により保持され,ギ酸添加メタノールで定量的に回収可能であった.焼結用樹脂の<ruby><rb>撥</rb><rp>(</rp><rt>はっ</rt><rp>)</rp></ruby>水性によるイオン交換相互作用の低下が懸念されたが,その影響はほとんどなく明確なイオン交換相互作用を発現した.本検討で用いた焼結法は円柱状だけでなく多彩な形状の固相抽出剤を作製可能であるため,固相抽出剤の多様化手法として有用である.
著者
小島 嘉津江 森田 純恵 若本 雅晶 宗像 一樹 鷲崎 弘宜
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:21888825)
巻号頁・発行日
vol.2017-SE-195, no.30, pp.1-8, 2017-03-05

ソフトウェア品質の向上に関しては,古くから様々な技術が提案・実用化されてきており,ソフトウェア開発方法の進歩に伴う新たな技術の開発も進んでいる.一方,ソフトウェア品質を客観的に評価するための尺度についても研究が進んでおり,ソフトウェア品質モデルおよび品質特性が国際規格として規定されている (ISO / IEC 25000 シリーズ).これら個々の品質技術と,ISO / IEC 25000 シリーズで規定された各品質特性の間には,たとえば,この技術はこの特性の向上に特に効果があるといった関係性が当然存在し,これはソフトウェア開発において重要な情報となり得る.しかし,これまで,このような関係性を網羅的に明確化する試みは行われておらず,品質要求に基づく効率的な品質技術の選択の難しさ,品質技術の研究開発が必要な方向 ・ 領域の不透明さなどの課題があった.本稿では,個々の品質技術が品質特性に与える効果を網羅的に見える化することを目的として,品質技術と品質特性のマッピングを試みた.マッピングに当たっては,品質技術の網羅 ・ 体系化が必要となるが,世界で初めてこれを実現した日本発のガイドである 「ソフトウェア品質知識体系ガイド (SQuBOK ガイド)」 を参照することとした.SQuBOK ガイドと ISO / IEC 25000 シリーズをベースにしたマッピングの結果,品質向上に寄与する技術を品質特性ごとに効率的に選択できるようになり,ツールとしても有効であることがわかった.また,マッピング結果の分析を通して,品質特性による品質技術の偏りからわかる拡充すべき技術領域,データ品質に関する技術の体系化不足,OSS 活用の技法など最新技術の追加 ・ 体系化の必要性など,今後の課題も明確になった.
著者
若狭 得治
出版者
日経BP社
雑誌
日経ビジネス (ISSN:00290491)
巻号頁・発行日
no.897, pp.137-140, 1997-06-30

27年間にわたり全日本空輸に君臨してきた若狭得治氏が,一連の人事抗争のすえ取締役を退いた。若狭氏の経緯説明には,「何も間違ったことをしていないのに,なぜ非難されるのか」という思いがにじむ。「航空業界のドン」は,運輸行政への持論をなお訴える。問今回の人事抗争の発端は何だったのでしょう。答4年前,普勝(清治)君を社長にするとき,私は彼にこう言いました。
著者
若松 養亮 大谷 宗啓 小西 佳矢
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.219-230, 2004-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
3

本研究は, 小・中学生を対象に, 学習意欲と「現在の学習活動が自身の成功や幸福の実現のために有効であるとの認知」(学習の有効性認知) との関係について検討した。学習の有効性認知は,「学習内容や活動の意義や正統性を認める (a)」,「将来の職業や生活で役立つ (b)」,「進学や就職の試験で役立つ (c)」,「有効性を認めない (d)」という4カテゴリーを設定した。分析の結果, 小・中学生どちらにおいても,(1) 学習の有効性認知と学習意欲の間には正の関係があること,(2) 各カテゴリーの有効性認知を強く有する人を比較すると, a, b, c, dの順で学習意欲が高いこと,(3)「好きな教科の多少」で統制しても, 学習意欲は有効性認知a, b, c, dの順に高いこと, が明らかとなった。
著者
若林 芳樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.20, 2007

<BR>1.はじめに<BR> 2005年に日本地理学会地理教育専門委員会が発表した世界地理認識調査(以下,学会調査と略称)は,マスコミをはじめとして大きな反響を呼び,地理教育の重要性を社会にアピールするのに一定の役割を果たしたことは間違いない.しかしながら,これまでその結果についての詳しい検討はなされていない.この調査で対象になった世界の国々の位置認知は,地理教育だけでなく空間認知研究の対象としても過去の研究の蓄積があるが,それらの成果をふまえて結果を吟味することは,地理教育の課題や対策を考えるのにも役立つと考えられる.そこで本研究は,空間認知研究の立場から,(1)位置認知の正答率を規定する要因として高校での地理の履修がどの程度重要なのか,(2)誤答の傾向や原因は空間認知の一般的性質によってどのように説明できるか,について世界地理認識調査の結果を精査した.<BR>2. 用いたデータと国の位置認知の傾向<BR> 学会調査と同じ質問紙を用いて筆者も独自に法政大学経済学部の地理学の受講者256名(大部分が1~2次年生)を対象にして,2005年4月の授業中に実施した.具体的には,地図上に番号で示された30カ所のうち,名称が示された10カ国がどれに当たるかを選んでもらうという課題である.これと併せて,高校での地理の履修,地理に関わりの深い事項への関心,地図利用度,性別などについても質問した.<BR> 国別の正答率を集計したところ,全体的に学会調査の結果よりやや低いものの,相関係数は0.988とかなり高いことから,解答パターンはきわめて類似していることがわかる.<BR>3.国の位置認知に影響する要因<BR> 国の位置認知については,地理教育分野やSaarinen (1973)をはじめとする空間認知分野での数多くの研究例があり,その一般的な傾向も知られている.それらの知見と学会調査の結果は概ね整合しており,アフリカやアジアの国々に対する知識の乏しさが表れている.<BR> 学会調査では,位置認知の正答率に影響する要因として高校での地理の履修が指摘されており,筆者の調査結果でも,全体的に地理履修者の方が正答率もやや高い傾向はあるものの,5%水準で有意差が認められたのはギリシャだけであった.また,解答者ごとの正答数を求め,地理の履修の有無による平均値の差の検定(t検定)を行ったが,5%水準で有意差はみられなかった.このことから,高校での地理の履修が国の位置の認知に決定的な影響を与えているとはいいきれない.そこで,地理に関係の深い「旅行」,「鉄道などの乗り物」,「登山」,「地図」に対する興味の有無を尋ねた結果と正答率との関係を調べた結果,半数以上の国について統計的に有意差がみられたのは,地図に対する関心の有無であった.ただし,地図に関心があると答えた70人のうち,53%の学生は高校で地理を履修していなかった.このことは,地図・地理に興味や関心を抱く生徒の多くが高校で地理を履修する機会を逸していることを示唆する.<BR>4.誤答の傾向からみた空間的知識の性質<BR> 誤答の傾向を検討するために,国ごとに最も多い誤答例を集計すると,ウクライナ,ギリシャ,ケニアを除いて,いずれも正答の国に隣接する国の位置を解答していた.つまり,誤答した解答者でも,およその国の位置は理解しているといえる.これは,空間的知識が階層的に組織されているという従前の空間認知研究の知見によって概ね説明できる.<BR>5.おわりに<BR> 筆者の調査から得られた結果は,学会調査の結果と概ね一致するものの,正答率を規定する要因については,学会調査とはやや異なる解釈となった.また,誤答にみられる傾向は,空間認知研究の知見によってある程度説明できる.これは空間認知研究,の成果を地理教育の評価や改善に応用できる可能性を示唆している.
著者
若林 三千男
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類,地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4-6, pp.136-153, 1973-03-30 (Released:2017-09-25)

1) Thirteen Japanese species belonging to the genus Mitella (Saxifragaceae) are revised taxonomically with special reference to the morphology of flowers, the chromosome numbers, and their karyotypes. The distribution maps of all the Japanese species are given in Figs. 19-20. 2) The variation in the division of the petal was observed much greater than that reported previously even within a single species. There is a tendency of progressive reduction in the division of the petal usually in the basal portion of petal, and most extremely reduced ones are found in the apetalous flowers. This seems to be polytopic in occurrence, and any evolutionary trend can not be indicated only by this feature. 3) The chromosome numbers of Japanese species are shown in Table 2. The species with the superior ovary have 2n=14, and those with the inferior ovary 2n=28 or rarely 2n=42. 4) The karyotypes of Japanese species are shown in Figs. 4-18 and are summarized in Table 3. The two species with 2n=14 (M. nuda and M. integripetala) are distinct from each other in the karyotype and no close affinity can be found, and this is also supported from morphology. Among those with 2n=28, M. doiana, M. furusei, M. leiopetala, and M. stylosa have the chromosomes many in symmetrical form and less different in size within a single set, while the species having many asymmetrical chromosomes and those different in size within a single set are M. japonica and M. yoshinagae which are much more specialized than the formers in their karyotypes. The species morphologically specialized have not always the specialized karyotypes as seen in the case of M. doiana. 5) M. stylosa, M. furusei, M. leiopetala, M. makinoi and M. doiana are suggested to have close affinities to each other, and M. japonica, M. yoshinagae and M. kiushiana may also be speculated as that. M. pauciflora, M. acerina, and M. koshiensis remain further to be investigated, though these karyotypes resemble each other in appearance. 6) M. furusei seems to have an affinity to M. stylosa more closely than to M. koshiensis, and OHWI's proposal to reduce M. furusei to a variety of M. koshiensis should be rejected. The affinities among M. stylosa, M. leiopetala and M. makinoi are pointed out by OHWI and are supported by additional data given in this paper.
著者
若濱 五郎
出版者
日本結晶成長学会
雑誌
日本結晶成長学会誌 (ISSN:03856275)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.252-253, 1991-12-15