著者
丸山 誠太 若林 哲宇 森 達哉
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2017論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.2, 2017-10-16

静電容量方式のタッチパネルに能動的に干渉を行い,ユーザの意図しないタッチイベントを引き起こす攻撃手法を提案する.提案する攻撃手法は二つ存在する.第一の手法は,攻撃回路からタッチパネルに対して特定周波数の交流電流が印加されるように外部から電界を加えることでタッチイベントを引き起こす.第二の手法は,攻撃回路とタッチパネル間の静電容量を任意に変化させることでタッチイベントを引き起こす.それぞれの手法を実装し,複数台のスマートフォンを利用して評価を行った結果,本攻撃が実用的であることが明らかになった.
著者
若土 正史
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.628, pp.628_117-628_137, 2015-03-31 (Released:2015-10-30)
参考文献数
25

欧州における地中海・バルト海・北海を結ぶ海運交通では,14世紀後半から既に海上保険制度が普及し,海上リスク対策の一手段として海運関係者に広く利用されていた。1498年ポルトガルはインド航路を開設し,同国の基幹航路となった。本稿はポルトガルと日本の交易に関して,隣国スペインのブルゴスに残る当時の契約史料と同航路の海難事故事例を分析し,この航路における海上保険の活用状況に関し一次史料と先行研究の二次資料とを使って検証したものである。その結果,「『大数の法則』に見合う引受件数の確保」と「一定水準で安定した損害率」という要件が十分にカバーされなかったため,ポルトガルはインド航路では海上保険は積極的に利用していなかった,という結論を得た。
著者
若林 信夫
出版者
小樽商科大学
雑誌
商学討究 (ISSN:04748638)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1/2/3, pp.507-536, 1987-01-25
著者
小谷 瑛輔 田中 祐介 中野 綾子 若島 正 木村 政樹 矢口 貢大
出版者
富山大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

近代において、将棋と文学は密接に関わりあいながら展開してきた。本研究では、その様相を具体的に解き明かし、データベースや論集にまとめた。一つ目は、小説という近代的な新しい概念が将棋の比喩によって誕生し、その後も文学の概念に影響を与えてきたこと。二つ目は、新聞・雑誌メディアの発展において将棋と文学がともに重要なコンテンツであったということ。三つ目は、文壇の人的ネットワークにおいて将棋が大きな役割を果たしてきたことである。
著者
豊岡 公徳 若崎 眞由美 武田(神谷) 紀子 佐藤 繭子
出版者
日本植物形態学会
雑誌
PLANT MORPHOLOGY (ISSN:09189726)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.3-9, 2020 (Released:2021-03-29)
参考文献数
21

走査電子顕微鏡(走査電顕 scanning electron microscope: SEM)は,細く絞った電子線で試料表面を走査させることで生じる反射電子や弾き出された二次電子などを検出し, 像を得る電子顕微鏡である.これまで医学・生物学分野においてSEMは, 光学顕微鏡(光顕)の分解能では捉えられない表面微細構造の観察に用いられてきたが,その利用は主に試料の表面解析に限定されていた.近年,SEMの検出器や電子銃といった機器の高度化, そしてオスミウムコーティングや固定法など試料調製法の改良により,様々な観察法にSEMを活用できるようになってきた.本稿では,切片 SEM法や光-電子相関顕微鏡法(CLEM),イオン液体観察法,凍結割断法など,表面解析に限らないSEM による組織・細胞の新しい捉え方を示し, それにより得られた知見を紹介する.

2 0 0 0 OA 独り歌へる

著者
若山牧水 著
出版者
八少女会
巻号頁・発行日
vol.上の巻, 1910
著者
貝森 弘行 岡本 吉史 若尾 真治
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.139, no.4, pp.380-387, 2019-04-01 (Released:2019-04-01)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Recently, from the viewpoint of vibration and noise reductions, torque ripple reduction of motor-equipped electrical machines is the need of the hour. The authors have already proposed to improve torque characteristics of a synchronous reluctance motor using the topology optimization method. The evaluated rotor structure succeeded in substantial torque ripple reduction, but the cause for this reduction was unknown. In this paper, we investigate the reason for torque ripple reduction using the improved rotor structure of the motor by a topology optimization method known as R-SLP, by comparing it to the reference model using finite element analysis. A calculation method is proposed to analyze the circumferential magnetic force density of spatial and time harmonic orders using the magnetic density in the air gap. By focusing on the time order at which the torque waveform was evaluated, we estimate which circumferential magnetic force density orders affect torque ripple reduction. Then, we clarify the reason for torque ripple reduction to examine the influence of local shape of rotor structure using 12th time-harmonic magnetic fields. As a result, the modified flux barrier rotor structure is obtained, which further reduces the torque ripple in comparison to the previous structure.
著者
諸 和樹 皆川 昌広 高野 可赴 滝沢 一泰 三浦 宏平 永橋 昌幸 坂田 純 小林 隆 小杉 伸一 若井 俊文
出版者
新潟医学会
雑誌
新潟医学会雑誌 = 新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
巻号頁・発行日
vol.129, no.7, pp.401-407, 2015-07

症例は35歳男性. 検診腹部エコーで脾門部に2cm大の腫瘤を指摘された. 2年後検診で腫瘤の増大傾向を認め, 腹部造影CT検査で膵尾部に44mm大の多房性分葉状腫瘤を認めた. 血算・生化学・凝固系, 腫瘍マーカー, 各種ホルモン値は正常範囲内であった. SPIO造影MRIを施行したが, 腫瘍より尾側におけるT2強調画像信号低下を確認したのみで, 確定診断を下すことができなかった. 腹腔鏡下膵尾部切除を施行し, 術後病理診断で膵内副脾に生じた類上皮嚢胞と診断された. 診断に苦渋した1例を報告する.
著者
寺下 隆夫 白坂 憲章 楠田 瑞穂 若山 祥夫
出版者
日本きのこ学会
雑誌
日本きのこ学会誌 (ISSN:13487388)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.93-99, 2011-07-31 (Released:2018-03-15)
参考文献数
21

機能性の生体成分として知られるヒアルロン酸(HA)を低分子化し,低分子HAを主成分とするニワトリ鶏冠分解物を用い,シイタケおよびFlammulina populicolaの菌糸体生育と子実体形成に及ぼす低分子HAの影響について検討した.その結果,シイタケの菌糸体生育は本分解物の添加培養(0.125%)で促進され,無添加対照区のそれぞれ1.75倍(森465号),1.44倍(明治株),1.67倍(菌興324株)の菌糸体乾燥重量を得た.またF.populicola NBRC 7777株では0.125%のHA分解物の添加で1.70倍の菌糸体重量が得られ,子実体収量も1.75倍に増加した.さらに,この菌株を用い,低分子HAの菌体への取り込みについて,HA分解物のN-アセチルグルコサミン量を調べたところ,菌糸体で2.85倍,子実体で2.69倍に増加した.また,無添加の対照区では検出されなかったグルコサミノグリカンが,分解物の添加区で69.30-469.0μg/Petri dish検出され,培地に添加したグルコサミノグリカン量の0.35-0.52%が子実体中で確認された.
著者
野村 若見 昇 近藤 信二 合原 一幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
信学技報
巻号頁・発行日
pp.NLP93-67, 1994
被引用文献数
2

食器洗い機における2リンクノズルの挙動を決定論的カオスの観点から解析した.2リンクノズルは自由に回転できる2つのノズルから構成されており,周期的でない複雑な動きを示す.この2リンクノズルの動きを画像処理により検出し,時系列データに基づく解析を行なった.具体的には,画像処理により得られた時系列データから2リンクノズルの力学系を表すアトラクタを再構成し,1)ポアンカレ断面2)サークルマップ3)リアプノフ指数4)フラクタル次元の計算を行なった.これらの計算の結果はすべて,2リンクノズルの挙動が決定論的カオスから生成されていることを示していると考える.また,実際の食器を用いた洗浄能力の評価実験では,周期的な挙動を示す従来のノズルよりもカオス的な挙動を示すノズルの方が洗浄能力が高くなるという結果が得られた.
著者
若林 大志 稲木 杏吏 廣正 智 森 博史 渡辺 悟 山瀬 喬史 赤谷 憲一 萱野 大樹 絹谷 清剛
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.255-258, 2018 (Released:2019-02-15)
参考文献数
19

手術不可能あるいは遠隔転移や局所再発を繰り返す悪性褐色細胞腫の治療として,131I-metaiodobenzylguanidine (MIBG)による内照射療法が行われる。131I-MIBGの腫瘍集積は極めて選択的かつ特異的であり,欧米では30年近い治療経験が蓄積されている。一方で,国内では放射線管理にかかる諸問題があり利用は限られていた。近年,悪性褐色細胞腫・パラガングリオーマに対する低用量131I-MIBG治療の多施設共同研究が先進医療Bとして実施され,2017年度には131I-MIBG治療の薬事承認取得を目的とした企業治験が国内で開始されるなど,131I-MIBG治療が我が国でも広がりつつある。本稿では131I-MIBG治療の現況と展望を紹介し,内照射療法の普及がよりいっそう進むことを期待する。
著者
苅部 智恵子 佐藤 啓造 丸茂 瑠佳 丸茂 明美 藤城 雅也 若林 紋 入戸野 晋 米山 裕子 岡部 万喜 黒瀬 直樹 島田 直樹
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.349-358, 2012 (Released:2013-03-14)
参考文献数
19
被引用文献数
2

安楽死・尊厳死について国民の意識がどうなっているか調査した報告は少なく,特に大学生の意識を報告した論文はほとんど見当たらない.少数ある報告も限界的医療全般について調査したものであり,安楽死について賛成か否かを表面的に調査したに留まっている.本研究では同じ生物学を中心に学んでいるが将来,安楽死・尊厳死に関わる可能性のある医学生と特にその予定はない理系学生を対象として同じ内容のアンケート調査を行った.アンケートでは家族に対する安楽死・尊厳死,自分に対する安楽死・尊厳死,安楽死・尊厳死の賛成もしくは反対理由,安楽死と尊厳死の法制化,自分が医師であるとすれば,安楽死・尊厳死について,どう対応するかなど共著者間で十分,協議をしたうえで,新しい調査票を作成し,これを用いた.医学生は安楽死・尊厳死について,ひと通りの理解をしているはずの99名から無記名のアンケートを回収した(回収率:87.6%).理系学生は医学生のほぼ同年輩の生物学系の博士前期課程学生に対し,第二著者が安楽死・尊厳死について,ひと通り説明した後,69名から無記名で回収した(回収率:71.9%).前記5つの課題について学部間,性別間の意識差について統計ソフトIBM SPSS Statistics 19を用いてクロス集計,カイ二乗検定を行い,p < 0.05を有意差ありとした.その結果,家族の安楽死については学部間で有意差があり,医学生は理系学生より依頼する学生の比率が低く,依頼しない学生の比率が高いことが示唆された.医学生,理系学生ともに家族の安楽死希望理由で「本人の意思を尊重したい」が過半数を越え,自己決定権重視の一端を示していた.尊厳死では両学部生とも希望しない学生より希望する学生が多く,特に理系学生で希望する比率が高かった.性別では自分の尊厳死を希望する比率で有意差があり,女性の方が多かった.家族の尊厳死でも希望する比率は女性の方が多かった.家族の尊厳死,自分の尊厳死を家族の安楽死,自分の安楽死と比較したところ,安楽死より尊厳死を希望する学生が両学部生とも多かった.家族の尊厳死希望理由で医学生,理系学生ともに「本人の意思を尊重したい」が60%以上を占めた.安楽死・尊厳死について法制化を望むか否かを調べると,学部間では有意差があり,医学生は大多数が安楽死・尊厳死の法制化を望んでいるのに,理系学生は両方とも法制化を望まない学生も26%を示した.性別間では女性で尊厳死だけ法制化を望む人が31%を占めた.自分が医師の立場になった場合,安楽死・尊厳死を実施するか否かを調べると,学部間で有意差があり,要件を満たせば積極的安楽死を実施するとしたのが理系学生で41%を示したのに対し,医学生では16%に留まった.性別間では積極的安楽死を実施するのは男性が10%上回ったのに対し,尊厳死を選択するのは女性が10%上回った.以上の結果から医学生は理系学生に比べ,安楽死・尊厳死の実施に慎重であり,両方とも法令のもとに実施を希望していることが明らかとなった.
著者
若森 章孝
出版者
千葉大学経済学会
雑誌
経済研究 (ISSN:09127216)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.295-319, 2012-12

デヴィッド・ハーヴェイは新自由主義の理論と実践の総体を歴史的に検討した『新自由主義その歴史的展開と現在』(原題『新自由主義小史』)のなかで,「未来の歴史家は,1978~80年を,世界の社会経済史における革命的な転換点とみなすかもしれない」(ハーヴェイ2007:009)と述べている。彼が1978~80年を歴史的な転換点と位置づけるのは,この時期が,サッチャー政権やレーガン政権の政策を通じて新自由主義が経済,国家,福祉や教育などの社会的領域,思考様式において支配的になる画期となったからである。しかし,この時期とそれにつづく1980年代および1990年代に実行に移された規制緩和,民営化,市場化,金融化といった新自由主義的経済政策に注目するだけでは,新自由主義国家の性格が「小さな政府」と国家の規制から解放された19世紀的な「自由放任」の政策であるかのように見えてくる。欧文抄録: p.431
著者
神野 聡 若林 尚樹 竹本 正壽
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第63回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.200, 2016 (Released:2016-06-30)

本研究は、音楽と映像を融合させた効果的な表現手法の提案を目的としている。 ビジュアライザ、検証作品、演出を強調した作品、を比較して効果的な映像を見つけることを目的にする。 検証作品とビジュアライザとの比較で検証を行った。また、演出を強調した作品は検証作品との比較も行った。 結果、音をキャラクター化することで対応関係を感じれると分かった。 また、音は演出を強調することで分かりやすくなると確認した。
著者
若狹 重克
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.79-86, 2016-03-31

権利擁護は、「権利侵害から守る」という意味で使われることが多かった。しかし、介護保険制度の実施による福祉サービス利用方式の転換により、自己決定を支援し利用者をエンパワメントする積極的な意味を持つようになった。一方で、自己決定やエンパワメントは、ソーシャルワークにおける原則や理念としても重視されている。本研究は、権利擁護をソーシャルワークとして推進する際の基礎となる立場を示すことを目的とする。社会福祉における権利と権利擁護の意味および地域包括支援センターを対象とした調査結果から、ソーシャルワークとしての権利擁護推進の視座を以下のように考察した。1.高齢者や家族等を対象とする直接的な権利擁護実践(ミクロレベル)2.権利擁護支援が必要な者の早期発見・把握に向けたネットワークやシステム構築などの間接的な権利擁護実践(メゾレベル)3.権利擁護支援への強い関心により権利侵害を予防する・無くす社会を目指すソーシャルアクションによる環境変革(メゾ〜マクロレベル)