著者
樋口 寛 藤井 浩光 谷口 敦史 渡辺 正浩 山下 淳 淺間 一
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.222-232, 2018 (Released:2018-05-15)
参考文献数
21

This paper presents an effective 3D measurement method from the inside of large structures such as railway vehicles, elevators, and escalators. In our proposed method, images are captured by a moving measurement device, which is composed of a ring laser and a camera, from the inside of the target object. Structures of the target are reconstructed from these images by integrating cross-section shapes, obtained by the light-section method, into unified coordinate by pose changes estimated by Structure from Motion (SfM). We focus on the method to extract information necessary for the light-section method and SfM from the captured images which contain both laser light and texture information. A color filter used in the proposed method enables to extract areas irradiated by the laser for the light-section method. Further, a new block matching technique is introduced to avoid the influence of the laser light, which causes to detect wrong corresponding points. In experiments, we confirmed the validity of the proposed 3D measurement method.
著者
太田 智 遠藤 朋子 島田 武彦 藤井 浩 清水 徳朗 國賀 武 吉岡 照高 根角 博久 吉田 俊雄 大村 三男
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
Journal of the Japanese Society for Horticultural Science (ISSN:18823351)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.295-307, 2011
被引用文献数
9

カンキツトリステザウイルス(CTV)は,カンキツに重大な被害を引き起こす重要病害の一つである.カンキツ属との交雑が可能であるカラタチ[<i>Poncirus trifoliata</i>(L.)Raf.]は,広範な CTV の系統に対して抵抗性を示す.これまでに,カラタチの CTV 抵抗性をカンキツ属に導入するために育種計画が実行され,中間母本が育成されたことで,経済品種の作出に道が開かれてきた.本研究では,マーカー選抜により効率的に CTV 抵抗性をカンキツ属に導入できるように,CTV 抵抗性に連鎖した 4 つの DNA 選抜マーカーおよび各連鎖群上のカラタチの対立遺伝子を識別する 46 のマーカーを開発した.CTV 抵抗性連鎖マーカー 4 つのうち,1 つは共優性マーカーである Single Nucleotide Polymorphism マーカーで,3 つは優性マーカーの Sequence Tagged Site マーカーであった.これら全てのマーカーで,2.8%の例外を除き,後代における CTV 抵抗性・感受性とマーカーの有無とが一致した.さらに,これらのマーカーは高度にカラタチ特異的であり,検定したカンキツ属 35 の全品種・系統に対して適応可能であった.カラタチ由来の対立遺伝子を排除するための判別マーカーでは,46 のうち 9 マーカーが CTV 抵抗性の座乗する第 2 連鎖群に位置した.また,他の 31 マーカーを残りの 8 連鎖群におくことができた.これらのマーカーは,カンキツ属 35 品種・系統のうち少なくとも 1 つ以上の品種・系統に対し,カラタチ由来の対立遺伝子を識別することができた.本研究で開発されたプライマーセットは,戻し交雑により CTV 抵抗性を様々なカンキツ属系統に導入するためのマーカー選抜に利用可能と考えられた.<br>
著者
荒木 理 藤井 浩平 赤間 大地 土山 聡宏 高木 節雄 大村 孝仁 高橋 淳
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.491-497, 2017 (Released:2017-07-31)
参考文献数
28
被引用文献数
15

Effect of aging treatment at 373 K on Hall-Petch coefficient (ky) was investigated in consideration of the change in friction stress associated with carbide/nitride precipitation in ferritic steels containing 60 ppm carbon or nitrogen (C60 and N60). Tensile tests revealed that the ky was monotonously increased with increasing aging time in both steels, and also, C60 exhibited a larger ky value than that of N60 under the same aging time. As a result of 3DAP analysis and theoretical calculation for grain boundary segregation of carbon and nitrogen, the ky corresponded to the amount of carbon and nitrogen existing at grain boundary. There was no difference in the effect on ky increment between both elements. The larger ky in C60 under the same aging condition was due to the larger amount of segregated carbon compared with nitrogen.
著者
高木 いずみ 藤井 浩基
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育臨床総合研究 (ISSN:13475088)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.119-133, 2012-07-10

2008年の学習指導要領改訂で, 中学校音楽科では, 「和楽器の指導については, 3学年間を通じて1種類以上の楽器の表現活動を通して, 生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わうことができるよう工夫すること」と示された。本研究は, 中学校音楽科における和楽器の学習の一環として, 尺八の鑑賞と表現の活動を郷土の伝統音楽の学習につなげていく試みである。松江市宍道町にも縁のある尺八古典本曲「鹿の遠音」に着目し, 同曲の教材研究と大学院「学校教育実践研究」における授業実践をまとめ, 尺八の教材開発と指導法の一案を提示した。
著者
ゴチェフスキ ヘルマン 藤井 浩基 塚原 康子 酒井 健太郎 大角 欣矢
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

28年度の研究活動は28年3月12日から29年6月26日まで開催された駒場博物館の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展「近代アジアの音楽指導者エッケルト--プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」」展示中に行われた行事とその準備に集中した。5月28日には東京大学駒場キャンパスで「フランツ・エッケルトとその時代」というタイトルで国際シンポジウムと吹奏楽の演奏会を実施した。シンポジウムには研究代表者と研究分担者全員に加えて安田寛(元奈良教育大学、研究協力者)、李京粉(ソウル大学、研究協力者)、曺允榮(梨花女子大学、招待講演)と文景楠(東京大学、通訳)が参加し、主にこの研究で明らかになった新たな事実の解釈と意義について議論した。演奏会では小澤俊朗の指揮と神奈川大学吹奏楽部の演奏でエッケルトの作品を一次資料から再現した。その中の複数の作品がエッケルトの時代から一度も演奏されていないものであった。作品の性質と再現に当たっての問題点については楽譜作成に協力した都賀城太郎(藤村女子高等学校)から説明があった。6月23日には渡辺克也(オーボエ)と松山元・松山優香(ピアノ)によって、エッケルトのオーボエとピアノの作品を中心とする演奏会を行い、オーボエの専門家成澤良一に解説を依頼した。展示された資料によって成澤氏はアジアのオーボエ受容史について新たな発見をし、本研究企画にも貢献した。特別展は多くの観客を迎えるのみならず、数多くの専門家が(一部繰り返して)展示会を訪れ、その結果研究代表者を含む企画者は多くの刺激を受けることになった。展示が終わってから研究代表者は改めてヨーロッパに渡り、エッケルトがプロイセンやドイツで経験した軍楽隊文化とその時代背景についてさらに調査した。
著者
山本 淳子 大久保 智生 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.41-47, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という物理的措置(学級規模)が,保護者の学校生活認知と子育て不安とに及ぼす影響について検討することを目的とした。研究1では,小学校1年生〜3年生の保護者339名を対象に質問紙調査を実施し,「保護者用学校生活認知尺度」および「子育て不安尺度」を作成した。研究2では,小学校1年生〜3年生の保護者556名を対象に,作成した尺度を用いて質問紙調査を実施した。結果から,少人数学級に在籍する子どもをもつ保護者の「対教師認知」の平均値が通常学級の保護者に比較して高いこと,逆に「子育て不安」の平均値は最も低いことが明らかとなった。少人数学級編制の導入は,保護者の教師に対するポジティブな認知と情緒の安定にプラスの影響を及ぼすのではないかと考察された。
著者
大久保 智生 山本 淳子 藤井 浩史 辻 幸治 横山 新二 有馬 道久
出版者
香川大学
雑誌
香川大学教育実践総合研究 (ISSN:1345708X)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.33-39, 2007

本研究では,少人数学級や複数担任による少人数指導という学級規模が児童の学級適応に及ぼす影響について検討することを目的とした。附属高松小学校の1年生112名,2年生99名,3年生119名と附属坂出小学校の1年生75名,2年生78名,3年生80名の計563名を対象に教師の指導行動に対する認知尺度と学級適応測定尺度を実施した。少人数学級,複数担任学級,通常学級における教師の指導行動および児童の学級適応の比較を行った結果,概して,30名の少人数学級と40名の複数担任学級の児童のほうが40名の通常学級の児童よりも教師の指導行動を肯定的に認知しており,学級へ適応していることが明らかになった。最後に学級規模とその教育効果についての今後の研究の方向性について示された。
著者
寄本 勝美 片岡 寛光 石田 光義 藤井 浩司 縣 公一郎 寄本 勝美
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

1980年代以降、各国に新自由主義の潮流が押し寄せ、日本でもその路線に従った行政改革が続けられている。その基調は、企業経営を行政に導入するNew Public Managementの考え方である。大別して、5つのスタンスが挙げられよう。まず、業績に基づいて行政の対内的対外的活動全般を評価する業績評価の手法がある。これは、直截には、人事管理上の業績評価に繋がるが、さらには、一定の政府活動自身の評価を意味し、現実には、政策評価ないし行政評価といわれる手法の流布を促している。加えて、階層を少なくした簡素な組織、企業会計に倣った発生主義会計、パートナーである国民を顧客として捉える顧客志向が挙げられるが、今日まで最も追及されてきたスタンスは、政府活動全体の範囲を問い直し、民営化もしくは民間委託を行う市場原理の導入だろう。例えば、国のレヴェルでは、電電公社、国鉄、専売公社の民営化を発端に、郵政事業、高速道路建設・運営、空港建設・運営等が俎上に乗ったのは周知のことであり、また自治体レヴェルでは、廃棄物収集・処理を典型として、水道事業、病院建設・運営、保育所や幼稚園、そして学校経営等にも議論が及んでいる。勿論これらには、奏功している分野が多く見られるが、今日問うべきは、どこまで市場原理を導入するべきなのか、という点である。営利性と効率を基調とした市場原理のみでは最終的に達成しきれない価値が社会に必ず存在する、ということもまた、事実ではないだろうか。これは、ナショナルミニマム或いはシヴィルミニマムの達成、もしくはユニヴァーサルサーヴィスの確保といった観点でも議論されてきた。効率を追求する余り、逆に公平が損なわれてはいないだろうか。また、効率追求によって生じた余剰が、公平の促進に繋がっているだろうか。この観点で、公平と効率の間で均衡が図られる必要があるだろう。どのような状況で公平が優先され、また効率が優先されるのか、これを適切に判断する必要がある。本研究は、かかる議論に一つの方向性を示したものである。
著者
藤井 浩基
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1945 年 8 月以降から現在までの韓国の音楽教育史を整理しつつ,音楽教育をめぐる日韓両国のおもな関わりを,両国の音楽教育の基礎研究や研究・教育交流事例を通して明らかにし,日韓音楽教育関係史の構築を試みた。特に,めまぐるしく変化する韓国の動向を中心に,現代の日韓両国における音楽教育事情や諸課題について分析・検討し,日韓の音楽教科書をめぐる事例や多文化教育としての音楽科教育の日韓比較等を成果として発表した。