著者
小林 弘典 藤本 三喜夫 中井 志郎 宮本 勝也 横山 雄二郎 坂下 吉弘
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 = The journal of the Japan Surgical Association (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.2517-2521, 2013-09-25
参考文献数
16

症例は11歳の男児で,下腹部痛を主訴に受診した.腹部造影CTでSMV rotation signを認め,小腸は右側,結腸は左側に偏在しており,下腹部正中に腫大した虫垂を認めたため,腸回転異常症併存急性虫垂炎と診断し緊急手術を行った.全身麻酔下に臍切開単孔式手術を行い,マルチプルトロカール法にて5mmトロカールを2本穿刺した.腹腔内を観察しnonrotation typeの腸回転異常症であることおよびLadd靱帯やpedicleなどの異常膜状構造物がないことを確認した.虫垂の同定は容易であり,トロカール穿刺間の筋膜を小切開し虫垂を引き出し直視下に虫垂切除を行った.腸回転異常症併存急性虫垂炎に対して腹腔鏡手術を施行した症例の報告はまれであり,腸回転異常症併存急性虫垂炎に対する単孔式腹腔鏡補助下手術の有用性を若干の文献的考察を加え報告する.
著者
長井 嗣信 藤本 正樹 町田 忍 篠原 育
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

1.人工衛星Geotailによる観測をもとに、34の磁気リコネクションのイベントと174の南向き磁場をもつ反地球向きの高速プラズマ流について解析を行った。イベントの起きる数時間前からの太陽風の状態を調べることにより、太陽風の何が磁気リコネクションに関係しているかが明らかになった。もっとも重要な因子は、太陽風の電場(速度x南向き磁場)であり、磁気リコネクションは、この積分値が大きいほど、より地球に近い所(地球半径の20倍以内)で起こり、小さい時には、より遠方(地球半径の20倍以上)で起きることがわかった。太陽風の電場が強い時は、磁気圏対流が地球の近くで磁気圏赤道面方向に流れ、磁気リコネクションを引き起こすと考えられる。さらに、近い所で起きる場合は、遠方で起きる場合に比べて、電場の積分量、すなわち太陽風のエネルギーの流入量の積分値が大きくなることを示した。2.磁気リコネクションのトリガーについて、電流層の厚さがイオン慣性長程度の電流層の安定性について,電流層の厚さ,ガイド磁場の効果,初期温度異方性の効果を研究した。素早い磁気リコネクションのトリガーはほとんどの場合において電流層の厚さがイオン慣性長よりも薄い場合のみにしか発生しないことを示した。3.磁気リコネクションの標準モデルは、ジェットを駆動するエンジン部分(Xライン)をひとつだけ想定する。電子慣性を考慮した二流体方程式系を用いて「自然に」磁気リコネクションを駆動する状況を数値実験し、複数のXラインが共存する可能性が高いことを示した。4.磁気リコネクションが大規模に発展する時、背景にある低温電子と加速されたビーム電子との間で励起される電子二流体不安定性に伴う電子加熱・混合が、その領域で頻繁に観測されるフラットトップ型の電子の分布関数を形成し、さらに、電子二流体不安定性が非線形的に発達することによって静電孤立波(ESW)が生じることを見出した。
著者
草野 茂之 段 智久 千田 二郎 藤本 元
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.65, no.630, pp.804-811, 1999-02-25
参考文献数
10
被引用文献数
2

In this study, new models on the new droplet evaporation taking account of the droplet surface temperature related to the modified Spalding model, on the ambient temperature and the mass fraction at the infinite-point was proposed and incorporated into KIVA-II code. These models were compared and reviewed with the droplet evaporation model of KIVA-II original code in relation to the standard Spalding model. As a results, it is found that the calculated results of droplet evaporation by new model agree well with actual phenomena.
著者
森 大之 藤本 康之 貴船 博巳 竹中 寿康 大岩 修 稲田 治
出版者
JAPAN TECHNICAL ASSOCIATION OF THE PULP AND PAPER INDUSTRY
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.78-82, 1994

Our Cycle Hit System of Iwakuni Mill started up from Febrary 1993 and Coated paper product waste liquor (Color waste liquor) has been treated succesfully with it.<BR>In this system, primary plus secondary sludges are directed to a slugde conditioning tank, where it is dosed with an inorganic coagulant and mixed to neutralize the surface charge of the sludge particles.<BR>This conditioned sludge is then sent to a pelletizing/thickening tank, where an anionic and an amphoteric polymers are added to pelletize the sludge. Using the same tank, water can be removed with a special built-in device, resuluting in a sludge with an increased concentration of solids.<BR>This report described the summary of operation.
著者
鈴木 恭宜 大下 浩二郎 垂澤 芳明 野島 俊雄 豊島 健 藤本 裕
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.189-201, 2008-04-10 (Released:2008-10-06)
参考文献数
23
被引用文献数
1

This paper presents a probabilistic evaluation of electromagnetic interference caused by portable telephones in implantable cardiac pacemakers. Based on experimental results of electromagnetic interference in the 900 MHz and 1.5 GHz band PDC(Personal Digital Cellular)system in Japan, a distribution is extracted of the maximum distances between the affected pacemaker and a portable telephone. This paper shows that the distribution is approximated as a Rayleigh distribution using statistical analysis. The interfering probability for which the maximum distance of X cm is exceeded is defined based on the product of the cumulative distribution of the Rayleigh distribution and the ratio of the affected pacemaker types to the measured ones. The interfering probabilities that exceeded the maximum distance of 15 cm for the 900 MHz and 1.5 GHz band portable telephones are 5.0×10-4and 6.0×10-4, respectively. The expected values, which are a product of the interfering probability and the number of measured pacemaker types for the 900 MHz and 1.5 GHz band portable telephones, are 0.210 and 0.248, respectively. The continued surge in the number of pacemaker types indicates that the expected values will continue to increase. If the immunity of the new pacemaker types in the future maintains the same level as that in the present, this paper indicates that the maximum distance of the new pacemaker types must continue to be confirmed using the electromagnetic interference test.
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83(2001-MBL-018), pp.15-21, 2001-09-06

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。
著者
藤本 頼生
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.505-528, 2011-09-30 (Released:2017-07-14)

本稿では、戦後の神社本庁発足以降の神職資格の付与と神職の養成、研修について、その歴史的変遷をみてゆくなかで、宗教教育の担い手としての神職とその教育のあり方について課題と現状を窺うものである。戦前から戦後の未曾有の変革の中で神社本庁が設立され、任用されている神職に対して神職資格が付与されるが、その経緯をみていくと、神職資格である階位については、戦前期に既に任用されている神職の資格切替えがなされるとともに、戦前の神職高等試験を範にした試験検定を前提にした上で、神社・神道の専門科目の増加がなされていることが明らかとなった。神職教育の上では、資格取得のための科目が養成機関や研修でも大きな意味をなすため、取得する階位の意義とともに今後議論がなされていくべきものであり、後継者問題や神職のあり方も含め、研修制度の見直しとともに検討していく必要があるものと考える。
著者
清水 邦義 吉村 友里 中川 敏法 松本 清 鷲岡 ゆき 羽賀 栄理子 本傳 晃義 中島 大輔 西條 裕美 藤田 弘毅 渡邉 雄一郎 岡本 元一 井上 伸史 安成 信次 永野 純 山田 祐樹 岡本 剛 大貫 宏一郎 石川 洋哉 藤本 登留
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.126-130, 2017-05-25 (Released:2017-06-01)
参考文献数
4
被引用文献数
3 2

木材を用いた家の価値が見直されている中で,木材から放散される揮発性成分の機能性が注目されている。季節ごとの温度や湿度の変化の大きい我が国においては,木材から放出される揮発性成分も大きく変化していると考えられる。本研究では,スギ(Cryptomeria japonica)の無垢材を内装に用いた建物(A棟)と,表面に塗装を施された内装材またはビニールクロスで覆われた内装材を用いた建物(B棟)の室内において,年間を通して揮発性成分を定期的に捕集し,ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)分析による比較を行った。その結果,木材の揮発性成分の大半を占めるセスキテルペン類の量は,どちらの棟においても冬季より夏季で高く,年間を通してB棟よりもA棟の方が常に高いことが明らかになった。
著者
藤本 蒼 野口 真生 小村 豊
雑誌
人工知能
巻号頁・発行日
vol.33, 2018-07-01
著者
藤本 康弘 宮川 宗之
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.358-367, 2009-12-15
参考文献数
18
被引用文献数
1

<p>2009 年に発行されたGHS 改訂第3 版におけるおもな改正点を紹介する.物理化学的危険性については,火薬類と引火性液体についての判定基準,健康影響については感作性における細区分の導入とその判定基準,環境影響については水生環境影響に関する慢性試験データに基づいた分類基準,またオゾン層破壊物質に関する新クラスの導入について概要を示した.また,GHS の分類基準に準拠した「分類JIS」案や,関係省庁などによって作成された新しいGHS 分類のためのガイダンス文書など,国内におけるGHS 対応状況を紹介した.</p>