著者
阿部 寿人 松山 克胤 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CG,グラフィクスとCAD研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.117, pp.67-72, 2004-11-26
参考文献数
22
被引用文献数
2

Sosorbaram等は,DLA(Diffusion Limited Aggregation)モデルを拡張した電界を考慮した放電パターンの生成モデルを提案している.本論文では,この放電パターンの生成モデルにより生成された稲妻のパターンに適合する雷鳴を自動的に生成する手法を提案する.雷鳴は稲妻発生時の大気の急激な温度変化で起こる衝撃波である.本手法では,この雷鳴を,生成された稲妻パターンに沿って,それぞれの階段状先駆に,N波を基本として構成したサウンドテクスチャを音源として配置し,受聴点に到達する波形を合成することにより,近似的に生成している.
著者
李 兆華 傅 学保 折橋 伸哉 藤本 隆宏
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.171-208, 2006-03-25 (Released:2018-03-11)

台湾の自動車産業は、完成車の対中国輸出などが制限される、国内市場が小さい、国内での競争が厳しくシェア変動が大きい、1社当たりの生産量が少ないなど、厳しい制約条件の中での操業を強いられてきた。ところが、その台湾の生産拠点で、非常に高度なものづくり能力の構築が観察されている。例えばトヨタ系の国瑞汽車は、数あるトヨタの海外生産拠点の中においても、トヨタ方式(TPS)が最もよく浸透し、ものづくり能力や改善能力のみならず、進化能力(能力構築能力)が高いことで知られている。しかしながら、台湾拠点の売上高は欧米など海外の主要生産拠点に比べれば小さく、その意味ではトヨタ全体にとって戦略的に最重要な海外拠点とは言い難い。とすれば、同社のグローバル戦略の中では比較的目立たない存在であったこの台湾企業が、創業から20年で、ここまでの能力構築を行うことができた理由と経緯は何か。日本からのトヨタシステムの導入のみならず、同社の進化能力を示唆する国瑞汽車オリジナルの工夫について紹介し、今後の課題についても言及する。
著者
藤本 万里子 松田 亘 満永 拓邦
雑誌
デジタルプラクティス (ISSN:21884390)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.381-402, 2019-01-15

Struts 2はWebアプリケーションのフレームワークであり,多数のWebサイトや製品で用いられている.しかしながら,近年,Struts 2の脆弱性が立て続けに発見されており,国内においてもStuts2の脆弱性に起因する情報漏えい被害事例が後を絶たない.Struts 2の脆弱性を悪用する攻撃は,脆弱性情報が公開されてから攻撃が開始されるまでの期間が短く,被害が発生する前に開発者がセキュリティパッチを配布し,運用者がパッチを適用することが難しい状況にある.そのような背景から,Webアプリケーションに対する攻撃への技術的な対策として,シグネチャベースのWeb Application Firewall(WAF)やフィルターが用いられる.しかしながら,これらはあらかじめ定義したシグネチャに基づいて特徴的なリクエストを遮断するものであり,Webアプリケーションの内容やユーザが送信するリクエストの特徴によっては,誤検知が発生する可能性がある.そこで本稿では,リクエストに含まれる文字列に対してディープラーニングの処理を適用し,特徴的なリクエストを検知することにより,正規のリクエストと攻撃リクエストを見分け,さらに攻撃リクエストを遮断する手法を提案する.
著者
藤本 康三郎
出版者
日経BP社
雑誌
日経ものづくり (ISSN:13492772)
巻号頁・発行日
no.758, pp.4-8, 2017-11

ムダを省いた生産(リーン)と、デジタル化の2軸で工場改革を進める米General Electric(GE)社。そのモデル工場「ブリリアント・ファクトリー」に指定されているのが、GEヘルスケア・ジャパンの日野工場だ。世界450のGE社の自社工場でブリリアント・ファクトリーは7工場だけ。その中でも最も高い評価を得た強い現場力を、世界中のGE社の工場に向けて発信していこうとしている
著者
藤本 廣 中澤 隆雄 瀬崎 満弘
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木史研究 (ISSN:09167293)
巻号頁・発行日
no.18, pp.479-489, 1998

現在、宮崎市と宮崎県南那珂郡北郷町を結ぶ主要地方道宮崎北郷線の大部分は、天正-慶長年間 (1574-1615年) に当時の飫肥藩が飫肥城下より宮崎の赤江湊に至る最短距離の街道として開設した "旧飫肥街道" を、明治中期に宮崎県が整備した旧県道宮崎北郷線 (通称 "飫肥街道" の主要区間) からなっている。この旧県道のほぼ中央部の出仮屋峠に開鑿された "山仮屋トンネル" は、1891 (明治24) 年に着工され、1892 (明治25) 年に竣工した延長約56mの小規模トンネルで、現在、当該路線の改良により廃道区間となっているが、トンネル覆工には極めて良質の煉瓦巻工が施工され、今日に至るも殆ど損傷がなく、宮崎県北郷町所管の有形文化財として保存されていて、当時の地方部における道路トンネル築造の技術水準を推測するうえでの貴重な土木遺構となっている。本文はこの弱山仮塵トンネルを中心とした当該路線の一連の道路改良工事に関する技術吏的意義について、「宮崎県古公文書」を主にした文献学的考察と現地調査とで検討したものである。
著者
松浦 悠人 藤本 英樹 古賀 義久 安野 富美子 坂井 友実
出版者
一般社団法人 日本温泉気候物理医学会
雑誌
日本温泉気候物理医学会雑誌 (ISSN:00290343)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.119-129, 2016-05-31 (Released:2016-07-04)
参考文献数
39

目的:肩こりは国民の多くが経験する症状であるが,肩こりに関する研究は非常に遅れているのが現状である.そこで本研究では,肩こりの特性を明らかにするため,肩こりを有する者と有しない者の比較検討を行った.方法:対象は自覚的な肩こりの有無により,肩こりを有する成人男性13名(NP群,平均年齢20.2±0.7歳)と肩こりを有しない成人男性10名(CON群,平均年齢21.2±1.5歳)とした.肩こりの評価にはVisual Analogue Scale(VAS),圧痛・硬結所見を用い,ストレスの評価には自覚的ストレスのVAS,State-Trait Anxiety Inventory(STAI),MOS 36-Item Short-Form Health Survey(SF-36),唾液コルチゾールを用いた.唾液コルチゾール濃度は,酵素免疫測定法(ELISA法)により求めた.また,唾液の採取時間は,午前9時から10時以内の採取とした.結果:NP群の肩こり感全体のVASは56.9±17.3mmであった.圧痛・硬結所見では,硬結所見に有意差は認められなかったが,左右僧帽筋上部線維,右頭板状筋の圧痛がNP群で有意に高かった(P<0.05).自覚的ストレスのVASではNP群59.1±23.7mm,CON群10.8±17.6mmで有意差が認められた(P<0.05).STAIでは,特性不安ではNP群52.7±9.1点,CON群44.6±9.9点で有意差は認められなかったが,状態不安においてNP群42.2±6.6点,CON群35.9±9.1点で有意差が認められた(P<0.05).SF-36では,下位尺度8項目のうち,身体機能,日常役割機能(身体),体の痛み,全体的健康感,活力,心の健康に有意差が認められた(P<0.05).唾液コルチゾール濃度はNP群16.3±8.2nmol/L,CON群14.8±4.5nmol/Lで有意差は認められなかった.考察・結語:肩こりの心理・身体的な特性について検討した結果,唾液コルチゾール濃度では有意差は認められなかったが,肩こりを有する者は,自覚ストレス度や不安度が高く,精神的・身体的な健康度が低いことが示された.このことから,肩こりに身体的要因のみならず,心理社会的要因が関与している可能性が示唆された.
著者
伊藤 永悟 藤本 貴之
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2012-CH-96, no.3, pp.1-6, 2012-10-05

テキストコミュケーションにおいて感情の伝達を支援する 「顔文字」 は近年、数多くのパターンが提案され様々な表現が可能となった。本論文では顔文字により受け取る感情の種類・度合いの定量調査によるデータベースを構築し、それに基づく顔文字コミュニケーション支援システムを試作する。
著者
吉川 邦彦 山田 徹太郎 藤本 圭一 川内 勉 奥村 睦子 橋本 公二 岩佐 真人 羽白 誠 貝原 弘章 川津 智是 太田 純子 畑清 一郎 井上 千津子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.195-202, 1993

自律神経調整剤グランダキシン<SUP>&reg;</SUP> (Tofisopam) の皮膚疾患に対する有効性, 安全性および有用性について検討した。対象症例数は53例であった。有用以上と判定された症例は皮膚騒痒症14例中5例36%, 限局性皮膚騒痒症7例中5例71%, 慢性蕁麻疹16例中5例31%, 多汗症11例中5例45%, 異汗性湿疹5例中2例40%であった。以上より, ゲランダキシンはこれらの皮膚疾患に対して有用性があり, 試みる価値のある薬剤と考えた。
著者
藤本 隆宏 前川 諒樹 岩尾 俊兵
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.5-40, 2019-02-25 (Released:2019-02-25)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本稿は、産業競争力の概念を明らかにした上で、生存時間解析のシミュレーションによって、産業競争力の類型と発現過程に関する洞察を得ることを目的とする。ここで競争力とは「選ばれる力」と定義され、「収益力」「表の競争力」「裏の競争力」という多層的な競争力の構造が示される。次に、広義のものづくり論にもとづき、「産業」を同類の設計の製品の集合体、あるいはそれを生産する現場の集合体と規定する。以上の概念規定をおこなった上で、国内・国際競争の軸と競争強度の軸による四つの競争状況についての予想を示し、シミュレーション・モデルによって四つの状況における一定期間競争後の予想生産性分布が再現できることを確認した。さらに、競争強度と現場生存率との間に累積指数分布に近い関係が観察された。また、国際競争における2国の賃金率と現場生存率との関係を調べ、リカード的コスト競争において平均すれば比較劣位な国の現場も「緩やかな競争」では生存可能性が高まるという「越境」現象を確認した。
著者
藤本 侑大 島崎 寛将 納冨 敦子 谷口 小百合 髙島 千敬
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.585-592, 2019-10-15 (Released:2019-10-15)
参考文献数
30

わが国では,2008年度に作業療法士による呼吸器リハビリテーション料の算定が認められた.それから10年間における呼吸器疾患患者に対する作業療法の現状について,システマティック・レビューを行った.MEDLINEや医学中央雑誌など8つのデータベースとハンドサーチから,呼吸器疾患患者に対し実施されている作業療法についての論文を抽出した.その結果,日本語5論文を採用した.論文の対象はCOPDや間質性肺炎が中心で,主な実践内容・研究目的は,高次脳機能障害の検討(2件),ADL・IADLトレーニングの検討(2件),社会生活状況調査(1件)であった.今後は,わが国における呼吸器疾患患者への作業療法報告数の増加や有用性の検証が課題である.
著者
藤本 亮
出版者
活水女子大学
雑誌
活水論文集 健康生活学部・生活学科編 (ISSN:13482572)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.1-17, 2003-03

In December 1999, the Supreme Court of Japan ruled a case disciplining a judge originally decided so in the Sendai High Courts. In that case, a judge was sanctioned since he had attended a political rally against the bills that would allow police to use tapping in its investigation. I review the Supreme Court ruling and discuss the importance of Judge's independence of anything other than laws and his/her conscience. He/she should have one's own person and should not hesitate to interact with the world outside courthouse. Also, people should learn that judges should be evaluated on the base of his/her legal competence not his/her personality or political orientation. The Supreme Court insists that judges should maintain his/her neutral appearance; even they should avoid to be seen as not-neutral politically. It hides judge's political orientation that of course everyone has. On the contrary, judge cannot wholly depend upon people's support. He/she should eliminate any influence from not only other branches of state but also litigation parties or mass media, and so on. Simple democracy could destroy the legitimacy of judiciary.
著者
鎌田 ゆき 藤野 成美 古野 貴臣 藤本 裕二
出版者
日本精神保健看護学会
雑誌
日本精神保健看護学会誌 (ISSN:09180621)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.70-79, 2020-06-30 (Released:2020-06-30)
参考文献数
23

本研究の目的は,多職種チームにおける精神障がい者アウトリーチ実践自己評価尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検討することである.医療・福祉の専門職を対象に,無記名自記式質問紙調査を実施し,199データを対象として分析を行った.探索的因子分析の結果,【多職種チーム内における支援計画の遂行】【対象者の生活機能の把握】【対象者のリカバリーに向けた支援】の3因子20項目構造となった.本尺度は,検証的因子分析において許容できるモデル適合度であり,基準関連妥当性において有意な相関がみられた.Cronbachのα係数は許容範囲であり,内的整合性を確認した.よって,本尺度における信頼性・妥当性は,統計学的に許容できる尺度であると示唆された.
著者
藤本 定正
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密機械 (ISSN:03743543)
巻号頁・発行日
vol.41, no.491, pp.1117-1121, 1975-12-05 (Released:2009-06-30)
参考文献数
6

The iridescent unevenness of a precisely turned surface is investigated by a ray-tracing procedure with reference to the pitch unevenness of turned grooves. The surface is illuminated at an oblique angle with a linear light source which is crossed at right angles to the cylindrical axis of the surface, and the image of the light source focussed by the surface is observed in the direction of diffraction. The image is smooth parabolic when no pitch unevenness is present on the surface. The image calculated on the assumption of sinusoidal pitch unevenness arises disturbance of the image corresponding to the change of pitch. When the surface is illuminated with a white light source, this disturbance turns into iridescent unevenness. A surface having sinusoidal unevenness of pitch is worked by a lathe provided with a periodically variable feed device connected to the tool slide, and the theoretical result is confirmed. The pitch unevenness tolerable in the existence of iridescent unevenness differs depending to the intensity of iridescence on the surface.
著者
堤 大三 藤田 正治 宮本 邦明 今泉 文寿 藤本 将光 国領 ひろし 泉山 寛明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_721-I_726, 2011 (Released:2012-03-14)
参考文献数
5

In August 2009, the Typhoon Morakot hit Taiwan and caused an extraordinary amount of rainfall. Due to the heavy rainfall, a large number of floods and sediment-related disasters occurred all over the island. In Shaolin Village, Kaohsiung County, a huge landslide occurred around 6 am August 9, destroyed the village completely and killed more than 500 people. After the landslide, authors visited the landslide site and investigated the landslide scour to collect information on factors affecting landslide occurrence such as exposed bedrock and soil layer conditions. GIS analysis using DEM data were also conducted to determine the sliding domain. According to the site investigation and GIS analysis, rainwater infiltration analysis and slope stability analysis were conducted. Results of the analysis suggested that the landslide domain, about 1,200 m long, 500 m wide and 80 m deep was collapsed by multi phased manner.
著者
松平 文朗 北村 中也 山田 秀則 藤本 泉 荒井 美香 軽部 裕代 柳田 顕郎
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.230-235, 1998
参考文献数
11
被引用文献数
2

リンゴ未熟果実抽出物(ポリフェノール)の歯垢抑制効果をみるため,洗口液を使ったランダム化比較対照試験を行った。対象は19〜20歳の女性20入で,3日間の歯磨きを禁止し,4日目に歯垢の付着を検査した。歯垢付着はDebris Indexの変法で点数評価した。試験法は試験液と対照液を参加者にランダムに割り付け,試験参加者にも検査者にもマスク化した二重マスク法で,さらにクロスオーバー試験として比較検討した。その結果,対照液での洗口と比較して,試験液での洗口には歯垢付着の抑制効果を認めた(p<0.05)。