著者
蒲谷 宏 坂本 恵
雑誌
早稲田大学日本語研究教育センター紀要 (ISSN:0915440X)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-44, 1991-03-25

日本語教育における待遇表現教育について, その現状と問題点, 「待遇表現」の捉え方, 待遇表現教育のあり方の点から考察した.本稿では「待遇表現」を「表現主体」が, ある「表現意図」を, 「自分」・「相手」・「話題の人物」相互間の関係, 「表現場」の状況・雰囲気, 「表現形態」等を考慮し, それらに応じた「表現題材」, 「表現内容」, 「表現方法」を用いて, 表現する言語行為であると捉えた.このような観点から待遇表現行為の教育のために, 待遇表現に段階性を考え, 表現意図と言葉を繋ぐものとして「表現機能」を考え, さらに具体的な表現を選ぶまでの「方略」を示すという教育方針を提案した.
著者
松谷 宏紀
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.29, pp.1-6, 2013-03-06

本論文では、サービス指向ルータにおける問合せ処理高速化のためにハードウェアによるSQLキャッシュを検討する。まず、プロセッサ単体の問合せ処理性能を見積もり、次に、ハードウェアによるSQLキャッシュのための設計方針を決め、問合せの多様性とカテゴリ分けを行う。これらの議論を踏まえ、ハードウェアによるSQLキャッシュとして、集合関数の結果をキャッシュする結果キャッシュ、及び、直近1時間の全レコードを保持するバッファキャッシュを設計し、待ち行列理論を用いて性能向上率を見積もる。最後に、ハードウェア量の考察を行い、また、C言語で実装したSQLキャッシュシミュレータを用いて提案機構の有用性を確認する。
著者
長谷 宏紀 遠藤 雅伸
出版者
一般社団法人 日本デジタルゲーム学会
雑誌
日本デジタルゲーム学会 年次大会 予稿集 第12回 年次大会 (ISSN:27586480)
巻号頁・発行日
pp.171-173, 2022 (Released:2023-03-20)
参考文献数
6

不愉快を感じさせるゲームがある。我々は不愉快を感じる要素を調査し、それを故意に組み込んだゲームを実装し実証実験を行った。その結果の分析より、ゲームを楽しめない要素として、不適切なルールとプレイヤーのスキル不足が抽出された。一方、不愉快であることを察知し、ルールを創発してゲームを楽しむ一面も存在した。
著者
中谷 宏章
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.93, no.7, pp.608-609, 2000-07-01 (Released:2011-11-04)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1
著者
板谷 宏彬 Iguchi Masanori Koide Takuo Usami Michiyuki Mizutani Shutaro Kurita Takashi
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.p195-198, 1975-03

急性腎不全をきたす疾患のうち,両側性腎皮質壊死は,妊娠後期における胎盤早期剥離,敗血症,外傷,および術後などに発生するまれ,かっきわめて予後不良な疾患である. 1886年に最初の報告をみて以来,現在まで約400例の報告をみるが,生存しえたのは24例で,しかもそのほとんどが血液透析をうけたここ数年間の患者である。またその腎機能回復率は20%以下ときわめて不良である。急性両側腎皮質壊死の発生機序に関しては不明な点が多いが、 その腎組織学的検索で、はフィプリン折出による腎小葉間動脈の栓塞がおもにみられ,腎皮質の広範な壊死を認める反面,腎髄質はほとんど正常に保たれている。同時に臨床的には出血傾向と全身臓器の小動脈の栓塞を認め, DIC (disseminated intravascular coagulation) との関連性が重要視されている。今回,われわれは39歳の高齢初産婦にみられた胎盤早期剥離後,急性腎不全をきたし, 6カ月間の血液透析ののち,同種腎移植を施行され成功したが,その際えられた腎組織は両側性腎皮質壊死と診断された症例を経験したので、その臨床経過を報告するとともに,急性両側性腎皮質壊死の発生機序,診断,予後などにつき考察を加えた。
著者
栗原 健志 水谷 宏 野村 裕子 武田 典子 今井 忠平
出版者
Japanese Society of Food Microbiology
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.35-41, 1994-06-20 (Released:2010-07-12)
参考文献数
25
被引用文献数
4 5

Home-made type mayonnaise and commercial type mayonnaise were inoculated with 105/g of 4 phage types of Salmonella Enteritidis (SE), isolated from unpasteurized whole eggs, and the behavior of SE was examined. At 30°C the number of SE in home-made mayonnaise decreased to less than 10/g after 5-6 days, and decreased to the same level after 1 day in commercial type mayonnaise. At 10°C the number of SE inoculated into home-made type mayonnaise hardly decreased after 9 days, and decreased to less than 10/g after 3-6 days in commercial type mayonnaise. The difference between the phage types was not so large. SE inoculated into a delicatessen plant type mayonnaise showed the same behavior as that inoculated into commercial type mayonnaise.In potato, egg, and crab salads containing 15% home-made type mayonnaise, in which SE was still surviving, SE grew rapidly at 25°C, but hardly grew at 10°C.The importance of using pasteurized yolk in commercial mayonnaise, and a low storage temperature for salads was recognized.
著者
吉冨 信太 山川 誠 上谷 宏二
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.586, pp.95-100, 2004
参考文献数
11
被引用文献数
2 11

A method is proposed for selecting optimum discrete sections of steel frames using a two-step relaxation method. At the first step, the discrete optimization problem is approximately solved by using a continuous optimization problem wherein approximate expressions are applied to the standard sections. At the second step, the near optimal set of discrete sections is selected using the solution of the relaxation problem whose design space is limited to the neighborhood of the optimal solution obtained in the first step. Through the numerical example of a 6-story 5-bay plane frame under elastic constraints, it is demonstrated that a discrete solution can be obtained whose rate of increase in total steel volume from the continuous optimum design is only 1.8%. This approach is general enoueh to be applied to the problems under elastic-plastic constraints and those with any type of standard section lists.
著者
安井 万奈 森田 直樹 今関 沙和 伊野 航 吉村 風 萩谷 宏
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
巻号頁・発行日
2020-03-13

NPO法人Science and Artは、設立から4年が経過した今、法人の活動として毎週12クラス、幼稚園児・小学生を対象とした自然科学教室を運営している。これらの活動を通じて、地球惑星科学を小さい子どもたちに教えることは生物・化学・物理といった他の教科に比べ非常に難しいと実感している。カリキュラムのうち地球惑星科学に関するテーマは全体の1/4を占めており、教室としては安定した人気を保っている。教室に通う子ども達の中には3~4年と通う子どもも出てきており、子どもへの長期にわたる教育効果も徐々に明らかとなってきた。当初の教室の目標として「自然科学入門のために子どもに興味を持たせること」に重点を置いてきていたが、楽しく自然科学に親しむプログラムを提供する事によってこの目標は達成でき、理想通りの充実した教室運営ができていると自負している。しかし子ども達が年齢を重ねるほどに彼らを楽しませるだけの教室を超えて、今度は考えさせる教育を提供する必要に迫られていると感じている。地球惑星科学のテーマで幼児や小学校低学年生にどこまで疑問・質問・解決・工夫を考えさせることができるか、その試行錯誤とともに、これまでの教育効果、見えてきた課題を報告する。
著者
岩谷 宏
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.145-150, 1995

複数の章〜節等から成る比較的長い論文等の執筆を支援する,アウトラインプロセッサと呼ばれるソフトウェアを紹介するとともに,それにほぼ相当する機能を,ワードプロセッサやエディタなどの一般的な執筆用ソフトの使い方の工夫により実現できる,と主張。また,執筆活動を支援する個人用データベースは,カード型など一定形式を遵守するものよりは,任意のメモなどから成る非定型な原文データベースと最新の情報検索テクニックを併用するほうが,自由度や柔軟性があってよい,と説く。
著者
亀谷 宏美 金崎 未香 小田切 雄司 小幡 明雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.250-258, 2019

<p> 41種類の色調の異なるトマトジュースのヒドロキシラジカル, アルコキシラジカル, スーパーオキシドラジカルおよび一重項酸素の消去能をESRスピントラップ法により評価した. 濃赤色系, 赤色系, ピンク色系, 黄色系の各活性酸素消去能では大きな違いは見られなかったが, 濃赤色系が赤色系よりも一重項酸素消去能が有意に高かった. これらの色調のトマトについては, ヒドロキシラジカルと一重項酸素消去能は外観の色調と関係した結果が得られた. しかし, アルコキシラジカル, スーパーオキシドラジカルについては色調との相関はあるものの, リコピンと<i>β</i>-カロテンだけでは関連性を説明できず, 他の抗酸化成分の関与が推定された. 一方, レモン色系のトマトは既に流通している従来のトマトジュースに比べ, アルコキシラジカル, スーパーオキシドラジカル, 一重項酸素の消去能が有意に高く, 新しい機能性が期待された.</p>
著者
伴 琢也 小林 伸雄 本谷 宏志 門脇 正行 松本 真悟
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.413-417, 2009 (Released:2009-10-25)
参考文献数
14
被引用文献数
4 6

現在我々は新しい地域特産物としてのハマダイコンの栽培化と育種を進めており,本報では選抜育種の経過と根部の成分や食味に関する調査結果を報告する.島根県の宍道湖畔および島根半島の海岸部のハマダイコン自生集団より根部の肥大形状と晩抽性に注目して個体を採取し,以降,選抜育種を継続した.2006年産の個体では根部の形状と重量が安定した.根部の成分については‘耐病総太り’と比較して還元型アスコルビン酸,イソチオシアネート,ポリフェノールおよび可溶性固形物含量が高く,その値は代表的な辛味ダイコンである‘辛丸’と同等であった.根部にはフルクトース,グルコースおよびスクロースの存在が確認でき,その構成比率は‘辛丸’と類似していた.さらに根部の成分は収穫時期により変化することが明らかになった.以上の結果は,ハマダイコン選抜系統を新たな辛味ダイコンとして位置付けるものである.
著者
田中 康博 瀬尾 龍太郎 永井 雄也 森 美奈子 戸上 勝仁 藤田 晴之 倉田 雅之 松下 章子 前田 明則 永井 謙一 小谷 宏行 高橋 隆幸
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.71-75, 2008 (Released:2008-03-01)
参考文献数
15
被引用文献数
2 2

症例は58歳の女性.31歳より全身性エリテマトーデス(SLE)および抗リン脂質抗体症候群(APS)のためprednisoloneとazathioprineを内服しSLEとAPSは安定していた.2004年10月,発熱を伴う感冒様症状が出現したので近医に入院.抗生剤は無効で血小板減少が出現したので,SLEの増悪との診断のもとステロイドパルス療法が施行された.しかし,汎血球減少へと進展したので当院へ転院となった.骨髄穿刺で血球貪食像が認められ,胸部CTで肺門部を中心とするスリガラス影が認められた.同日のcytomegalovirus (CMV) antigenemiaが陽性であった.以上より,CMV関連血球貪食症候群(hemophagocytic syndrome ; HPS)およびCMV肺炎と診断.azathioprineを中止しprednisoloneを減量してgancyclovirを開始.これにより解熱し汎血球減少は改善した.現在,外来通院中でCMV感染の再発を認めていない.SLEなどの膠原病にCMV関連HPSを併発することは稀であるため報告する.