著者
新崎 知 細谷 聡 森 俊男
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.41-49, 1994-03-30 (Released:2012-11-27)
参考文献数
8

The purpose of this paper was to examine correlations between efficiency of energy transfer and several indices obtained from strain gauges equipped with on a bow, and found a criterion to evaluate a shooter's technique with regard to the left hand. We analysed twisting moment and bending strain of a bow during a bow's restoration.The conclusions were as follows:1. The efficiency is significantly correlated with values of twisting moment of a bow in the latter part of the bow's restoration sequence, but not significantly correlated with values in the former part.2. The efficiency is significantly correlated with values of twisting moment integrated by time (P<.01), and with time when the maximum values of the moment is obtained (P<.05). However, it is not significantly correlated with the maximum value itself.3. Some spectrums of vibration of bending strain are negatively correlated with the efficiency, especially in the low frequency domain. The number of frequencies at which spectrums are positively correlated with the efficiency is obviously smaller than number of negative correlations. Vibration of twisting moment has little meanings in comparison with that of bending strain because of the magnitude of its energy.Some of these are widely known as an empirical law. Our conclusions are consistent with it.Consequently, the conditions of a shooter's technique to transform a bow's energy efficiently are regarded as follows:* Twisting moment integrated by time is large, and the maximum values of the moment is obtained in the latter part of the bow's restoration.* Vibration of a bow's bend in low frequency (especially, about 100Hz or 200Hz) is small.
著者
柴垣 広太郎 三代 剛 福山 知香 高橋 佑典 古谷 聡史 大嶋 直樹 川島 耕作 石村 典久 長瀬 真実子 荒木 亜寿香 門田 球一 石原 俊治
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1287-1298, 2021-09-25

要旨●H. pylori未感染者に発生するラズベリー様腺窩上皮型胃腫瘍とH. pylori既感染者に発生する腺窩上皮型胃癌の臨床病理学的特徴を検討した.前者は萎縮のない胃底腺領域に発生する発赤小隆起で,いわゆるラズベリー様外観を呈し,NBI拡大観察で不整な乳頭状/脳回様構造を呈した.後者は萎縮粘膜に発生する粗大な発赤隆起で,前者より大きく形態も歪であった.NBI拡大観察で乳頭状/脳回様構造を呈したが,形態不整は高度であった.病理組織学的には,前者はよく分化した上皮内病変で,WHO分類では多くがlow-grade dysplasia相当であったが,Ki-67 labeling indexは異型度によらず高値を示した.後者は構造異型・細胞異型が高度で,脱分化や脈管侵襲も認められ,胃型胃癌としての高い悪性度を示した.
著者
熊谷 聡 黒岩 郁雄
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.2-35, 2020-06-15 (Released:2020-07-01)
参考文献数
36

1人当たり所得の水準が同じ時点でみると,韓国,中国など北東アジア諸国と比較して,マレーシア,タイなど東南アジア諸国の経済成長率は低い。その原因として,輸出や産業構造の高度化の差異が考えられる。本論文前半では,各国の貿易高度化指標を作成し,素材・部品・消費財といった各生産ステージ内の高度化と各ステージ間の輸出シェアの変化による高度化に分解して分析した。両地域とも1990年代以降一貫して生産ステージ内の高度化が進んでいるが,東南アジア諸国においては,2000年代以降,生産ステージ間では退化がみられた。後半では,アジア国際産業連関表を技術水準別財区分に変換したうえで,付加価値貿易分析を行った。輸出比率を比較すると,ハイテク財の輸出比率と付加価値ベースの輸出比率の間に大きな乖離があることが明らかになった。また,輸出のうち海外に漏出する付加価値の割合を示すVSシェアを見ると,東南アジア諸国のVSシェアは高く,東南アジア諸国は北東アジア諸国が供給する中間財に強く依存する一方で,下流から上流産業に向けて輸出構造が高度化する雁行型の産業発展は明確にはみられない。
著者
丸谷 聡子 Satoko Marutani
出版者
同志社大学
巻号頁・発行日
2020-03-21

本研究は、持続可能な社会実現のため、学校と地域をつなぐ環境教育のコーディネートを事例として考察し、コーディネートモデルを提示すること。キーマンとなる教員への身近な地域の自然体験学習を基軸とした環境教育に関する研修のあり方について検証すること。その上で、ソーシャル・イノベーションの理論を用いて、教室と現場、教員と地域・専門家を結ぶ教育法として、「コーディネート型環境教育法」の実践手法を提示した。
著者
堀江 岳 関谷 聡大 金子 雄一郎
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F3(土木情報学) (ISSN:21856591)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.II_28-II_33, 2015

本研究は,最近東京圏の鉄道で列車の運転見合わせが頻発している状況を踏まえ,鉄道事業者が公式Twitter上で提供している運行情報を用いて,運転見合わせの発生状況や情報提供の実態を分析したものである.具体的には,運転見合わせの発生頻度や原因別内訳,支障時間の特性,運転再開見込み時刻の誤差などを把握した.その結果,発生頻度は人身事故等の部外原因が多いものの,土木・電気施設の点検・故障等の部内原因も3割近く発生していること,運転見合わせによる支障時間は原因によって大きく異なり,特に土木・電気施設関係でばらつきが大きいこと,運転再開見込み時刻の提供は人身事故のケースを中心に行われており,実際の再開時刻との誤差は,全体の約7割で±15分以内であることなどがわかった.
著者
窪田 崇斗 森田 泰智 太田 雅文 古谷 聡 家田 仁
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.641-646, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
4

東京圏における鉄道ネットワークは輸送力増強が講じられ、最混雑率は年々低下傾向にある。一方で、夜間・ピークサイドにおける混雑が顕在化し、第2フェーズの混雑対策が求められているが、改善の検討が今後ますます重要になってくる。しかしながら、大都市交通センサス等の既存の交通統計調査は、過去のデータの蓄積が豊富で交通流動量といった量的データが充実しているものの、抽出率が5%程度と低く、夜間・ピークサイドにおける混雑緩和の検討に使用するにはデータの精度が粗いため、詳細な分析は困難である。そこで本研究では、自動改札機・車両応荷重データを用いた時間帯別混雑率の推定方法の検討を行った。
著者
宮谷 聡美
出版者
東京経営短期大学
雑誌
東京経営短期大学紀要 (ISSN:09194436)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.84-70, 2016-03-30

八七段は,土地の女の純朴な心,布引の滝の飛沫,光る漁り火,わたつうみが本来持っているはずのものという,隠れたキーワード「白玉」によって四場面の関連を保つ構成方法をとる。都の官人と純粋な心を持った土地の女の恋を主題とする『万葉集』類歌の改変歌をこの土地の伝承歌と紹介して恋物語を期待させ,不遇を主題とする衛府督の歌に弟の機知的な歌を対比させることで,布引の滝を前にした感動を皆で共有する歌の理想を提示するなど,創作意欲に満ちた旅の物語である。
著者
宮村 和俊 長野 勇 八木谷 聡
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B-II, 通信II-無線通信・無線応用 (ISSN:09151885)
巻号頁・発行日
vol.80, no.5, pp.387-396, 1997-05-25
被引用文献数
17

雷雲-地上間雷放電電流によって放射されるVLF電磁波パルスの電離層および電離層付近の自由空間中における電磁界波形を, この雷放電を進行波電流と仮定し, full wave法と球面波の平面波展開の手法, ならびに時間に関する離散フーリエ変換を用いて厳密に数値計算する方法を開発した. この計算により, 静電界成分の分布および放射電磁界の電離層下部での反射と透過, 透過した成分のホイスラ波への結合の様子等を含めた電磁界波形の詳細な時間変化を求めることができた. また, 雷放電に伴う下部電離層で観測される発光現象の発生領域の説明が可能となる結果も得られた.
著者
小坂谷 聡 上原 哲太郎 西口 三千
出版者
情報法制学会
雑誌
情報法制研究 (ISSN:24330264)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.11-23, 2020 (Released:2020-06-05)

In recent years, the Internet usage environment has been shifting from wired communications to wireless LANs. In order to connect to the Internet using a wireless LAN, it is necessary to connect to the access point. However, since wireless communication can be used by anyone who can receive its radio waves, there is a risk that the access point owner may allow unintentional connections unless measures are taken, such as setting user privileges using authentication functions such as passwords, etc. This paper focuses on the interpretation of “secret communication” and examines whether the current law can regulate such unauthorized access to a wireless LAN access point from a technical perspective.
著者
大谷 聡司 星野 聖
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 34.11 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.67-70, 2010-03-01 (Released:2017-09-21)
参考文献数
5

過去に開発されたエアギターシステムは,演奏者の左手に何らかの装置やセンサを持ち,ある場所が押された時に事前に割り当てられたコードの音を出すものばかりである.本研究では,左手に何も持たないエアギターシステムを提案する.ギターでの弾き語りのようなコード弾き奏法に関して,人間は音を聞かなくても左手の形を見ただけでどんなコードを押さえているのか見当がつく場合が多い.そこで,カメラを用いたエアギターシステムを提案する.左手の輪郭線,指の間のエッジを抽出した画像の特徴量を用いてギターのコード認識を行う.評価実験の結果,左手に何も持たなくても,76.3%の精度が出せるシステムが出来上がり,新しいアプリケーションの開発を行うことができた.
著者
ボイコフ ジュールス 井谷 聡子
出版者
日本スポーツとジェンダー学会
雑誌
スポーツとジェンダー研究 (ISSN:13482157)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.62-84, 2018

本発表は3部構成となっている.まず,第1部で「祝賀資本主義」理論についてその根本的主張を説明しながら紹介し,この理論がナオミ・クラインの「惨事便乗型資本主義」とどのように関係しているかを説明する.祝賀資本主義という概念は,近代オリンピックについての考え方を体系付けるのに有用であり,21世紀におけるオリンピック大会の根幹となる政治的,経済的力学をもっともよく捉えるものであると考える.第2に,特定のオリンピック大会の例を引きながら,祝賀資本主義が開催都市における特定の政策や実践の中でどのような形態をとるのかについて論証する.2010年のバンクーバー冬季オリンピック,2012年のロンドンオリンピック,2014年のソチ(ロシア)冬季オリンピック,そして2016年のリオデジャネイロオリンピックの例を見ながら,祝賀資本主義がいかに反オリンピック運動を刺激しうるかを示す.第3に,東京が2020年のオリンピック大会開催に向けて準備する中で,祝賀資本主義がどのように現れているのかを検証する.