著者
與語 一史 新熊 亮一 小西 琢 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.372, pp.85-90, 2011-01-13
参考文献数
13

コンテンツアップロードとリンク形成の2つの要素で構成される,SNS(Social Networking Services)でのユーザ行動を活性化させるインセンティブ付与メカニズムを提案している.ユーザが異なるプライバシー設定(「全体に公開」と「友人に限定して公開」)でコンテンツをアップロードする際に感じるリスクの違いに注目し,その違いに基づき報酬の配分を行う.報酬配分により,コンテンツ閲覧数によって測られるSNSの活性度がどのように変化するのかを調査するため,SNSをモデル化し,学習ベースのシミュレーション行う.これにより,報酬配分比率によってSNSの活性度が制御できることを示す.また,活性度を最大化させる配分比率は報酬源の総和に依存することを示した.本稿では,アップロードコンテンツ数ならびに形成されたリンク数の増加が活性度にどのように寄与するか,調査した結果を報告する.
著者
與語 一史 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.228, pp.145-150, 2009-10-08
参考文献数
9

SNSをはじめとするソーシャルグラフを形成するサービスは,新たな情報流通プラットフォームとして注目されている.しかし,そのようなサービスにおいて,現在,積極的な情報提供が得られていないという問題がある.その理由として,多くのユーザにとって,情報提供のリスクなどの心理的コストが,提供した情報に対するフィードバックなどから得られる心理的効用より大きいことが挙げられる.そこで,本稿では,ユーザの貢献行動にインセンティブを与えることによって情報提供を促進する方法を提案する.我々の知る限り,SNS上でのインセンティブ付与に関する議論は学術的にはまだなされていないため,本稿では,まず,ユーザの行動・心理的要因のモデル化と成長するソーシャルグラフのモデル化を行う.そして,ユーザの貢献に基づく報酬付与方法を提案し,構築したモデル上でシミュレーション評価を行い,その有効性を示す.
著者
福田 晟 山谷 聡 小葉田 亨 今木 正
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.193-198, 1993-06-05

前報において, 地表にわずかな積雪があり, 気温0〜-4.4℃, 風速4〜7ms^<-1>のもとで葉身に葉枯れ, 落葉が生じ, この時夜間の葉身水ポテンシャル (Ψ_L) が-1.2MPaに, 翌日の昼間ではさらに最低-2.3MPaまで低下したことを報告した. そこで本報告は, 人工的に1年生苗の茶樹に低気・地温, 強風条件を与え, Ψ_Lの低下と寒風による被害発生との関係, 及びΨ_Lの低下の原因を明らかにしようとした. その結果, 低気・地温, 強風の組み合わせに暗黒後照明条件のもとでΨ_Lは-0.7〜-1.8MPaに低下し, 照明条件下で圃場と類似した枯死被害が生じた. また, 低温照明条件下では蒸散速度の増大に伴うΨ_Lの低下が大きいことから, このΨ_Lの著しい低下は低温による植物体内の水の通導抵抗 (R) の増大にもとずくものと考えられた. そこでさらに葉身, 茎, 根各部分への加圧と出液速度との関係を求めて各器官のRを推定したところ, 葉身と根のRは0℃では10℃に比較し約1.6倍, 20℃に比較して約3.2倍大きくなった. 以上から, 山陰地域における茶樹の寒風による被害は低気・地温によって特に葉身と根のRが著しく増大している時に, 強風, 及び翌日の日射により蒸散が促進されて, その結果, 葉身Ψ_Lの著しい低下, 葉身組織の脱水が生じて引き起こされるものと推定された.
著者
木本 哲夫 山本 祐規子 日野 恵子 古谷 聡美 阿賀 創 橋本 貴治 花谷 利春 新井 成之 池田 雅夫 福田 恵温 栗本 雅司
出版者
日本生薬学会
雑誌
Natural medicines = 生薬學雜誌 (ISSN:13403443)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.72-79, 1999
参考文献数
9
被引用文献数
5

From the plant commonly known as Indigo Plant (Polygonum tinctorium Lour., Shimane, Japan) , Tryptanthrin was isolated which had cytotoxic effects on malignant tumor cells. The cytotoxic effects on human solid cancer cells, leukemia cells, murine glioblastoma cell, colon cancer and malignant melanoma cells in vitro were assayed. Tryptanthrin induced remarkable necrotic and apoptotic changes in the malignant tumor cells.
著者
藤谷 聡
出版者
THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
雑誌
東北地理 (ISSN:03872777)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.187-198, 1986

本稿は, 明治末期から昭和初期にかけて, 我が国の鉱山が, 従来の自山製錬による鉱物販売から鉱石販売へと変化したことに注目し, 岩手県西和賀の中小鉱山を例にあげ, その変化の過程および変化の要因を解明したものである。<br>西和賀の鉱山においては, 上述の変化が第一次世界大戦終了後の経済不況の時期を中心に生じた。これは, 機械化や新たな選鉱技術の導入と1910年の和賀軽便軌道 (黒沢尻―仙人間)・1924年の横黒線 (黒沢尻―横手間) の開通による交通体系の整備によるものと考えられた。すなわち, これらによって, 鉱石産出量と選鉱処理能力の増大, 年間を通じての安定した輸出手段の確保および輸送費の低減とにより, 自山製錬による販売よりも, 地域外の大手資本の経営する製錬所へ鉱石の形で販売した方が高い利潤を得られると判断したためと考えられる。また, 製錬施設を廃止し, 鉱石販売に転向した鉱山は, 商品としての鉱石を介して地域外の大資本による製錬所の鉱石供給地として位置づけられることとなり, 鉱石販売先の安定に伴い, その操業も安定した。
著者
小川 泰弘 釜谷 聡史 マフスット ムフタル 稲垣 康善
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.39-61, 2004-10-10 (Released:2011-03-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1

機械翻訳に対する要求の高まりに伴い, 日本語や英語, 韓国語といった言語の翻訳に関する研究が進み, 実用的なシステムが構築されつつある. その一方で, そうした研究があまり進んでいない言語が存在する. こうした言語においては, 翻訳の要である対訳辞書の整備も遅れている場合が多い. 一般に対訳辞書の構築には高いコストが必要であり, 機械翻訳システムを実現する上での障害となっている. しかし, 人間が翻訳作業をする場合, 対訳辞書に記載がない単語を別の表現に言い換えて辞書を引くことにより, この問題に対処する場合がある. 本研究ではこの手法を模倣し, 未登録語を登録語に言い換えることにより対訳辞書を拡充することを提案する. 本論文では, 対訳辞書の拡充に必要な単語の言い換え処理を収集段階と選抜段階の二つに分割し, 前者において語義文に基づく手法を, 後者において類似度に基づく手法をそれぞれ適用した. また, 類似度に基づく手法では, シソーラスにおける概念問の距離に加え, 単語を構成する漢字の語義を利用した. これによって, 語法や概念が近く意味的にも等価な言い換えを獲得できた. さらに, 獲得した言い換えを翻訳システムで翻訳して日本語一ウイグル語対訳辞書への追加を試みたところ, 未登録語300語のうち, その68.3%に対して利用可能な対訳が得られた.
著者
関 隆晴 釜谷 聡 森口 秀樹 生田 享介 石川 聡子 岡崎 純子
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. V, 教科教育 (ISSN:03893480)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.195-202, 2005-09-30

教育大学としての社会貢献活動の一つとして,本学では2002年度より柏原市の小学校に布ける森林体験学習を支援してきた。この取組は1993年以来,柏原市と大阪府中部農と緑の総合事務所が柏原市内の小学校を対象に行なってきた森林体験学習を,小学校への総合的な学習の時間導入を契機に,大阪教育大学への協力要請に基づいて開始したものである。大阪府においては大阪府新農林水産業振興ビジョンにおける「大阪の彩を創ろう」の一環として,中部農と緑の総合事務所が柏原市で取り組む「教育連携タイプ」の地域の森づくり活動である。本学においては,新たな時代に求められる実践的な教員の資質能力を持った学生の育成を目指す活動事例ともなっている。いくつかの機関が連携して協働事業を展開する場合,各機関の目指す目標が一致するとは限らない。それぞれが異なる目標を持って関わる協働事業の実践事例として,柏原市高尾山創造の森をフィールドとした森林体験学習のこれまでの活動を整理・分析することにより,各機関がそれぞれの明確な目標を持って協働事業に取り組むことの重要性を指摘する。
著者
吉永 直生 板谷 聡子 デイビス ピーター 田仲 理恵 小西 琢 土井 伸一 山田 敬嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.1-6, 2010-05-06

近年、組織内のコミュニケーション解析・促進のため、ソーシャルネットワーク上でコンテンツの伝播特性を解析する研究が進んでいるが、コンテンツの種類に応じた特性変化への適応という観点では課題が残されている。実世界においては、ソーシャル0ネットワークは同一であっても、コンテンツの種類によって異なる伝播ネットワークが存在すると考えられる。そこで本研究では、コンテンツの種類に応じた戦略的な情報伝播手法を構築することを目的とし、コンテンツの解析と伝播特性の解析を融合した手法を提案する。具体的には、Enron社の電子メールを対象として解析を行い、コンテンツの六つのカテゴリと三種類の情報伝播特性との対応を明らかにした。
著者
松本 紘 BOUGERET Jea ANDERSON Rog 小嶋 浩嗣 GURNETT Dona 村田 健史 笠原 禎也 八木谷 聡 臼井 英之 大村 善治 岡田 敏美 筒井 稔 橋本 弘蔵 長野 勇 木村 磐根 BOUGRET Jean-Louis ANDERSON Roger r. GURNETT D.A. BOUGERET J.L ANDERSON R.R
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

平成7年度には、GEOTAIL衛星は、地球から30Re付近の近地球軌道にあり、WIND衛星も主に、昼間側の太陽風の定常観測状態にあった。一方、同年度8月には、ロシアの衛星INTERBALLが、3月には、米国の衛星POLARが打ち上げられ、ISTP衛星による磁気圏の総合観測体制がほぼ整ったといえる。これらの衛星のうち、INTERBALL、POLAR衛星は、打ち上げ後、まもないということで、具体的な共同観測については、来年度に行われる予定であり、本年度は、主に、WIND衛星との共同観測を昨年度までのAKEBONO、Freja,ULYSSES衛星との共同観測に加えて重点的に行った。以下に、交付申請書の調査研究実施計画の項目に従って研究成果を列挙する。1.まず、惑星間衝撃波の観測でGEOTAILとWIND衛星で同時に観測を行った例において、WIND衛星で観測された磁場やプラズマの変化とそのGEOTAILでのある時間遅れでの観測、そしてそれに対応するプラズマ波動の強度の変化について解析を行った。その中には、衝撃波の到来とともにGEOTAILがバウショックを何度もよぎる現象がみられるものがあり、惑星間衝撃波の影響によりバウショックの位置が変化している様子を観測することができた。2.磁気圏昼間側のショック領域全面で発生しているといわれている2fpエミッションの観測をWIND、GEOTAIL両衛星を用いて行い、その発生時間や周波数変化の時間差から、その発生領域がやはりショック全面にあることが確認された。現在その位置的な偏りについても、より多くのデータを集めて解析を行っている。3.GEOTAILによって磁気圏内部で観測された「振幅変調をうけた電子プラズマ波」と同様な波形がWIND衛星によって太陽風中でも観測されていることがわかった。GEOTAILでの観測では、その波動の伝搬方向は外部磁場に対して平行、垂直の両者があることがわかっていたが、現在までのところWINDの方では平行伝搬のみがみつかっている。4.POLAR衛星の打ち上げに伴う共同観測体制を整えるための情報交換をアイオワ大学と行っている。5.POLAR衛星の打ち上げが遅れて本年度の3月になったため、具体的な共同観測は来年に執り行われることになる。6.本研究課題に関連して投稿された論文リストは、本報告書の研究発表欄に列挙する。以上が、交付申請書に書かれていた計画に対応する報告であるが、上述の他に、以下の項目についても共同研究を行った。1.極域で観測されるイオンサイクロトロン波とイオンコニックス分布との相関をAKEBONO衛星とFreja衛星の共同観測で明らかにした。2.極域で観測されるAKRの観測をGEOTAIL、WIND衛星で共同して行い、その観測が衛星の位置によってどのように変化してみられるかの評価をを行い、AKRの伝搬特性についての解析をおこなっている。3.太陽バースト伝搬をGEOTAIL、WIND衛星で同時に観測し、その強度を比較することにより、両者の受信機の較正を行った。
著者
長谷川 聖修 衣笠 隆 木塚 朝博 本谷 聡 檜皮 貴子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

研究の目的は、JPクッション・ソフトジム・Gボール・バランスボードなど、動的なバランス運動「遊び」に関するブログラムを開発し、高齢者の動的バランス能力や不安定な環境時の身体動作の改善を目指すことであった。高齢女性26名を対象に6ヶ月間にわたる転倒予防教室を実施した。各種体力測定を実施した結果、動的なバランス能力に改善が認められた。また、アンバランスな状態からの回避動作に改善傾向が示唆された。
著者
橋本 遼 高田 善規 新熊 亮一 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.40, pp.81-86, 2010-05-13
被引用文献数
1

情報発信者が人々に情報を受信させるための手法として,人をノード,友人関係のつながりをリンクとしたソーシャルグラフを経路とするクチコミ情報伝播が注目されている.クチコミ情報伝播では,人に必要な情報や信頼できる情報が届きやすいことが報告されている.しかし,人の送信行動に関わる心理的負担(コスト)が問題となり,情報の伝播が止まったり,情報の広がりが遅くなることがある.この問題を解決するために,送信行動に伴うコストを補償するためのインセンティブ報酬付与が提案されている.本稿では,送信者に対して付与する報酬に条件を与え,受信者が情報に対して反応行動を起こしたときのみ報酬付与を行う方式を提案する.この方式は,支払う報酬の総和を増やすことなく,受信者の反応行動を促進させることができる.これを示すために行った社会実験について報告する.
著者
中島 菊雄 徳谷 聡 塩崎 崇
出版者
北海道整形外科外傷研究会
巻号頁・発行日
2006

外傷により大腿骨内側顆に大きな骨軟骨欠損を生じた症例に対して Outerbridge の方法に準じて自家膝蓋骨外側1/3を移植骨として使用して再建を行った.症例は47歳男性で,自動車運転中の事故で右大腿骨骨幹部骨折,右大腿骨内側顆部の骨軟骨欠損を伴う膝開放損傷,左足 Lisfranc 関節脱臼骨折,左肋骨骨折を受傷した.内側顆の欠損は3×2.5×6 cm であった.同日,右膝創洗浄,大腿骨創外固定,左足整復ピンニング施行.感染がないことを確認し,受傷後21日に右大腿骨髄内釘固定,膝蓋骨,腸骨移植による膝関節形成術を行った.Screw 刺入部痛を強く訴え,術後1年で抜釘を行った.膝可動域は0/120°であり,杖なし歩行可能であるが,疼痛の訴えが残っており,肉体労働へは復職できていない.早期に変形性膝関節症を発症し,TKA が必要となる可能性を残しており,今後も注意深い観察が必要である
著者
湯川 淳一 緒方 一夫 多田内 修 矢田 脩 上野 高敏 紙谷 聡志 加藤 内蔵進 鈴木 英治 鎌田 直人 秋元 信一
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

現在、地球上では、人間が行う様々な営みによる複合的な要因によって、急激な温暖化やオゾン層の破壊、酸性雨、海洋汚染など深刻な問題が生じており、それらに伴う野生生物種の絶滅や森林面積の減少、砂漠化などが危倶されている。とくに温暖化については、人間が排出する二酸化炭素やメタンなどを含む温室効果ガスの濃度が急激に上昇しており、そのため地球上の平均気温は年々上昇し、今後もそれが長く続くことが予想されている。昆虫類に対する気候温暖化の影響を整理するために、本報告では、最初に、地球温暖化と日本の気侯変動に関する背景について概観し、エルニーニョ現象や華南付近の下層南風域の拡大過程などを勘案しながら、日本付近の暖冬や梅雨、降雪など、地球温暖化にも関連した日本の夏や冬の異常気象、とくに、季節進行の異常について言及した。昆虫に及ぼす温暖化の影響については、発育ゼロ点や1世代に必要な発育有効積算温量に基づく年間世代数の増加と、チョウなどに見られる北方への分布域の拡大という二つの観点から取り上げられることが多かったが、本研究では、上記の2つに加えて、昆虫と寄主植物とのシンクロナイゼイションという観点からも、温暖化の影響について論じることの必要性を強調した。さらに、地球温暖化は農業生態系の構成種、とくに、捕食寄生性昆虫の行動や生存率などにも様々な影響を及ぼすことが懸念されることについても考察を行った。そして、これらの影響が昆虫類の局地的な絶滅、ひいては生物多様性の低下をもたらすことについても言及した。
著者
橋本 遼 新熊 亮一 小西 琢 田仲 理恵 板谷 聡子 土井 伸一 山田 敬嗣 高橋 達郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.122, pp.77-82, 2009-07-02
被引用文献数
2

情報通信技術の発達により,情報発信のコストは小さくなった一方で,受信者には多くの不要な情報も届くようになり,発信者側が情報をそれを必要とする人に到達させ,かつ,活用されるようにすることは非常に難しくなった.従来,情報受信者側の嗜好情報を取得し,それにあわせて情報を発信する方法が提案されてきたが,この方法は情報フィルタリングのために多大なコストを要する.そこで本稿では,知人や友人をHop-by-Hopに経由する口コミでの情報伝播に着目する.このように伝播された情報の魅力や信憑性は,一方的に届けられた情報と比べ高いと考えられる.また,情報は伝播させる人の嗜好に基づいてフィルタリングされるため,その情報を必要とする人のみに伝播させられる可能性がある.しかし,Hop-by-Hopの情報伝播には,情報を積極的に伝えない・受け取らない参加者が存在する,ある情報を必要とする参加者が必ずしも単一の(切れ目の無い)ネットワークを構成しているとは限らないといった問題がある.そこで,インセンティブ報酬付与による情報伝播の促進を提案する.モバイル端末を用いたFace-to-Face(F2F)での実証実験を行い,報酬付与による情報伝播制御の可能性を検証する.
著者
名取 万里 加賀谷 聡 本位田真一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.634-656, 1997-03-15
被引用文献数
8

本稿では,オブジェクト指向フレームワークを構築するための手法を提案する.本手法は,現行のアプリケーションシステム群の分析とドメインの静的な特徴を抽出するためにデータ中心アプローチを取り入れる.また,ドメインのあるべき姿の分析と動的な特徴を抽出し,静的な特徴と合わせて一般化するために,ユースケースとそれに基づくオブジェクト間のインタラクションに着目する.さらに,これらの2つの観点を統合し,オブジェクト指向フレームワークを構築するプロセスを明らかにする.This paper presents a method for developing Object-oriented frameworks.Our framework development method includes three major ideas.The first is to extract static features of a domain by Data-oriented Approach.The second is to extract dynamic ones based on use cases and interactions among objects.The last is to integrate the above two ideas in order to cross-check features of the domain and to construct Object-oriented frameworks.