著者
指山 浩志 辻仲 康伸 浜畑 幸弘 松尾 恵五 堤 修 中島 康雄 高瀬 康雄 赤木 一成 新井 健広 田澤 章宏 星野 敏彦 南 有紀子 角田 祥之 北山 大祐
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.7, pp.466-470, 2009 (Released:2009-07-01)
参考文献数
16
被引用文献数
3 2

肛門部尖圭コンジローマ症例をHPVタイプにより分類し,疫学的,臨床的違いの有無について検討した.液相ハイブリダイゼーション法によりHPVのハイリスク型,ローリスク型の有無を調べえた166症例をHPVタイプ(ハイリスク:H ローリスク:L 陽性+ 陰性-)で分類すると,H+L+型39例,H+L-型2例,H-L+型97例,H-L-型28例であった.H+L+型は男性が多く,H-L-型は女性が多く年齢層が高いという傾向があった.居住地では,千葉北西部でH-症例,東京都内でH+症例が多く,疫学的違いがある可能性が考えられた.肉眼型では,H-L-型で散在型が多く臨床的な違いのある可能性も示唆された.HIV陽性例はH+L+型7例,H+L-型1例,H-L+型2例にみられH+症例で高率であった.術後の再発率は全体として33%であるが,HIV陽性例では67%と高く,免疫抑制状態が再発に関連すると考えられた.
著者
戸渡 寛法 宮﨑 悦子 赤木 浩一 中牟田 啓子 片岡 洋平 渡邉 敬浩
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.86-94, 2020-06-25 (Released:2020-07-01)
参考文献数
12

多くの魚に複数の種類の有機ヒ素化合物が含まれているが,化学形態ごとに毒性が異なることから,長期摂取による健康影響のリスクを評価するためには,形態別に濃度を定量する必要がある.本研究では,魚中のモノメチルアルソン酸(MMA),ジメチルアルシン酸(DMA),トリメチルアルシンオキサイド(TMAO),テトラメチルアルソニウム(TeMA),アルセノベタイン(AB),アルセノコリン(AC)を対象としたLC-MS/MSによる分析法を開発し,妥当性を確認した.また,福岡市内に流通する魚10種(計50試料)について総ヒ素濃度および各有機ヒ素化合物濃度を調査した.その結果,総ヒ素はすべての試料から0.53~25 mg/kgの範囲で検出され,カワハギからは8.3~25 mg/kgの範囲で検出された.イワシを除く9種においては,総ヒ素濃度に占める各化合物濃度のうち,AB濃度の割合が最も高かったが,イワシにおいてはAB濃度よりDMA濃度の割合が高く,総ヒ素濃度のうち16~24%を占めていた.養殖マダイにおける総ヒ素,ABおよびACの濃度は天然マダイより低かった.
著者
川崎 寛也 赤木 陽子 笠松 千夏 青木 義満
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.334-341, 2009 (Released:2015-01-23)
参考文献数
13

本実験では,サーモグラフィ動画像の自動色分解処理技術を用い,中華炒め調理における具材及び鍋の温度変化を詳細に把握するための新規システムを構築し,プロ調理と家庭調理の比較によりあおり操作の調理科学的意義を考察した。さらにあおり操作の回数も自動取得した。回鍋肉(豚肉とキャベツの味噌炒め)調理を例とし,サーモ動画像と可視動画像を同時に取得した後,サーモグラフィの動画像から鍋領域と具領域を分離して鍋と具材の表面平均温度を経時的に把握した。終点具材温度に家庭調理とプロ調理では大きな差が見られなかった。プロ調理では,あおり操作が定期的連続的に行なわれているのに対し,家庭調理では不定期であった。各あおり操作の前後におけるプロ調理の具材温度上昇は家庭調理よりも大きい傾向があった。鍋温度はプロ調理では家庭調理よりも顕著に大きく上昇した。本システムにより,動きを伴うプロの炒め調理においても,具材や鍋の平均温度変化を計測する事ができた。
著者
明石 満 赤木 隆美
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.520-528, 2004-05-01 (Released:2009-11-13)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

Monodisperse polymeric nanospheres, which consist of hydrophobic core and hydrophilic corona on their surfaces, were prepared by the free radical dispersion copolymerization of hydrophobic monomers and hydrophilic macromonomers in a polar solvent. For example, copolymerization of methacrylate-terminated poly (ethylene glycol) (PEG) macromonomers and styrene in ethanol/water mixture gives water dispersible PEG coated nanospheres with a mean diameter around 100-2000 nm. An electron spectroscopy for chemical analysis (ESCA), dynamic light scattering (DLS) and transmission electron microscopy (TEM) observation of ultrathin cross section embedded in a resin supported accumulation of PEG component at the surface of nanospheres. The core-corona type nanospheres can be widely applied to various technological and biomedical applications, because of their possible variety of chemical structure. These nanospheres were utilized as oral drug carriers for peptide drugs physically adsorbed on the nanosphere surfaces, and demonstrated to be useful carrier for incorporating highly water-soluble peptides. Moreover, lectin-immobilized nanospheres could efficiently capture HIV-1 particles and HIV-1-capturing nanospheres may have great potential as a prophylactic vaccine against HIV-1 infection through sexual intercourse.

1 0 0 0 IR 政軍関係

著者
赤木 完爾
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法學研究 : 法律・政治・社会 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.130-131, 2009-10

神谷不二先生追悼記事
著者
赤木 完爾
出版者
慶應義塾大学法学研究会
雑誌
法学研究 (ISSN:03890538)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.41-63, 2010-03

はじめに一 アメリカの政軍関係 : 大統領, 議会, 陸海軍, 国務省二 ローズヴェルト大統領と政軍関係の変容三 統合参謀会議の設置四 政軍関係の動態五 ソ連問題おわりに
著者
李 進海 朝戸 佳世 酒井 健史 井上 明日圭 田崎 知江美 志賀 俊彦 樋野 尚一 矢野 智洋 岸本 和也 野﨑 祐史 西坂 文章 赤木 將男 船内 正憲 松村 到
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.305-309, 2014-12-30 (Released:2015-02-28)
参考文献数
13

RAを発症し,サラゾスルファピリジンに抵抗性を示したため,エタネルセプトが投与され,3ケ月後から発熱,皮疹,口内炎が出現し,ループス腎炎を伴うSLEを発症した症例(35歳,女性)を経験した.抗TNF-α製剤の投与によってSLEを発症したとする報告が散見されるが,本例のようにループス腎炎を伴う例は少ない.以上,抗TNF-α製剤による治療経過中は抗核抗体やSLEの素因の有無に留意する必要性が示唆された.
著者
牧 勝弘 赤木 正人
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.55-64, 2011-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
15

聴神経の発火頻度は,音の立ち上がりに対して高く,その後急速に低下する(順応)。この順応は音圧レベルの影響を強く受け,その特性は個々の聴神経で大きく異なっている。従来のモデルは,順応の音圧レベル依存の性質を模擬できず,複数の聴神経の順応特性を模擬することができなかった。本研究では,内有毛細胞の受容器電位の生成機構について新しい機能モデルを提案し,従来の内有毛細胞モデルとパルス列を出力する聴神経モデルを組み合わせることで聴覚モデルを構築した。モデルの出力を生理データと比較することでモデルの評価を行い,本モデルが,複数の聴神経の順応特性を,音圧レベル依存の性質まで含めて定量的に模擬できることを示す。
著者
高橋 響子 赤木 正人
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:21888752)
巻号頁・発行日
vol.2019-MUS-123, no.24, pp.1-4, 2019-06-15

歌声には,喉頭および口腔内で生じる乱流雑音が多い.そのため,音声生成過程の数理モデルによる歌声の声道共鳴特性および声帯音源特性の推定は困難であった.本研究では,歌声生成過程の解明に向け,乱流雑音を含む歌声の声帯音源波形と声道共鳴特性の同時推定法を提案する.推定される声道共鳴特性の安定性を保つために,声道共鳴特性は声帯音源特性に比較してゆっくりと変化するという仮定のもと声道共鳴特性を推定した.歌声のシミュレーション波形をデータとして用いた分析実験により,乱流雑音が声帯音源に含まれる歌声において,声帯音源波形と声道共鳴特性が同時推定可能であることが確認された.

1 0 0 0 敍事詩集

著者
赤木健介著
出版者
正旗社
巻号頁・発行日
1949
著者
眞鍋 博明 遠藤 佐緒里 門田 奈実 赤木 洋介 馬場 三和 小林 洋二
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.542-545, 2016 (Released:2016-11-04)
参考文献数
13

フェンタニルクエン酸塩経皮吸収型製剤(フェントス®テープ)が難治性慢性腰痛に対して奏効した症例を経験したので報告する.症例は44歳,女性.数年来の腰痛(NRSで9)でNSAIDsおよび物理療法などでは症状の改善が得られず当科外来を受診した.下肢症状は認めず,腰椎CT,MRIではL3/4椎間板の変性を認め,椎間板ブロックが著効したことから椎間板由来の腰痛と診断した.プレガバリン,トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェンでは十分な鎮痛効果が得られなかったため,フェントス®テープ1 mg/dayを開始した.腰痛はNRSで4と軽減し十分な鎮痛効果が得られたが,長期のオピオイド使用は仕事に支障が生じるとの理由で最終的に脊椎固定術を行いフェントス®テープから離脱した.腰痛に関してはNRSで2程度にコントロールできている.強オピオイドであるフェントス®テープは椎間板由来と思われる慢性腰痛に有用であった.他の鎮痛薬でコントロール困難な難治性腰痛に対するオプションの一つとなると考えられた.
著者
山本 尚司 赤木 家康
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.32 Suppl. No.2 (第40回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.C1000, 2005 (Released:2005-04-27)

【目的】足部のアライメント評価として、下腿と踵の肢位関係をみるLeg-Heel angIe(以下LH-A)と、踵の鉛直垂線からの変位をみるCalcaneus ang1e(以下C-A)がある。これらの後足部の評価は、足底板などによる下肢荷重連鎖へのアプローチに際して重要な指標となる。今回、LH-AとC-Aの関係性について分析し、内外側Heel-Wedge(以下M・L-HW)の後足部アライメントにおよぼす影響について報告する。【方法】後足部アライメントの基礎データは、健常成人17名34肢(男性8名、女性9名、平均年令20.12±11.1才)にて行った。足部評価は、シンワ社製Dial S1ant Ru1esを使い、立位安静位にてC-Aと下腿傾斜角を測定し、LH-Aを算出した。また、膝関節障害患者5名10足(変形性膝関節症4名、膝蓋骨亜脱臼1名)を対象に、HWによる踵骨内外反位の補正効果を調査した。測定はフルインソール上での安静立位から、暑さ2mmのEVAパッドを踵底部の内外側に随時1~2枚挿入し、後足部のアライメント変化を検討した。【結果】LH-Aにおいては1肢を除く33肢が外反位であり、C-Aの打ち分けは20肢が内反位、11肢が外反位、2肢が中間位であった。C-Aの内外反とLH-Aの内外反角度に高い相関がみられ(右足r=0.78、左足r=0.68)、C-Aがより外反位になればLH-Aも外反位になる傾向がみられた。膝関節障害患者5名のうち4名7足のC-Aが内反位であり1名2足が外反位であった。外反位の1名においてはM-HW2mmにて、内反位4足はL-HW、内反位3足はM-HWにて、補正効果がみられた。【考察】後足部アライメント評価であるLH-AとC-Aは、関節肢位と鉛直垂線からの変位という異なった指標からの評価であり、併せて評価していくことで足部アライメントと姿勢制御の関係についての示唆を与えてくれるものと思われる。横江によると、起立時のLH-Aは、歩行時、ランニング時の動きと高い相関があることを報告しており、足底板の作成などにおける評価として有用であると考えられる。また、今回の結果からLH-AはC-Aとの相関が高いことからも、重力線との関係を考えるうえではC-Aを指標としてHWで対処することは有効であろう。しかしながら、同一被験者であっても左右差、およびC-AとLH-Aの関係は画一的ではなく、踵骨内外反を正中化させるためのHWも多様であるため、臨床においては姿勢制御といった観点から個別に対処していかなければいけないものと思われる。【まとめ】1.後足部アライメント評価としてC-AとLH-Aの関係性を検討した。2.C-AとLH-Aの内外反に相関がみられた。3.HWによる後足部アライメントの変化を膝関節障害患者にて検討した。4.踵骨内反位の補正においてL-HW・M-HWともに効果がみられた。
著者
赤木 里香子 森 弥生 山口 健二
出版者
日本美術教育学会
雑誌
美術教育 (ISSN:13434918)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.289, pp.8-15, 2006-03-01 (Released:2010-10-20)
参考文献数
5
被引用文献数
2

In this paper we give a typology designed for classifying art appreciation instructions in secondary schools. Two dichotomies are set. The first is to ask how instruction is made; do teachers get the appreciation of art works based on historical and cultural knowledge or students' own judgment? The second is to ask what the aim of instruction is; is it a preparation for making art works or a step for other kinds of broad activities. Combining the two dichotomies art appreciation instructions are divided into four types. The benefit of the typology does not reside in categorizing function itself but in making clear what the point of each instruction is. We also give an example in which a certain art appreciation lesson unit is designed properly with the typology.
著者
川端 季雄 赤木 陽子
出版者
The Textile Machinery Society of Japan
雑誌
繊維機械学会誌 (ISSN:03710580)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.T13-T22, 1977-01-25 (Released:2009-10-27)
参考文献数
9
被引用文献数
10 18

目的 布に皮膚が触れた瞬間に感じられる接触冷温感と, 布の熱吸収特性の関係を調べるために, 布の熱吸収特性の過渡特性を測定する装置を試作し, 20種類の男子用外衣服地を用いて布の過渡的熱吸収特性を測定する.また一方で布の風合い判定の熟練者6人によりそれらの布の接触時の冷温感め判定を行ない, その判定順位と熱吸収特性との関係を点検する, 結果 過渡的な熱吸収特性を, 接触直後の最大熱流速度qmax値で代表させた.同種繊維, 同種織物の比較においてqmax値と温感の順位とは密接に関係することが認められた.また定常流での熱伝導率は関係しないように思われる.