著者
金崎 雅博 千葉 一永 北川 幸樹 嶋田 徹
出版者
進化計算学会
雑誌
進化計算学会論文誌 (ISSN:21857385)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.137-145, 2015 (Released:2015-12-18)
参考文献数
19

With the multi-combustion technology, the combustion in a hybrid rocket engine (HRE) can be temporarily stopped via oxidizer throttling. In this paper, two types of HREs, one with multi-combustion technology and the other without, are compared to investigate the effects of multi-combustion on the flight performance of launch vehicles (LVs). Non-dominated Sorting Genetic Algorithm-II (NSGA-II) which was a multi-objective evolutionary algorithm (MOEA) was applied to solve the design problems using real-number coding and the Pareto ranking method. To investigate the effects of the multi-combustion on flight performance of LV with HRE, three design problems were considered. The first case was the maximization of the flight altitude and the minimization of the gross weight. The second case was the minimization of the maximum acceleration and the minimization of the gross weight. The final case was the maximization of the flight downrange and the minimization of the gross weight. Many non-dominated solutions were obtained by NSGA-II, and a trade-off was observed between the two objective functions in each case. MOEA results were visualized using a parallel coordinate plot. According to the exploration result, it was found that the multi-combustion of HRE was effective to reduce the maximum acceleration. Such ability could be expected to reduce the shock load to payloads carried by the LV with HRE.
著者
向井 茂 金銅 誠之 森 重文 中山 昇 井出 学 大橋 久範 髙木 寛通
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

Enriques曲面は古典的で非常に興味深い代数曲面である.ルート不変量にE7型格子をもつものを詳しく調べ、モジュラー不変量を用いて標準的楕円fibrationの定義方程式を書き下した.大橋久範と共同で,Enriques曲面にMathieu 型の半シンプレクティック作用をもつ有限群を分類し,Nikulinと金銅による有限自己同型Enriques曲面の分類の発展として,自己同型群が概アーベルなEnriques曲面を分類した.どの研究もEnriques曲面のルート不変量の厳密な定式化が成功の鍵である。高次数偏極K3曲面については,種数16のK3曲面のモジュライの単有理性を証明した.
著者
金子 宏
出版者
日本公法学会
雑誌
公法研究 (ISSN:03873102)
巻号頁・発行日
no.13, pp.184-189, 1955-10
著者
滝本 佳予 西島 薫 森 梓 金 史信 小野 まゆ
出版者
Japan Society of Pain Clinicians
雑誌
日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
2016

全身の痛みを中心とする多彩な症状を訴え心因性多飲を合併する患者に対し,薬物療法・認知行動療法と併せて行った,患者の語りの傾聴と対話を重視した診療が有用であった1例を報告する.症例は68歳の女性,全身の痛みを訴えて当科を紹介受診した.併存合併症として心因性多飲による低ナトリウム血症と意識混濁,むずむず脚症候群,過敏性腸症候群,睡眠障害,失立失歩があり,ドクターショッピングを長年続けた後の受診であった.患者の語りの傾聴と対話により,まず心因性多飲が改善した.次いで痛みの訴えを線維筋痛症・中枢感作性症候群と診断し薬物療法・認知行動療法を実施したところ,ドクターショッピングをやめ症状も軽減した."説明不能な"痛みの訴えはペインクリニックではたびたび遭遇する.器質的原因が明確ではない疾患の症状を一元的にとらえ,診断治療を行う役目を果たすためには,患者との語り合いにも問題解決への可能性があることが示唆された.
著者
金田 茂裕
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.212-222, 2009 (Released:2012-02-22)
参考文献数
33
被引用文献数
3 2 1

本研究の目的は, 減法の求残・求補・求差の場面理解の認知過程について, 先行研究で使用された文章題に加え, 新たに作問課題を用いて調べ, それらの場面理解の難しさの程度と理由を明らかにすることであった。研究1(N=110)では, 式(6-2)と絵(求残・求補・求差の場面)を併せて提示し, 両方を考慮して適切な話を文章で記述することを小学1年生に求めた。その結果, 求残より求補, 求差の場面で正答率が低いことが示され, これらの場面理解は難しいという従来の研究の知見が確認された。さらに, 誤答内容を分析した結果, 場面間でその傾向が異なることが示され, 求補の場面では絵と対応しない誤答が多く, 一方, 求差の場面ではそれに加え, 式と対応しない誤答も多くみられた。同様の結果は, その4ヶ月後に実施した研究2(N=109)でも得られた。以上の結果から, 求補の場面では絵に表わされた全体集合と部分集合の包含関係を理解することが難しいこと, 求差の場面では式と絵の対応関係を考えることが求められる点が難しいことが示唆された。
著者
金 明哲
出版者
The Behaviormetric Society of Japan
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.17-28, 2013-03-28
被引用文献数
2 2

This paper proposes a method for authorship identification based on phrase patterns that occur in the Japanese language, using literary work, student's work, journals to carry out actual proof analysis. The results showed that a writer's writing characteristics could be told clearly in phrase patterns. Using Random Forests, the correct ratio for identifying the authors from two arbitrary authors of literary works as well as student compositions was 99% and 92% for journals. In order to show the effectiveness of the proposed method, a comparison between phrase patterns and trigram of POS was conducted. There was no obvious difference found in the rate of correct identification of writer between phrase patterns C and POS trigram. However, when the data of the phrase patterns C were combined with morphological data, it can obtain a higher rate of correct identification of the writer than having combined the data of POS trigram with morphological data. Based on this, we carried out an analysis on the authorship doubt surrounding Kawabata Yasunari's works and the works of Mishima Yukio, HMakoto and Sawana Hisao. Phrase patterns analysis suggested there was no doubt surrounding the authorship in Kawabata's work.
著者
金間 大介
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究技術計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.285-295, 2010-05-14

技術予測は,科学技術政策や戦略の検討プロセスとして,1990年代以降に多くのOECD加盟国で実施され,その後アジアや南アメリカなどでも注目されるようになった。結果として,これら各国の異なる社会的・政策的ニーズを満たすべく,技術予測を実施する各機関は従来の手法を独自に発展させてきた。そのため,技術予測全体に関する知識体系は複雑化している。本稿では,技術予測を,目的,手法,対象とする自然科学系の研究分野(各技術予測手法の適用分野)の3つの観点から検討を試みた。技術予測は,科学技術政策の立案に資するデータの提供および検討を行うことを前提としながらも,科学技術・イノベーション政策に関する知識基盤の構築といった,いわゆるラーニングツールとして活用している例も多いことがわかった。また,各々の技術予測手法には各特性に応じた長所と短所があり,EUや北米,アジアといった各地域によって,使われてきた手法も大きく異なることがわかった。さらに,デルファイ法,シナリオ・プランニング,技術ロードマップに注目し,その3手法に関する自然科学分野における論文を分析したところ,その対象分野としては,デルファイ法は健康・医療分野,シナリオ・プランニングは環境・エネルギー分野,技術ロードマップは電気,半導体分野といったように,手法ごとに大きく異なっていることが明らかになった。
著者
金城 盛紀
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.1-14, 1987-12
著者
荒木 望嗣 中津井 雅彦 広川 貴次 金井 千里 佐藤 美和 岡本 敦之 服部 一成 志水 隆一 奥野 恭史
出版者
公益社団法人 日本化学会・情報化学部会
雑誌
ケモインフォマティクス討論会予稿集 第38回ケモインフォマティクス討論会 東京
巻号頁・発行日
pp.12-13, 2015 (Released:2015-10-01)
参考文献数
2

創薬プロセスの初期段階において、医薬品候補化合物を効率的に探索して構造最適化するためのインシリコ創薬技術が求められている。本研究では、スパコン「京」を用いることで、世界最大規模の化合物-タンパク質相互作用空間における超高速かつ高精度な医薬品候補探索を実現するための「インシリコ創薬基盤」を構築し、創薬現場での実践的利用を目指している。現在までに我々は、CGBVS法(Chemical Genomics-based Virtual Screening method)を「京」に実装・チューニング することで、膨大な化合物空間と多数の創薬標的タンパク質候補との大規模相互作用の高速予測を可能にした。更にMP-CAFEE法(Massively Parallel Computation of Absolute binding Free Energy method)を「京」に実装することで、タ ンパク質と化合物との結合自由エネルギー(結合親和性)の高精度予測を可能にした。本発表では当該プロジェクトの取り組み状況と現在までの成果について紹介する。
著者
金澤 章
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.241-248, 2014-04-01 (Released:2015-04-01)
参考文献数
57

植物においては,核酸の塩基配列特異的に起きるRNA分解,ならびにDNAのメチル化やヒストン修飾の変化を伴うエピジェネティックな変化を誘導することが可能である.本稿では,これらの反応経路が明らかになった経緯を概説するとともに,後者の例として,ウイルスベクターを用いてRNA-directed DNA methylationを誘導し,外来遺伝子をもたずに特定の内在性遺伝子の発現が抑制された植物を作出した研究を紹介する.また,遺伝子特異的,あるいは非特異的にエピジェネティックな変化を誘導する方法,ならびにCRISPR/Cas系などによるゲノム編集を含む,新規な植物育種技術の有効性と特徴を論じる.
著者
脇田 早紀子 金子 宏
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.7(1995-NL-111), pp.27-32, 1996-01-19

日本語校正支援システムに対して、変換ミスを漏れなく指摘してほしいという要請は以前からあった。我々が作っていたシステムでは、パターンという校正知識記述法と誤用語辞書を利用して変換ミスを検出していたが、余計な警告を出さない方針に徹していたので検出率は変換ミスの50%程度であった。漏れなく警告するため同音異義語を持つ語をすべて警告することも考えられるが、警告数が多くなりすぎて実用的でない。そこで、回りの語・語列・品詞・品詞列などを手がかりに、正しい変換らしいものを除いて警告数を抑える仕組みを作った。本発表では、その辞書を過去の文書の蓄積から自動作成する試みについて述べる。
著者
草開 浩 小山 芳太 金森 恒雄 瀬古 弘
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.395-412, 2011-05-31

2008年7月28日に近畿地方を南西進した線状降水帯について,観測データの解析と数値予報モデルを用いた再現実験を行い,降水帯の成因と構造を調べた.この降水帯は,兵庫県・京都府・滋賀県の南部(近畿地方中部)で降水セルが列状に並んだ降水域と,兵庫県・京都府・滋賀県の北部(近畿地方北部)から南下した降水帯が合流して形成された.合流時の降水帯の形成機構では,近畿地方北部の降水帯からの冷気外出流が下層の収束を強化し,近畿地方中部の降水系の対流を強めたことが重要であった.また,同日に神戸市灘区の都賀川で発生した大雨は,神戸市西区上空で発生した降水セルが南東進し,急発達したものであった.降水エコーの急発達と下層の冷気外出流の到達が一致していたことから,近畿地方中部で発達した線状降水帯からの冷気外出流が急発達に深く関係していたことがわかった.
著者
金城 克哉 Kinjo Katsuya
出版者
琉球大学留学生センター
雑誌
留学生教育 (ISSN:13488368)
巻号頁・発行日
no.8, pp.19-35, 2011-03

本稿では大規模コーパスを用いて「~にくい」および「~づらい」の用法について調査を行い,考察を加えた。コーパスとして「Yahoo!知恵袋コーパス第一弾」(質間数:約300万,回答数:約1300万,期間:2004年4月-2005年10月)の中から,ベストアンサーの部分(期間:2004年5月-2005年4月)のデータ(約782万文,約550MB)を用いた。分析の結果,(1)「~にくい」と「~づらい」の出現数では前者が後者の5倍となっており,かなりの差が見られたこと, (2)出現数に偏りがあるにもかかわらず,存在動詞「居る」では逆に「居づらい」が「居にくい」の用例数を上回ったこと,また,従来指摘されていた「『~づらい』は無意志動詞とは結びつかず話し手自身に困難さの原因があることを示唆する」という用法に変化が見られることなどが明らかとなったが,これは近年「づらい」が多用される傾向にあるという指摘(国広2009,高島2007)を裏付ける証左となる。A research on the usages of Japanese tough constructions, "...nikui" and "...zurai" has been conducted utilizing a large corpus ("Yahoo! Chie-bukuro"). It has been discussed that "...zurai" expresses some difficulties originating in something except the experiencer him/herself. And it has been pointed out that the usage of "...zurai" is (gradually) expanding. This paper shows that the number of"...nikui" expression is five times as large as the number of "...zurai" expression, and that the"...zurai" expression is indeed used in where it could not be found out (i.e. in the cases where the difficulties are introduced by outer causes). The notable case is the verb of existence "iru"; the number of "izurai" cases (79) are far larger than "inikui" (5), and all the "izurai" cases demonstrate that the difficulty is triggered by outer causes (change of the situation).
著者
渡邊 純一郎 藤田 真理奈 矢野 和男 金坂 秀雄 長谷川 智之
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.1470-1479, 2013-04-15

組織の生産性をいかにして向上させるかということは,リーダやマネージャにとって大きな関心事である.しかしながら,生産性向上に向けたこれまでの施策は,マネージャの経験や勘など定性的な評価に基づくものが主であった.我々は,ウェアラブルセンサを用いて物理的な人間行動を長期的に計測し,身体的な動きの度合いである活発度や対面コミュニケーションと生産性との関係を定量的に評価した.アウトバウンド型コールセンタにおいて受注率に影響を与える要因を調べた結果,休憩中の職場の活発度と受注率が相関することが分かった.両者の因果関係を明らかにするために少人数のチームごとに休憩時間を合わせる施策を行った結果,休憩中の対面コミュニケーションに起因するチームの活発度が生産性に影響することが分かった.本研究の結果は,センサにより職場の活発度を定量的に計測しマネジメントすることにより,生産性を向上させられる可能性を示唆する.Improving team performance has been a great concern of leaders and managers. They try to understand the factors affecting performance and reorganize their team on the basis of their experience and intuition. Recent progress in wearable sensor technologies has opened up new ways of measuring our physical behaviors. Particularly attractive is the ability of such sensors to capture data quantifying body movement and face-to-face communication. In this study, we explored possible factors affecting performance in call centers by using a wearable sensor, a "sociometric badge." We found that the activity level, i.e., liveliness, while working does not correlate with team performance whereas that while resting does. We also found that improving face-to-face communication leads to increased activity levels and to better team performance. Our results demonstrate that team performance can be improved by managing workplace activity levels.