著者
貝谷 久宣 金井 嘉宏 熊野 宏昭 坂野 雄二 久保木 富房
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.279-287, 2004-04-01
被引用文献数
1

本研究の目的は,社会不安障害を簡便にスクリーニングできる尺度を開発することである.社会不安障害患者97名,パニック障害患者37名,健常者542名を対象に自記式の調査を行った.探索的因子分析の結果,本尺度は「人前でのパフォーマンス不安と他者評価懸念」,「身体症状」,「対人交流に対する不安」の3因子28項目と日常生活支障度に関する項目で構成された.各因子および全項目の内的整合性は高かった.また「人前でのパフォーマンス不安と他者評価懸念」得点,「身体症状」得点,合計得点は,社会不安障害群と他の2群を弁別可能であった.したがって,本尺度は高い信頼性と妥当性を有することが明らかにされた.
著者
北添徹郎 金星一 市来 知幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.14, pp.25-30, 1999-02-05

奥行き知覚のメカニズムとして知られているステレオビジョン神経回路方程式を用いて音声認識への適用を試みる。数年前ラインマンおよびハーケンにより提案され、最近本研究室で発展させられた競合と協調によるステレオビジョン神経回路を用いる。我々は、各音韻の特徴量が脳に蓄積されており、入力音声がそれらと比較され、音声認識を行なっていると考える。本研究では24セットの音韻のシミラリティを求め、その上位5つの音韻のみを最終的な候補として、ステレオビジョン神経回路方程式にかける。その結果、216単語データベースにおいては78.05%、240単語データベースにおいては78.94%という音韻の認識率が得られ、HMMによる認識率、各71.56%と72.37%を上回る結果を得た。The stereo vision neural-net equations, known to process a depth perception, are applied to speech recognition. We use a recently developed three layered neural net (TLNN) equations with competition and cooperation for stereo vision. We use a Gaussian PDF to represent memorized data of each phoneme in our memory, and the similarities of an input phoneme with respect to the memorized ones were calculated. The TLNN equations are applied to the similarities with best 5 hypotheses among 24 kinds of phonemes. The average rates for speaker independent recognition are 78.05 % for 216 word database and 78.94 % for 240 word data base by TLNN equations which are compared to 71.56 % and 72.37 % by Hidden Markov Model(HMM), respectively.
著者
金子 真由美 後藤 雅広 岩田 聖美 三尋木 健史 長谷川 峯夫
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成17年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.118, 2005 (Released:2005-09-13)

【目的】フライ料理は人気のある献立である。しかし、最近では廃油処理のわずらわしさや環境への配慮から、とくに単身世帯、少数世帯において敬遠されがちな調理方法といえる。本研究では、マヨネーズを使って、揚げ調理の代替となる簡便な調理方法を探究することを目的とした。【方法】殻を取り除き筋切りしたエビ(中)の表面に、小麦粉、一般的な卵黄型マヨネーズ、パン粉(乾燥)を順につけ、オーブンで焼成した。外観と官能評価により適切な加熱条件を調べた。対照として、一般的な家庭での調理方法に従い、エビに小麦粉、卵、パン粉をつけ、揚げ調理したものを調製した。それぞれについて酸分解法による脂質の定量、SD法を用いた官能評価を行った。【結果】マヨネーズの添加量は、エビ1尾につき3gとし、240℃のオーブンで10分間焼成したとき、最も好ましくフライの食味が得られた。脂質の定量結果から、マヨネーズをつけて焼成したものは、揚げ調理した対照に比べ脂質が少なくなる傾向が示された。官能評価から、マヨネーズをつけて焼成したものよりも、揚げ調理をした対照の方がサクサク感があると評価されたが、ジューシー感、かたさ、好ましさでは有意な差はなかった。以上の結果から、マヨネーズを用いたフライの調理方法は、揚げ調理の簡便な代替方法になりうることが示された。
著者
蔦谷 知佳子 對馬 惠 寺山 百合子 山谷 金光 齋藤 久夫 舟生 富寿
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.8, pp.633-640, 2010-08-28
被引用文献数
3

ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)は一般住民において心機能マーカーとして有用とされている.しかし,NT-proBNPは,主に腎臓で代謝されるため,血液透析(HD)患者では高値を示し,その基準値は必ずしも明らかでない.著者らはHD患者におけるNT-proBNP濃度の基準値を求め,心不全の予後予測因子としての有用性について検討した.対象はHD患者85例である.血清中のNT-proBNP濃度は電気化学発光法(エクルーシスproBNP,ロシュ・ダイアグノスティックス)で測定し,心電図からはV5のR波振幅+V1のS波振幅(RV5+SV1),RV5,QRS間隔,QTc間隔およびQRS軸を読んだ.HD患者のNT-proBNP濃度(676~127,172 pg/mL)は健常人(9~144 pg/mL)にくらべ有意に高値であった.NT-proBNPは心電図上の左室肥大診断に最もよく用いられるRV5+SV1とr=0.346(p=0.002)の正相関を示した.RV5+SV1≥3.8mVを左室肥大とし,診断特性(ROC)曲線から心機能異常を推定できうるNT-proBNPの基準値を約8,000 pg/mLとした.このNT-proBNP 8,000 pg/mLを基準にHD患者を2群に分け,採血後から1年間の心不全発生率を比較した.NT-proBNP≥8,000 pg/mL群(n=35)の心不全発生率は31.4%であり,NT-proBNP<8,000 pg/mL群(n=50)の心不全発生率0.0%にくらべて有意に高かった(p<0.0001).以上より,NT-proBNPはHD患者においても心不全の予後予測因子として有用であり,その基準値は8,000 pg/mLが適当と考えられた.
著者
木梨 真知子 金 利昭
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.329-338, 2008-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本稿では、茨城県日立市をケーススタディとし、防犯まちづくりの前段階として防犯環境設計からみた日立市の現状を把握するとともに、ひったくり犯罪を対象として環境的要因の分析により犯罪が発生しやすい市街地特性を明らかにすることを目的とする。数量化理論II類分析より、犯罪発生に影響する要因は、世帯密度、人口密度、金融機関、鉄道駅、警察署であることを示し、更に前面が空き地の街路や歩道のない街路が選定されていることを確認した。また、クラスター分析より犯罪タイプを4分類し、各犯罪タイプの市街地特性を明らかにした。
著者
ハザリカ へマンタ 片岡 俊一 笠間 清伸 金子 賢治 末次 大輔
出版者
The Japanese Geotechnical Society
雑誌
地盤工学ジャーナル (ISSN:18806341)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-23, 2012
被引用文献数
8

東北地方太平洋沖地震は,その地震動および津波によって東日本の広範囲で甚大な被害をもたらした。本論文は,青森県三八上北地方および岩手県北部において発生した地盤災害に対しての調査結果をまとめたものである. 調査地域の範囲内では地震そのものより複合性のある被害(例:津波による地盤災害や液状化による被害など)が顕著であった. 本論文では, 特に地震動, 押し波, 引き波および構造物の構造形式などを着眼とした太平洋沿岸部の被害について述べる.
著者
美濃導彦 坂井利之 金井武雄 美濃導彦
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.1, pp.1-8, 2013-03-07

様々な環境に設置された防犯カメラで観測された人物画像の特徴量は被写体の姿勢,照明などの撮影条件によって大きく変化する.そのため,人物照合には撮影条件によって(1)同一人物の人物画像の特徴量間の距離が大きい,(2)別人同士の人物画像の特徴量間の距離が小さい,という2つの問題がある.特定人物画像検索において,従来提案されてきた適合性フィードバックでは,問題(1)には対応できるが,問題(2)には対処できない.本稿で提案する条件分割型適合性フィードバックでは,各防犯カメラでの人物迫跡で得られる情報をもとに,撮影条件を分類してフィードバックすることで,各撮影条件の画像特徴量が混合されることを回避し,問題(1)(2)の両方に対処する.複数の防犯カメラ映像に対して人物画像を検索し,通常の適合性フィードバックと比較することで本手法の有効性を確認した.
著者
前花 晋作 金城 寛 上里 英輔 山本 哲彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.102, pp.85-88, 2006-06-09

本論文では,遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm: GA)で学習するニューロ制御器(Neurocontroller: NC)を用いて,四輪車両のライントレース制御を行なう.四輪車両はdriftlessシステムと呼ばれる非ホロノミッタ系である.四輪車両のような非ホロノミック系を制御する方法として,時間軸状態制御法などのchained formへの変換を必要とする制御方法が提案されてきたが,chained formへの変換を用いる方法には,初期値に限界があるなどの問題点があった.そこで本研究では,chained formへの変換を必要としないGAで学習するNCによる制御システムの設計を行なう.
著者
小林 健人 稲村 勝樹 金田 北洋 岩村 惠市
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.172-183, 2016-01-15

近年,個人情報やプライバシについて取り上げられる場面が増加している.特に,監視カメラ映像に関するプライバシの問題が取り上げられることが多く,映像を取り扱うガイドラインも存在している.しかし,近年のプライバシ保護の概念である自身の情報のコントロールという観点から考えると,被撮影者自身によって匿名で顔情報が制御できることが望ましい.しかし,既存のシステムではそれを実現する技術的な仕組みを持たない.一方で,監視カメラは犯罪防止に利用されているため,被撮影者が犯罪者となる可能性を考慮すると,被撮影者によってのみ制御されることは好ましくない.そこで,我々は被撮影者がグループ署名と可逆モザイク技術を組み合わせ,さらに秘匿した顔を復元するために必要なモザイク鍵を犯罪捜査時のみ生成できる鍵管理法によって,プライバシ保護と犯罪時での監視カメラの有効利用を同時に実現するシステムを提案する.これによって,被撮影者は自身の顔情報を匿名で制御することができ,かつ,犯罪捜査時には,制御された顔情報を警察などに提供可能で,さらに顔が秘匿されていた被撮影者の特定が容易となる.
著者
金 孝淑
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.1-12, 2007-06-10

『源氏物語』は、その主人公の名前が異国高麗の相人によって命名され、その将来が予見されたことからも分かるように、異国との交流環境が色濃く反映された物語である。こうした特徴から、従来の漢詩文受容に関する研究に加えて、近年は『源氏物語』を東アジアの交流の角度から捉えようとする論考が出されている。しかし、その異国を示す言葉自体の定義は未だに明確に定まっていない。本稿では、従来その意味や用いられ方が明らかにされてこなかった「から」と「もろこし」を中心に、その意味内容を分析し、さらに物語の中においてどのように機能しているのかを考察する。

2 0 0 0 OA 芸術資料

著者
金井紫雲 編
出版者
芸艸堂
巻号頁・発行日
vol.第四期 第五册, 1941

2 0 0 0 OA 芸術資料

著者
金井紫雲 編
出版者
芸艸堂
巻号頁・発行日
vol.第四期 第六册, 1941
著者
金子 章
出版者
帯広畜産大学
雑誌
帯広畜産大学学術研究報告. 第II部 (ISSN:03857735)
巻号頁・発行日
vol.2, no.3, pp.1-14, 1963-07-10
著者
村尾 真由子 松原 悠 洪 昇基 佐藤 良太 秋山 茉莉花 金 瑜眞 嶋田 晋 金井 雅仁 浜島 佑斗
出版者
大学図書館研究編集委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
no.101, pp.108-118, 2014-12

筑波大学附属図書館では,平成24年度から大学院生をラーニング・アドバイザー(以下,LA)として雇用し,学生サポートデスクにおいて本学学生に対する学習支援活動を行っている。学生サポートデスクの利用者は年々増加している。平成25年度は,LAからの要望で定期的にミーティングが開かれ,アイデアを出し合う機会が増えた。これが契機となってLAの活動が活発化し,前年度の活動に加え新たに6つの企画を実施した。今後は,学生のニーズや学生サポートデスクの認知度の調査のような現状を把握する取り組みや,LAの相談対応の質を向上させる取り組みが求められる。