著者
金川 元信 福水 健次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 = IEICE technical report : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.286, pp.147-154, 2013-11-12

近年のカーネル法の発展のひとつとして,確率分布を再生核ヒルベルト空間(RKHS)上の点として表現することによりノンパラメトリックな統計的推論を実現する「カーネル平均埋め込み」と呼ばれる方法論が盛んに研究されており,状態空間モデル,確率伝搬法,強化学習を含む幅広い対象に対して応用されている.この枠組みでは確率分布そのものを推定する代わりに,RKHS上での確率表現を直接的に推定することによりノンパラメトリックな統計的推論を実現する.しかしながら,推定されたRKHS上での確率表現から対応する確率分布の分布統計量を計算する方法は現在までにほとんど研究されていない.本稿では確率密度関数,信頼区間,モーメントといった分布統計量をRKHS上の確率表現から推定する方法論を示し,それらの推定量の収束性を証明する.
著者
金 一虹 大橋 史恵
出版者
ジェンダー史学会
雑誌
ジェンダー史学 (ISSN:18804357)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.5-28, 2010 (Released:2011-10-01)
参考文献数
8

This essay will examine the complex influences on the movement to create Iron Girls during the Cultural Revolution, evaluating the impact of the political campaign and accompanying administrative intervention on the gender division of labor. The analysis will consider the underlying economic motivations for the intervention, the ideological implications of the mobilization, and their relation to gendered social relations."Iron Girls" are one of the best-known artifacts of an extreme form of gender equality promoted during the Cultural Revolution, expressed under the slogan "men and women are the same." This essay examines the origins and decline of the movement for Iron Girls, asking why the government encouraged women to challenge the traditional model of the gender division of labor, why women responded so enthusiastically to the campaign, and whether their actions were carried out with a conscious recognition that they were struggling for equality with men. This essay will provide an objective and historical evaluation, considering whether the movement for Iron Girls was able to transform the traditional gender division of labor, whether it led to the liberation of women, and how in our own day we look upon the slogan of "men and women are the same."
著者
金子 信博 橋本 みのり
出版者
The Japanese Society of Soil Zoology
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.21-25, 2010-05-28 (Released:2017-07-20)
参考文献数
18
被引用文献数
1

ミドリババヤスデは中部から西日本にかけて広く分布しているヤスデである.島根県三瓶山周辺では成虫の群遊がたびたび観察されていたので,このヤスデの生活史について1997年12月から1999年10月まで調査を行った.1999年10月には成虫の群遊が観察された.これらの個体群内の齢構成は単一で,一世代が3年であると推定された.この現象は中部地方で8年に一度の周期発生を起こすキシャヤスデに似ている.生活史が3年である理由について気候条件との関係で議論した.
著者
宗像 昭子 鈴木 利昭 新井 浩之 横井 真由美 深澤 篤 逢坂 公一 松崎 竜児 三浦 明 渡辺 香 森薗 靖子 権 京子 金澤 久美子 宮内 郁枝 鈴木 恵子 久保 和雄 尾澤 勝良 前田 弘美 小篠 榮
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.34, no.13, pp.1525-1533, 2001-12-01
参考文献数
14
被引用文献数
1

今回我々は, 当院で維持血液透析を施行している安定した慢性腎不全患者59名を対象患者として, ベッドサイドにて簡便に使用できるアイスタット・コーポレーション社製ポータブル血液分析器i-STATを用いて, 透析前後で全血イオン化Ca (i-Ca) 濃度を測定し, 血清T-Ca濃度との関係について検討し, 以下の結果を得た.<br>1) 透析前後における血清T-Ca濃度, 全血i-Ca濃度は, それぞれ9.43±0.90→10.54±0.70mg/d<i>l</i> (p<0.05), 1.26±0.10→1.30±0.07mmol/<i>l</i> (p<0.0001) と, いづれも有意な増加を示した. 2) Caイオン化率は, 53.43±0.03→49.55±0.04% (p<0.001) へと透析後有意に低下した. この原因として, 血液pHの変化の影響が考えられ, 血液pHとCaイオン化率との間には明らかな負の関係が認められた. 3) 透析前後における, 血清T-Ca濃度と全血i-Ca濃度の関係について検討したところ, 透析前ではy=7.507x+0.015 (r=0.839; p<0.001) と強い正の相関が認められたが, 透析後においては, 全く相関が認められなかった. この点について, pHならびにAlbを含めた重回帰分析法を用いて検討したところ, T-Ca=3.369×i-Ca+5.117×pH-32.070 (r=0.436, p=0.0052) と良好な結果が得られた. 4) 透析前後の全血i-Ca濃度の測定結果から, 容易に血清T-Ca濃度を換算できるノモグラムならびに換算表を作成した.<br>以上の結果より, ポータブル血液分析器i-STATを用いた, ベッドサイド ("point-of-care") での全血i-Ca濃度の測定とノモグラムの利用は, 透析室においてみられるCa代謝異常に対して, 非常に有用であると考えられる.
著者
金 淵培 柴田 正啓 江原 暉将 榎並 和雅
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.1585-1592, 1996-10-20
参考文献数
13
被引用文献数
5

本論文では, 素材映像の内容を普通の日本語文で記述したスクリプトを用いて, 必要な素材映像を検索し, それらを時間軸上のどこへ配置するかを粗く決める編集=粗編集を行う映像シーケンサについて述べる.制作者は, 所望の素材映像の内容を日本語文で記述し, 個々の記述文を時間順に並べたリスト形式のスクリプトにより, 番組の構成を映像シーケンサに入力する.映像シーケンサは, 日本語を使ってインデキシングされた素材映像のデータベースを検索し, 適合する部分映像(カット)を切り出し, 順に再生することにより, 番組の概略を提示することができる.このスクリプトは, 普通の日本語で素材映像を指し示すため, スクリプトの可読性は極めて高くなる.この結果, 映像シーケンサを用いて, スクリプト上での番組の構成の概念的な検討と, 実際の映像を見ての具体的な検討を同時に効率的に行うことができる.
著者
江原 暉将 金 淵培
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.67-86, 1996

主語のない日本語文に対し, 確率モデルを用いて自動的にゼロ主語を補完する手法について述べる. これは, 日英機械翻訳の前処理としての自動短文分割の後で適用されるものである. 確率モデルを用いる方法として, 従来 (1) 多次元正規分布に基づくモデルを利用するものがあった. 本稿では, 新たに3種類のゼロ主語補完のためのモデルを提案する. それらは, 連続分布に対して, (2) 正規分布に基づくGram-Charlier展開を多次元に拡張した分布 (疑似正規分布) に基づくモデル, 離散分布に対しては, (3) 1次対数線形分布, (4) 2次対数線形分布に基づくモデルである. これら4種の確率モデルについて, 補完精度を比較する実験を行った. その結果, (1)~(4) の精度は, 順に, 7 3%, 7 8%, 7 8%, 8 1%であり, 2次対数線形分布を用いる方法が最も精度が高かった. また, 補完を誤った事例について考察を加えた結果, 主語と述語の意味的整合性をより正確に計算する必要があることなどがわかった.
著者
金川 淳 藤根 道彦 木村 泰廣
出版者
大同特殊鋼株式会社
雑誌
電気製鋼 (ISSN:00118389)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.244-251, 1993

Superalloy (Inconel 718) and stainless steel (SUS 316) were melted by using 300kW Electron Beam (EB) melting furnace and the evaporation behavior of elements and the effect of purification were investigated.<br>1) The evaporation behavior could be explained well by a Langmuir evaporation equation under the consideration of the vapor pressure of element and the activity in metal.<br>2) The uniformalization of the chemical composition in the longitudinal direction can not be expected because the molten pool is not so deep, and so the accurate control of EB condition is important.<br>3) In the investigation on mechanical properties of Inconel 718, creep rupture properties of EB melted material were better than those of VAR remelted material, which is considered to be caused by the purification of EB melted ingot.
著者
山口 響子 森口 徹生 山下 大介 大西 丘倫 金子 貞男 的場 亮 鄭 漢忠 近藤 亨
出版者
北海道歯学会
雑誌
北海道歯学雑誌 (ISSN:09147063)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.94-103, 2019-03

最も悪性度の高い脳腫瘍の1つであるグリオブラストーマ(GBM)は,標準治療(外科手術および化学放射線療法)を施しても平均生存期間中間値(約15か月)が極めて短い難治性疾患である.この難治性の原因の1つは,腫瘍細胞の強い組織浸潤能と増殖能により神経症状発症時には摘出不可能な範囲に腫瘍細胞が拡散しているためである.つまり,簡便かつ検出感度の高いGBM診断用バイオマーカーがあれば,早期腫瘍摘出が可能となり,予後の改善が期待できる.分泌小胞体エクソソームは,その産生細胞が発現しているmRNA,microRNA (miR),タンパクなどを含み,様々な体液中に安定に存在することから,新たなバイオマーカー探索の標的としてその解析と利用が注目されている.今回,私たちはGBM患者と健常人の血漿中のエクソソームに含まれるmiRを比較分析することで,診断マーカーとなりうるmiRの同定を目的として解析を行った.GBM患者6人の凍結血漿8検体(同一患者の再発術前1検体と術後1検体を含む)と健常人2人の凍結血漿を用いて解析を行った.凍結血漿から調整したエクソソーム内miRについて,RNA-seqを用いた網羅的な解析を行い,GBM患者血漿エクソソームに多く含まれる34種のmiRと健常人血漿エクソソームに多く含まれる47種のmiRを同定した.GBM患者血漿エクソソームに多く含まれていたmiRの中で,エクソソームバイオマーカーとして報告のないmiR-186とmiR-20aについて,定量PCRを用いてGBM患者と健常人血漿エクソソーム内miR量を検討した.その結果,miR-20aはGBM患者と健常人間で有意な差は認められなかったが,GBM患者5人中4人の血漿エクソソームにmiR-186が豊富に含まれていることを確認した.加えて,術後患者ではmiR-186量が健常人レベルまで減少していることを発見した.さらに,標準治療を行った再発例においても,術前血漿エクソソーム内miR-186の上昇を認めた.これらの結果は,血漿エクソソーム内miR-186がGBMの病状に即した新規バイオマーカーである可能性を示唆している.
著者
長野 匡隼 中村 友昭 長井 隆行 持橋 大地 小林 一郎 金子 正秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.2G404, 2018 (Released:2018-07-30)

本稿では,連続的な時系列データを教師なしで分節化する手法を提案する.ガウス過程(GP)を出力確率分布とした隠れセミマルコフモデル(HSMM)により,連続的な身体動作を単位動作に分節化する手法(GP-HSMM)が提案されている.しかし,GP-HSMMでは,予め分類されるクラス数を与える必要があった.そこで,階層ディリクレ過程(HDP)を導入することで,GP-HSMMをノンパラメトリックベイズモデルに拡張したHDP-GP-HSMMを提案する.提案手法では,GPから単位動作が生成され,それらが結合されることで,動作全体が生成されると考える.クラス数を階層ディリクレ過程とSlice Samplingにより決定し,Forward filtering-Backward samplingによりパラメータを推定することで教師なしの身体動作の分節化が可能となる.
著者
松田 朝陽 青沼 仁志 浪花 啓右 金子 俊一
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.646-647, 2018

<p>アギトアリはトラップ・ジョーと呼ばれる大顎を持ち,動物界最速で閉じることができる.近年,大顎を駆動させるための組織は分かってきているが,超高速運動生成のためのメカニズムについては未だ解明に至っていない.本研究ではアギトアリの大顎の機構解明を主目的とする.動画像計測を軸とし多角的アプローチにより目的達成を目指す.</p>
著者
吉澤 裕世 横山 典子 金 正訓 菅 洋子 久野 譜也
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.383-392, 2012-08-01
参考文献数
31
被引用文献数
2 1

In the present research, first we evaluated the association between urban area size and commuting modes with physical activity among working people. Then we investigated the longitudinal effects of urban area size and commuting modes on increased physical activity due to health guidance intervention. The subjects were 401 male employees (aged 46.3±7.8) of A corporation, and were split into two groups, metropolitan area group (N=235) and local area group (N=166), based on the population density of place of work. IPAQ-E was used for evaluation of walking environments, and physical activity was assessed using pedometers. The intervention consisted of an exercise-focused health guidance over the course of one year. The cross-sectional study admitted that in comparison with the local area group the metropolitan area group had more than physical activity (p<0.01). Not only the size of urban area but commuting modes were significantly related to the level of daily physical activity (p<0.001). In longitudinal study, regarding the effects of the intervention for the physical activity, the study showed the possibility that urban area size was not directly effective but traffic safety in residential area (p<0.05) and willingness to take a walk (p<0.01) were effective. The cross-sectional study suggested that the size of the urban area and commuting modes had independently an effect on the physical activity of working people. The longitudinal study, on the other hand, suggested that the size of the urban area and commuting modes may not any direct influence on the effects of physical activity intervention.
著者
金野菊三郎編
出版者
大船渡市芸術文化協会
巻号頁・発行日
1978
著者
金 杭
出版者
同志社大学人文科学研究所
雑誌
社会科学 = The social sciences (ISSN:04196759)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.109-122, 2014-08

記録(Proceeding)「植民地主義のなかの帝国」同志社大学人文科学研究所国際学術シンポジウム「磁場としての東アジア」第2回記録Empires at the heart of colonialism, Proceedings of International Symposium "East Asia as a Magnetic Field" (2)翻訳:沈正明
著者
陳 金娣 新田 静江
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.176-182, 2011

<b>目的</b>&emsp;中国農村部の家族介護を支える体制整備への提言資料を得るために,高齢者の在宅ケアサービスの利用ニーズとその関連要因を明らかにすることとした。<br/><b>方法</b>&emsp;経済発展の速い 1 農村の無年金高齢者102人を対象に,主観的健康感,ADL,慢性疾患と自覚症状の有無,ソーシャルサポート,うつ状態,要介護状態時の意向と在宅ケアサービスニーズを面接調査した。また,ニーズの関連要因をカイ二乗,Fisher の直接確率検定および t 検定,Wilcoxon 順位和検定を用いて分析した。<br/><b>結果</b>&emsp;対象者は73.3&plusmn;5.1歳,子供を4.0&plusmn;1.4人有し,主として配偶者と同居し,親族の仕送りを収入源としていた。慢性疾患と自覚症状を有する者が半数以上,ADL は99.8&plusmn;1.6点,ソーシャルサポートは35.9&plusmn;5.7点,うつ状態は3.9&plusmn;2.7点,75.5%が健康と自己認識し,64.7%は要介護状態になった場合に自宅で暮らす意向があった。在宅ケアサービスは,訪問介護と住込み介護と老人ホーム以外のサービス実施への賛成割合および利用ニーズ割合は高く,無料~安価での利用を希望していた。ニーズとの関連要因は,地域医療機関と ADL,訪問看護と年齢,通所介護と ADL に有意差がみられた。訪問リハビリテーションは有配偶者と自覚症状がない者,訪問介護は慢性疾患がない者,住込み介護は経済的余裕者,老人ホームは有配偶者,通所介護は自覚症状がない者に有意に高かった。<br/><b>考察</b>&emsp;在宅ケアサービスのうち,医療と保健関連サービス利用ニーズが高かったことは,農村新型合作医療保険で医療費控除対象となっていない外来での受診や健康指導&bull;相談への期待の大きさと推察される。住込み介護利用ニーズが経済的余裕者に高かったことは,現状のサービス利用経費は高すぎるものと推察される。老人ホームと訪問リハビリテーション利用ニーズが有配偶者に高かったことは,同居の配偶者への介護負担を考慮した回答と捉えられる。子供の同居率の低い状況下で,要介護状態になった場合に自宅で暮らしたいという大多数の高齢者の希望を叶え,伝統的な老親扶養に基づく家族介護を支えるには,在宅ケアサービス体制の整備が課題と思われる。<br/><b>結論</b>&emsp;中国農村部の高齢者の在宅ケアニーズと関連要因について調査した結果,サービス実施への賛成と利用ニーズは高く,配偶者の有無,自覚症状の有無,慢性疾患の有無,ADL,年齢がニーズに関連していた。
著者
近藤 金助 信濃 榮
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.467-472, 1937

1. 藤の花について一般分析を行ひ含窒素質物量の少なからざることを知つた.<br> 2. 藤の花のうちに含まれでゐる含窒素質物の形態を知らんと欲し2~3の溶媒に對する溶解度を實驗し更に分離した3種の蛋白類似物質について各種の定性試驗並に窒素量を定量した結果によつて藤の花のうちには糖類及び色素類と緩く結合して居る複合蛋白が相當量含有せられて居ることを知つた.<br> 3. 藤の花をヴイタミンの給源として白鼠の飼育試驗を行つた結果によつて藤の花のうちにはヴイタミンA,及びB-複合體並にEの作用を有するものが相當量含有せられて居ることを知つた.然れば藤の花のうちには色素としてCarotin,又はKryptoxanthin及びFlavin等が含まれて居るわけである.
著者
水谷 五郎 趙 越 Hien Thi Thu Khuat 岡島 麻衣子 金子 達雄
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.3, pp.351-362, 2019-03-01 (Released:2019-03-01)
参考文献数
42

Second-order nonlinear optical images of aggregates of the ampholytic megamolecular polysaccharide sacran under various stimuli were observed by optical second-harmonic generation (SHG) microscopy. SHG intensity microspots of several tens of micrometers in size are seen for sacran cotton-like lumps and fibers and they have very clear incident polarization dependence. In these microspots, the sacran molecules are oriented in concentric multilayers. We also observed SHG images of sacran prepared in a needle-ring electrode with applied voltage, where SHG was enhanced near the negatively biased needle electrode. We also observed SHG signals near the cast film edges of sacran. The appearance of the SHG image suggested a phase-separation structure in sacran aggregates. These results show that sacran molecules aggregate in several different ways.