著者
車 敬愛 鈴木 栄 石川 駿二 小池 洋男 荻原 勲
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.257-265, 2009 (Released:2009-07-25)
参考文献数
17
被引用文献数
6 6

3種のブルーベリーの栽培が可能な東京において,64品種・系統について生育と果実の成熟・品質の特性を3年間調査した.主成分分析の結果から,5倍体のサザンハイブッシュブルーベリー(SHB)‘Pearl River’を除いて,ラビットアイブルーベリー(RB)だけのグループとノーザンハイブッシュブルーベリー(NHB)とSHBの混合のグループに分類された.主成分分析のNHBとSHBの混合グループの下方に分布したSHBの品種は,果実が小さく,クエン酸含量が少なく,糖酸比は高く,リンゴ酸の割合が高い特徴を示した.また,収穫日と開花日および収穫日と着色開始日との間に正の相関関係が認められ,NHBについては,収穫日と1果重,収穫日と全有機酸含量,収穫日とクエン酸含量との間に正の相関関係が,収穫日と糖酸比との間に負の相関関係が認められた.さらに,考察ではブルーベリー育種において交配親として有用と予想される各品種の特徴を評価した.
著者
脇本 健弘 佐々木 博史 平山 涼也 望月 俊男 Eagan Brendan 結城 菜摘 舟生 日出男 久保田 善彦 鈴木 栄幸 加藤 浩
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.309-324, 2023-06-20 (Released:2023-07-14)
参考文献数
38

本研究は,タンジブル人形劇によるマイクロティーチング支援システム「えでゅーすぼーど」の教師の専門性向上への有効性を検討したものである.本研究では,教員養成課程において実施された「えでゅーすぼーど」を用いたマイクロティーチングにおける学生の談話を分析した.学生は3回のマイクロティーチングに取り組み,2回目に「えでゅーすぼーど」を用いた人形劇によるマイクロティーチングを体験した.学生の談話をEpistemic Network Analysis により分析し,特徴的な変化を抽出し,さらに質的な分析を行った.その結果,「えでゅーすぼーど」を用いた人形劇によるマイクロティーチングでは,教師役の学生が児童役の学生の学習を深めるとともに,授業を円滑に進めるために即興的な働きかけを行っていたことが示された.
著者
鈴木 栄之心
出版者
会計検査院
雑誌
会計検査研究 (ISSN:0915521X)
巻号頁・発行日
vol.65, pp.33-50, 2022-03-22 (Released:2022-03-22)
参考文献数
18

本稿の目的は,公的介護保険制度が施行された2000 年から2014 年までの15 年間を対象として,介護保険料の設定における市町村行動と調整交付金の財政調整効果を検証することにある。 調整交付金は標準給付費の5%を総額として交付されるが,次期保険料の設定では,その他の各要素と同様に市町村の裁量によって決定されるため,調整交付金の目的どおりに市町村間の保険料格差が是正されるとは限らない。また,調整交付金の総額を標準給付費の5%とした特段の根拠は無く,これによって保険料格差が是正されるとは限らない。 そこで本稿では,まず,2 県47 市町村に対するヒアリング調査を実施して,保険料設定に係る市町村の裁量とそれに対する国や県のコントロールの成否を把握した。次に,調整交付金自体の財政調整効果を検証し,最後に,調整交付金による財政調整に市町村行動を加味した保険料格差を検証した。 ヒアリング調査の結果,市町村の裁量のうち保険料水準への影響が最も大きいのは準備基金取崩し額の調整であった。国や県は最低ラインを示しながら,可能な限り全額取崩すよう指導・助言を行っていたが,市町村のコントロールに必ずしも成功しておらず,当初の取崩し額を維持する市町村も散見された。 検証に当たっては,保険料概念を6 種類に整理した。そのうえで,厚生労働省およびすべての都道府県に対して情報公開請求を行い,過去15 年間のすべての市町村別保険財政データを収集して,「介護保険財政データベース」を独自に構築した。 検証の結果,調整交付金は市町村間の介護給付水準に係る格差是正に寄与しており,財政調整効果が制度施行当初から徐々に強化されていた。また,市町村の準備基金取崩しは,市町村間の保険料格差を拡大させていたほか,国の調整交付金による格差是正を阻害していた。 このような事態が起こる原因は,現状の制度設計が,保険料収入の剰余金を次期保険料の抑制に活用できるようになっていることにある。仮にすべての剰余金を当期計画期間において被保険者に還元する制度設計となっていれば,少なくとも市町村の準備基金取崩し額の調整について,国や県のコントロールに係る問題は生じない。 そもそも準備基金への積立金は保険料収入の剰余金であり,結果的に被保険者から過大に徴収したものである。したがって,国としては,市町村が被保険者に対して当期中に還元するよう,制度変更を行うことも検討するべきであろう。
著者
小林 義昭 長谷川 隆志 佐藤 誠 鈴木 栄一 荒川 正昭
出版者
The Japanese Respiratory Society
雑誌
日本胸部疾患学会雑誌 (ISSN:03011542)
巻号頁・発行日
vol.34, no.7, pp.810-815, 1996-07-25 (Released:2010-02-23)
参考文献数
17

症例は47歳の女性. 平成2 (1990) 年から慢性肝疾患の診断で某院に通院していた. 平成5年4月に肝硬変と診断され, 中国産漢方薬「片仔廣」の内服を開始したところ, 5月頃より湿性咳嗽が出現, 増悪したため, 7月当科に入院した. 両背下部に fine crackle を聴取し, 胸部X線写真で両下肺野に網状影を認めた. 血液ガス分析ではA-aDO2の軽度開大がみられ, 呼吸機能検査では拘束性障害と拡散能の低下を認めた. 薬剤性肺炎を疑って, 片仔廣を中止して無治療で経過観察したところ, 自覚症状, 画像所見, 呼吸機能のいずれも改善した. また, 白血球遊走阻止試験では, 片仔廣による遅延型過敏反応が認められた. 以上の結果から, 片仔廣による薬剤性肺炎と診断した. 本症例は, 本邦における片仔廣による薬剤性肺炎の第1例と思われる.
著者
鈴木 栄一
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測 (ISSN:04500024)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.238-245, 1959-04-01 (Released:2010-01-21)
参考文献数
11
著者
鈴木 栄貴
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成24年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.49, 2012 (Released:2012-09-24)

【目的】大根の乾物である切干大根は近年健康食品として評価されている。著者らは農水産物に光(UV-A、青)を照射すると旨味成分である遊離アミノ酸が増加することを報告している。この研究結果を元に、光照射を行う光源を用いた機械乾燥が天日で乾燥したものと遜色がないかを検討するため、大根を様々の光を照射して乾燥して切干大根を製造し、遊離アミノ酸、GABA、抗酸化性および色彩を測定した。【方法】実験材料として、愛知県知多半島で栽培された大根を使用し、それぞれUV-A、青、非照射の3つ分けて2日間光源付き乾燥器で乾燥させ、天日干し切干大根と比較した。乾燥させた大根は前処理を行い、高速液体クロマトグラフィーで遊離アミノ酸量とGABAの分析を行い、抗酸化性は分光光度計を用いて測定した。【結果】分析の結果、遊離アミノ酸・GABA共に光照射乾燥した大根の方が増加しており、各アミノ酸では旨味成分であるグルタミン酸、甘味成分であるプロリン、苦味成分であるバリンが増加した。遊離アミノ酸総量は平均で、非照射に比べて天日干しが1.37倍、UV-A照射が1.33倍、青照射が1.09倍と増加した。GABAも非照射に比べ天日干しが2.64倍、UV-A照射が2.64倍、青照射が2.82倍増加した。このことから天日干し切干大根のおいしさはUV-Aのような太陽の波長の短い光の効果であることが判明した。
著者
鈴木 栄太郎
出版者
朝日新聞社
雑誌
大阪朝日新聞
巻号頁・発行日
1943-01-15
著者
鈴木栄助著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1978
著者
森 拓哉 鈴木 栄幸
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会研究会研究報告 (ISSN:18824684)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.33-36, 2014 (Released:2018-04-07)
参考文献数
4

本研究ではTwitterとNAVERまとめを用いたノートテイキング手法を提案し、評価実験を行った。評価実験では大学生の2グループに紙ノート使用(以降、紙群)とTwitter・NAVERまとめ使用(以降、Twitter群)の2条件で講義ノートを作成させ、授業後、確認テストを実施した。その結果、講師の印象的な発言を挙げる問題と講義で紹介された5つの事例(理論)を挙げる問題においてTwitter群が紙群よりも得点が高いことが確認できた。被験者が構成したノート内容を比較したところ、Twitter群のノートは紙群と比較して①情報量が多いこと、②自身の理解プロセスの再構成になっていること、が確認された。
著者
鈴木 栄太郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:24240508)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.A552-A558, 1963 (Released:2018-03-27)

The Kei association in Korea is very similar in structure and function to the Ko (講) group in Japan. The same is true of the Pumashi in Korea and the Yui in Japan. The Kei and the Ko assosications offer efficient and reasonable ways for financial cooperation when it is needed by the community, while the Pumashi and the Yui are applied to solveve the problem of labor cooperation. All four groups are apparently based on the supposition that all human beings are equal. How and when does the Kei association work? According to the rules of the Kei, each member is required to contribute a certain amount of property whenever it is needed by the community to accomplish any communal work; every person who satisfies the requirement is in turn guaranted a perfectly equal right. Thus the Kei group is undoubtedly financial in character. Whatever other object it may have, an association which is organized to meet the financial needs of the community falls in to the category of the Kei groups. The Ko association in Japan solves communal financial problems in exactly the same way, although some cultural differences may exist between the two growps. This argument applies with the same cogency to the relationship between the Pumashi and the Yui associations. Both represent a method of labor cooperation although are some cultural differences. According to the rules of Pumashi, if A offers his labor to B, B is required to return the equivalent labor to A. This principle extends to matual help among more than three members of the Pumashi group; the value of the labor is calculated in accordance with the differences in sex and years of age of the laborer.
著者
穂苅 諭 中山 秀章 梶原 大季 鈴木 涼子 大嶋 康義 高田 俊範 鈴木 栄一 成田 一衛
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.30-34, 2011-06-30 (Released:2016-07-05)
参考文献数
14

目的:呼吸機能低下患者での術後ハイリスク群を検討した.対象:術前呼吸機能検査で1秒量<1.2 Lを満たした80例.方法:術後呼吸不全の発生について診療録より後ろ向きに調査した.結果:7例で合併症が発生した.多因子より算出した呼吸不全リスク指数は合併症群で有意に高値であった.また,同リスク指数と合併症発生頻度の間に有意な傾向性が認められた.結論:呼吸不全リスク指数は術後呼吸不全の検出に有用である.

1 0 0 0 血管毒性

著者
永江 祐輔 都賀 稚香 友尾 孝 鈴木 栄子
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:13478397)
巻号頁・発行日
vol.132, no.1, pp.39-44, 2008-07-01
参考文献数
4

血管は内皮細胞,平滑筋細胞,膠原線維,弾性線維からなる脈管である.内皮および平滑筋細胞は血管弛緩・収縮因子の産生や反応により血管緊張を調整していること,ならびに吸収された薬物に最初に曝される組織であることから,機能的・構造的に血管毒性の主要標的細胞である.薬物起因性の血管病変には動脈硬化,動脈瘤,血管炎,静脈血栓症および腫瘍があげられる.血管毒性が原因で医薬品が発売中止された事例は稀である一方で,血管障害の有効なバイオマーカーがないために,動物試験で血管毒性がみられた薬物の臨床開発を断念せざるを得ない場合が多い.末梢血中内皮前駆細胞(EPC)や内皮細胞(CEC)の計測は有望なバイオマーカーのひとつである.また,血管毒性の探索法として従来の病理組織学的手法に加え,摘出血管の収縮・弛緩能を測定する方法や超音波イメージングシステムを用い非観血的に血管形態や血行動態を観察・計測する方法があげられる.<br>
著者
浅野 文祐 青江 基 大崎 能伸 岡田 克典 笹田 真滋 佐藤 滋樹 鈴木 栄一 千場 博 藤野 昇三 大森 一光
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.209-218, 2012-05-25 (Released:2016-10-29)
参考文献数
24
被引用文献数
2

目的.呼吸器内視鏡施行実態と合併症を調査するために,日本呼吸器内視鏡学会は郵送による全国アンケート調査を行った.方法.調査用紙をすべての本学会認定および関連認定の538施設に郵送した.対象. 2010年1年間に施行された呼吸器内視鏡症例(診断的気管支鏡,治療的気管支鏡,局所麻酔下胸腔鏡)で病変,手技別に施行件数,合併症,死亡を症例調査表を使用して調べた.結果. 483施設(89.8%)から回答を得た.診断的軟性気管支鏡施行件数は103,978件で4件(0.004%)の死亡を認めた.病変別の合併症率は, 0.51%から2.06%に分布し,びまん性病変が最も高く,手技別の合併症率は0.17%から1.93%に分布し,鉗子生検が最も高かった.末梢孤立性病変に対する鉗子生検の合併症率は1.79%(出血0.73%,気胸0.63%),肺門縦隔リンパ節病変に対する超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)の合併症率は0.46%であった.治療的気管支鏡施行件数は3,020件で,金属ステント挿入による出血1件(0.03%)の死亡を認めた.手技別の合併症率は異物除去(2.20%)が最も高かった.局所麻酔下胸腔鏡施行件数は1,563件であった.合併症率は高周波不使用生検(1.86%)が最も高かった. 228施設(47.2%)で気管支鏡および周辺機器の破損を経験していた.結語.呼吸器内視鏡は安全に施行されていたが,新しい手技の合併症についての啓発が必要である.
著者
鈴木 栄基
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.901-906, 2017

北海道総合開発計画の始動期に着目し、これまで明らかにされていなかった政府の事業と地方都市との関係について、吉田初三郎の鳥瞰図など当時の資料をもとに考察した。岩見沢市は、1952年着手の石狩川流域開発の契機ととらえ、積極的に活動し、博覧会の誘致など観光活動にも活用した。市長は、海外先進地を訪問し、参考となる情報と知識を積極的に吸収した。鳥瞰図は、市による近代都市計画の導入などの取り組みを知るうえで有用な資料であった。
著者
鈴木 栄幸 加藤 浩
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.196-215, 2008-09-10 (Released:2017-06-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1

This paper describes the concept of a Manga-based thinking method and discusses the results of the field tests of the method. A Manga-based thinking method is a method to encourage participants to scrutinize their presentation from the various viewpoints of related people. According to this method, learners are asked to represent the message of their presentation in the form of a Manga and then reflect on their messages by examining the Manga. It is expected that this method will support learners in grasping the social network of related people through envisioning all the related people's voices since Manga are comprised of spatially located actors who have their own words. The three field tests suggest that Manga-based thinking makes learners' thoughts more actor-oriented resulting in the method expanding learners' understanding about networks of related people and their presentations.
著者
藤森 勝也 鈴木 栄一 荒川 正昭
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.420-425, 1997-05-30 (Released:2017-02-10)
参考文献数
20
被引用文献数
4

postinfectious chronic cough, すなわちかぜ症候群後慢性咳漱の報告は, 欧米では散見されるが, 本邦では少ない。本症の診断基準 (アレルギー44, 1418, 1995) に合致する22例の病態と治療成績を検討した。全例非喫煙者で, ACE阻害薬を内服せず, アトピー歴がない症例とした。検討対象は, 男4例, 女18例, 年齢中央値は65歳であった。胸部単純X線写真, 呼吸機能検査, 末梢血好酸球数, 血清IgE値, 肺炎マイコプラズマ抗体価, 10例で得られた喀痰検査, 2例で実施した気管支粘膜生検像のいずれにも異常所見を認めなかった。20例で咳日記を用いて, 咳漱の治療経過を評価した。臭化水素酸デキストロメトルファン (D) とオキサトミド (O) による治療で10例が軽快した。1例は脱落例で, 残り9例中, 3例は麦門冬湯 (B) 単独で, 4例はD+O+Bで, 2例はD+O+B+塩酸オザグレルで軽快した。本症は日常診療において重要であり, 標準治療の確立が必要であろう。