著者
関 義正
出版者
THE JAPANESE SOCIETY FOR ANIMAL PSYCHOLOGY
雑誌
動物心理学研究 (ISSN:09168419)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.101-111, 2019 (Released:2019-12-18)
参考文献数
37
被引用文献数
1 1

Rhythmic entrainment, or synchronization, to musical rhythm is universally observed in almost all human culture; however, in non-human animals, this kind of behavior has been demonstrated only by some specific species. Thus, exploring the evolutional origin and the psychological substrate for this capability is an attractive research topic. This article reviews recent studies tackling this question and relevant researches, then, introduces a hypothesis explaining the origin of the prominent capability for rhythmic synchronization in humans.
著者
関 眞佐子
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

Segre-Silberberg効果は,流路内層流に浮遊する粒子が慣性に起因する揚力を受けることにより,流路下流の断面内で特定の位置に集中して流れる現象である.本研究は,流体力学に基づき,流路内流れに浮遊する粒子の挙動と下流断面における粒子の分布を様々な条件において実験および数値シミュレーションにより解析した.得られた結果から,流路断面内における粒子の集中位置と集中パターンを詳細に調べ,粒子集中現象の決定因子を探索するとともに機序を検討した.
著者
酒向 あずみ 左京 瑛奈 松永 浩明 関口 昌利 一色 滉平 越前 宏俊 伊藤 慎 鈴木 祥司 西 功
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.124-134, 2022 (Released:2022-10-13)
参考文献数
17

本邦において外来心臓リハビリテーションに参加する患者集団における服薬アドヒアランスへの影響因子の検討は十分ではない。本研究ではこの集団の服薬継続支援のため、処方薬服用遵守度だけではなく患者の治療に対する自発性等も調査できる構造化対面式アンケート調査法を用いて服薬アドヒアランスの調査と影響因子の探索を行った。35名の患者からUenoらの質問票を用いて得た服薬アドヒアランス評価に関する下位尺度スコアは、「服薬遵守度」(中央値15点)及び「服薬の納得度および生活との調和度」(14点)は高かったが、「服薬における医療従事者との協働性」(8点)と「服薬に関する知識情報の入手と利用における積極性」(7点)が低値であった。また「服薬遵守度」は非就労者で高く(15点)、「服薬における医療従事者との協働性」は有配偶者で高かった(11点)。本研究は予備的ではあるが、今後外来心臓リハビリテーション患者の服薬アドヒアランス向上或いは維持を図るためには、薬剤師が「患者との協働性」を改善するために患者の求める情報の察知に基づく薬物の情報提供を行い、患者の治療への主体的参加への動機付けを高める事が重要であると考えた。
著者
菊川 忠臣 小関 一英 大松 健太郎 小林 國男
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-9, 2017-02-28 (Released:2017-02-28)
参考文献数
21

JRC蘇生ガイドライン2010に準拠した10分間のCPRを圧迫単独法で行う場合と,標準法で行う場合でのCPRの質の違いについて,CPR習熟者群(救急隊員)と非習熟者群(一般大学生)間で比較検討した。圧迫単独法は手技が容易であるが,経時的な圧迫深度の低下が標準法に比べて大きかった。標準法では非習熟者群が行う人工呼吸は習熟者群と比べて過剰換気になりやすく(p<0.01),圧迫中断時間が習熟者群に比べて長かった(p<0.01)。圧迫単独法は標準法と比べて疲労度が高い手法であった(p<0.01)。救助者が一人で長時間のCPRを行わざるを得ない場合は,圧迫深度の維持が期待できる標準法が適しているが,人工呼吸に伴う胸骨圧迫の中断時間を最小限にとどめる必要がある。
著者
杉山 智風 髙田 久美子 伊藤 大輔 大谷 哲弘 高橋 史 石川 利江 小関 俊祐
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-047, (Released:2022-09-06)
参考文献数
22

本研究の目的は、高校生を対象に問題解決訓練を実施し、抑うつ、活性化、回避に及ぼす介入効果を明らかにすることであった。あわせて、問題解決訓練の実施前後にかけての活性化/回避の変化によって、抑うつに対する介入効果に差異がみられるか、検討を行った。本研究では、高校生1年生253名を対象として、1回50分の問題解決訓練を実施した。その結果、対象者全体において抑うつ得点、活性化得点、回避得点の有意な変化は示されなかったが、活性化/回避の機能的変容が生じた可能性のある群において、抑うつ得点の有意な低下が示された。このことから、抑うつ低減において、問題解決訓練による問題解決スキルの習得だけではなく、対処行動の促進と強化子の随伴の重要性が示唆された。
著者
小関 敏彦
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.578-585, 1995-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
21

低アルコール清酒の開発は, 業界全体の早急に解決されるべき課題となっている。これまでにもいろいろの製品が市販されてきたが, 定着するまでにもっていくことは伝統的な酒だけに大変な努力が必要である。ここに, 現在注目されている吟醸酒の香りの良さと生酒のフレッシュ感をあわせ持った低アルコール清酒を開発した筆者に, 開発の経緯, 製造法, 低アルコール清酒に対する考え方などを解説していただいた。
著者
堀 天 髙木 祐介 相川 悠貴 福地 かおり 吉川 明里 藤原 紗音 小木曽 洋介 下村 有佳里 家吉 彩夏 枝元 香菜子 関 和俊 堀田 典生
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.761-773, 2022 (Released:2022-09-27)
参考文献数
44

Sudden cardiac death is a common cause of death during hiking activities. Since the exaggerated blood pressure (BP) response to physical activity is known to increase the risk for the development of cardiovascular events, hiking might also induce an excessive BP response and such events. The purpose of this study was to investigate the effects of hiking at around 1,200 m on the circulatory responses to isometric handgrip (IHG) exercise. Five healthy women volunteered to hike and stay at Mt. Ibuki (altitude, 1,377 m; Shiga, Japan) for 2 consecutive days. On the first day, the participants ascended to 1,220 m (Hiking study), and on the second day, they drove to an altitude of 1,260 m where they remained for about 5.5 h (Staying study). The participants performed IHG exercise before (altitude, 220 m), during (altitude, 990 m), and after (altitude, 220 m) hiking in the Hiking study, and before driving (altitude, 160 m), after staying for 5 h (altitude, 1,260 m), and after driving back from an altitude of 1,260 m (altitude, 122 m) in the Staying study. The participants performed IHG exercise at 30% maximum voluntary contraction for 2 min after seated rest. We measured systolic and diastolic BP (SBP and DBP), and pulse rate during the test, and then calculated the double product (DP) from the product of the SBP and pulse rate. In the Hiking study, SBP and DP responses to IHG exercise during hiking were significantly augmented (P < 0.05). Importantly, these responses to IHG exercise during hiking were significantly higher than those before hiking (P < 0.05). On the other hand, in the Staying study, staying at an altitude of 1,260 m for about 5.5 h did not significantly change circulatory responses to IHG exercise. In conclusion, we demonstrated that SBP and DP during IHG exercise were significantly augmented during hiking at an elevation difference of about 1,000 m. This finding suggests that transient increases in BP due to physical activity, which might trigger cardiovascular events, could be enhanced during hiking at a moderate altitude.
著者
関 守信 栗原 可南子 今野 卓哉 藤岡 伸助 坪井 義夫
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001733, (Released:2022-09-30)
参考文献数
76

パーキンソン病(Parkinson’s disease,以下PDと略記)患者の痛みは代表的な非運動症状である.痛みは病期を問わずPD患者を悩ます症状の上位に位置付けられており,他の症状や生活の質に影響を及ぼす一方で,適切に評価,治療されていないことも多い.PD患者が訴える痛みは,PDの疾患と関連する痛みと関連しない痛みがあり,また,原因となる障害部位に応じて中枢性と末梢性に分けられるなど非常に多彩である.痛みの診療の際にはKing’s PD pain scaleなどのPD特異的な評価尺度を用いて痛みの種類や程度を評価し,病態に応じてエビデンスに基づいた治療方法を検討することが重要である.
著者
金井 康弘 阿部 圭司 関 庸一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会誌 (ISSN:09187324)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.167-186, 2021-12-15 (Released:2021-12-24)
参考文献数
23

電子部品の売り手においては,利益最大化を目標とした価格設定業務へシミュレーション導入の実現が期待されている.本論文では,個別製品の販売データから得られる価格–累積販売量分布を生成するメカニズムと整合性の期待できるモデルを提案する.本モデルは,その価格–累積販売量分布が,高粗利率では対数正規分布を生成し,粗利率が低下するにつれてベキ分布に当てはまりの良い分布が生成され,さらにそのベキ分布のベキ指数の絶対値が,新製品のリリース時点の粗利率が小さいほど増大することを示唆している.特定の個別製品のスタート価格や原価を想定しシミュレーションを実行することにより,本モデルは価格-累積販売量分布だけでなく平均価格や分布と粗利率の関係性の将来的な推移も与えてくれる.そのため,新製品設計業務や価格設定業務へのシミュレーション活用を実現するために,本モデルによるアプローチは有効なものと考える.
著者
関 利恵子
出版者
日本経営実務研究学会
雑誌
経営実務研究 (ISSN:18805345)
巻号頁・発行日
vol.2021, no.16, pp.41-60, 2021-12-31 (Released:2022-08-30)

The purpose of this paper is to explore the applicability of management accounting in agriculture. First, I clarified the current state of agriculture in Japan. The characteristics, advantages、 and disadvantages of various types of agriculture are shown. After that, we reviewed the necessity of cost accounting in agricultural management and the application cases of environmental management accounting.
著者
関口 智
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.268-286, 2008 (Released:2022-07-15)
参考文献数
24

本稿では,アメリカ民間医療・年金保険制度に関連する1990年代以降の租税政策について,被用者(個人)の所得階層に着目して検討している。アメリカでは,伝統的に政府部門の社会保障債務(医療・年金保険等)の規模が小さいが,これは民間部門が医療・年金債務のシフトを受容してきたからでもある。近年,民間部門内部では従来の確定給付型に確定拠出型を加えた雇用主から,被用者・個人への医療・年金債務のシフトが起こっている。政府はこれら一連のシフトを租税政策により促進し,社会保障財政の逼迫を回避する方向性を追求してきた。しかし,近年の租税政策は主として高所得層の租税負担の相対的軽減につながり,低所得層にその便益が及びにくくなっている。そのため,低所得層に還付可能な税額控除を付与することで改革への社会的な支持の調達を模索しているが,執行上の問題や財源上の問題等も交錯し,混沌とした状況にある。