著者
市川 尚 宮澤 芳光 川村 和也 佐々木 研弥 福岡 寛之 大信田 康統 阿部 昭博
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.3, pp.1-6, 2009-09-07
参考文献数
7
被引用文献数
2

本稿では,筆者らが 2007 年度までに平泉町毛越寺をフィールドとして開発してきた Bluetooth 携帯電話による UD (ユニバーサルデザイン) 観光情報システムを,異なる観光地である歴史公園えさし藤原の郷に適用した結果について報告する.なお,UD 観光情報システムとは,UD に配慮し,ユーザ特性に応じて観光情報を提供するシステムである.適用に際し,システムに行った拡張は,ゾーンやエリアという概念の導入,ルート案内機能の追加,コンテンツ管理部の試作であった.社会実験の結果は概ね好評であったが,操作性を中心に課題も残った.This paper reported the result of applying the UD (Universal Design) tourist information system using a bluetooth mobile phone which we developed it at Hiraizumi Motsuji temple by 2007 to other different tourist site, Fujiwara Heritage Park. This system presents a tourist information corresponding to user's characteristic in the consideration of UD. The expansions of this system were the addition to the concept of zone and area, the route guidance function, the contents management part. Satisfactory results in the social experiment were obtained, but there still remains some problems about an operability.
著者
阿部 昭吉
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
日本化學雜誌 (ISSN:03695387)
巻号頁・発行日
vol.82, no.8, pp.1054-1057, 1961
被引用文献数
4

ミリアシンおよびミリアシンオキシドは,二酸化セレンによる酸化で mp253℃,[α]<SUB>D</SUB>-87.6℃ の化合物 C<SUB>31</SUB>H<SUB>46</SUB>O<SUB>3</SUB> となる。この化合物は, β-アミリンまたはソイヤサポゲノールDを二酸化セレンにより酸化して得られた物質の紫外線吸収スペクトルに似た吸収を示すことから,=の部分構造を有すると考えられる。またミリアシンを塩化水素で処理し, mp189℃[α]<SUB>D</SUB>+41.2°の化合物 C<SUB>31</SUB>H<SUB>52</SUB>O を得た。さらにミリアシンは,ρ-トルエンスルホン酸または三フッ化ホウ素により, mp125℃[α]D+41.2°の化合物C<SUB>30</SUB>H<SUB>48</SUB> となった。この化合物は過安息香酸により mp203℃,[α]<SUB>D</SUB>+73.5°の化合物C<SUB>30</SUB>H<SUB>48</SUB>O<SUB>2</SUB> となり,酸化白金を触媒として水素添加すれば, mp96°~97℃ の化合物 C<SUB>30</SUB>H<SUB>50</SUB> となった。またミリアシンオキシドは,塩化水素により mp210°~211℃,[α]<SUB>D</SUB>-63.0°の化合物 C<SUB>31</SUB>H<SUB>50</SUB>O となった。<BR>以上の反応およびその反応による旋光度の変化を考察すると,ミリアシンはβ-アミリン-オレアナン系またはソイヤサポゲノールDのような構造を有し,その二重結合は Δ<SUP>18:19</SUP> と推定された。
著者
福田照紀 阿部昭博 市川尚
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.527-529, 2014-03-11

全国の地方自治体では、観光客の周遊を促進するため、観光ポータルサイト上でモデルプランの提供や観光客による観光プランの立案を実施しているが、あまり効果を得られていない。 一方で、スマートフォンやタブレット端末の普及にともない、観光前にポータルサイト上でプランを立案するだけでなく、目的地への移動中や現地においてもプランの立案や見直し、修正を可能にする必要性があるものの、現行のシステムではそれらを十分考慮できていない。 そこで本研究では、岩手県平泉町をフィールドに、モバイル端末での利用を考慮し、一連の観光行動の中でシームレスに利用可能かつ、煩雑なプラン立案上の条件設定等をできるだけ簡略化して、容易にプランの立案を可能とする観光プラン立案支援システムを開発した。
著者
米田 信之 阿部 昭博 狩野 徹 加藤 誠 大信田康統
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.45-57, 2008-01-15
参考文献数
22
被引用文献数
10

近年,観光地では高齢者,障害者,外国人を含む,様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある.しかしながら,案内版設置,ガイドスタッフ,施設改修では限界があり,携帯端末を利用した情報提供面での支援に期待が寄せられている.我々は,2008 年世界遺産登録を目指す平泉地域を研究対象として,携帯電話とアクティブRFID を用いて多様な観光客に配慮したプッシュ型情報提供を可能とするUD 観光情報システムの開発を行った.本論文では,まずUDの観点から観光客の情報ニーズについて分析する.そして,その分析結果に基づいた情報システム設計と開発について述べる.開発したシステムの評価を目的に平泉町中尊寺で実施した社会実験を通して,我々の設計アプローチの有効性について,おおむね良好な結果を得ることができた.In recent years, tourist regions have placed greater stress on the concept of Universal Design (UD), which takes into account the needs of a more diverse range of people, includingb senior citizens, the disabled, and foreign visitors. We have been conducting research and development on a system, based on the UD concept, for providing tourist information suited to various user characteristics, by Mobile Phone and Active RFID. The system is designed for Hiraizumi, a tourist area which is aiming to register its historical cultural assets on the World Heritage List in 2008. This paper analyzes needs relating to UD of tourist information, and describes system design and development efforts based on that analysis. Through a social experiment at Chusonji Temple, satisfactory results were obtained regarding the effectiveness of our approach.
著者
米田 信之 阿部 昭博 大信田 康統 狩野 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.27, pp.93-100, 2006-03-17
参考文献数
10
被引用文献数
5

近年 観光地では高齢者 障害者,外国人を含む様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある. 我々は 歴史文化財の2008年度世界文化遺産登録を目指しているが古都平泉において UD概念による観光情報システムの研究開発を行っている. 本稿では まず研究基盤として試作したRFID/GIS連携サーバについて述べる. 次にRFID携帯電話とITAGサーバを使った観光情報UD化のための基礎的な実験で得られた知見について報告する.In recent years, in tourist sites, the notion of universal design, which gives special consideration to various types of tourists including elderly, disabled and foreign people, is becoming increasingly important. In Hiraizumi areas that are expected to be registered on the World Heritage List in 2008, we are currently conducting experimental field tests for the universally designed tourist information system. This paper first describes the prototyping of the ITAG server to connect RFID and GIS and then examines some important points obtained through the basic testing using ITAG server and mobile phones with RFID readers.
著者
工藤 彰 窪田 諭 市川 尚 阿部 昭博
出版者
一般社団法人 地理情報システム学会
雑誌
GIS-理論と応用 (ISSN:13405381)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.19-27, 2013-06-30 (Released:2019-02-28)
参考文献数
16

In recent years, there has been a growing interest in field museums, which has led to local communities rediscovering their cultural identity, history, and ecology. However, a field museum guide system has not been researched extensively. The purpose of this study is to develop a field museum guide system by smartphone using digitalized old maps and old photographs. An evaluation of the prototype by users yielded roughly satisfactory results. As a result, we clarified the following design features of the guide system. Based on the following designs, we have developed a guide system in Field Museum of Morioka. The guide system has four functions: push-type information providing using GPS, use of old map/photograph, story-based navigation and cooperation among on-site mobile applications and Websites to visitors before/after the visit. And, the system was evaluated by viewpoint of the visitor and operator groups of the field museum. As a result, it was evaluated that the system is useful for town walking.
著者
阿部昭編
出版者
吉川弘文館
巻号頁・発行日
2002
著者
葛西 和真 阿部 昭博 市川 尚 富澤 浩樹
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:21888698)
巻号頁・発行日
vol.2022-UBI-75, no.14, pp.1-7, 2022-08-29

高齢者の健康維持のためには日常的に身体活動を行うことが効果的とされているが,現状においては高齢者のおよそ半数は厚生労働省の身体活動量基準を達成できていないとの指摘もある.また,高齢者に焦点を当てて身体活動促進の介入を行う研究は様々あるが,デジタル技術の介入を伴う研究はこれまであまり議論が進んでいなかった.本研究では,高齢者に対する意向調査を踏まえ,ウェアラブルデバイス及びモバイル端末を活用し,デジタル技術の介入を伴う高齢者身体活動支援システムの提案を行う.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博 高木 正則
雑誌
第82回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, no.1, pp.763-764, 2020-02-20

本学部ではeラーニングによる入学前教育を実施しており,課題にはプログラミングに関する内容も含まれている.しかし,受講対象者である高校生のプログラミング能力にはばらつきが見られることが分かっている.そこで,本研究では高校生をチューターと学習者に分け,チューターに学習者の課題に対してフィードバックを行ってもらうことにした.その際,学習者が課題を提出するまでの作業を記録してチューターに提示するシステムを開発し,適切な指導が行えるように支援した.本稿ではシステムの試行結果とチューターに行ったアンケート結果について述べる.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
第79回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, no.1, pp.647-648, 2017-03-16

本学部は,専門教育として1年次からプログラミングの学習を行っているが,その受講に際して,入学前から不安を抱えている学生が存在する.また,早期合格者に対して,eラーニングによる入学前教育が実施されているが,情報の課題を提示しながらも,そこにプログラミングの内容を含めておらず,高校から大学への円滑な入学のための橋渡しとして十分に機能しているとは言い難い状況であった.そこで本研究では,入学前教育にプログラミングを導入することを検討するための予備的な調査として,入学前教育において対象者に行ったアンケートや,Scratchなどを利用したプログラミング学習の試行の内容について述べる.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.545-546, 2019-02-28

本学部では早期合格者に対してeラーニングによる入学前教育を実施しており,プログラミングの課題も含まれている.筆者らは,オンライン上で相互チェックを行わせるプログラミング学習環境を開発し,学習者の支援を行った.従来のシステムは,学習者が提出した課題の質向上にある程度寄与していたが,学習者同士ではチェック漏れが見られ,チューターのチェックも機能していなかった.そこで,本研究ではチューターが学習者に効果的なチュータリングを行う支援をするための予備的な調査として,学習者のプログラミングのプロセスを記録し,それをチューターに提示しながらチェックしてもらった.その結果を述べる.
著者
小山田 圭吾 市川 尚 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
第80回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, no.1, pp.617-618, 2018-03-13

本学部は,専門教育として1年次からプログラミングの学習を行っているが,その受講に際して,入学前から不安を抱えている学生が存在する.また,早期合格者に対して,eラーニングによる入学前教育が実施されているが,情報の課題を提示しながらも,そこにプログラミングの内容を含めておらず,高校から大学への円滑な入学のための橋渡しとして十分に機能しているとは言い難い状況であった.そこで,本研究では入学前教育でグループ学習を実施していることを活用し,プログラミング経験者と初学者同士のグループレビューを取り入れたプログラミング学習環境を構築した.その試行結果と入学前教育対象者に行ったアンケート結果について述べる.
著者
土屋 祐子 渡邊 慶和 阿部 昭博 南野 謙一
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.80, 2005

本研究では、組織に情報システムを導入するにあたり、様々なステークホルダーの要求を取り入れる方法論を提案し、情報システムの開発に必要な組織的要件を検討することを目的とする。各々の立場により生じる要求の違いを定性的に分析していくことで、定量的分析ではとらえきれなかたステークホルダーの存在を明らかにする。その事例として、ある岩手の学習塾に導入された情報システムを取り上げ、異なる立場のステークホルダーからの定性的なデータの収集を通じて、IS導入におけるガイドラインを提案する。
著者
小山田 圭吾 市川 尚 高木 正則 富澤 浩樹 阿部 昭博
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2019-CE-151, no.5, pp.1-8, 2019-09-28

本学部では e ラーニングによる入学前教育を実施しており,プログラミングの課題も含まれている.本研究では,受講対象者である高校生をチューターと学習者に分け,学習者が作成したプログラムに対して,チューターが確認を行うためのオンライン上の学習環境を構築した.そのシステムは,学習者がビジュアル型言語でプログラムを作成して提出するまでの履歴を記録し,チューターがプログラムや履歴を確認して学習者にフィードバックを行うことを支援する.構築した学習環境を用いて入学前教育で試行した結果,チューターの確認とフィードバックにより,学習者のプログラムの改善が見られた.一方で,履歴を提示することはチューターの役に立っていたが,プログラムの確認やフィードバックには不十分な点が見られるなどの課題が残った.その課題を踏まえ,システムの改善について検討した.
著者
高橋 暁子 市川 尚 阿部 昭博 鈴木 克明
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Suppl., pp.25-28, 2008-02-10 (Released:2016-08-04)
参考文献数
6
被引用文献数
1

本研究では,自己管理学習スキルのうち,とくに学習内容の選択の支援を目的に,課題分析図を見ながら学習項目の選択ができるeラーニングシステムを開発した.学習項目を選択するインタフェースとして課題分析図を用いることで,学習者が習得状況を直感的に把握し,構造の上下関係に基づいて学習項目の選択を行うことを目指した.事前テストと事後テスト機能においては,課題分析図の構造による出題制御を行った.形成的評価の結果,習得状況を直感的に把握することに関して有用性が示唆されたものの,実際に構造の上下関係に基づいて学習項目を選択するかは学習者によって異なることがわかった.
著者
阿部 昭 笠谷 和比古 浅井 潤子 大藤 修 森 安彦 廣瀬 睦
出版者
国文学研究資料館史料館
雑誌
史料館報 (ISSN:03859517)
巻号頁・発行日
no.46, pp.1-16, 1987-03-31

県史編さんと県立文書館農民史料の名称付与について史料所在調査報告『大塩平八郎一件書留』の刊行昭和六一年度新収史料紹介全史料協第一二回大会参加記受贈図書彙報
著者
照井 実咲 富澤 浩樹 市川 尚 阿部 昭博
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.749-750, 2016-03-10

東日本大震災から4年が経過した現在、震災の記憶の風化が懸念され始めている。被災した県の図書館では資料収集などの取り組みが行われており、資料の継続的な利用と持続可能な資料の収集を促すための取り組みが求められている。岩手県立図書館では、2011年より「震災関連資料コーナー」を公開しているが、利用者からは、資料を検索するキーワードが思いつかないという声が多数あがっている。そこで、本研究では、震災資料のスムーズな検索が可能となるよう検索支援機能の開発を行った。
著者
富澤 浩樹 阿部 昭博
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究では,OPACで管理された震災関連資料(以下,資料)の利用活性を目的としている.具体的には,資料の収集・保存・公開活動とその利活用を一体的に捉えたシステムデザインに基づいて試作システムを研究開発するとともに持続可能なシステムの在り方について検討し,その運用モデルを構築していく.昨年度は,震災学習・スタディツアーの知見整理と現地調査を行った.そして,それらを踏まえて試作システムの機能改善を行い,新たな課題を抽出した.今年度は,これまでの成果を総合的に検討した上で,主に以下の2点を進捗させた.1.試作システムの改善と新資料作成WSの詳細設計昨年度新たに見出された試作システムの主な課題として,(1)現地調査時に撮影された複数画像データのアーカイビング,(2)資料へのタグ付けの効率化,がある.(1)については複数画像をスポット毎にアーカイブ可能とする改善を施し,(2)については行政資料の多くがPDF形式で公開されていることに着目し,PDFを対象としたメタデータの半自動付与機能を研究開発した.そして,新資料作成WSの詳細設計を行った.2.新資料作成WSの試行と評価及び課題抽出関係者及び対象層へのヒアリングを踏まえ,「震災を通して学ぼう!テーマ発掘プロジェクト」と題して市民及び学生参加者を募り,新資料作成WSを実施した.その結果,参加者の調べ学習の成果の他,岩手県山田町と陸前高田市を対象としたスタディツアーのレポート(行程,参加者の意見・感想,画像データ)が試作システムにアーカイブされ,同WSの最終回(振り返り)で用いられた.本試行について,参加者及び関係者からは概ね肯定的な評価を受けたが,システムを効果的に用いるためにより多くの参加者を巻き込む必要があることが明らかとなった.