著者
高橋 和久 大鳥 精司 高相 晶士
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

椎間板性腰痛の基礎研究は1970年に教室の篠原がヒト変性椎間板内へのdeep nerve ingrowth を報告して以来、椎間板内の炎症性サイトカインの上昇や、後根神経節(DRG)における炎症性疼痛ペプチドの増加が報告された。しかし、神経栄養因子であるbrain-derived neurotrophic factor (BDNF)と椎間板性腰痛に関連に関しての報告は無い.本研究の目的はラット腰椎椎間板傷害モデルにおける痛みに対し,抗BDNF抗体を投与することにより,その疼痛マーカーは抑制が可能であった.
著者
生田 和良 作道 章一 中屋 隆明 高橋 和郎 纐纈 律子 奥野 良信 纐纈 律子 渡邉 洋平 佐々木 正大
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

H5N1亜型高病原性トリインフルエンザウイルス(HPAIV H5N1)は、一部の地域において致死率の高いヒト感染例が散発的に確認され、ヒトに対してパンデミックとなる懸念が指摘されている。エジプトは現在、世界的にも多くのHPAIV感染者を出している流行国の1つである。本研究においては、エジプトで飼育されている家禽からHPAIV分離を試み、得られた遺伝子配列から分子疫学調査を実施した。その結果、エジプトにHPAIVが初めて導入された2006年に比べて、2008-09年のウイルスはヒトに感染しやすいと考えられるα2,6 SA糖鎖親和性を獲得していた。
著者
高橋 和志
出版者
日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本研究では、インドネシアで収集したデータを用い、近年、世界各地で広まりつつあるSystem of Rice Intensification(SRI)と呼ばれる新しい稲作技術の採用規定要因と家計へのインパクトを実証的に分析した。その結果、SRIは圃場単位辺りの稲収量を有意に増やすが、家計所得そのものへの貢献はほとんどないこと、また、SRIは家族労働力が少ない場合や、リスク回避的・不確実性回避的である家計の間で採用されにくいことが明らかになった。
著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
白井 裕泰 小野 泰 林 英昭 藤田 香織 栗子 岳大 奥山 智也 大西 裕也 大関 貴史 榎本 将紀 佐々木 雄也 菊池 智也 清水 元紀 山田 悠人 谷川 弘子 齋藤 嘉一 朝光 拓也 高橋 定信 高橋 和弘 高橋 直弘 千葉 恒介
出版者
ものつくり大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

阮朝フエ王宮における昭敬殿の上部構造を以下の方法によって復原した。①昭敬殿と隆徳殿の柱間寸法の比較および基壇構造の比較によって昭敬殿が隆徳殿と同一規模、同一形式であることを明らかにした。②昭敬殿の復原は、隆徳殿の寸法計画、建築技法、細部意匠を踏襲することによって実施した。③隆徳殿と同様に復原設計に倣って原寸図を作成し、その寸法を基準に施工した。④昭敬殿の基壇は、地盤の地耐力を考慮して、隆徳殿基壇修理と同様に、各柱礎石下にレンガ積独立基礎を新設した。⑤昭敬殿の軸部および屋根の組立は、隆徳殿の施工に倣って行われた。⑥昭敬殿復原の参考資料として、復原図、基壇詳細図、原寸図、竣工写真などをまとめた。
著者
竹田 晃人 小渕 智之 高橋 和孝
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IBISML, 情報論的学習理論と機械学習 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.265, pp.231-238, 2010-10-28

情報理論と物理学における統計力学の関係はこれまでに数多く指摘されているが,本稿では近年Merhavにより調べられた階層構造を持つランダム符号に関する統計力学的性能解析法について議論する.統計力学的見地ではランダム符号はランダムエネルギー模型と呼ばれる可解なスピングラスの模型として捉えられることが知られている.それを踏まえ,本研究では前述の階層的ランダム符号が一般化離散ランダムエネルギー模型という可解なスピングラスの模型と完全に対応することを述べ,かつこの対応関係を利用することでデータ圧縮(情報源符号化)・通信路符号化における階層的ランダム符号の性能を直接かつ系統的に調べることが可能であることを示す.
著者
田中 昌一郎 粟田 卓也 島田 朗 村尾 敏 丸山 太郎 鴨井 久司 川崎 英二 中西 幸二 永田 正男 藤井 寿美枝 池上 博司 今川 彰久 内潟 安子 大久保 実 大澤 春彦 梶尾 裕 川口 章夫 川畑 由美子 佐藤 譲 清水 一紀 高橋 和眞 牧野 英一 三浦 順之助 花房 俊昭 小林 哲郎 日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会
出版者
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.1, pp.65-75, 2011-01-30
参考文献数
19
被引用文献数
2

日本糖尿病学会1型糖尿病調査研究委員会の緩徐進行1型糖尿病分科会(旧日本糖尿病学会緩徐進行1型糖尿病調査委員会)では委員会委員の所属する施設において発症から5年以内の新規受診糖尿病687例を前向き(2004年4月~2009年12月)に登録し膵島関連自己抗体(glutamic acid decarboxylase[GAD]抗体,insulinoma-associated protein 2[IA-2]抗体およびinsulin autoantibodies[IAA])の測定を行った.2型糖尿病と思われる症例で膵島関連自己抗体が一種でも陽性の場合には緩徐進行1型糖尿病:slowly progressive IDDM(以下SPIDDM)と病型区分した.その結果,1)2型糖尿病と思われる症例の10%(49/474, 95%信頼区間:8-13%)にSPIDDMが認められた.2)膵島関連自己抗体陰性の2型糖尿病に比しSPIDDM例の自己免疫性甲状腺疾患の合併頻度,HbA1c値,初診時のインスリン治療の頻度は有意に高く,BMIは有意に低かった.3)SPIDDMではGAD抗体の頻度(69%,34/49)はIA-2抗体の頻度(39%,19/49)やIAA(29%,14/44)の頻度に比し有意に高かった.4)SPIDDMでは急性発症1型糖尿病に比し膵島関連自己抗体の単独陽性例が高頻度だった.以上の結果から2型糖尿病と思われる症例に高頻度にSPIDDM症例が含まれる可能性があること,SPIDDMは2型糖尿病や急性発症1型糖尿病と異なる臨床的特徴を呈することが全国規模調査で明らかとなった.<br>
著者
奥野 健一 高橋 和子
出版者
関西学院大学
雑誌
情報科学研究 (ISSN:09120939)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.3-22, 2008-03

This paper discusses the perfect lie, a lie that is not revealed to be false logically to a specific person at the present instant. First, we construct a belief system that models human reasoning, and consider the perfect lie on it. We define a human's memory as a belief world using a set of logical formulas, the operations of addition/deletion of formulas to/from the belief world and the condition for the perfect lie based on these definitions. Then, we propose an algorithm which derives the sequence of operations that makes an addition of a formula to succeed as the perfect lie to the belief world of the person to be deceived. The algorithm uses the framework of planning. Moreover, we show the conditions for belief alteration that judge whether a lie can be added as the perfect one, and prove the correctness of the conditions.
著者
秋山 一宜 藤井 邦浩 金内 正臣 渡辺 稔也 高橋 和秀 谷川 延広
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.706, pp.1-6, 2003-03-07
被引用文献数
13

IPサービスの提供においては、ユーザ嗜好に合わせたサービス仕様の提供、ユーザによる柔軟なサービス仕様の変更、サービス要求頻度増加等に伴うハードウェア投資コストの抑制が求められる。本稿では、IPサービスを実現するためのフ゜ラットフォームとして、サービス仕様をパーソナライズ化し、容易に拡張することを可能とした分散データ駆動型アーキテクチャについて提案し、本アーキテクチャの内部処理方式を検討した結果を示す。また、本アーキテクチャに基づいたサービス例として、広告配信サービスを示す。
著者
中原 明仁 茂木 尚 高橋 和彦 井出 一正 金田 潤也 服部 憲一 渡辺 孝 開道 力 峰松 英資 半澤 和文
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. D, 産業応用部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. D, A publication of Industry Applications Society (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.124, no.8, pp.830-836, 2004-08-01
参考文献数
14
被引用文献数
11 6

This paper focuses on no-load iron losses of turbine generators. To calculate iron losses of turbine generators a program was developed. In the program, core loss curves of materials used for stator core were reproduced precisely by using tables of loss coefficients. Accuracy of calculation by this method was confirmed by comparing calculated values with measured in a model stator core. The iron loss of a turbine generator estimated with considering three-dimensional distribution of magnetic fluxes. And additional losses included in measured iron loss was evaluated with three-dimensional magnetic field analysis.
著者
岩室 雅也 川口 光彦 寺田 亮 大澤 俊哉 山本 和秀 糸島 達也 高橋 和明
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.512-515, 2005
被引用文献数
6 7

症例は71歳, 女性. 2004年12月21日に近医で行った血液検査でAST 593 IU/<i>l</i>, ALT 661 IU/<i>l</i> と肝機能障害を認め, 12月22日に当院紹介となった. 発症の約4週間前に漢方薬の内服を開始しており, またリンパ球幼弱化試験 (lymphocyte stimulation test : LST) が陽性を示したことから, 当初は漢方薬による薬物性肝障害が疑われた. しかし血中E型肝炎ウイルス (hepatitis E virus : HEV) RNAが陽性で, HEV IgM抗体価が有意に上昇していることが明らかとなり, 最終的にE型急性肝炎と診断した. 問診により10月頃に市販のブタ肝臓を摂食していたことが判明し, 感染源として疑われた. 海外渡航歴, 野生の蓄肉の摂食歴はなかった. 本例はE型急性肝炎の症例であるが, 薬物性肝障害の診断基準を満たしたため, その鑑別が問題となった. 漢方薬はLSTで偽陽性を示すことが多く, LSTの結果を以て漢方薬を肝障害の原因薬物と断定することはできない. またE型急性肝炎の診断においては, 海外渡航歴, 野生の蓄肉の摂食歴とともに, 市販のブタ肝臓の摂食歴を聴取することが重要である.
著者
田村 宏直 秋山 一宜 高橋 和秀 神宮司 誠
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.327, pp.7-12, 2004-09-24
参考文献数
5
被引用文献数
12

地理的に分散配置された多種多様で非常に多くのネットワークエレメント(NE:Network Element)により、移動体通信ネットワークは構成されている。ネットワークにおいて発生する故障を検出するために、NEからのメッセージ(警報を含む)を監視し、コマンドによりNEを制御するシステムをEMS(NE Management System)と呼んでいる。我々は、EMSのTCO(TCO: Total Costs of ownership)を大幅に削減し、外部仕様変更に柔軟且つ迅速に対応することが可能な分散データ駆動型アーキテクチャ(D3A: Distributed Data Driven Architecture)[5]に基づいて、これを実用化した。しかし、本アーキテクチャに基づいて、プラグイン業務等のネットワーク管理業務を自動化するWMS(Work Management System)を実現する場合、その業務実行時間の増大が懸念される。本稿では、分散データ駆動型アーキテクチャに次元構造の概念を導入し、本アーキテクチャを拡恨する。拡張したアーキテクチャを2次元分散データ駆動型アーキテクチャ巾4A: 2-Dimendional Distributed Data Driven Architecture)と呼ぶことにする。また、拡張したアーキテクチャに基づいて実用化したWMSの実装構造について説明し、その性能評価結果を示す。
著者
高橋 和文 黒川 隆志 磨井 祥夫
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
体育學研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.189-200, 2005-03-10

本研究では, 100m疾走中の速度変化を表す2つの指標を提案し, その有用性を明らかにすることを目的とした.1つの指標は, Furusawa et al.の理論式からの偏倚の程度を距離で示す累積速度偏差である.もう1つの指標である累積速度偏差率は, 最高速度発現後からゴールまでの速度低下の総量を同区間の理論値に対する割合として定義した.1)累積速度偏差の有用性を判断するために, 5m区間ごとの値を算出し, 速度変化の時系列に沿った分析を行った.その結果, スタートから5m地点までの累積速度偏差は, 反応時間を含めたスタート技術に関与すると考えられる高値を示した.次の5-10m区間では, 累積速度偏差は全区間中で最も低値を示し, 30m地点に至るまで増加傾向を示した.しかし, その後の30-35m区間では, 累積速度偏差は前区間と同値を示し, 次の35-40m区間では, 前区間より低値を示した.また, 最高速度発現後(40m以降)の累積速度偏差は, 80m地点に至るまでの上に凸な曲線的増加と80-100m区間の直線的増加を示した.これらのことから, 累積速度偏差は, 100m走中の速度変化の過程を客観的に区分することのできる指標であることが示された.2)累積速度偏差率の有用性を判断するために, 目的変数として100m走タイム, 説明変数として最高速度, 最高速度の到達時間, 速度逓減率, 累積速度偏差率を用いた重回帰分析を行った.その結果, 多重共線性が無く, 有意な予測値を示した説明変数は, 「最高速度と累積速度偏差率」の組み合わせだけであった.この結果から, 累積速度偏差率は速度逓減率に比べて, 速度低下を説明できるより有効な指標であることが示唆された.
著者
高橋 和之
出版者
日本評論社
雑誌
法律時報 (ISSN:03873420)
巻号頁・発行日
vol.84, no.5, pp.86-98, 2012-05