著者
高橋 和雄 藤井 真
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.567, pp.33-52, 1997-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14

雲仙普賢岳の火山災害では, 当初198年前の寛政の噴火当時に生じた眉山の崩壊を警戒した避難計画が策定された. 今回の災害では土石流および火砕流が頻発したため, これらの発生に備えた避難対策や博報伝達体制が導入された. しかし, 火山噴火災害の事例が少ないこともあって, 避難対策および博報伝達体制に数多くの課題が生じた. 本報告では, 雲仙普賢岳の火山災害における情報伝達体制および住民の避難対策を詳細に調査した結果をまとめる.
著者
高橋 和宏
出版者
一般財団法人 日本国際政治学会
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.170, pp.170_46-170_60, 2012-10-25 (Released:2014-10-26)
参考文献数
62

During the Ikeda administration (1960–1964), Japan’s index of import liberalization accelerated from 40% in 1960 to 93% in 1964, approximately same as in the European Economic Community countries. Such rapid liberalization, however, prompted severe anxiety among the Japanese, who feared their economy might be swallowed up by “black ships.” Focusing on actions of the Economic Affairs Bureau (EAB) in the Ministry of Foreign Affairs and the leadership of Prime Minister Ikeda Hayato, this article explores the rising of Japan’s economic nationalism, its underlying logic, and how Japan government restrained it. Under insistence from the U.S. government, Japan decided to liberalize its trade restrictions in 1960. Such overt foreign pressure, however, fueled economic nationalism among Japan’s governmental agencies. Believing trade liberalization was needed to not only meet U.S. demands to expand free trade and defend the dollar but also strengthen Japan’s economy, EAB urged Ikeda to take assertive action. Consequently, Ikeda expressed his determination to hasten the removal of trade restrictions when he visited the U.S. in 1961. Nonetheless, intense nationalism was inherent in the Japanese government, especially among its economic agencies. Although they considered trade liberalization necessary, they rejected its basic theory—the principle of comparative advantage—fearing that Japan’s infant heavy industries might be forced out, obliging Japan to specialize only in light industries. Hoping to avoid that outcome, the Ministry of International Trade and Industry (MITI) introduced legislation titled “Temporary Measures for Promotion of Specific Industries” intended to create a new industrial structure and strengthen competitiveness of the Japanese heavy industry through public-private cooperation. However, this bill could not muster enough support for enactment because it emphasized regulation rather than free trade. Instead of trade regulations, Japan’s economic agencies regarded higher tariffs as the means to prevent acceleration of imports. In opposition, the U.S. and the General Agreement on Tariffs and Trade (GATT) called for linear tariff cuts at the start of the Kennedy Round negotiations. MITI and the Ministry of Agriculture resisted drastic tariff cuts, but their insistence on protecting domestic industries was so self-serving that Japan was reproached during the GATT negotiations. It was Ikeda’s initiative that persuaded the intractable economic agencies and enabled Japan to participate affirmatively in the Kennedy Round negotiations. This article concludes that Ikeda’s leadership was essential to Japan’s overcoming of the forces of economic nationalism and liberalizing its trade policies. Ikeda believed that the Japanese economy would become more vigorous and competitive through trade liberalization.
著者
犬飼 岳史 合井 久美子 根本 篤 高橋 和也 赤羽 弘資 廣瀬 衣子 杉田 完爾 中澤 眞平
出版者
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液学会雑誌 (ISSN:09138706)
巻号頁・発行日
vol.18, no.5, pp.548-553, 2004-10-31 (Released:2011-03-09)
参考文献数
16

帯状疱疹から無菌性髄膜炎に進展した同種骨髄移植後の骨髄異形成症候群児と, 帯状疱疹の発症から隔離までに3日間を要した化学療法中のWilms腫瘍児から, 既感染やワクチン接種例2名を含む免疫抑制状態にある4名に水痘の院内感染を経験した.院内感染予防として40mg/kg/dayのアシクロビル (ACV) 予防内服を, 免疫抑制状態にない未罹患の6名に接触7日目から7日間行ったが, 1名が水痘を発症した.一方, 免疫抑制状態にある21名 (うち未罹患7名) と免疫抑制状態にない未罹患9名ののべ30名に接触直後から21日間のACV予防内服を行ったところ, 水痘の発症は認められず, ACVによる副作用も認められなかったことから, ACV長期投与は安全で有効な院内感染予防法であることが示唆される.帯状疱疹に対する曝露では, 患者隔離のみならず, 免疫抑制状態にあるワクチン接種・既感染症例に対してもACV内服による積極的な予防対策を行う必要がある.
著者
山中 伸弥 青井 貴之 中川 誠人 高橋 和利 沖田 圭介 吉田 善紀 渡辺 亮 山本 拓也 KNUT Woltjen 小柳 三千代
出版者
京都大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2007

4つの転写因子を体細胞に導入することで多分化能を持ったiPS細胞が樹立できる。c-Mycを含めた4因子を用いた場合にキメラマウスで腫瘍化が高頻度で認められ、レトロウイルス由来のc-Mycが原因の一つであることが分かった。樹立条件などを検討しMycを用いずにiPS細胞を作ることに成功したが、性質の点で不十分であった。c-Mycの代替因子の探索を行いL-Mycを同定した。L-Myc iPS細胞は腫瘍化リスクもほとんど認められず、性質の点でも十分であった。レトロウイルスを用いずにプラスミドを用いることでもiPS細胞の樹立に成功した。このことにより体細胞への初期化因子の挿入が起こらずより安全な作製方法の確立に成功した。神経細胞への分化誘導とそれらの移植実験により安全性を検討する方法の確立も行った。また、肝細胞、血液細胞、心筋細胞への分化誘導系も確立した。iPS細胞の性状解析をディープシークエンサーなどを用いて詳細に解析する技術の導入も完了し、網羅的な遺伝子発現、メチル化解析、スプライシング解析なども行った。
著者
高橋 和則
出版者
中央大学
巻号頁・発行日
2017

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7 0 0 0 OA 4.E型肝炎

著者
加藤 孝宣 高橋 和明
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.96, no.11, pp.2418-2422, 2007 (Released:2012-08-02)
参考文献数
4
被引用文献数
1

この数年間でE型肝炎に関する常識は大きく変化した.かつては輸入感染症であったはずのE型肝炎は,今や国内感染の頻度が輸入感染を遥かに上回っている.そして国内感染の主な感染経路が動物由来であることが明らかとなってきた.鹿・猪・豚の肉や内臓を非加熱,あるいは不充分加熱状態で食することによりE型肝炎が起こり得る.原因不明の急性肝炎症例ではE型肝炎も選択肢の一つとして認識すべきである.
著者
高橋 和哉 中村 勝一 山崎 克之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.351, pp.45-50, 2009-12-11
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究で対象とする人群観測ネットワークは,お祭り会場などで発生する人込みや商店街などでの人の流れをセンサーネットワークによりリアルタイムに把握することを目的とする.リアルタイムの人群のデータは, 人の誘導やデジタルサイネージの効率的な設置などに生かすことが期待される.本研究では,人群の検出には超音波測距センサー,ネットワークの構築にはアプリケーション開発を重視したAtlasというセンサーノードプラットホームを用いる.人群のデータは,Ajaxを活用したWebアプリケーションによって提供する.本稿では,人群観測ネットワークの設計・実装についてまとめ,超音波測距センサーによる人群検出の実験結果と評価について報告する.
著者
諏訪 信行 久保田 春美 高橋 和子 町田 肇
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.44-51, 1986-01-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
17
被引用文献数
12 20

耐熱性の高い高温性有芽胞細菌Cl, thermoaceticum, B. stearothermophilus, Cl. thermosaccharolyticumの芽胞を接種した代表的なレトルト殺菌タンパク飲料であるミルクコーヒーの変敗に対する食品乳化剤の添加効果を検討した.(1) F0 20~30という通常のミルクコーヒー缶詰の殺菌条件では,ショ糖脂肪酸エステルP-1670, S-1670を500ppm添加することによりミルクコーヒーの変敗を防止できることが判明した.また,500ppm以上添加することにより,加熱殺菌条件を緩和できることが示された.(2) ショ糖脂肪酸エステルの中では,ステアリン酸モノエステルS-1670よりもパルミチン酸モノエステルP-1670は約2倍の変敗防止効果を有することが認められた.(3) ポリナキシエチレンソルビタンモノパルミテート,ポリグリセリンモノパルミテート,グリセリンモノパルミテートのミルクコーヒー変敗防止効果は殆ど認められなかった.
著者
末森 明夫 高橋 和夫
出版者
学習院大学人文科学研究所
雑誌
人文 (ISSN:18817920)
巻号頁・発行日
no.14, pp.137-148, 2015

「高宗諒陰三年不言」論争は服喪説と非服喪説が主流を占めてきたものの、非服喪説においても疾病説は等閑に付されてきた。本稿では障害学的視座に立脚し、疾病説(言語障害・聴覚障害)の再検証をおこなうと共に、文献に見られる「作書」という文脈に意志疎通手段における障害学的見解を照射し、「三年不言」という文脈の解釈における外延を図った。本稿の眼目は疾病説の妥当性の主張にはなく、疾病説が論争の傍流に甘んじてきた背景を障害学的視座に立脚して再検証し、論争の主流を占めてきた訓詁学と疾病説の派生的連続性を前景化し、古代中国文献学や古代中国福祉体系の探求に資することにある。 There has been controversy about the word "ryôin (諒陰)" and the sentence "Kôsô did not speak for three years( 高宗三年不言)" in a Chinese historical passage, as many hold the opinion that Kôsô had been mourning or deliberating apolitically; however, another opinion has been neglected, namely, that Kôsô was only temporarily mute. We therefore re-examined thise controversial issue from the viewpoints of speech impairment and/or hearing impairment based on disability studies, suggesting the derivative continuity between the opinions based on disability studies and exegetics of the passage, and contributing studies on welfare in ancient Chinese society.
著者
川村 欣也 小林 良正 高橋 和明 早田 謙一 住吉 信一 川田 一仁 高橋 百合美 牧野 さつき 則武 秀尚 中村 浩淑 安倍 夏生 新井 雅裕
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.418-424, 2010 (Released:2010-09-02)
参考文献数
15
被引用文献数
7 11

シカ及びイノシシの生食により感染したと思われるE型急性肝炎3例を経験したので報告する.症例1,2は71歳と48歳の男性で発症の約2カ月前に,偶然同一飲食店で別々にイノシシの肝を生食していた.症例3は69歳の男性で,発症の2カ月前から息子が狩猟で捕獲した複数頭のシカ生肉を頻回に自宅で調理し摂取していた.3症例とも入院時,肝逸脱酵素は著明に上昇していたが補液や安静で改善した.3症例の病初期血清におけるIgM-HEV抗体,IgG-HEV抗体,HEV-RNAが陽性でHEV genotypeは4型,塩基配列は相互に99.8%以上一致した.愛知県のヒト及びイノシシから分離されている「4型HEV愛知株」との間にも98.5%-99.8%の一致率を示し,北海道に蔓延するgenotype 4とは明らかに別系統であることが注目された.
著者
高橋 和雄 藤井 真
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.567, pp.1-17, 1997-06-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
11
被引用文献数
3

長期化・大規模化した雲仙普賢岳の火山災害における道路および鉄道の被害, 代替交通, 復旧対策および交通途絶の影響を明らかにした. 島原半島は地形的に道路が不足しており, 従来から大きな課題であったが, 災害時にその脆さのために孤立状態となり, 地域に大きなダメージを与えた. 本報告では, 道路・鉄道における応急・緊急対策, 恒久対策への取組みを詳しく報告する.
著者
高橋 和良
出版者
公益社団法人におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.100-107, 2014-03-25 (Released:2018-02-13)
参考文献数
12

香辛料は海の冒険者たちの夢を駆り立て,スパイス戦争を引き起こし,結果的には世界の歴史に大きな影響を及ぼしたのである.なぜ香辛料にはそのような影響力があったのかマズローの欲求段階説を用いて説明する.香辛料は薬や化粧品や食品として使用されたが,薬や化粧品に対する欲求は安全欲求と自我欲求である.これに対して,食べ物に対する欲求は生理的欲求である.この生理的欲求が世界の歴史に大きな影響を及ぼした原因であると考えられるのである.そこで,香辛料の歴史を使用方法の視点で見直すこととする.
著者
高橋 和郎 北川 達也
出版者
The Japanese Society of Internal Medicine
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.256-262, 1976
被引用文献数
1

最近多発した浮腫を伴う急性多発性神経炎25例につき,発生頻度ならびに成因について検討した.年次別にみると昭和48年以後年ごとに多発する傾向があり,春から初秋にかけて発症することが多く,とくに若年男性に多い.食事は全例白米食で,強化米はなく,インスタント食品の多食,高糖質,低VB<sub>1</sub>の清凉飲料水の多飲が目立つた.又発症時激しい運動をしているものが多かつた.詳細に検討した2症例において血中B<sub>1</sub>濃度はやや低値,乳酸,ピルビン酸濃度はやや高値,平日ならびにB<sub>1</sub>負荷時の尿中B<sub>1</sub>排泄量は明らかな低値を示した.さらにB<sub>1</sub>投与が特異的に症状改善をもたらす所などから,本症が脚気neuropathyであることを明らかにした.末梢神経は軸索変性を示し,とくに初期には特異な管状構造物が軸索内に多数出現した.有髄線維に比し,無髄線維の変化は軽度であつた.最近脚気が増加し始めたことは,本邦栄養食品に何らかの欠陥が生じ始めたことを示すものである.
著者
小林 哲郎 難波 光義 黒田 暁生 松久 宗英 山田 研太郎 今村 洋一 金重 勝博 浜口 朋也 川村 智行 佐藤 譲 高橋 和眞 丸山 太郎 西村 理明 勝野 朋幸 楠 宜樹 清水 一紀 柳澤 克之 粟田 卓也 雨宮 伸 日本先進糖尿病治療研究会
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.403-415, 2014-06-30 (Released:2014-07-02)
参考文献数
79
被引用文献数
1

最近,持続インスリン皮下注入療法(Continuous subcutaneous insulin infusion:以下CSII)と持続血糖モニタリング(Continuous glucose monitoring:以下CGM)が糖尿病の治療機器として普及しつつある.我々はCSIIおよびCGMに関する科学的根拠をもとに,これをコンセンサスステートメントとしてまとめた.CSIIでは適応,臨床効果,リスク管理など,さらに,運用法の実際的な要点,シックデイ,妊娠,食事・運動などに関する注意などについて述べた.CGMに関してもその適応と効果,糖尿病治療への活用法,注意点を述べた.CSIIおよびCGMは1型糖尿病,2型糖尿病の一部や妊娠中の糖尿病症例にも重要な臨床機器であり,このステートメントをもとに内科および小児科領域の患者教育に適応できる具体的なガイドラインの作成が望まれる.
著者
高橋 和子
出版者
公益社団法人 日本女子体育連盟
雑誌
日本女子体育連盟学術研究 (ISSN:18820980)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.1-20, 2011 (Released:2012-03-23)
参考文献数
47

本研究は,世界最高齢の舞踏家大野一雄が38年間勤務した捜真女学校における「ダンス授業」や「クリスマス行事での聖劇」に着目し,どのようなダンス教育をしたのかを舞踏活動との関連も含めて探ることを目的とする。研究方法として,文献,大野一雄アーカイブ資料,および女学校関係者への半構造化面接法などにより得られた資料を,(1)経歴(教育・舞踊関連年表)の作成,(2)体育教科におけるダンス指導とマスゲーム『美と力』振付の点検評価,(3)聖劇とサンタクロース扮装の点検評価,などの観点から分類整理し,考察を行った。その結果,大野は半世紀以上にわたり捜真女学校に関わり,ダンスや聖劇を通して「形を教え込む」のではなく,「真剣な言葉かけ」によって自己の内面に対峙させ,「自由な表現を引き出した」ことが明らかになった。教育者であり舞踊家であった大野は,謙虚さと奉仕と愛情に満ち溢れた信仰心で子どもや生徒に接し,一連の教育法は世界的に活躍する舞踏家となっても変わることなく,人間の可能性を引き出し生と死のテーマを表現してきたといえる。大野の生き方は創作ダンスや教育の原点にも通じ,ダンス指導法への示唆を得ることができた。
著者
奥山 睦 高橋 和勧 村瀬 博昭 前野 隆司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集 2017年春季全国研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.237-240, 2017 (Released:2017-05-31)

近年、映画による地域活性化が注目を浴びている。主たる議論としては、交流人口拡大のための観光領域、地域アイデンティティー形成のためのコミュニティ領域に集約されることが多い。 映画『未来シャッター』は、中小地域間連携による産官学金、市民の協力により、大田区を拠点とするNPO法人ワップフィルムが企画・製作した。本作は、従来型の地域映画と異なり、鑑賞後の対話を通して、鑑賞者、主催者、制作者、出演者等が各々の立場を越境し、新たなアクションへ繋げていっている。本研究は、本作の構造を明らかにし、協創力を創発して価値の再創造を行うためのファクターを洗い出し、複雑・大規模化する社会課題解決の新たな一方策を提示する。
著者
奥山 睦 高橋 和勧 村瀬 博昭 前野 隆司
出版者
一般社団法人 経営情報学会
雑誌
経営情報学会 全国研究発表大会要旨集
巻号頁・発行日
vol.2017, pp.237-240, 2017

近年、映画による地域活性化が注目を浴びている。主たる議論としては、交流人口拡大のための観光領域、地域アイデンティティー形成のためのコミュニティ領域に集約されることが多い。 <br> 映画『未来シャッター』は、中小地域間連携による産官学金、市民の協力により、大田区を拠点とするNPO法人ワップフィルムが企画・製作した。本作は、従来型の地域映画と異なり、鑑賞後の対話を通して、鑑賞者、主催者、制作者、出演者等が各々の立場を越境し、新たなアクションへ繋げていっている。本研究は、本作の構造を明らかにし、協創力を創発して価値の再創造を行うためのファクターを洗い出し、複雑・大規模化する社会課題解決の新たな一方策を提示する。