著者
高橋 正紘
出版者
一般社団法人 日本耳科学会
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.828-835, 2015 (Released:2019-02-13)
参考文献数
19

8年5ヶ月間のメニエール病1,008名の集計結果、罹病期間と聴力の関係、有酸素運動とストレス対策の治療成績を報告した。発症年齢は30〜50代が64.8%を占め、発症誘因上位は、男性は職場の多忙・ストレス、女性は家庭内不和・トラブル、多忙、職場ストレス、介護、子供(親)と同居、家族の病気・死であった。難聴は罹病期間の対数にほぼ正比例して進行し、罹病4〜8年で全音域障害が55.4%に達し、罹病>8年で両側障害が増加した。患側左が右の1.4倍と有意(p<0.005)に多かった。有酸素運動とストレス対策によりめまい発作は早期に消失した。初診時、低音障害は3ヶ月以上、高音・全音域障害は6ヶ月以上観察した319名(平均観察期間1年5ヶ月)で、治療後、罹病6ヶ月〜8年の集計と全集計で聴力正常の割合が有意(p<0.00001)に増加した。今回の結果から、メニエール病はストレスによる内耳恒常性の低下が原因であり、早期のストレス対策と有酸素運動で治癒可能な疾患と確認された。
著者
隅蔵 大幸 奥野 龍禎 高橋 正紀 荒木 克哉 北川 一夫 望月 秀樹
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.224-228, 2013-03-01 (Released:2013-03-23)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

症例は76歳男性である.71歳より耳の奥でカチカチ鳴る音を自覚した.75歳から進行性の歩行障害が出現した.睡眠時も持続する約2 Hzの律動的な口蓋振戦と体幹失調をみとめ,脳MRIでは下オリーブ核のT2異常高信号と肥大,軽度の小脳萎縮をみとめた.近年,孤発性の変性疾患としてprogressive ataxia and palatal tremor(PAPT)という症候群が報告されている.診断にあたっては,多系統萎縮症,脊髄小脳変性症,成人型アレキサンダー病などの鑑別を要するが,本例では否定的でありPAPTに該当すると考えられた.本例の口蓋振戦は症候性と考えられたが,耳クリック音で発症した点が特異であった.
著者
高橋 正 Tadashi Takahashi
出版者
創価大学英文学会
雑誌
英語英文学研究 (ISSN:03882519)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.35-75, 2008-09-30
著者
渡辺 伸也 高橋 清也 赤木 悟史 水町 功子 松田 秀雄 米内 美晴 片山 努 横山 紅子 高橋 正弘 上田 淳一 長谷川 清寿 志賀 一穂
出版者
日本繁殖生物学会
雑誌
日本繁殖生物学会 講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.99, pp.149, 2006

【目的】わが国では,多数の体細胞クローン牛が生産されており,これらの牛を対象とした一連の飼養・繁殖試験を通じ,雌雄のクローン牛の成長や繁殖に関する健全性のデータが収集されている。しかしながら,クローン牛由来乳のリスク評価に重要といわれる乳中アレルゲンに関するデータ収集は不十分である。本研究では体細胞クローン牛およびその後代牛が生産した乳中の&beta;-ラクトグロブリン(BLG)の遺伝的変異体(多型)のタイプ(ホルスタイン種では、通常、A型,B型およびAB型の3種類)を調査した。【方法】泌乳中の体細胞クローン牛:11頭(ホルスタイン種:9頭,黒毛和種:2頭),体細胞クローン後代牛:6頭(ホルスタイン種),5頭の体細胞クローン牛(ホルスタイン種)に共通のドナー牛:1頭および対照牛:17頭(ホルスタイン種:15頭、黒毛和種:2頭)より乳を採取し,その中に含まれるBLGのタイプをBLG特異的抗体(森永生化学研究所製)を用いたウエスタンブロット法で解析した。【結果と考察】調査したホルスタイン種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛で,A型:2頭,B型:1頭,AB型:6頭,後代牛で,A型:0頭,B型:2頭,AB型:4頭,また,対照牛で,A型:4頭,B型:4頭,AB型:7頭であった。ドナー牛とこの牛の体細胞より生産されたクローン牛(5頭)に由来する乳のBLGタイプは全て同一(AB型)であった。一方,調査した黒毛和種におけるBLGタイプは,体細胞クローン牛2頭 (同じ体細胞由来) で,ともにB型,対照牛で,A型:0頭,B型:1頭,AB型:1頭であった。以上の結果は,体細胞クローン操作が,生産されたクローン牛やその後代牛の乳中BLGにおける遺伝的変異体のタイプに影響を及ぼしていないことを示唆している。
著者
高橋 正人
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.66-74, 1994-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

I report a case of scalp hair loss and nail destruction as possible side effects of anabolic androgenic steroid (AAS) doping in a Japanese athlete. The patiet, a 27-year-old man, was an amateur bodybuilder who won the championship in a bodybuilding contest. However, he tested positive in a doping test for drostanolone and stanozolol, and was deprived of his championship.In Japan, positive results in doping tests are very rare. The patient suffered from loss of scalp hair and destruction of the nails before the contest. In addition, he presented with hoarseness and soft tumors of the lower extremities. Laboratory data showed hypotestos-onemia caused by AAS doping. However, a hCG test revealed that he still had positive of sex function capacity. Therefore the patients natural course was observed without medical treatment, and the symptoms were resolved within four months after the contest. This is considered to be the first case of nail destruction caused by AAS doping reported in the world.
著者
安井 真也 高橋 正樹 島田 純 味喜 大介 石原 和弘
出版者
特定非営利活動法人日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.59-76, 2013-03-29
被引用文献数
1

桜島火山の歴史時代の大規模噴火である安永噴火(1779-1782年)と大正噴火(1914-1915年)の噴出物の岩相や層序,地形,噴火当時の記録を比較した.両噴火では山頂をはさんだ両測山腹で割れ目火口列が活動した.割れ目の推定の長さは大正噴火で約2.3km,安永噴火では5kmに及ぶ.噴火開始後数10時間の大正噴火と安永噴火の噴火様式は共通しており,プリニー式噴煙柱から火口近傍への大量の火砕物降下により斜面上に火砕丘を形成しながら火砕成溶岩をもたらした.引き続く数週間には両噴火とも溶岩流出が繰返されて溶岩原が形成された.その後は,大正噴火が陸上での溶岩流出を主としたのに対し,安永噴火では北東沖で海底噴火が起きて安永諸島を形成した点で大きく異なる.両噴火とも噴火初期に割れ目火口近傍へ著しい火砕物降下があることが特徴的である.これは火山体形成の観点からは,両噴火では山頂部の地形変化はほどんどないが,山腹斜面が成長したことを意味する.また桜島の大規模噴火の減災という観点では,居住地域近くまで到達しうる割れ目火口の活動への迅速な初期対応の重要性を示している.
著者
高橋 正道
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.37-46, 2005 (Released:2007-06-01)
参考文献数
38
被引用文献数
4 3

A new assemblage of Late Cretaceous fossil plants (the Kamikitaba assemblage) was discovered from the Ashizawa Formation of Futaba Group (Early Coniacian; 89Ma). The flora includes well-preserved mesofossils of angiosperm flowers, fruits, seeds, leaf fragments and woods.Some aspects on the origin of angiosperms and the vegetational consequences of Cretaceous and Paleogene flora are reviewed in the paper.
著者
高橋 正紘
出版者
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
雑誌
Equilibrium Research (ISSN:03855716)
巻号頁・発行日
vol.73, no.3, pp.158-166, 2014-06-30 (Released:2014-08-01)
参考文献数
18

I analyzed 33 patients with mal de debarquement who visited my clinic in the past 7 years and 8 months. The ratio of female to male patients was 3: 1; 78.8% of the patients who became sick were in their 20s to 40s; 45.4% of the patients had suffered longer than a year. Symptoms were first provoked following travelling on ships in 10 patients, boarding airplanes in 5, taking trains in 3, getting on vehicles in an amusement park in 2, getting in high-speed elevators in 1 (all the above comprised 63.6% of the patients), huge earthquakes in 3, shaking in the building in 1, and giving shows with a grampus dolphin in an amusement aqua-park in 1. Excepting sensuous or visible continuous body sways, patients often complained of brain fatigue, photophobia, having sleepiness in the daytime, headache, and discomfort related with changes in the atmospheric pressure and temperature. Past histories such as dropping, falling down or heavy brows on the neck were found in 48.5% of the patients. Since 4 patients were finally diagnosed to have suffered from cerebrospinal fluid hypovolemia, patients who are suspected as having mal de debarquement should be examined to rule out this disease. The peculiar phenomena associated with the syndrome may be explained by supposing that the brain maintains the illusion of existing in a moving space even after the body has returned to a standstill, or to terra firma, because the brain had been in anomalous or exhausted states.
著者
高橋 正和
出版者
日経BP社
雑誌
日経Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.12, no.7, pp.79-88, 2010-07

Part1で"総合1位"となったのが「Ubuntu 10.04」だ。6番勝負で二冠を穫り、かつ唯一すべての項目で3位以内に入った。デスクトップ用途で人気だが、サーバー用途や組み込み機器用でも幅広く受け入れられている。その実力を、「高速起動」「ユーザビリティの向上」「アプリケーションの刷新」という3つの観点で明らかにする。
著者
高橋 正雄
出版者
医学書院
雑誌
総合リハビリテーション (ISSN:03869822)
巻号頁・発行日
vol.25, no.12, pp.1398, 1997-12-10

障害の受容を妨げる要因の一つに,障害者自身や家族の偏見という問題力がある.障害に対する誤解や偏見に満ちた社会のなかで暮らしている本人や家族は,しばしば,自らも障害に対する誤解や偏見を共有しているため,いざ自分が当事者になった時の混乱や絶望が大きいのである.しかし,1950年に発表されたパール・バックの『母よ嘆くなかれ』(伊藤隆二訳,法政大学出版局)には,当事者がそうした先入観を乗り越えて,自らの運命を受け入れていく過程が描かれている. 米国の宣教師の家に生まれたパール・バックは,元々「愚かなことや,のろまなことを黙って見ていられない性質」だった.しかし,精神遅滞の娘を養育する過程で,パール・バックは「娘の魂もまた,その魂として最大限に成長する権利をもって」おり,「人間の精神はすべて尊敬に値すること」を知る.彼女は,「人はすべて人間として平等であること,また人はみな人間として同じ権利をもっていることをはっきり教えてくれたのは,他ならぬわたしの娘でした.(中略)もしわたしがこのことを学ぶ機会を得られなかったならば,わたしはきっと自分より能力の低い人に我慢できない,あの傲慢な態度をもちつづけていたにちがいありません」と語るのである.
著者
高橋 正和
出版者
日経BP社
雑誌
日経Linux (ISSN:13450182)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.17-22, 2011-05

東京電力のエリアでは計画停電がこの4月末まで続くとされています。さらに、今夏にも電力不足が予想されており、しばらくはこうした状況を念頭にした準備が必要でしょう。 計画停電中、ノートPCであればバッテリーで数時間動くため、その間は使えます。
著者
星文彦 山中 雅智 高橋 光彦 高橋 正明 福田 修 和田 龍彦
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.43-48, 1992
被引用文献数
16

椅子からの立ち上がり動作の運動学的解析を行い, 各筋群の機能的役割を考察した。計測方法:ビデオ, 床反力計, 表面筋電図, 及び殿部の離床を記録するためのマットスイッチ(自作)を用いて椅子からの立ち上がり動作を記録した。またビデオ, 床反力計, 表面筋電図は自作のトリガー発信器を用い同期記録した。分析結果:床反力は, 動作開始直後下降, その後急上昇し, 姿勢及び重心位置の変化を忠実に反映していると思われた。またその時の筋活動から立ち上がり動作開始時に体幹を前傾させることと重心位置を前下方へ移動させる原動力となっている筋群として縫工筋, 大腿直筋さらに前脛骨筋が重要な役割を果たしていると考えられた。