著者
南條 博 小林実 貴夫 高橋 正人 増田 弘毅 川村 公一 高橋 正人
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

骨髄より動員された内皮幹細胞と樹状突起細胞が、全身諸臓器の血管の活性化に直接関与することを成体で明らかにする目的で、本研究を遂行した。骨髄キメラマウス4ヶ月のトレッドミル負荷1週-4週後の全身諸臓器を詳細に観察した。得られた主な知見は以下の通りである。1)骨髄由来樹状突起細胞が多く出現している部位とまったく見られない部位に分かれているのが特徴で、一様の分布ではない。2)骨髄由来樹状細胞は肋間動脈開口部で多く見られる。3)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニングマウスとトレーニングしないマウスで有意な差はみられない。4)骨髄由来樹状細胞の出現頻度はトレーニング1~4週で差はみられない。5)骨髄由来内皮細胞は上行大動脈起始部にみられる。6)心臓毛細血管では多数の骨髄由来内皮細胞がみられる。7)全身諸臓器の動脈、静脈、リンパ管に骨髄由来内皮細胞がみられる。さらに、週齢による骨髄由来内皮幹細胞と樹状突起細胞の動態を検討し、以下のことが判明した。8)骨髄由来樹状細胞は週齢とともに増加し、大動脈弓から下行胸部大動脈、72週では腹部大動脈に至る大動脈ほぼ全体に分布する。最終的に動脈硬化のない老齢マウスにおいて、骨髄由来樹状細胞が大動脈内膜全体に分布するという世界で初の知見を病理形態学的に証明した。
著者
高橋 正樹 三須 俊彦 合志 清一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.379, pp.1-6, 2003-10-16

放送コンテンツの中でもスポーツ中継は視聴率が高い.スポーツ中継は完成の域に達しているように見えるが,新たな映像表現を用いればより多くの視聴者へさらにわかりやすい映像を供給できる可能性がある.映像内の個々の物体(オブジェクト)の抽出・追跡技術を利用することにより,オブジェクトの特微量を利用した様々な映像表現の生成が可能となる.本稿では検出処理と幾何変換・作画処理を組み合わせた,スポーツシーンにおける新たな映像表現生成手法について述べる.また高速に移動するオブジェクトに対応したオブジェクト抽出・追跡法について述べる.さらに,上記手法を利用したスポーツコーダシステムを構築し,これを実験した結果仕様通りの映像が生成されることが確認できたのでこれを報告する.
著者
塩野 計司 高橋 正樹
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会梗概集
巻号頁・発行日
no.11, pp.39-42, 2001-11

We conducted time series analysis of household economy data covering an 11-year-period from 1989 to 1999 in Kobe severely damaged in the 1995 Hyogo-ken-nanbu, Japan, earthquake Data were collected from the annual reports of the Family Income and Expenditure Survey published by the statistics Bureau of Japan We identified four income and eight outgo items that showed statistically significant changes between pre-earthquake six years, 1989-1994, and 1995 Also, we estimated earthquake-related extra expenditure paid by households with three different levels of housing damage of demolished, repaired, and non-damaged An estimate of extra payments paid by households for purchasing or constructing new housing was obtained at 29 million Japanese yen.
著者
高橋 正浩 生天目 章
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.9, pp.3586-3595, 1999-09-15
被引用文献数
4

本論文では 個々の主体が選好を集団全体の選好を集約したマクロ情報と自らの選好を比較し自己修正する適応型合意形成モデルを提案する. 自己の選好に忠実であることは 個人合理性を追及することと同じであるが すべてのメンバが自己の合理性を追及することによって合意形成の困難性の問題が生じる. そこで 個々のメンバが無制限に自己の選好を主張するのではなく 集団の一員としての立場から自らの選好を集団全体の動向に逐次適応させる本合意形成モデルによって 集団全体として調和的な合意形成が可能になることを示す. また 異なる適応速度を内部属性として持つ主体によって構成される集団における合意形成上の特性について明らかにする. さらに 上位の意思決定者が存在する場合や 合意形成に時間的制約が存在する場合を考え それらが合意形成に及ぼす影響について シミュレーションによって明らかにする.In this research, we introduce a model of adaptive consensus formation by changing the preference of each individual. Being faithful to his own preference and pursuing individual rationality are the same thing. But, it is difficult to get harmonious consensus formation as a group when all member of group pursue the own individual rationality. We show that it is possible to get consensus formation by adapting each individual preference to group preference. We also show the characters of the consensus formation on a group of various type of members with the different speeds of adaption. We also consider the effects of the existance of the meta agent dicision-maker and the time constraint for the consensus formation, by some simulations.
著者
高橋 正和 畔柳 功芳 末広 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ITS (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.695, pp.155-160, 2001-03-15

完全相補系列パイロット支援型CDMAは、多重化データ信号から干渉を受けないパイロット信号伝送技術による、ほぼ理想的な伝送路推定を用いる方式である。しかしながら、その受信性能は伝送路の状態と雑音に影響されるパイロット応答行列の特異値に依存する。模造パイロット応答挿入によりパイロット応答行列の性質を改善できることが報告されている。本稿では、完全相補系列パイロット支援型CDMAに対し上記の原理を適用し、パイロット応答行列の特異値と誤り率特性の関係を明らかにする。さらに、フェージング環境下の伝送特性を検討することにより、周波数利用効率の向上が可能であることを示す。
著者
山科 健一郎 高橋 正義
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.655-666, 1984-01-14

1982年5月に伊豆半島北東部の川奈崎付近で起きた群発地震活動(M=2.0)について,現地で臨時観測を行った.観測期間は活動の最盛期を過ぎた5月12~14日で,2観測点は固定し,他の1観測点を次々に移動する方式をとった.川奈崎付近に集中して発生した一群の地震(ここではa型と呼ぶ)があり,計5ケ所のP時刻から平均的な震源の位置と観測点補正を求めた.今回のような移動多点観測も,ある場合には役に立つものと思われる.一方,川奈崎付近の活動は5月13日の朝に急速に低下したが,ちょうどその前に,約30km南方で群発活動が起きている.活動の低下はまずa型の地震群に現われ,数時間遅れて周辺も静かになった.A tail of the swarm activity (M=2.0) near Kawana-zaki in the northeastern part of the Izu Peninsula in May, 1982, was observed by a temporary microseismic network installed close to the epicentral region. During the observations on May 12-14th, two seismometers were fixed at the respective places and another was moved from place to place. Station corrections and the average location of the events which occurred within a small area near Kawana-zaki (they are called "a-type" in this paper) were obtained from P arrivals of the two fixed and three tentative stations, suggesting the utility of the moving installation of instruments in some cases. The observation also shows a distinct decrease in activity near Kawana-zaki in the morning of May 13th, following the earthquake swarm which occurred about 30km to the south. The decrease in activity occurred at fast in the hypocentral region of the a-type events, and in the adjacent areas several hours later.
著者
高橋 正子 黒川 行治
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.22-48, 1992-12-25

SEC連結基準採用会社をサンプルとし,産業効果モデルによって推定した残差リターンに基づく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報の内容とCARとの関係を分析することにより,会計情報の有用性の有無・程度を検討する。会計情報としては,(1)連結利益,(2)個別利益,(3)連結営業キャッシュ,(4)個別営業キャッシュ,(5)連結投資キャッシュ,(6)連結財務キャッシュ,(7)個別投資キャッシュ,(8)個別財務キャッシュの8種類である。なお,すべて1株当たりの数値に換算し,また対前期比を計算することにより実際値と予想値との乖離を求め,期待外の結果とする。分析は4つのパートから構成されている。(1)利益情報と営業キャッシュ情報との比較 上記(1)〜(4)の4つの情報について,対前期比がプラスの場合,その情報内容が好材料(good news)と判断し,逆にマイナスの場合,悪材料(bad news)と判断して,情報の好悪とCARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,利益情報の好悪は,営業キャッシュ情報の好悪よりもCAR(株価)との関連性が強い。とくに,連結利益情報がもっとも顕著であり,逆に,個別営業キャッツュ情報の好悪は株価に関して殆ど差異をもたらしていない。(2)投資キャッシュと財務キャッシュ情報の有用性 上記(5)〜(8)の4つの情報について,対前期比が増加であるか減少であるかを当該情報の情報内容として,CARとの関係を月毎の変動の形にグラフ化する。その結果,連結または個別の投資キャッシュが増加する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。また,連結または個別の財務キャッシュが減少する場合,-3月まではCARは殆ど上昇しない。連結財務キャッシュが減少する場合,+1月から+3月までのCARの上昇が顕著である。(3)数量化I類モデルによる会計情報の有用性の分析 数量化I類モデルにより,総合的に会計情報のCARへの影響を検討する。その結果,-3月で決定係数が最大となり,情報の好悪(増減)に対するCARの反応差が最も大きくなる。また,資金情報の利益情報に対する追加情報の有用性についてみると,営業キャッシュにはそれほど大きな追加情報内容がないが,投資キャッシュには連結・個別ともに追加情報内容がある。また,個別財務キャッシュには追加情報内容がないが,連結財務キャッシュには追加情報の有用性がある。(4)回帰モデルによる会計情報の有用性の分析 分析(1)〜(3)までは,会計情報の内容を名義測度でとらえ,当期の会計数値を予想(前期値)と比較し,それの好悪あるいは増減としての情報の有用性を分析したが,ここでは,会計情報の内容を比例測度でとらえ,対前期比の数値そのものあるいは対数変換するにとどめた会計情報を扱う。その結果,連結利益は決算月前および決算発表月前に有用で,CARに対して+にはたらく。営業キャッシュ情報には,連結・個別ともに有用性が低い。また,投資キャッシュ,財務キャッシュ情報は,連結・個別ともに有用であり,とくに,連結財務キャッシュ情報が決算月以後および決算短信発表月以後のCARに対して影響が最も有意で,分析(2)と同様マイナスにはたらく。最後に,日本基準の連結会計制度上,作成・開示が義務付けられていない連結キャッシュ情報は有用であることが判った。
著者
黒川 行治 高橋 正子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.41-51, 1992-08-25

株式投資決定を前提として,会計情報の有用性を問題とする場合,連結会計が主である米国では,発生主義にもとづく連結利益情報と現金主義にもとづく連結キャッシュ・フロー情報とが比較の対象となってきた。一方個別会計情報と連結会計情報とを併用して利用できる状況にあるわが国においては,個別利益情報,個別キャッシュ・フロー情報,連結利益情報,連結キャッシュ・フロー情報の4つが情報の有用性の比較対象となりうる。しかし,現在のところ,個別利益情報および連結利益情報の有用性が若干確認されたにとどまり,キャッシュ・フロー情報とくに連結キャッシュ・フロー情報の有用性の検証は行われていない。そこで,本研究の目的は,株式投資決定問題を前提として,上記の4つの情報の有用性を比較検討することである。なお,わが国固有の連結基準では,連結キャッシュ情報公開が要請されていず,上記4つの情報がすべて利用できるのは,SEC基準によって連結有価証券報告書を提出する会社だけなので,SEC連結基準適用会社をサンプルとする。分析方法としては,産業効果モデルによって推定した残差リターンにもとづく累積平均残差CARを計算し,決算発表された会計情報が好材料(good news)であるか,悪材料(bad news)であるかによって,決算発表前後でCARの動きが異なるか否かを検討するものである。ただし,会計情報としては上記の4種類があるので,好材料か悪材料かはそれぞれの情報毎に識別される。
著者
山口 邦久 岡 夏生 井崎 博文 高橋 正幸 福森 知治 金山 博臣 菅 政治
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.493-496, 2008-07
被引用文献数
1

31歳男。腎不全末期の状態で緊急入院し, 同日血液透析導入となり, 腎生検よりnephrosclerosisであった。約8ヵ月後に父をドナーとする生体腎移植を施行し, 急性尿細管壊死は認めず, 血流直後より初尿を認め, 免疫抑制剤に拒絶反応もなく経過した。術後3週間頃より10000ml前後の1日尿量が続き, 体重減少, 皮膚乾燥, 血清クレアチニン値の上昇を認め, 尿崩症を疑った。MRIでは下垂体の形態異常は認めず, T1強調画像で下垂体後葉の高信号は保たれ, 尿検査で低張尿は認めなかった。高濃度食塩水テストを施行してのバソプレシン分泌の変化の検討では, 血漿浸透圧は上昇したが血漿バソプレシン濃度の上昇は鈍く, 正常バソプレシン分泌範囲を下回り, 不完全型中枢性尿崩症と診断した。デスモプレシン点鼻の開始により尿量は減少し, 体重, 血清クレアニチン値も安定した。現在もデスモプレシンの点鼻投与を継続し, 経過順調であった。A 31-year-old man was sent to hospital for urgent treatment. He was in the terminal state of chronic renal failure, and was placed under hemodialysis immediately. Proteinuria and hypertension had been notified since adolescence, had been left untreated, and there was no record of his conditions, was. Living kidney transplantation was conducted 8 months later. The donor was his father. After the operation, rejection was not recognized, but urine volume per day was not reduced and maintained the level around 10.000 ml. At the same time, the decrease of body weight and the rise in the serum creatinine concentration were noted. The results of magnetic resonance imaging and the hypertonic saline test (Hickey Hare Test) have formed diagnosis of incomplete diabetes insipidus. Immediately after the administration of desmopressin (rhinenchysis), the decrease of urine volume was recognized, and the body weight and serum creatinine concentration became stable.
著者
吉山 尚裕 板倉 昭二 高橋 正臣
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術文化短期大学研究紀要 (ISSN:13466437)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.23-30, 1993-12-31

本研究では、歩行者やドライバー(車)のフライングやかけ込みを社会的影響現象としてとらえ、(1)フライングやかけ込みの生起が、歩行者や車の数(集団密度)によってどのような影響を受けるか、(2)一人の歩行者、一台の車のフライングやかけ込みが、周囲の歩行者や車の追従行動にどのような影響を与えるか、について資料を得ることを目的にフィールド観察を行った。その結果、歩行者に関して、フライングは全観察回数240回のうち89回(37.1%)観察され、それに伴う追従フライングも59回(66.3%)観察された。かけ込みについては、全観察回数240回のうち77回(32.1%)観察され、うち追従かけ込みが29回(37.7%)観察された。このように一人の歩行者のフライングやかけ込みは、周囲の歩行者の行動にも少なからず影響を与えていると言えよう。フライングや追従フライングは、信号待ちの歩行者数による違いが大きく、集団密度が高く、歩行者の個人空間が侵害されやすい状況では生起率が高まることが示唆された。他方、かけ込みについては、歩行者の数による影響は認められなかったが、各地点の特徴を考察すれば、歩行者の急ぎやあせりといった個人的要因や状況的要因をかけ込みの原因として看過できない。また、かけ込みはフライングと比べて若年者に多いのが特徴であり、運動能力への自信や若者特有の衝動性といった面が影響しているものと考えられる。次に、ドライバー(車)の行動に関して、フライングは全観察回数120回のうち26回(21.7%)観察され、うち追従フライングは10回(38.5%)観察された。交通量の多さ(集団密度の高さ)といった点からは結果は明確でなかったが、状況的には本線(大道陸橋北交差点の国道10号線)に侵入する道路(同交差点の国道210号線)においてフライングの生起率が高く、信号待ちの時間の長さからくるイライラや、短い青信号の間に、少しでも早く発進しようとするドライバーの心理を反映しているものと考えられる。かけ込みについては、全観察回数120回のうち86回(71.7%)観察された。黄信号1秒以上のかけ込みに限っても56回(46.7%)となり、フライングに比べて生起率は高い。かけ込みは交通量の多い(集団密度の高い)地点で多く、しかも、かけ込みが観察された86回のうち、かけ込み車の前方に先行車がある場合が67回(77.9%)、後続に追従車がある場合が74回(86.0%)、先行車と追従車の両方が観察された場合が64回(74.4%)であった。このように車のかけ込みの原因は、一旦形成された車と車の密度と流れの中で、停止が困難になることが背景にあると考えられる。今回の観察の中で、とくに車のかけ込みは、重大事故につながりやすい行動であるだけに更なる検討が必要であろう。今後は、車と車の密度や流れに関する計量的指標を開発して、より詳細な分析を試みる必要がある。
著者
小川 みどり 高田 真一朗 高橋 正雄 安田 悦子 渡瀬 真梨子 谷口 初美
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.401-410, 2006-12-01

手洗いおよび手指消毒は最も基本的な感染防止策である.現在,速乾性擦式消毒剤による手指衛生が国際的なゴールドスタンダードとなっている.しかし,我々の調査では,2004年に10.4%(48人中5人),2005年に34.3%(35人中12人)と多くの無効例が認められた.2005年の検体について,コロニーの形態より円形,不整形,拡散性コロニーに大別し,残存菌の性状を調べた.円形コロニーはブドウ球菌属の菌であり,不整形・拡散性のコロニーはグラム陽性有芽胞桿菌であると考えられた.消毒後の菌数が消毒前と同数以上あるいは300個以上の無効例の中で,ブドウ球菌属の菌が残存したと考えられる場合が3例,セレウス菌を含むグラム陽性有芽胞桿菌が残存したと考えられる場合が9例であった.医療現場では,速乾性擦式消毒剤による手指消毒を過信することなく,必要に応じて滅菌手袋の着用などの対策を講じるべきである.
著者
高橋 正行 森本 康彦 植野 真臣 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.47, pp.19-24, 2005-05-07
被引用文献数
1

本研究では, e-Learningを用いて複数の学習者が一斉に同期的に授業を受けながらも個に応じることのできる授業を実現させることを目的とする.本研究が目指す授業の実現には, 授業中の学習者のさまざまな状態に応じて教師が適切な行動をとる必要がある.しかし学習者の行動と状況に対応した適切な教師の行動のバリエーションは多く存在しており, このことがe-Learningシステムの開発を困難にしている.そこで, 本論文では, 学習者の行動と状態を基にした学習状態遷移図と, それを形式的に記述する手法を提案する.本手法で記述した遷移図は, 学習者の行動, 状態, 教師(システム)の動作が明示的に記述できるため, e-Learningシステムの設計・開発の遂行を容易にすると考えられる.