著者
角 文雄 高橋 正之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.27-35, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
15

セルアニメーション制作における時間と労力の効率化のために,再利用可能なアニメーションクリップをデータベースとして提供するシステムを構築した.本論文では,セルアニメーションの中でもリミテッド・アニメーションに焦点をあて,アニメータが効率よく動画を生成できるデータベース環境及び支援ツールをについて提案する.再利用のためのモデルデータ,人間や動物の体全体の動き(歩く,走るなど)や,顔の表情のアニメーション(笑う,泣くなど),自然現象(火,水,雨,雪,風など)といった再利用し易い,あるいは動きの標準として参考になる素材アニメーションをデータベースとして提供している.アニメータが既存素材を再利用して,望む動画を効率よく生成するための汎用的な基礎技術及び応用技術,アニメータが使い易いユーザインターフェイスを検討し,その成果を反映したシステムとした.
著者
薮 博史 鎌田 洋輔 高橋 誠史 河原塚 有希彦 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.36-46, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本論文では,変位情報を用いて制作したVRアプリケーションとして,紙相撲をテーマとした対戦型の実装例を2件提案する.はじめに,プレイヤの跳ぶ行為を入力データとし,ディスプレイ上に表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.つづいて,このシステムに対する評価実験の結果を反映させ,プレイヤが水を揺らす行為を入力データとし,水に浮かぶスクリーンに表示される紙力士の動きに影響を及ぼすシステムを提案する.両システムとも,距離を測るセンサを用いて,プレイヤが入力装置に与える動作を変位情報として取得し,システム内のインタラクション処理に利用している. この直感的かつ堅牢なインタラクションモデルを用いることで,新たな体感型VRアプリケーションを実現することができた.
著者
高橋 孝彰 藤本 忠博 千葉 則茂
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.68-76, 2005 (Released:2008-07-30)
参考文献数
18
被引用文献数
3 1

広大な滝のような大規模な流体現象を計算流体力学による数値シミュレーションによって表現するには,膨大な計算コストがかかってしまう.本研究では,滝の本流,飛沫,落水により発生する水煙,波といった滝の構成要素の総合的なアニメーションの生成法として,シンプルな粒子ベースの落水シミュレーションにノイズによる派生的な現象の表現を加えた効率的な手法を提案する.
著者
高橋 良一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.205-206, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
2

ペイント系ソフトで文字画像を作成するだけで,ガラス文字画像を生成するソフトウェアを出品する。本ソフトウェアは,二次元画像から三次元データを生成しレンダリングする。三次元データはボリュームモデリングデータであり,陰解法で直接レイトレーシングする。
著者
河原塚 有希彦 高橋 誠史 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.189-192, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
11
被引用文献数
3 2

本作品“ViewFrame2”(以下VF2)では,画像処理による位置検出技術を用いた新たなコンテンツ鑑賞スタイルを提案する.VF2は,「窓越し現実感」というコンセプトに基づき,窓の代わりに設置したディスプレイ上に,ユーザの視点移動に伴い変化する景色をシミュレーションして提示するものである.VF2の実装システムではリアルタイム性が強く求められるために,グラフィックボードのピクセルシェーダ機能を用いて,ハードウェアによる画像処理の高速化を試みた.実装の結果,身体移動に伴う自然なインタラクションで,景観の奥行き知覚や3次元物体の形状認識が容易になることが体感できた.
著者
高橋 裕樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.45-68, 2004 (Released:2008-07-30)
参考文献数
9

SIGGRAPHは,CG(Computer Graphics)とinteractive technologyに関する国際会議である.今年は,7月27日(日)から31日(木)までの5日間に渡りSan Diego, California, USAのConvention Centerで行われた.本論文では,SIGGRAPH'03で発表された論文全81件を概説する.
著者
梶原 景範 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.69-75, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
12

ボリュームオブジェクトが互いに干渉したシーンをレンダリングする方法を提案する.本提案方法は,信学ソ大2001で提案し,映情学誌,Vol.56,No.10,に採録の光線ボリュームを用いたボリュームとポリゴンの干渉シーンのレンダリング方法を拡張したものである.ボリュームの各ボクセルを通過する光線の色とそこまでの透過度を計算し, 光線ボリュームバッファに出力しておくことによって,ボリュームもポリゴンも統一的にテクスチャ付きのポリゴンとしてレンダリングすることを特徴とする.本論文では,ボリュームと干渉するボリュームを半透明ポリゴンの規則的に配列した層と見なして,ボリュームとボリュームの干渉シーンのレンダリングへ拡張した.これによって,ポリゴン用グラフィックパイプラインでボリュームとポリゴンまたはボリュームが互いに干渉したシーンをレンダリング可能である.本提案方式は,光線ボリュームバッファの生成においては, ボリュームとポリゴンの干渉を考慮することなくボリュームを単独で処理すればよいことをを特徴とする.
著者
高橋 誠史 河原塚 有希彦 桑村 宏幸 宮田 一乘
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.123-127, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

ただ歩きながら目にする風景の移り変わりを, 泳ぐという行為で置き換えてみたらどうなるのだろうか.本論文では, そのような身体運動に伴うさまざまな視覚体験を, コンピュータを用いて置換する試みを提案する.両腕に装着された反射板で参照光を反射し,その反射光を天井から吊るされたCCD カメラで観測する.次に, 観測された反射光を画像処理して腕の動きを計算し, その動きの変化にあわせて, 投影されるビデオの再生速度を制御し, 動画の中を泳いでいるような感覚を体験させる.日常的な光景を撮影した映像を泳ぎという動作を通して体験することにより, 無意識のうちに我々の行動に影響を与えている重力や, 身体そのものについて考えるきっかけを与える場を, この作品は提供する.
著者
小出 裕子 橋本 直己 高橋 裕樹 中嶋 正之
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.71-73, 2003 (Released:2008-07-30)
参考文献数
3

近年注目されているAR(Augmented Reality)技術は,仮想世界と実世界とのシームレスな関係の実現を目的としている.この新たな視覚情報提示手法は,双方の世界の長所を同時に活かすことが出来るため,実用面でも,また芸術表現の新たな可能性を秘めるものとしても有用な技術である.そこでこうしたAR技術を,専門的な機材を用いる事無く,より手軽に実現できるような手法を提案する事は,芸術等への応用を活性化するためにも必要となる.本論文では,複数眼ステレオカメラを用いて実世界環境のディスパリティデータを獲得し,色に関する画像処理及び最適化に関するデータ解析を行うことで,対象物体の抽出及び位置,姿勢の検出を行うシステムを提案する.本論文では,以上のアルゴリズムを実装して,プロジェクタを用いた実物体への仮想テクスチャ投影を行うような映像投影システムを構築した.
著者
高橋 裕樹
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.1, no.4, pp.182-199, 2002 (Released:2008-07-30)

SIGGRAPHは,CG(Computer Graphics)とInteractive Technologyに関する国際会議である.今年は,7月21日から26日までの6日間に渡りアメリカ合衆国テキサス州 San AntonioのConvention Centerで行われた.本論文では,SIGGRAPH&prime2002で発表された論文全67件を概説する.
著者
高橋 節子 近堂 知子 平尾 和子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.100-106, 2013 (Released:2013-10-18)
参考文献数
21
被引用文献数
5

生米粉および α化もち米粉の和菓子用米粉7種の特性は,ラピッドビスコアナライザーによる加熱・冷却時の粘度および糊液のテクスチャー測定より求め,ショ糖添加の場合と比較した。また練りきり,ういろう生地の調製法の違いが物性に及ぼす影響についても検討した。その結果,白玉粉ともち粉,上新粉と上用粉はそれぞれ近似の粘度および糊液のテクスチャーを示した。白玉粉の粘度は上新粉に比べて低いが,最高粘度を示す温度は75℃と上新粉よりも低く,低温で糊化しやすいことを示した。α化もち米粉の上南粉は白玉粉,もち粉に近似のテクスチャーを示し,寒梅粉は粘度が低く,軟らかい糊液であった。練りきりは練りあんにぎゅうひを加えることにより,硬さ,凝集性が大となり成形性を増し,保型性を高める効果を示した。ういろう生地は,熱いうちに混捏したものが,また副材料は小麦澱粉に比べてくず澱粉を使用したものが,破断応力,破断エネルギーはともに大きい値を示し,こしのある生地が得られた。
著者
中野 雅史 佐藤 整尚 高橋 明彦 高橋 聡一郎
出版者
東京大学大学院経済学研究科
雑誌
経済学論集 (ISSN:00229768)
巻号頁・発行日
vol.81, no.2, pp.2-30, 2017-01-01 (Released:2022-01-25)
参考文献数
32

本稿では,粒子フィルタを活用したポートフォリオ構築の新しい手法を提案する.特に,モンテカルロ・フィルタに基づく資産の期待リターンとボラティリティの推定により,平均分散ポートフォリオのパフォーマンスが飛躍的に向上することを示す. 我々は,状態空間モデルの枠組みにおいて,非対称性を持つボラティリティに加え,期待リターンに関する状態変数も確率過程として取り込むことにより,ボラティリティの時間変化と整合的なリターンを予測する.その結果,一般的な移動平均・分散に基づく平均分散ポートフォリオのみならず,等ウェイト(Equal Weight),最小分散,リスクパリティ(Risk Parity)などのリターン予測に依拠しない手法を凌駕する運用成果が実現可能なことを明らかにする. また,投資対象としては,国内外の株式・債券に加えリート(REIT)を組み入れ,空売り禁止条項や取引費用,投資比率制約も考慮することで,より現実的な国際分散投資を考察する.さらに,ポートフォリオのパフォーマンス指標として,複利リターンやシャープ・レシオに加え,実務的には重要な指標であるソルティノ・レシオや最大ドローダウンも採用し,多角的に評価することにより,我々の提案する手法の有効性及び頑健性を確認する.
著者
高橋 節子 北原 久子 貝沼 圭二
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
澱粉科学 (ISSN:00215406)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.151-159, 1981-06-30 (Released:2010-06-28)
参考文献数
27
被引用文献数
11 7

調理材料として各種の澱粉を使用する立場から緑豆およびサゴ澱粉の性質について,馬鈴薯およびトウモロコシ澱粉を対照として,顕微鏡観察,アミログラフィー,フォトペーストグラフィー,膨潤度・溶解度,アミロース含量,β-アミラーゼによる分解限度,白度,X線回折,澱粉ゲルの物性測定等の実験を行った.その結果,緑豆澱粉の性質から緑豆澱粉を原料とする豆麺の物性に及ぼす要因を考察した. 最後にX線回折を測定していただきました千葉大学渡邊幸雄博士に心より厚くお礼申しあげます.
著者
高橋 英之 島谷 二郎 小山 虎 吉川 雄一郎 石黒 浩
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:21888760)
巻号頁・発行日
vol.2018-HCI-176, no.21, pp.1-4, 2018-01-15

自分があらかじめ記述した考えをロボットが代わりに述べ,それを論破するという自己客観視システムを構築した.このシステムを用いた予備実験から,一定数の被験者がロボットを通じた自分自身との対話を通じて考え方や価値観を変化させることが示された.本研究ではこのようなシステムが持つ意義について考察したい.