著者
高橋 秀直
出版者
京都大学
雑誌
京都大學文學部研究紀要 (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.45-110, 1998-03-31

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
高橋 真治 星野 雅俊 中村 博亮
出版者
一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会
雑誌
Journal of Spine Research (ISSN:18847137)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.811-819, 2020-05-20 (Released:2020-05-20)
参考文献数
34
被引用文献数
1

Balloon kyphoplasty(BKP)後に隣接椎体骨折が生じることはよく知られているが,その危険因子や予測については報告が限られている.また,その臨床的意義も報告により異なる.我々は隣接椎体骨折が及ぼす影響およびその発生を予測する因子を受傷後2ヶ月以内にBKPを実施した症例で検討した.本著ではその研究を中心に,隣接椎体骨折が臨床的に及ぼす影響,またその予測に関して文献をレビューした.
著者
田中 利枝 高橋 高人 佐藤 正二
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.85-97, 2016-01-31 (Released:2019-04-27)

本研究は、小学6年生に対して社会的問題解決訓練を実施し、訓練効果・維持効果、および、ストレス反応に及ぼす影響について検討した。児童175名は、それぞれ訓練群84名と統制群91名に割り付けられ、訓練群の児童は、担任教師によって4セッション(各45分)からなる介入を受けた。その結果、訓練を受けた児童は、友人とのトラブル場面においてポジティブに問題を捉える問題志向を向上させ、解決の目標としての認知的解決スタイルを習得し、それらは訓練終了3カ月後も維持されていることが明らかとなった。解決策の案出数は、訓練終了11カ月後も訓練効果が維持されていた。また、訓練群の児童では、訓練直後においてストレス反応のうち不機嫌・怒りに低減効果が示された。中学校進学後の11カ月後フォローアップ測定において、解決策の案出数以外に介入の維持効果はみられなかった。中学校入学後の維持促進の操作の必要性が示唆された。
著者
高橋 由香 津野 陽子 大森 純子
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
pp.2021-029-B, (Released:2021-12-05)
被引用文献数
1

目的:健康リスクを改善し生産性維持・向上に寄与することを促進するのは,単に介入プログラムの内容によるのではなく,「職場における健康文化(Workplace culture of health)」の醸成が重要であるというエビデンスが蓄積され始めている.先行研究において,従業員の主観的評価による組織の健康へのサポートに関する認識が高いほど,健康リスクやプレゼンティーイズム損失が小さいといったエビデンスが蓄積され始めており,健康経営においても従業員視点による評価が重要と考えられる.本研究では,従業員視点による職場における健康文化の指標を作成し,健康経営における従業員による主観的評価指標としての有用性を検討することを目的とした.方法:従業員の健康や生産性に関する職場における健康文化の文献レビューにより作成した指標20項目を用いてアンケート調査を実施した.対象はA県内の健康経営優良法人2019に認定された50組織の従業員を対象とした.協力の得られた25組織の従業員886名に調査票を配布し,分析対象者は435名となった.結果:大規模法人部門(ホワイト500)の43件,中小規模法人部門の263件,自社の認定部門が分からない群の123件の3群で分析を行った.大規模法人部門と中小規模法人部門の2群比較では,「健康保持・増進に関する全社方針の内容」,「健康問題が起きた時の対処手順」,「復職に向けた制度や支援」,「心をサポートする体制や支援」,「安全と健康に関する協議の場」は大規模法人部門で有意に良い結果であり,「上司による体調に関する声がけ」,「健康づくりに役立つ情報の提供」は中小規模法人部門で有意に良い結果であり,組織規模による特徴がみられた.一方,自社の健康経営優良法人の認定部門が分かる群と分からない群との比較では,全ての項目で認定部門が分からない群が有意に悪い結果であった.また,本指標は20項目全てで,職場における健康文化が良い結果である者の方が健康リスク数やプレゼンティーイズム損失が小さいことが確認された.考察と結論:従業員視点による職場における健康文化の程度を捉えられること,職場における健康文化は従業員の健康リスクや生産性に関連することが検証され,健康経営における従業員視点での評価指標として有用であることが示唆された.
著者
高橋 隆一郎
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.116, pp.2095, 2020-11-30 (Released:2021-01-13)

2020年4月にCOVID-19感染拡大に伴う緊急事態宣言が発表され,多くの図書館が臨時休館した。本稿では,COVID-19感染第一波に直面したレファレンス担当者として見聞き・経験したCOVID-19関連資料の探索並びにオンラインレファレンスの経験の整理を通じて,図書館での資料・情報提供の意義を再確認する。さらにはこれからも私たちと感染症との闘いが続いていくことを踏まえ,今回の経験から今後に生かしていくべきことを考察する。
著者
櫻井久惠 佐野 雅美 高橋 邦夫
出版者
日本プランクトン学会
雑誌
日本プランクトン学会報 (ISSN:03878961)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.34-38, 2022-02-25 (Released:2022-03-06)
参考文献数
5

In recent years, learning styles involving observation and experimentation have been recommended for schools as a form of active learning. The National Institute of Polar Research is promoting the improvement and increased production of resin-embedded zooplankton specimens for use in marine education. Based on trials and questionnaires completed by current teachers, we created a marine educational workshop kit comprising resin-embedded specimens, observation tools, a booklet, worksheets, introductory videos for participants, and workshop programs. The kit is designed mainly for junior high school students and can be used for remote (online) workshops to facilitate online learning necessitated by the COVID-19 pandemic. We have requested school teachers to try using the kit and identify various applications of the kit. We began loaning out the kits in November 2021. We hope that many teachers who have not had the chance to conduct marine education will start using this kit.
著者
福田 将一 高橋 一広 金子 修三 臼井 丈一 小関 美華 小田 竜也 山縣 邦弘
出版者
一般社団法人 日本移植学会
雑誌
移植 (ISSN:05787947)
巻号頁・発行日
vol.55, no.Supplement, pp.375_3, 2020 (Released:2021-09-18)

【目的】夫婦間生体腎移植の実施数は全国的に増加傾向にあり、当院でも生体腎移植の約4割を占める。手術に伴う生活環境などの変化が予測される症例も経験することが多くなっており、当人以外の治療参加も求められる。今回、ドナー・レシピエント夫婦がほかの家族に相談なく移植を受けようとし、家族と医療者間の調整を必要とした症例を経験したので報告する。学会発表にあたり、患者本人から同意を得た。【症例】A氏、60歳代、男性、糖尿病性腎症により生体腎移植を希望した。ドナーは妻であり、通院はドナー・レシピエント夫婦のみであった。術前検査を進め手術入院を控えていたが、同居する30代長女からの連絡で妻以外の家族には相談せず話を進めていたことがわかった。家族は患者の病気や自己管理能力に不安を抱いていたが、患者から説明を受けていないということで、移植に対して反対の意見を持たれていた。反対の理由や疑問点・患者への思いを確認し、主治医との面談を調整した。主治医より患者夫婦に家族を加えて説明が行われ、移植手術を行うことに同意された。【考察】家族は患者を心配する気持ちを抱いていたが、家族へ相談なく進めていたため治療方針の確認やその後のフォローアップなど、理解する機会を得たかったのではないかと考える。【まとめ】患者・家族の関係性を理解し、コンフリクトが生じていないか評価する必要がある。
著者
桑原 昌則 近藤 史明 濱田 知幸 高橋 純一 竹中 奈苗 吉本 光広 宮野 伊知郎 北岡 裕章 土居 義典
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.7, pp.893-899, 2014 (Released:2015-07-13)
参考文献数
7

症例は独居の80歳, 女性. 2012年10月下旬, 全身倦怠感, 食欲不振を主訴に近医を受診し経過観察入院となった. 入院後, 末梢静脈からの点滴による治療等で経過をみていたが, 前医入院第13病日より意思の疎通が困難となり, 第17病日には収縮期血圧が60mmHgまで低下したため当院救急搬送となった. 来院時, 血圧84/47, 脈拍数119/分で, 意識レベルはE3V4M5であり, 集中治療室にて治療管理となった. 心エコーでは左室収縮能はほぼ正常であり, 心原性ショックは否定的と思われた. 動脈血液ガスで, pH 7.311とアシドーシスを認め, 乳酸も130mg/dLと高値であったためビタミンB1欠乏の可能性を考慮し, フルスルチアミン150mgの静注後, フルスルチアミンの持続点滴を開始した. 入院翌日には血圧は安定し, 意識レベルも改善した. 後日, ビタミン投与前のビタミンB1値が8ng/mLと著明な低値であることが判明した. 第2病日から第6病日までフルスルチアミン50mg/日の持続点滴を行い, 第7病日よりフルスルチアミン100mg/日の内服投与により, 血圧, 意識レベルは安定して経過した. 今回, 独居の高齢女性で, ビタミンB1欠乏によるショック, 意識障害をきたした症例を経験したので報告する.
著者
近藤 昌和 友永 進 高橋 幸則
出版者
水産大学校
雑誌
水産大学校研究報告 (ISSN:03709361)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.67-73, 2002-02
著者
高橋 恭介
出版者
社団法人 日本印刷学会
雑誌
日本印刷学会誌 (ISSN:09143319)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.076-080, 2012 (Released:2012-05-17)
参考文献数
14

This article discusses the historical and functional meanings of the technological transitions of character-composing for Chinese characters (katsuji), in terms of wooden movable types, lead movable types, phototype composing, and word processors. The word "katsuji" of Wan Zhen (1314) was used in conjunction with the word for metal movable type (1732) in the dictionary of the Chinese language edited by R. Morison (1822).This metal type composing was replaced with phototype composing, but phototype lost the movable function of type composing. This movable function was recovered by the word processor with Japanese "kana-kanji" conversion. Then, the DTP system replaced both metal type and phototype composing. The Wan Zhen-Gutenberg galaxy was completed with the introduction of digital word processors. Digital content made by the DTP system is utilized for many purposes: printed matter, digital books, magazines, and so forth. This situation shall probably continue into the future.
著者
高橋 義人
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

戦後の日本におけるゲーテ受容について語るとき、最も重要なのは、『ファウスト』である。ゲーテの『ファウスト』の中核には悪魔との契約譚がある。したがって日本の作家が『ファウスト』文学を受容するときには、「悪魔との契約」という主題を日本の風土に馴染ませなければならない。ところがこれは決して容易なことではない。というのも日本人の多くは、「悪魔との契約」はもとより、悪魔の存在そのものを信じてはいないからだ。遠藤周作は小説『真昼の悪魔』(1980年)のなかで、日本人にとっての悪魔の間題に真正面から挑んだが、その試みは成功したとはいえない。これに対して三島由紀夫は「悪魔」ではなく「通り魔」のような「魔」を間題にし、より日本の現実に即した考察を行なった。しかもその「魔」の考察を三島はゲーテの『ファウスト』と結びつけ、三島の「わがファウスト」を書いた。それが彼の『禁色』と『卒塔婆小町』である。この2作品の中核をなすのは、美と醜の対立であり、メフィストには「醜」の役が与えられている。石川達三は『四十八歳の抵抗』において、ゲーテの『ファウスト』を下敷きにしながら、現代日本のサラリーマンの悲哀に満ちた生活をパロディ風に描き出した。ファウストのように人生をやり直そうと試みた主人公の試みは挫折せざるをえない。ファウストのように生きることは、現代の日本においては不可能だということを石川達三は示した。手塚治虫は生涯に3度、ゲーテの『ファウスト』を漫画化している。彼の諸作品の中心にあるテーマは、科学技術による地球環境の汚染であるが、このテーマは遺作の『ネオファウスト』に明瞭に表れる。ゲーテの『ファウスト』に出てくる人造人間ホムンクルスを手塚はクローン人間に置き換え、大量生産されたクローン人間による軍隊によって地球が壊滅する。『ネオファウスト』によって手塚は、漫画がどれほど強い時代批判力を持っているかを示すことに成功した。
著者
高橋 徹 高橋 徹 高橋 徹
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.51-60, 2022-09

広島大学のYouTube チャンネルに掲載された素粒子物理学の講義動画が,公開からおよそ17 カ月(2022年7月時点)で180 万回以上視聴されている.同チャンネルには約100 の講義が掲載されているが,この動画の視聴回数は他の講義に比べて格段に多くなっている.また,同チャンネル外の類似分野の動画と比較しても視聴回数は多い.この動画を制作するにあたっては,聴衆を想定しメッセージを明確する,構成を検討する,スライドデザインを考えるなど,プレゼンテーションデザインの手法に従って作成することに特に留意した.本稿ではこのことが視聴回数の増加に寄与したと考え,動画を作成した際の留意点について述べる.また視聴者の特徴,動画視聴への誘導径路など,視聴状況の分析結果について考察する.プレゼンテーションデザインについてはいろいろな論考がなされているが,基礎物理学という一般には難解と考えられている分野において多くの聴衆にリーチした例として,本動画の作成例を共有することは,プレゼンテーションデザインと科学コミュニケーション双方の事例として意義があると考えている.
著者
高橋 明彦
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.25-35, 1991-01-10 (Released:2017-08-01)

作者は、作品の原因であり生成の場でありその所有者である、といった特徴を持つだろう。その特徴は、読解のために要請された機能であるにも拘らず、逆に読解の基盤として実体化される。一般的な作家論は、これを素直に受け入れ、その現実に安住感を持ち、作品理解を作者の名の下に統合する。しかし《多田南嶺の浮世草子》は、「八文字屋浮世草子」と「多田南嶺」との間に微妙な緊張関係を強いる。が、作者を実体として捕捉しえない多田南嶺という存在こそ、その時我々の前に純粋な作家論の対象として幻出する。
著者
平島 円 高橋 亮 西成 勝好
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 創立40周年日本調理科学会平成19年度大会
巻号頁・発行日
pp.54, 2007 (Released:2007-08-30)

【目的】 澱粉製品に酢などの酸を添加すると,澱粉の加水分解が起こり,安定した粘度やゲル強度を得ることはむずかしくなる。そのため,耐酸性澱粉の開発が盛んである。しかし,酸が澱粉の特性に及ぼす影響は澱粉濃度や酸強度により異なると考えられる。そこで本研究では,澱粉濃度を変えて試料を調製し,澱粉の糊化および老化に及ぼす酸の影響について検討した。【方法】 澱粉にはコーンスターチ(三和澱粉工業_(株)_)を用い,その濃度は3.0および20wt%とし,澱粉糊または澱粉ゲルを調製した。酸にはクエン酸(和光純薬工業_(株)_)など有機酸6種類を用い,pHを2.4~6.0に調整した。DSC測定,固有粘度測定,粘度測定,破断測定,離水測定により澱粉の糊化および老化特性について検討した。【結果】 酸を澱粉に添加しても糊化温度および糊化エンタルピーは酸無添加の試料と大きな差はなく,この範囲のpHでは,酸は澱粉の糊化に影響しないことがわかった。これはいずれの澱粉濃度においても同様であった。しかし,加熱後冷却した3.0wt%の澱粉糊の粘度は酸加水分解の影響を強く受け,著しく低下した。一方,冷却した20.0wt%の酸添加澱粉ゲルでは著しいゲル強度の低下はみられなかった。逆に低pH(3.0)に調製した澱粉ゲルの初期弾性率の値は大きくなった。これは酸加水分解によりアミロース鎖やアミロペクチン鎖の長さが短くなるが,その数が増えるために強いネットワーク構造を形成したためと考えられる。また,酸を添加しても澱粉糊および澱粉ゲルの老化の進行具合にも影響はなかった。とくに,低pHの澱粉糊では多くのアミロース鎖とアミロペクチン鎖によるネットワーク構造が瞬時に形成されるため,保存期間中の離水はほとんど起こらなかった。