著者
高橋 尚也
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.97-108, 2010

In Japan, activities to prevent crime by citizens have been encouraged, but are not developing well. Two studies were carried out to examine factors regulating citizen participation in activities to prevent crime in Edogawa ward. In a survey interview of 15 leaders of activity to prevent crime (Study 1), it was suggested that attachment to city, attitude towards activities to prevent crime, indirect support from administration, and mutually beneficial relations with administration led to development of these activities. In a survey of 141 randomly sampled adults (Study 2), people who participated in activities to prevent crime accounted for 14.2% of the total. Among men, participation was determined by the number of organizational affiliations in the community. Intention to participate was promoted by advanced age and high levels of political interest. In women, participation was determined by youth, number of schoolchildren in the family, and communication with neighbors. Intention to participate was restrained by low levels of political interest and absence of high-school children in the family. Implications for activities to prevent crime were discussed from the viewpoint of gender and benefit from activity.
著者
高橋 翠
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.183-190, 2012-03-10

The evolutional account in studies of human facial attractiveness has contributed to increasing number of research and many discoveries about determinants of our preferences. In this paper, current psychological studies about determinants of facial attractiveness judgment, including both universality and individual differences are reviewed. Future research should be dealt with cognitive and emotional process underlying attractiveness judgments.
著者
森 伸晃 柏倉 佐江子 高橋 正彦
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.48-54, 2016 (Released:2016-04-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1

医療関連感染は入院期間の延長や予後の悪化,医療費の増加をもたらすため,各施設の感染対策に関わる専従もしくは専任者に期待される役割は大きい.今回,専従もしくは専任者の存在によるClostridium difficile感染症(CDI)対策を含めた院内感染対策の違いを明らかにするためにアンケート調査を行った.アンケート調査は,「国立病院機構におけるC. difficile関連下痢症の発生状況と発生予防に関する研究」のデータを利用し,2010年8月に全国144の国立病院機構施設のうち感染制御チーム(ICT)がある47施設を対象に行った.調査項目は計22項目で,1)院内感染対策の体制,2)ICTの業務と権限,3)標準予防策,4)環境・設備,5)CDI対策に大別した.専従もしくは専任者がいるのは26施設(55.3%)であった.専従もしくは専任者がいる施設では,ICTのコンサルテーション対応,抗菌薬の届出制,一般病室の清掃頻度が週5日以上,CDIに関する患者および患者家族に対する指導の項目が,いない施設に比べて統計学的に有意に実施されていた.専従もしくは専任者のいる施設では院内感染対策に関して優れた点がみられ,その役割が示された.しかし,専従もしくは専任者がいたとしてもまだ十分にできていない項目があり,これらについては今後の課題である.
著者
下田 正弘 小野 基 石井 清純 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 Muller Albert 苫米地 等流 船山 徹 高橋 晃一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

本研究事業は、永続的に利用可能な仏教学の総合的知識基盤を日本に構築し、世界の仏教研究におけるウェブ知識拠点(ハブ)を構築することで次世代人文学のモデルを提供することを目的とする。これを達成するため、(1)大蔵経テキストデータベース(SAT-DB)を継続的に充実発展させ、(2)有望な新規国際プロジェクトを支援し、連携してSAT-DBネットワークを拡充し、(3)人文学の暗黙的方法の可視化を図って人文学テクストの適切なデジタル化を実現するためTEIと連携してTEI-Guidelinesを中心とするテクスト構造化の方法を精緻化し、(4)ISO/Unicodeとの連携し、国内のデジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)に関する研究教育の環境向上を図り、人文学国際化を支援する研究環境を整備する。これらの成果はSAT大蔵経テキストデータベースにオープンアクセスのかたちで反映させることをめざす。本年度は、James Cummings(Newcastle University, UK)、Paul Vierthaler(Leiden University, NLD)を迎えた国際会議「デジタルアーカイブ時代の人文学の構築に向けて」をはじめ、国際会議とワークショップを3回主催し、国内外で招待講演を行うとともに、東大から2度のプレスリリースを行って、当初の研究計画を大きく進展させた。その成果は、次世代人文学のモデルとなる新たなデジタルアーカイブSAT2018の公開となって結実した。SAT2018は、直接の専門となる仏教研究者にとって実用性の高い統合的研究環境を提供するばかりでなく、人文学研究のための専門知識デジタルアーカイブのモデルになるとともに、人文学の成果を一般社会に利用可能なかたちで提供する先進的事例となった。
著者
王 杲 高橋 光輝
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2015-GN-93, no.50, pp.1-8, 2015-01-19

近年,中国の急激な経済発展に伴い,コンテンツ市場も大きく活性化されている.しかし,日本で行われているキャラクタービジネスが成功している事例は中国では極めて少ない.さまざまな制約などの厳しい環境がある中国で,日本型キャラクタービジネスの展開は今後も厳しい状況ではないかと推測される.今回は,著者がプロデューサーとして参加し,中国で展開した “VOCALOID CHINA PROJECT” の事例を基に,海賊版問題や放送規制が厳しく文化も違う中国で,実際に行ったどんな問題に直面したのか.また,ユーザーとなる中国の若者がどんな影響を受けたのかを記録し,分析する.
著者
高橋 修平
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.13-46, 1979-03-26
著者
高橋 浩晃 宮村 淳一
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学) = Department of Natural History Sciences (Geophysics), Graduate School of Science, Hokkaido University
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.177-190, 2009-03-15

We investigate the activity of deep low-frequency earthquakes (DLE) in Japanese Islands by JMA hypocenter catalogue during 1997 to 2008. It is confirmed that DLE cluster is distributed in every region. This implies that DLE phenomenon is common in Japanese subduction zone. Many active DLE clusters are identified in and around the quaternary volcanoes in whole area. There are also many non-volcanic clusters in Hokkaido and Tohoku regions, but very few in Kanto, Koushinetsu, Chubu, Hokuriku and Kyushu regions. High activity of non-volcanic clusters is observed in Kinki region. No clear correlation between DLE number and volcano activity index during 100 and 10,000 years is recognized. This fact implies the possibility that DLE activity is not precursor signal of shallow volcanic activities such as eruption at any time. Lower limit of DLE hypocenter depth generally coincides with depth of Moho discontinuity of each region. This may indicates that structure of upper mantle and lower crust and its boundary strongly control the occurrence of DLE's.
著者
高橋源一郎 編
出版者
武蔵野歴史地理学会
巻号頁・発行日
vol.第3冊, 1930
著者
高橋 亜希子
出版者
東京大学大学院教育学研究科
雑誌
東京大学大学院教育学研究科紀要 (ISSN:13421050)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.293-303, 2003-03-10

In the revised version of the course of the study, "the student's capability to set up their own tasks" has become the central subject of discussion, This study examines the student's theme setting and discusses its educational implications for thematic learning. The purpose of this study is on how students seek their own interests at the initial stage of their thematic learning. The data was collected in a high school, using questionnaire distributed among 110 students, the observation of the teacher-student discussions, and the interviews with students.
著者
浅野 良晴 岩田 仁 紀谷 文樹 市川 憲良 有吉 淳 高橋 紀行 樋口 祥明 向野 信男
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.63, no.504, pp.79-86, 1998
被引用文献数
1 1

In this paper the authors investigated the fundamental data which were necessary for estimation of the optimum number of the fixtures in a lavatory of the single-purpose soccer stadium. The sanitary fixture usage of the audience of a pro-soccer game at a stadium-K were surveyed actually by means of the electric methods. The results are as follows. The number of men was same to female in audience. The waiting line of lavatory during the intermission had been left after the second half of the game had started, therefore some of audience had been disturbed to watch the game. Lack of the sanitary fixture in the female lavatory had caused waiting line during this investigation period. But the occupated period on each fixture was similar to the result of the previous investigation.
著者
堤 裕昭 岡村 絵美子 小川 満代 高橋 徹 山口 一岩 門谷 茂 小橋 乃子 安達 貴浩 小松 利光
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.291-305, 2003-05-05
参考文献数
33
被引用文献数
27

九州西岸の有明海奥部海域において,近年夏季に発生する底層水の貧酸素化現象および頻発する赤潮の発生メカニズムを解明するため,2001年8月より2002年2月まで毎月1回,水質調査を行った。本調査期間中,8月上旬に底層で貧酸素水塊が,11月に珪藻赤潮がいずれも大雨の後に発生し,その発生過程を次のようにまとめた。1.夏季の貧酸素水塊 梅雨期の大雨→河川からの大量の淡水の流入→表層の塩分低下による成層構造の発達・夏季の気温上昇に伴う水温の成層構造の発達→底層水の貧酸素化 2.秋季の珪藻赤潮 秋季の大雨→河川からの大量の淡水の流入・大量の栄養塩の供給→低塩分・高栄養塩濃度の表層水の形成→赤潮の発生 1998年以降,秋季の赤潮は大規模化する傾向が認められる。有明海奥部海域では,塩分や水温による成層構造が発達した時に,海水交換に大きな変化が生じ,海水が滞留しがちになることで赤潮が発生している可能性が指摘される。
著者
山口 惠三 大野 章 石井 良和 舘田 一博 岩田 守弘 神田 誠 辻尾 芳子 木元 宏弥 方山 揚誠 西村 正治 秋沢 宏次 保嶋 実 葛西 猛 木村 正彦 松田 啓子 林 右 三木 誠 中野渡 進 富永 眞琴 賀来 満夫 金光 敬二 國島 広之 中川 卓夫 櫻井 雅紀 塩谷 譲司 豊嶋 俊光 岡田 淳 杉田 暁大 伊藤 辰美 米山 彰子 諏訪部 章 山端 久美子 熊坂 一成 貝森 光大 中村 敏彦 川村 千鶴子 小池 和彦 木南 英紀 山田 俊幸 小栗 豊子 伊東 紘一 渡邊 清明 小林 芳夫 大竹 皓子 内田 幹 戸塚 恭一 村上 正巳 四方田 幸恵 高橋 綾子 岡本 英行 犬塚 和久 山崎 堅一郎 権田 秀雄 山下 峻徳 山口 育男 岡田 基 五十里 博美 黒澤 直美 藤本 佳則 石郷 潮美 浅野 裕子 森 三樹雄 叶 一乃 永野 栄子 影山 二三男 釋 悦子 菅野 治重 相原 雅典 源馬 均 上村 桂一 前崎 繁文 橋北 義一 堀井 俊伸 宮島 栄治 吉村 平 平岡 稔 住友 みどり 和田 英夫 山根 伸夫 馬場 尚志 家入 蒼生夫 一山 智 藤田 信一 岡 三喜男 二木 芳人 岡部 英俊 立脇 憲一 茂龍 邦彦 草野 展周 三原 栄一郎 能勢 資子 吉田 治義 山下 政宣 桑原 正雄 藤上 良寛 伏脇 猛司 日野田 裕治 田中 伸明 清水 章 田窪 孝行 日下部 正 岡崎 俊朗 高橋 伯夫 平城 均 益田 順一 浅井 浩次 河原 邦光 田港 朝彦 根ケ山 清 佐野 麗子 杉浦 哲朗 松尾 収二 小松 方 村瀬 光春 湯月 洋介 池田 紀男 山根 誠久 仲宗根 勇 相馬 正幸 山本 剛 相澤 久道 本田 順一 木下 承晧 河野 誠司 岡山 昭彦 影岡 武士 本郷 俊治 青木 洋介 宮之原 弘晃 濱崎 直孝 平松 和史 小野 順子 平潟 洋一 河野 茂 岡田 薫
出版者
日本抗生物質学術協議会
雑誌
The Japanese journal of antibiotics (ISSN:03682781)
巻号頁・発行日
vol.59, no.6, pp.428-451, 2006-12-25
参考文献数
17
被引用文献数
37
著者
高橋 大輔 檜澤 伸之 前田 由起子 福居 嘉信 西村 正治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.10, pp.1071-1078, 2004
被引用文献数
8

喘息における抗原特異的IgE反応性の意義を検討する目的で, 喘息患者275名と非喘息健常者265名を対象とし, 血清総IgE値及び複数の吸入抗原に対する特異的IgE値を測定した. 少なくとも一つ以上の抗原に対する特異的IgEが陽性の場合にアトピーありと定義し, アトピーやそれぞれの抗原に特異的なIgE抗体陽性者の頻度などを比較検討した. 若年齢(41歳未満)及び中高年齢(41歳以上)健常者の76.5%, 35.7%, 喘息患者の92.1%, 53.4%が, それぞれアトピーと判定された. ダニに対する特異的IgE抗体価は喘息患者で有意に高かった. 一方, アトピーのない対象者でも健常人に比べ血清総IgE値は喘息患者が有意に高値であった. ダニなどの抗原に対するIgE応答(アトピー)は喘息発症のリスクと考えられる. しかし, 喘息病態に伴った抗原非特異的なIgE反応性の亢進が, 喘息患者に見られる種々の抗原に対する特異的IgE抗体の上昇に寄与している可能性も考えられた.
著者
谷口 将一 紀平 一成 高橋 徹 小西 善彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.53, pp.7-12, 2012-05-17

海洋レーダ等,見通し外領域までの観測を行うため, HF帯以下の周波数を用いる.このとき,波長が長くなるためアンテナ開口径が大きくなり,小型化が必要である.小型化の一つの手法として,スーパーディレクティブアレーの適用が考えられるが,実際は素子間相互結合に起因したアクティブ反射係数による反射損が大きい.本報告では,素子間相互結合を考慮し,反射損を定量的に評価し,信号対雑音電力比(SNR)との関係から,システムとしての成立性の確認を行った.その結果,反射損を考慮したSNRの劣化は小さいことを確認した.また,アンテナ開口径を拡大させずにサイドローブレベルを低減する構成を提案した.以上の検討より, HF帯受信アンテナとしてスーパーディレクティブアレーが適用できる可能性があることを確認したので報告する.
著者
長谷川 真二 松隈 英樹 松尾 哲 高橋 稔 川村 実 土田 弘基
出版者
社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析療法学会雑誌 (ISSN:09115889)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.731-733, 1991-06-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
9

今回我々は維持透析患者に悪性症候群が合併した稀な1例を経験したので報告する.糖尿病性腎症により維持血液透析中の42歳男性が, 高熱と, 眼振, 手足の振戦, 幻覚幻聴により入院した. 血液検資の結果, GOT459IU/l, LDH 1,669IU/l, CPK 529IU/l, aldolase13.3mU/ml, myoglobin 3,200ng/mlと異常を認め, 著明な低酸素血症 (PO227.1mmHg, PCO242.8mmHg) を合併していた. 患者は, 制吐剤として頻用される塩酸メトクロプラミド (metoclopramide hydrochloride: 30mg/日) を5か月間内服していた. また発熱, 自律神経症状・錐体外路症状・意識障害の症状より悪性症候群 (syndrome malin) と診断した.このため薬物の中止と臨時に血液透析を行い症状は改善し, 良好な経過を示した.