著者
寺田 元一
出版者
名古屋市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

18世紀を中心とする創発論的自然観について、ボイル、ハラー、モンペリエ学派を中心にして考察を行い、次のような成果を上げることができた。ボイルは化学的場面における粒子論的物質理論、ハラーは生理学における階層的構造機能論的生物像、モンペリエ学派は、やはり生理学ではあるが、諸生命の生命という階層的生気論的生物像と、それぞれ相違しながらも、そこには次のような共通性が見られた。(1)全体を考えるに当たって基本単位として原子的なものを前提する、(2)全体を諸構造の構造、諸生命の生命といった階層的秩序において見る、(3)より高次の構造に対応してより高次の機能が存在するとする、(4)低次の構造にはなかった機能が高次の構造においてなぜ出現するのかを説明する必要を感じている、(5)その説明のために、あるときは創発、あるときは「隠れた力」、あるときは霊魂などに依拠する、(6)神秘的なものに助けを求めず、構造機能論を徹底的に貫こうとする場面で、創発の論理を豊かに展開することになる、以上の共通性である。彼らに共通する自然観は粒子論的階層的構造機能論的創発論的自然観(以下、創発論的自然観)と特徴づけることができる。17、8世紀の自然観については、宇宙全体を機械=時計とする機械論が流行し、それに生気論などが対抗したが、最終的に前者が勝利したと見られている。しかし、これでは創発論的自然観の存在が見えなくなってしまう。だが、実は近代科学=機械論・要素主義ではなかった。原子論の復興を契機として、上述したような創発論的自然観が登場し全体論的で複雑な見方を展開していった。言葉はなくても創発を問題とせざるをえないような自然観がこの時代に存在し発展し続け、近代科学を支える自然観の重要な一部を形成していたのである。それゆえ、粒子(原子)論もまた機械論ではない。粒子(原子)論からある種全体論的ともいえる自然観が展開されたからである。
著者
伊集院 睦雄
出版者
地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所)
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

読解とは,文字を入力とし意味を出力とする計算過程であり,その計算には,文字表象から直接その語の意味表象を計算する過程(orth→sem)と,文字表象からその語の音韻表象を計算した後,そこから語の意味表象を計算する過程(orth→phon→sem)がある.本研究では,意味の計算における両過程の役割分担に注目し,人工的ニューラル・ネットワークを用いたシミュレーション実験を行った.日本語の音読と読解を学習したモデルにおいて,orth→semとorth→phon→semの各処理過程を孤立させて意味を計算し,両処理過程の寄与を漢字と仮名の表記別に検討した.その結果,漢字語全般における両処理の寄与率に差は認められなかったが,orth→semの一貫性が高い漢字語の意味計算では,直接計算過程の寄与が高かった.一方,仮名語では,音韻媒介過程の寄与が高かった.本結果は,日本語の読解における意味の計算過程の役割分担が,表記によって異なる可能性を示唆する.
著者
田辺 欧
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究はアンデルセン文学のなかで特にマイナーとされるジャンルを中心に、"移動"というテーマによってテクストを選別し、脱領域観点からアンデルセン文学を「越境文学」として検証することであった。空間と文化を越境しつづけたアンデルセンの流動的なマルチ芸術性に注目しつつ、アンデルセン文学が複数の文学領域、また文学以外の芸術領域と交錯するなかで「総合芸術」として創造されたことを考察した。その結果、単にロマン主義文学としての「総合芸術」の所産に留まることなく、現代においても、統合芸術として、常に新たな解釈の可能性があることが検証された。
著者
篠宮 佳樹 大年 邦雄
出版者
独立行政法人森林総合研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

高知県西部の四万十川源流の森林流域において,2011 年7 月18~19 日における総雨量742mm の"特大出水"の栄養塩(SS,TN,NO3 -)の流出特性について,総雨 量200~300mm の"大出水",総雨量200mm 未満の"出水"と比較しながら考察した。試験流域 で,自動採水器を用いて6 回(総雨量53~742mm)の出水時調査(2 時間間隔)と月1 回程度の 定期調査を行った。"特大出水"のTN の累加比負荷量は既往の報告における我が国のTN の年間 負荷量に匹敵した。NO3 --N のTN に占める割合は"出水","大出水"の28~76%から"特大出 水"の2%へと急減した。"特大出水"時の栄養塩流出は懸濁態物質の流出が顕著になることを 明確に示した。
著者
萩原 弘子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

戦後の移民政策の結果、多民族国家となったイギリスで、既存の美術機構から周縁化されてきたブラック・アーティストに注目し、1980~90年代の「ブラック・アート運動」と呼ばれる動きとその後の推移を分析・考察することで、表象文化と視線をめぐるポリティクスを研究した。それにより、視覚表象文化が規範や社会関係(移民、人種等)の構築・解体の行なわれる現場であること、現代世界における移動の行為が表象文化形成にとって重要な意味をもつことを示した。
著者
村上 陽子
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

食べ物のおいしさを感じる上で,視覚は大きな役割を果たしている。食における色の効果を大切にしてきた我が国には,和菓子という伝統的な菓子がある。和菓子には,季節や行事により種類・色・形・材料などが使い分けられるなど,他国の菓子には見られない特徴を持つ。一方,現代社会においては,食における色彩は軽視される傾向にある。また,和菓子の喫食頻度は減少傾向にあり,食文化の継承という面において懸念すべき状況にある。本研究室では,和菓子の中でも色の美しさが特徴であり,色の配色や形の変化により季節感や造形美を表現できる練りきりに着目し,研究を進めており,いくつかの知見を得ている。や造形美を表現できる練りきりに着目し,研究を進めており,いくつかの知見を得ている。
著者
木下 晃
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまでに我々は、TGFB1およびTGFBR2遺伝子の変異により常染色体優性遺伝病が発症することを報告してきた.本研究では、患者で同定された変異を導入したTgfb1およびTgfbr2遺伝子改変マウスを作製し、その表現型からTGFシグナル系の異常が引き起こす細胞外マトリックス産生・沈着異常を明らかにしようとしたが、作製したキメラマウスは全て不妊であり、目的を達成することは出来なかった.
著者
竹西 亜古
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

人は、社会にある様々な対象に「危険あるいは安全」という評価をするが、このようなリスク認知は、科学的事実としての評価からずれることが多い。本研究は、そのようなリスク認知の心理過程を、対象に対する感情的イメージや過去の記憶の影響から明らかにした。さらに明らかにした心理モデルを、福島第一原子力発電所の事故による風評被害に応用し、拒絶行動をもたらす心理過程を検討した。
著者
釜谷 武志
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

辞賦と楽府は口承性において本来共通していたが、後漢期に入って、辞賦の口承性が希薄化していくにつれて、本来保持していた機能の一部を楽府詩が担うようになったと考えられ、物語詩的な楽府詩は辞賦の変質と関連性があると推測される。また、漢代文学に特徴的に見られる時間の推移についての悲哀の感情は、人間の生きる時間が直線的で後戻りのきかないものであるという意識のほかに、罪の無い人間も禍を背負って生まれてくるという意識が底辺にあったから生じたと考える。
著者
竹原 広実
出版者
京都ノートルダム女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

都市部よりもより自立した生活を迫られている過疎地での農家居住者を対象として、人間工学的側面からの住宅環境の実態に関する調査を行った。結果、(1)日常生活の動線上にいくつもの段差があり、その高さも高く危険であり、そして心拍、血圧上昇に関連している。(2)住宅内は全般に暗い。日中での人工照明の点灯、照明数の増加など工夫が必要である。(3)全般的に室温は外気温の影響を大きく受けている。夏の湿度の高さは熱中症の危険もあるためエアコンの利用を啓蒙する必要がある。
著者
荻 美津夫
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

平成21年度は中国甘粛省の炳霊寺石窟、麦積山石窟等において北魏~北周時代の音楽文化資料の調査研究、韓国百済の都扶余等において音楽文化資料調査を行った。平成22年度は遼寧省瀋陽とその周辺における魏晋墓画像磚・壁画等にあらわされた音楽関係資料の調査研究、続いて吉林省集安において、中国の影響を受けた高句麗古墳群に画かれた壁画資料等による音楽関係資料について調査研究し、多くの資料を蒐集した。また韓国慶州・大邱等において、新羅関係の音楽文化の調査研究を行った。平成23年度は中国新彊ウィグル自治区亀茲のキジル(克孜爾石窟)石窟、クムトラ石窟(庫木吐拉石窟)、およびトルファン(吐魯番)のベゼクリク千仏洞(柏孜克里克千仏洞)・アスターナ古墳群(阿斯塔那古墳)等の調査を行い、多くの音楽文化関係資料を蒐集した以上3年間に中国西北部から東北部、朝鮮の旧新羅・百済の存在した地域の調査研究を行い、極めて多くの音楽文化関係資料を蒐集するなどの大きな成果を得た。
著者
丸山 良平
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は乳幼児の仲間関係に焦点化し,遊びの指導と子どもの自発的な遊びの援助プログラム作成のための準備として乳幼児の遊びと保育者援助の実態の解明を目的とした。2005年10月から2006年3月まで幼稚園3歳クラス,保育所0・1歳クラスと2歳クラスを観察した。この観察資料から作成した事例を分析し考察した。仲間関係の特徴は,0歳クラス児では親和的かかわりが期間を通して多い。1歳クラス児では当初は攻撃的関与が多いものの,冬休みを境に親和的関与が増加した。攻撃的関与は物の奪い合いが最多であるが,冬休み後は自制するようになつた。保育者援助は攻撃行動の制止が最多であるが,それによって関係修復までには至らない。2歳クラス児では仲間関係は遊びに依存していた。男女児共にいわゆる「ままごと」が多く,様々なかかわりをしていた。険悪なときユーモラスな発話をして,場の雰囲気を一変させることがあった。保育者援助では解決を急ぐあまりに不適切な指導が見られた。3歳クラス児ではごっこ遊びが主流となっていた。初期は保育者の援助がないと進展しなかったが,次第に子ども達だけでも展開するようになった。怪獣のような悪役をやる幼児が登場し対立関係のあるごっこ遊びが展開し仲間関係も深まった。保育者が遊び込めない子どもをときどき見過ごすことがあった。遊び込めない子ども達がしばしばトラブルを起こすことが示された。観察と平行して文献研究として心理学と保育指導の文献を検討し,乳幼児期の仲間関係の発達と保育者の援助のあり方をまとめた。2006年4月から2007年3月まで対象者の多くが上記と同じ幼児である幼稚園4歳クラス,保育所2歳クラスと3歳クラスを観察した。その資料は分析中で今回は成果を報告できなかったが,今後,稿を改めて報告する。
著者
山本 正信
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

人間の動作を測定しコンピュータグラフィックス上で再現するシステムは,モーションキャプチャーと呼ばれている.モーションキャプチャーは,ゲームやアニメーションなどでのキャラクタの動作生成,スポーツにおけるトレーニングの評価,リハビリテーションにおける治療の評価など広い領域で使用されている.しかし,それらの多くは人体に特殊な装置を取りつけたり,予めマーカーを貼りつけることが多く,自然な状態で人間の動作を測定することが難しい.そのため,非接触に人間の動作を測定できる装置が望まれている.本研究では,市販のビデオカメラを使用することにより,人体に接触することなく自然な動作を測定する手法を提案した.一つのカメラからでは,人体全体を観測することが難しいため,複数のカメラを使って身体動作を測定するシステムを構成した.このシステムを使って野球の投球動作のような素早い動きの測定に成功した.さらに,この測定システムの応用を試みた.一つは動作認識である.測定した人体全体の運動パラメータを動作の特徴を失うことなく2個に圧縮した.これは動作を2次元平面上に視覚化して表せることを意味し,文字認識の技法を用いて動作の認識を行うことが狩野である.実際,ラジオ体操第1に含まれる9種類の動作の認識に成功した.もう一つの応用は,パフォーマンスアニメーションである.この動作測定装置を組み込んだアニメーションシステムを構成し,代表的な演技を測定し動作データベースを作成した.動作をこのデータベースから引用することによりアニメーションを楽に作成することができる.実際,グリム童話の一つを題材に4分程度のコンピュータアニメーションを楽に作成することができる.実際,グリム童話の一つを題材に4分程度のコンピュータアニメーションを制作した.このシステムでは,キャラクタのモデルを動作の測定とアニメーションの作成に共用しているので,動作データのフォーマット変換が不要である.
著者
石原 直 小豆畑 達哉 緑川 光正
出版者
独立行政法人建築研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究代表者らは基部で浮き上がりを許容した架構を対象に検討を行ってきたが、適用しやすい形状等に制約があった。本研究では「浮き上がり活用型制振架構」の適用範囲を拡大するべく、浮き上がり位置を高さ方向に調整した場合や、比較的ずんぐりとした建築物に適用した場合、また多スパンに適用した場合について、解析や振動台実験を通じてそれらの基礎的な振動特性と負荷低減効果を明らかにした。
著者
釜江 常好 牧島 一夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

硬X線で偏光が期待される「かに星雲」と「白鳥座X-1」を気球搭載の偏光計PoGOLiteで観測し、当該天体での放射過程と磁場分布の決定を目指した。偏光計は2010年に完成し、スウェーデン北部のESRANGE気球基地で太陽パネル、制御系、通信系等を装備したゴンドラに組み込み放球の機会を待ったが、気球納入会社の不良品リコール、放球後のガス漏れ、天候不順などで観測出来ないまま3年の計画期間が終わってしまった。
著者
吉岡 邦浩 田中 良一
出版者
岩手医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

320列面検出器型CTによる「前向き心電図同期撮影法による1心拍撮影」を用いることで、低被ばくの心臓撮影が可能であることを明らかにした。本法を冠動脈ステントが留置された102例を対象として調査したところ、ステント内再狭窄の診断精度は感度100%、特異度87.8%で、実効線量は約4.8mSvであった。また、逐次近似再構成法を用いればさらに約32%の被ばく低減が可能であった。また、本法を応用したサブトラクション冠動脈CTを高度石灰化症例に対して試みた。
著者
室山 泰之 山田 彩 遠藤 美香
出版者
兵庫県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

集落などの人為的な環境を利用する複数のニホンザル集団を追跡調査するとともに、その生息環境を環境省植生図などの既存の資料と現地調査から分析することにより、彼らの土地利用と環境選択、個体群パラメータなどを明らかにした。集落を利用するニホンザルにとって、集落に隣接する林は採食や休息などの多様な機能をもつ生息地であること、農作物採食によって出産率の上昇など個体数増加につながる変化が起こることなどを明らかにした。
著者
蛭田 秀一 安藤 詳子 山田 宏 島岡 みどり 今枝 敏彦 小野 雄一郎
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

各種介助作業方法間で、介助者側の負担感と患者側の安心感を比較した。また、負担感や安心感と介助者の筋力との関係を検討した。作業として、ベッド上での仰臥位から長座位への起き上がり介助(5方法;患者の右側から)とスライド板使用の車椅子からベッドへの水平移乗介助(3方法)を設定した。被検者は18人の介助者役(平均年齢21.4±SD0.6歳、平均身長157.9±5.9cm、平均体重52.7±5.8kg)と1人の患者役(身長152.2cm、体重48.9kg)の女子看護系大学生であった。方法によっては、患者支持用補助具として、フレキシムーブ(把手紐付きのたわみ可能な介助板)とフレキシベルト(把手紐付き介助ベルト)を使用した。起き上がり介助における介助者の全身負担感(Borg's RPE値)は「ムーブ使用・右膝ベッド上置・回旋引き起こし」が平均10.8±1.6で、他の4方法に比較してそれぞれ有意に(P<0.05)低かった。「患者右前腕固定・回旋起こし」(11.2±2.1)と「ムーブ使用・回旋引き起こし」(11.6±1.7)はともに、「患者背部持ち上げ起こし」(13.2±2.2)、「対面左肩保持引き起こし」(13.3±2.4)より有意に低かった。7段階で尋ねた患者の安心感については、最良の「ムーブ使用・右膝ベッド上置・回旋引き起こし」と最低の「患者背部持ち上げ起こし」の間のみ有意差がみとめられた。移乗介助における介助者負担感は、「ムーブ使用」が「支持具不使用」より有意に低値を示し、患者安心感は「ムーブ使用」が「ベルト使用」に比べ有意に良好であった。筋力との関係については、「支持具不使用」移乗において介助者の脚力が高いほど患者安心感も高いという有意な相関関係がみられた。本研究の結果、介助方法や補助用具の選択の際には、介助者側、患者側双方からの評価を総合的に検討すべきであることが示唆された。
著者
與倉 弘子
出版者
滋賀大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は環境問題に配慮した衣生活様式を支援、推進するための環境学習プログラムの開発を目標とする。ここでは環境学習の具体的題材として「繊維製品のマテリアルリサイクル」「吸水性衛生材料の消費とリサイクル」「紫外線遮蔽繊維製品の有効利用と健康な衣生活」を取り上げ、以下の成果が得られた。1)繊維製品のマテリアルリサイクル:寝具の廃棄と再利用に関する実態調査を行った。廃棄寝具の回収方法は自治体によって異なり、回収方法に関する啓蒙活動の必要性が示唆された。寝具の性能としては、枕の熱移動特性と温熱的快適性の関係、再生わたの繰り返し圧縮による厚さ変化を評価して、リサイクルわたの性能設計に関する指針を得た。また、大学生を対象として衣服の廃棄と再利用に関する意識調査を行なった結果、リサイクルに関する知識が不足しており、環境教育の必要性が示唆された。小学生を対象に、繊維製品のリサイクルに関する教材開発と授業実践を行なった。2)吸水性衛生材料の消費とリサイクル:ペーパータオルや婦人用衛生用品の素材特性と使用感の関係を評価した。繰り返し使用できる布製パッドとの併用や、再生紙を用いた使い捨て不織布の設計に資する知見を得た。3)紫外線遮蔽繊維製品の有効利用と健康な衣生活:幅広い年齢層について紫外線に関する意識調査を行った。有害紫外線の人体への影響は知っているが、それを軽視して対策を行ない傾向が男性に多くみられ、環境学習の必要性が示唆された。また、中学生、高校生、一般市民を対象に、簡易型紫外線強度計を用いた学習プログラムによる授業実践を行ない、その有用性を確認した。
著者
ボルジギン ブレンサイン
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、清朝という一つの帝国の崩壊から中華人民共和国というもう一つの多民族国家の枠組みが形成されるまでの間に、それまで満族の形成に加わったと思われていた旗人集団(満洲旗人、蒙古旗人、漢軍旗人)が、モンゴル族や漢族、ダウール族など多くの民族の形成に分散していったということを明確にした。