著者
スカーダマリア マリーン ベライター カール 大島 純
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.197-208, 2010
被引用文献数
2

本稿では,まず,学習環境のデザインにおいてこれまで重視されてきた「共同体(community)」の視点の歴史的変遷を概観する.その上で,現在広く利用されている「学習共同体(community of learners)」アプローチと著者らの提案する「知識構築共同体(knowledge building community)」の比較検討をとおして,「導かれた発見(guided discovery)」から「知識創造(knowledge creation)」という認識論的移行を検討する.そして最後に,こうした認識論の違いが教室環境をデザインする際に,その要素技術の選択や開発にどのような影響を及ぼし,さらには学習者の認知的活動にどういった違いが現れるのかについて,国内の実践例をもとに議論を展開する.
著者
杉山 昂平 森 玲奈 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.31-41, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2

成人による趣味の追求をインフォーマルな学習環境はいかに支えるのだろうか.趣味における興味に着目してきた先行研究に対し,本研究の目的は「興味の深まり」という新たな概念を提案し,「成人の趣味活動において学習環境との関わりによっていかにして興味が深まるのか」を明らかにすることである.趣味活動の事例としてアマチュア・オーケストラを対象とし,オーケストラ団員15名に対して回顧的インタビュー調査を行った.分析の結果,興味の深まりには(1)音楽的な無自覚からの脱出,(2)上達・達成へのとらわれからアンサンブルへ,(3)参加すること自体の価値を見いだす,という3類型が存在し,それぞれの興味の深まりは(a)活動形態の異なる共同体への移動,(b)活動理念の異なる共同体への移動,(c)目標を焦点化する役割付与,という学習環境との関係性において生起することが明らかになった.
著者
白鳥 成彦 大石 哲也 田尻 慎太郎 森 雅生 室田 真男
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.11-22, 2020-07-10 (Released:2020-07-10)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究では過去のデータを用いて中退をした大学生の状態を学期ごとに遷移する中退確率を用いて表現し,その中退確率を用いて中退までの学生の動きを類型化する手法を提示する.大学における中退は,大学にとっても,学生にとっても負の影響が大きい.本研究では過去のデータを用いて中退をした大学生の状態を学期ごとに遷移する中退確率を用いて表現し,その中退確率を用いて中退までの学生の動きを類型化する手法を提示する.大学における中退は,大学にとっても,学生にとっても負の影響が大きいため,中退を予測し,介入することで未然に防止する研究は広くなされてきた.しかし,中退予測の研究では中退を一時点のみで予測することが多く,実際に中退をする学期までに予測がどのような変遷を経るのかといった研究は少なかった.本研究ではロジスティック回帰モデルを用いて学期ごとに中退確率を算出し,X-means 法を用いて類型化することで,実際に中退をする学期までにどのような途中過程を経るのかを表現する手法を提示する.本手法を用いることで,大学において実際に中退をした学生がどのような過程を経て中退をしたのかを量的に知ることができるため,全学的な学生支援の方向性を検討し,効率的な中退防止施策につなげることができる.
著者
三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46056, (Released:2022-09-02)
参考文献数
7

児童のICT 操作スキルに関して,教師が行った支援方法とその期間を,認知的徒弟制モデルのうち,熟達化を促すための方法に着目して調査し,実態を把握することを目的とした.小学校教師12名の回答を分析した結果,Web サイトの作成スキルのように,教師の手本を観察させて学ばせる期間が長くなるものがある一方で,地図アプリの操作スキルのように,支援を少なくしてすぐに自立の段階に移行できるものがあること等が示された.また,認知的徒弟制モデルに沿った順番どおりの支援が最適とは限らない可能性が示唆された.
著者
中山 舞祐 森本 康彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S44092, (Released:2020-09-17)
参考文献数
5

協働的に開発作業を行うプログラミングスタイルの一つにペアプログラミングがある.しかしながら,小学校プログラミング教育において,児童がペアプログラミングの仕組みを理解して取り組むことは難しいと考えられる.そこで,本研究では,ペアプログラミングを取り入れた小学校プログラミング教育の実施方法を提案することを目的に,児童がペアプログラミングに取り組む際のルールを定め,それに則り実践を行った.児童への提案方法の効果を聞く質問紙調査の結果,児童は,ペアプログラミングにおける役割を意識し,ねばり強く,2人で教え合いながら取り組めることが明らかになった.
著者
舟生 日出男 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.309-319, 2010

近年,卒業論文や修士論文の研究課題を設定する能力が低い工学系の学生が増えている.そこで本研究では,「課題の設定に関わる力」の効力感を高めるために,CSCLシステム「ProBo」を取り入れて,「協調的調査活動」をデザインし,大学院の授業の中で実践した.協調的調査活動とは,A)先行研究とそれに関連する文献を調査し,その研究の特徴として,位置づけや実現している範囲について吟味し,ドキュメントとしてまとめ,B)ドキュメントについての相互閲覧や質疑応答,発表,それらの結果を踏まえたドキュメントの改善を行う活動である.自己評価や相互評価,質問紙調査の結果,学生の多くは実践を通して,情報活用能力とプレゼンテーション能力について,効力感が得られたことが明らかになった.また,相互にドキュメントを閲覧したり,質疑応答することの有効性についても,多くの学生に認められた.
著者
堀田 雄大 八木澤 史子 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47048, (Released:2023-11-24)
参考文献数
10

本研究では,教員5名に対して,動画視聴による研修への指向性と意識について実態を調査した.結果,肯定的に捉えている理由には,自分のタイミングで学習を進めることができる,学習の機会が増えたり繰り返し復習ができたりすることができる,という内容が抽出され,否定的に捉えている理由には,他者とのつながりが必要,一人で取り組むことが必ずしも集中につながらないといった内容が抽出された.このことから,今後,動画視聴による研修については,教員個別のペースを保障できる期間や学習環境を設けること,相互評価や交流を取り入れたりすることなどの研修内容の改善に繋がる視点について示唆を得た.
著者
稲木 健太郎 泰山 裕 大久保 紀一朗 三井 一希 佐藤 和紀 堀田 龍也
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S47055, (Released:2023-09-04)
参考文献数
8

本研究は,思考ツールの選択に関するメタ認知にクラウドで共有した他者の振り返りの参照が与える影響を検討することを目的とした.小学校第4学年児童を対象に,思考ツールの選択に関する振り返りをクラウドで学級内へ共有し,参照させ,改めて自覚したことがある場合は振り返りを追記させた.参照前の振り返りにおいてメタ認知に該当する記述数の多かった群を高群,少なかった群を低群とし,記述の分析とインタビューにより参照の影響を検討した.結果,参照が高群と低群のメタ認知を促すこと,参照により,低群では特に自覚が困難だった経験が,高群では特に無自覚になっていた経験が想起され,メタ認知につながったことが示唆された.
著者
鈴木 克明
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.43084, (Released:2019-10-29)
参考文献数
33

我が国の教育工学研究におけるインストラクショナルデザイン(ID)研究の位置づけについて概観し,教育革新が求められている今日の研究基盤としてID研究が果たすべき役割について述べた.我が国では初等中等教育における授業設計と企業研修の文脈でのIDに乖離が見られた時期があり,その後高等教育には教員の能力開発(FD)の文脈でIDの諸概念が浸透していった.今後研究基盤としてIDが果たすべき役割として,デザイナーになり革新的な実践を共創すること,デザイン研究でIDの知見拡大に貢献すること,脳科学の知見でIDを再解釈・精緻化すること,次世代の大学を創出する一翼を担うこと,教えないでも育つ教育を実現すること,ID専門家育成上級講座に参画することを提言した.
著者
伏木田 稚子
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Suppl., pp.161-164, 2021-02-20 (Released:2021-03-08)
参考文献数
10

本研究の目的は,学部2年生以上が対象のゼミナールについて,教員が授業外活動に見出している価値を検討することであった.質問紙調査の結果,社会科学や総合科学が専門の教員を中心に,全体の約7割が授業外活動を重要視しており,それらの価値は,(a) 発表や報告の準備,(b) 自主的な勉強,(c) 課題や研究の推進,(d) グループでの学習の4つに集約されることが示唆された.具体的な諸活動の設定については,ゼミコンパならびにゼミ合宿といった共同体的なイベントが広く展開され,OB・OG との交流やサブゼミも一定数行われていた.
著者
佐藤 智文 平野 智紀 山本 良太 石橋 純一郎 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S46094, (Released:2022-09-27)
参考文献数
7

本研究の目的は,GIGA スクール構想による1人1台端末整備直後におけるICT 活用の促進要因を明らかにすることである.川崎市内の小学校教員(N=997)を対象として,教員の年代,GIGAスクール構想推進講師(GSL)担当,ICT 活用歴,GIGA 以前からICT を活用していたこと,ICT活用に対する自信,がGIGA 後のICT 活用に対する認識に及ぼす影響を検討した.分析の結果から,GIGA 後のICT 活用には,「年次の若さ」「GIGA 以前のICT 活用」「自信」が有効であること,ICT 活用歴の長さだけではGIGA 後のICT 活用には寄与しないこと,年代の高い教員においてICT活用への自信を持つことの効果が高いこと,が示唆された.
著者
内田 佳途 三井 一希 浅井 公太 棚橋 俊介 佐藤 和紀
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45063, (Released:2021-08-25)
参考文献数
10

小学校での1人1台端末を活用する場面において必要になる学習規律を分類・分析するため,小学校教師2名を対象に導入後2か月間で指導した学習規律に関する調査を実施した.結果,11項目の学習規律が指導され,学習規律を一覧表にまとめた書籍を参考に分類したところ,指導場面が一致する「学習上のルール」,一致しない「端末を扱う上でのルール」の2つに大別された.「学習上のルール」は1週間で定着が図られたことから,これまでの学習規律と同様の指導により定着が図られることが考えられるのに対して,「端末を扱う上でのルール」は定着に2週間以上時間を要すること,ICT スキルを伴う指導が必要となることから,これまでの学習規律と指導方法が大きく異なることが示唆された.
著者
森下 孟 谷塚 光典 東原 義訓
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.105-114, 2018-07-10 (Released:2018-07-10)
参考文献数
13
被引用文献数
8

教員養成学部生のICT 活用指導力の組織的な向上を図るため,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことによって,教育実習生のICT 活用指導力にどのような効果をもたらすかを考察した.ほぼすべての教育実習生は,児童生徒の興味・関心を高めるために拡大提示装置やコンピュータを用いて教材などを拡大提示し,教育実習でICT を活用した授業を行っていた.また,児童生徒同士による発表や話合い,音声・動画などの資料準備でICT を活用していた.これらの場面に対応したICT 活用指導力が教育実習を通じて向上しており,教育実習でICT 活用授業を必ず1回以上行うことは教員養成学部生のICT 活用指導力の向上に効果があることを明らかにした.
著者
池尻 良平 山本 良太 中野 生子 山内 祐平
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.S45057, (Released:2021-11-02)
参考文献数
6

本研究では,ICT を利用した,ジグソー法のエキスパート活動における知見の同期的収集が,教師のモニタリングと介入にどのような影響を与えるかを,机間巡視のみの場合と比較して調査した.その結果,内容を含めた俯瞰的なモニタリング,各専門家グループのキーワードのシェア度合いに関する俯瞰的なモニタリングと各グループ内のシェアを促す介入,普段は優先順位の低い上位層のモニタリングを促す可能性が示された.
著者
森 玲奈
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.445-455, 2008
参考文献数
47
被引用文献数
2

研究の目的は,ワークショップのデザイン過程におけるベテラン実践家の特徴的思考を明らかにすることである.本研究では,ベテラン実践家とその集団に属する初心者2組を選定し,発話思考法を用いた実験を行った.分析は,まずベテラン-初心者間における発話の流れを比較し,その上で2人のベテランに共通する特徴を検討した.その結果,ベテランにおけるデザイン時の発話には,依頼内容の確認・解釈の後,コンセプトの立案を行うという共通の流れがあることが明らかになった.また,ベテランの特徴として,(1)依頼内容に対する幅広い確認を行うこと,(2)デザインの仮枠となるデザインモデルを使用すること,(3)保留や選択の余地を残した「やわらかな決定」を行うこと,(4)スタッフの育成に対する意識とデザイン力を持つこと,(5)過去の実践体験の想起や経験から構築された慣習を用いてデザインを行うこと,が明らかになった.さらに,ベテランには経験に裏づけられた「個人レベルの実践論」があることが示唆された.
著者
川﨑 聡大 奥村 智人 中西 誠 川田 拓 水田 めくみ 若宮 英司
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.161-164, 2020

<p>包括的領域別読み能力検査を用いて読みや語彙,統語といった読解に関与する言語モジュールを包含した読解モデルの構築を試み,多母集団同時解析によるモデルの交差妥当化を行った.その結果,一般化可能な読解モデルとして緩やかな線形構造をもった相互干渉モデルが示された.今後の学習の苦手さに対する介入やICT の活用の方針立案や効果測定において重要な知見を得た.また特徴的な結果として語彙力が「語彙の量」と「意味の活用」の二つの観点でそれぞれ読解力に異なる影響を与えていることが明らかとなり,読解力向上のための語彙指導を考える上で有意義な知見を得た.</p>
著者
伏木田 稚子 永井 正洋
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.44143, (Released:2021-06-22)
参考文献数
35

本研究では,生涯学習を支える情報リテラシーの育成に着目し,シニア世代が大学開放事業において幅広く継続的に学知を学ぶ上で,授業内容にどのような観点を取り入れるべきかを探索的に検討した.具体的には,コンピュータの利活用に関する実態を幅広く把握した上で,性別や年齢,最終学歴など,学習者の基本情報を考慮しながら,コンピュータの利用目的,活用経験,利用不安の関係を分析し,授業実践の要件を明らかにすることを目的とした.TMUプレミアム・カレッジの履修生53名を対象に質問紙調査を行った結果,1) コンピュータの未所有者や初心者への配慮,2) 基礎を押さえた段階的な授業構成と初歩からの支援,3) 授業での活用機会の充実と日常的な利用の促進によるコンピュータの利用不安の軽減が,シニア世代の情報リテラシー教育に重要な観点であることが示唆された.
著者
堀田 龍也 高橋 純
出版者
日本教育工学会 = Japan Society for Educational Technology
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.329-338, 2006
参考文献数
24
被引用文献数
7

小学生を対象とした日本語キーボード入力学習システム「キーボー島アドベンチャー」を開発した.小学生の日本語キーボード入力の速さと正確さを向上させるための学習システムの設計原理として検定機能を実装した.2003年5月から2ヶ月間,19校の小学生1,897名によるモニター評価によって正式運用前に検定級の見直しと大量アクセスへの対応等の調整が行われた.2003年9月に全国の小学生に無料で公開され,2004年3月までの正式運用において52,326名の児童が本サイトで学習をした.登録者数の多かった3年生から6年生を対象として学習履歴を分析したところ,本システムが小学生の日本語キーボード入力の速さと正確さを向上させており,その向上には検定機能が有効にはたらいていることが確認された.
著者
竹野 英敏 谷田 親彦 紅林 秀治 上野 耕史
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.147-155, 2011

本研究では,教員養成課程におけるICT活用指導力の組織的な向上を図るための基礎的知見を得ることを目的とした.ICT活用指導力の18項目と,PCやインターネットの使用経験や形態を質問項目とした調査を実施し,教育学部に所属する1219名の大学生から有効回答を得ることができた.その結果,教育学部生のICT活用指導力は,授業の展開・評価,態度の涵養及び校務処理に関する面において低調であることが示された.また,ICT活用指導力の向上には,PCに対する興味・関心,自由に利活用できるPCの所有,様々な目的や方法によるPCの利用・活用などの要因が結びついていると推察された.さらに,ICT活用指導力には,メールや表計算などのPC使用形態や,HP作成などのインターネット使用形態が影響しているのではないかと考えられ,これらの学習活動や利用形態を経験させることによってICT活用指導力の充実を図ることができるのではないかと思われた.
著者
今満 亨崇 松村 敦 岸 広至 宇陀 則彦
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.189-192, 2012
参考文献数
13

子どもが「おもしろい」と感じる絵本を推薦するシステム構築の基礎的準備として,絵本の主題が子どもの反応とどのような関連を持つのか検討を行った.そのために,34組の親子による絵本の読み聞かせを記録し,ページ毎の絵本の主題と子どもの反応の関連を分析した.その結果,「見る」,「座る」,「考える」,「失敗する」,「話す」,「住居」,「楽しむ」,「他者を認識する」の8主題について子どもが好きな絵本で見せる反応と関連があることが分かった.さらに,個々の反応と主題の関連を分析することで子どもの反応を扱う際の問題点を明らかにした.