著者
河野 隆二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.396-401, 2004-05-01
被引用文献数
12

Ultra Wideband(UWB)無線技術は,ワイドバンドCDMAによる第3世代移動通信システムIMT-2000やIEEE802, 11a, b, gの無線LANなどの広帯域無線に比べて,はるかに広帯域を用いることにより,マイクロ波帯の無線PAN (Personal Area Network)では超高速(100Mbit/s以上)伝送を実現し,ユビキタスでブロードバンドな無線アドホックネットワークをサービスすることができる.UWB技術は超高速伝送ばかりでなく,超高分解能な測距測位が実現できるため,今後の高度無線アクセスのコア技術として期待される.
著者
Voas Jeffrey M. 福田 収一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.12, pp.1040-1043, 2006-12-01

本稿では,ソフトウェア工学の研究,実務における13の重要な課題を明らかにする.すなわち,(1)ソフトウェアの品質とは何か?(2)現在のソフトウェアの技法の背景にあるROI(投資利益率),そして経済とは何か?(3)プロセス改善(process improvement)は重要か?(4)ソフトウェアメトリックスを信用できるか,あるいは解釈ができるか?(5)ソフトウェア工学の基準は余りにも混乱しており,実装,法令順守(compliance)が困難ではないか?(6)なぜ,競合する基準に相互運用性のプリディクター(interoperability predictor)がないのか?(7)遺産的ソフトウェア(legacy software)とそのデコミッショニングをいかに処理するか?(8)テスト終了について使用すべき妥当な基準があるか?(9)COTS(Commercial Off-The-Shelf Software:市販の既成ソフトウェア)にはほとんど相互運用性,結合可能性(composability)がない.なぜか?(10)信頼性評価法,オペレーショナルプロファイルはしばしば疑わしいとみなされる.何が本当のオペレーショナルプロファイルなのか?(11)「…性」を基本にした設計は,ないものねだりの希望的観測である.技術的,あるいは経済的にどのように対応すればよいのか分からない問題である.(12)ソフトウェアの認証(software certification)は必要である.しかし,どのようにしてそれを実施するか,また,それに関連した責任をどのようにとればよいか分からない.(13)インテリジェンス,自律形コンピューテイングは結構である.でも実現可能か?
著者
上田 修功
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.4, pp.265-271, 2002-04-01
被引用文献数
31
著者
大見 忠弘 柴田 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.80, no.3, pp.244-256, 1997-03-25
被引用文献数
5

単体トランジスタを極限まで小さくし, LSIの集積度をどんどん上げていくこと, これが現在のコンピュータハードウェア開発の基本である. しかしこれだけで, 果たして人間のように"しなやかに"ものごとを判断したり, 場合場合に応じて柔軟に適切な行動をとる, こんな情報処理システムができあがるのだろうか. 我々の答えは"NO"である. あらゆる電子システムの基本であるトランジスタそのものの機能を増大し, 基本素子のレベルから"しなやかさ"を導入することが必須であると主張する. 20世紀のエレクトロニクスは, 出力電流を単一の信号入力端子が制御するデバイス, つまりバイポーラトランジスタやMOSトランジスタ等の三端子デバイスによって作り上げられた. 21世紀の"人間としなやかに調和するエレクトロニクス"は, もっと自由度の高いデバイスを基本素子として要求している. つまり, 複数の信号入力端子が協調してその出力電流を決める新しい四端子デバイスである. 本稿では, ニューロンMOSトランジスタ(νMOS)を四端子デバイスの一例としてとらえ, しなやかな情報処理ハードウェアへの可能性を検証する.
著者
山田 尚勇
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.1278-1288, 1993-12-25
被引用文献数
1

研究に至るまでの経験,動機,発展など提言を交えての回想
著者
鷹野 澄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.209-217, 2009-03-01
被引用文献数
1

日本列島は,4枚のプレートがせめぎ合う地殻活動の非常に活発な地域に位置する.そこに,大地震を経験していない大形建築物,老朽化した住宅,新耐震基準前に建てられて耐震性の低いビルなどが多数存在する.このような状況で地震災害を軽減するには,日ごろ,建物や地盤の揺れをモニタリングしてその弱点を調べて適切な対策を実施すること,また,被災直後においては,正確な被災情報の収集と,被災地域における情報の活用が重要となる.このような目的で,IT強震計と呼ばれるセンサネットワーク開発が進められている.
著者
岡本 栄司 千石 靖
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.642-645, 1993-06-25
被引用文献数
2

猛威をふるうウイルス : あなたのソフトは大丈夫ですか?
著者
神野 正彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.220-225, 2011-03-01
被引用文献数
4 1

光ファイバ当りの伝送容量は30年で1万倍以上の驚異的なペースで増加してきた.次期開発ターゲットは,チャネル当りのビットレート〜100Gbit/s,総伝送容量8〜10Tbit/s,周波数利用効率〜2bit/(s・Hz)が視野に入っているが,既存光ファイバの物理的な容量限界が顕在化しつつある今,伝送容量増加のペースにはさすがに陰りが見え始めている.一方,インターネットトラヒックは2年で2倍前後のペースで今後も増加すると見込まれ,近い将来,光ネットワークの容量不足が問題となるとの懸念が広がっている.本稿では,10年後のトラヒック需要に対しても経済的に収容するための光ネットワーク技術として,エラスティック光パスネットワークとその実現技術を解説する.
著者
佐藤 健一 北山 研一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.94-103, 2002-02-01
被引用文献数
13

超大容量のWDM伝送技術の導入が進み,伝送容量の拡大が急速に進んでいる.また,光信号を電気信号に変換することなく光のままでルーチング(クロスコネクト)等の処理を行うフォトニックネットワークの研究開発が各国で進められている.本稿では,IPオーバオプティカルパス,フォトニックMPLS,更には光ブロック転送技術であるフォトニックバーストスイッチングやフォトニックパケットルーチング等の最先端のフォトニックバックボーンネットワーク技術を解説する.
著者
樋口 知之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.88, no.12, pp.989-994, 2005-12-01
被引用文献数
74

非線形・非ガウス型時系列データを記述する広範囲の時系列モデルが, 状態空間モデルの一般化版である一般状態空間モデルで表現できる.カオス時系列, 隠れマルコフモデルもこのモデルの特殊ケースに当たる.一般状態空間モデルにおける高次元の状態ベクトルの推定手法として10年ほど前に提案され, 実装の容易さから様々な応用分野へ急速に普及しつつあるのが粒子フィルタである.この計算手法は, どのような非線形・非ガウスモデルも取り扱うことができるという点で原理的に万能であるばかりか, アルゴリズムの著しい簡単さから具体的応用問題に即適用可能である.本稿では一般状態空間モデルと粒子フィルタの概説及び遺伝的アルゴリズムとの類似性の解説のみを行い, 各方面での多様な応用成果については割愛する.
著者
岡本 龍明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.101-106, 2000-02-25
被引用文献数
6

ネットワークを使って買い物をしたり商取引をする電子化が進展する中で, 決済・支払いをネットワーク経由で電子的に行う電子決済は, 利用者の利便性を向上させるだけでなく, ネットワーク上での新たなビジネスを創出するものとして注目されている.また, 商店における支払いやチケットにもICカードなどによる電子的な支払い手段が広まっている.電子マネーはこのような電子決済の一形態であると同時に電子決済の総称として用いられることもある.本稿では, 電子マネーを中心として消費者向けの電子決済の動向について解説する.
著者
岩堀 健治 山下 一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.478-483, 2001-07-01
被引用文献数
2

現在ナノメートルサイズの機能構造体が注目されているが, 生物界では既にナノメートルオーダの生体分子が自己集合することでナノ機能構造体が実現されている。そこでこの生物における自己集合能を模倣した, 生体分子を用いたナノ機能構造作製プロセス"バイオナノプロセス"を提案する。この手法の有効性を示すため, 金属化合物を担特できるフェリチン分子の二次元結晶をシリコン基板上に作製し, そのタンパク質殻を熱処理により除去して導電性ナノドット配列の作製を試み, 成功した。現在更に発展形の実験を実施中である。
著者
船越 裕介 岡田 忠信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.787-791, 2006-09-01
被引用文献数
7

阪神・淡路大震災や新潟県中越地震では,通信サービスの途絶が被災地を中心として広範囲かつ長期間にわたって発生し,被災地以外も含めた社会生活に多大な影響を与えた.このような自然災害時におけるライフラインとしてネットワークには高い安全性・信頼性が求められるが,特に地震大国である我が国においてはこれらは必要不可欠な条件である.本稿では次世代情報通信ネットワークNGN(Next Generation Network)の高信頼化について,その要求条件と各種技術動向について紹介し,併せて標準化の動きについても触れる.
著者
間瀬 憲一 中野 敬介 仙石 正和 篠田 庄司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-134, 2001-02-01
被引用文献数
98

アドホックネットワークは基地局や有線網に依存せず, 移動端末を構成要素とする自律分散形のネットワークである.21世紀の情報通信基盤に不可欠な要素として, 発展が期待される.アドホックネットワークに特徴的な無線マルチホップ通信を実現するため, パケット無線方式と無線回線接続方式の利用が考えられる.無線マルチホップを用いて, 情報通信・情報流通を効率的に行うため, ルーチング, マルチキャスト, ブロードキャストに関する技術課題がある.会合等での効率的な情報交換, 地域情報の案内, 安全・快適なコミュニティ実現等, 様々な応用が期待される.
著者
大羽 成征
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.93, no.9, pp.803-808, 2010-09-01

統計的仮説検定は,雑音を含む有限のデータに基づく科学的発見の信頼性を保証するために,あらゆる分野で使われてきた枯れた技術である.しかし近年,バイオインフォマティクス,脳科学など多くの分野で取り扱われ始めた高次元システムを対象とする問題では,検定多重性への対処や,検定多重性の利用に関する新しいアイデアが今もなお生まれ続けている.本稿では経験ベイズ検定に基づく統計的バイオインフォマティクスを典型例にとり,多重性の高い状況を目の前にした読者がどのように考えればよいかを議論し,最近の研究が対象にしている多重検定ならではの手法やその性質を紹介する.
著者
福田 大治 吉澤 明男 土田 英実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.90, no.8, pp.674-679, 2007-08-01
被引用文献数
2

超伝導現象に基づく単一光子検出器は,暗計数が小さい,量子効率が高い,時間分解能が高いなど,既存の半導体による単一光子検出器をはるかにりょうがする性能を有している.この性能を生かし,量子情報通信分野や量子光学の分野では,単一光子レベルの微弱な光パルスを受光するための検出器として超伝導検出器の応用が急速に進められている.特に,量子暗号鍵配布実験では,秘密鍵を共有するための光子検出器に超伝導単一光子検出器を用いることで,量子鍵伝送速度の向上や伝送距離の長距離化が可能であることが実証されている.今後,更なる性能向上や安価な冷凍機の普及が進めば,量子情報通信分野において超伝導単一光子検出器は大きな役割を果たすものと期待されている.
著者
佐々木 雅英 藤原 幹生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.91, no.11, pp.952-958, 2008-11-01

光子を正確に高感度で計数する技術は,量子情報技術の実現に必要不可欠な根幹技術である.通信において光子から信号を取り出すためのみならず,光の量子状態に強い非線形変換を引き起こす量子ゲートの構成要素としても本質的な役割を果たす.このような位置付けと必要とされる性能,それに向けた技術候補を整理する.次に,半導体素子を用いたアプローチの現状と今後の課題を展望する.