著者
仲野 敦子 仲野 公一 沼田 勉 今野 昭義
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.191-195, 1999-06-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
19
被引用文献数
1

SLEによる自己免疫性内耳障害が, SLE発症初期に出現し, ステロイド治療に反応し聴力の改善を得られた症例を経験した。症例は初診時13歳の男子である。 数ヵ月間に徐々に進行した原因不明の両側性高音漸傾型の感音難聴があり, 当初突発性難聴に準じたステロイド治療が施行されたが聴力は改善せず, 約1ヵ月後, 他の症状が出現してSLEの診断が確定した。 SISIテスト, 自記オージオメトリでは, 内耳障害を示唆する所見であった。 SLE診断確定後, PSL 60mg/日の内服により聴力は改善したが, PSL 40mg/日に減量したところで聴力の再悪化があり, またその後も原疾患の病状と平行する様に聴力は変動した。 発症後, 三年余が経過したが, ステロイド治療の他, 免疫抑制剤, 血漿交換, および高気圧酸素療法を併用し, 原疾患のコントロール及び聴力の改善が得られている。

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出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.k6, 2020-12-28 (Released:2021-01-16)
著者
大西 晶子 諸頭 三郎 前川 圭子 山崎 朋子 玉谷 輪子 藤井 直子 藤原 敬三 内藤 泰
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.531-538, 2020-12-28 (Released:2021-01-16)
参考文献数
11

要旨: 人工内耳 (CI) 装用小児の装用状況と音環境についての知見を得ることを目的とし, 18歳未満の CI 装用小児100例のデータロギングから得られたログデータについて, 各項目の分布を調べ, 就学前群, 小学生群, 中高生群で3群間の比較を行った。 CI 装用時間は, 年齢が高くなるごとに装用時間が長くなり, 中高生になると送信コイルの装用が安定した。音環境は, 雑音下の話声の方が静寂下よりも高い割合を占め, ログデータからも情報保障のための環境調整の重要性が示唆された。 CI データロギングは, 一定数の結果を集積した値と, 個々の小児の経時的変化を医療者が把握し, 保護者や関連機関と共有することで, より個々の小児に即したハビリテーションを行うことを可能にすると期待される。
著者
栗原 紘一 河村 進市 坂下 桂之助 浅井 政二郎
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.46-50, 1973 (Released:2010-04-30)
参考文献数
17
被引用文献数
3

We investigated the frequency similarities of tinnitus in 150 patients (186 ears) and the relationship between the ear disease and the pitch of tinnitus.The tinnitus could be divided into three groups by the frequency similarity to pitch of tinnitus.1) Tinnitus in 24.1% cases was limited to the low frequency ranges between 125Hz and 800Hz.2) Tinnitus in 20.9% cases was limited to the mid-dle frequency ranges between 1KHz and 3KHz.3) Tinnitus in 55% cases was limited to the high frequency ranges between 4KHz and 8KHz.In an attempt of study on the relationship between the frequency similaritiy of tinnitus and the frequency of the lowest audible threshold, the following results have been obtained. Regardless to tinnitus of the low, middle or high frequency pitch, the most of cases showed the hearing inpairment in the higher frequencies on pure tone audiogram.
著者
藤崎 俊之 佐藤 斎 和田 匡史 土屋 乃里子 高橋 姿
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.169-174, 2000-04-28 (Released:2010-04-30)
参考文献数
22
被引用文献数
4

3年以上聴力経過を観察しえた前庭水管拡大に伴う難聴14例28耳 (男性7例, 女性7例) における長期的な聴力域値の変化と, 難聴の急性増悪のエピソードについて検討した。聴力域値が3分法平均聴力で10dB以上悪化した進行耳を6耳 (21%), 難聴の急性増悪を4回以上反復した増悪反復耳を11耳 (39%) に認めた。 これら臨床的に経過不良の症例では, 誘因なく難聴の急性増悪を生じ, しばしばめまいを伴った。前庭水管拡大症例が誘因なくめまいを伴って難聴の急性増悪をきたしたときは, 治療や経過観察をより注意深く行う必要があると思われた。 前庭水管拡大には, 容易に内耳障害を生じる経過不良な群と, 経過が比較的安定した群が存在する可能性が示唆された。
著者
麻生伸
雑誌
Audiology Japan
巻号頁・発行日
vol.42, pp.249-253, 1999
被引用文献数
2
著者
小寺 一興
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.127-134, 2014-04-28 (Released:2014-11-06)
参考文献数
5
被引用文献数
2 2

要旨: デジタル補聴器のフィッティングにおいて, 携帯用の機器で難聴者が音環境を測定し, 聴覚検査結果を考慮したフィッティングを行い, 環境が変化するごとにフィッティングを変更することが将来にむけて望まれている。このような進歩に向けて, 現在望まれている研究課題について, 考慮に加えるべき基本事項を解説し, 現状の補聴器フィッティングにおいて関心を持って取り組むべき課題について概説する。
著者
坂本 圭 小渕 千絵 城間 将江 松田 帆 関 恵美子 荒木 隆一郎 池園 哲郎
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.92-98, 2014

要旨: 人工内耳装用者 (以下CI装用者) の語音聴取における発話速度の影響と, 聴取能を補うための休止区間挿入の効果について検討した。対象は健聴者10名, CI装用者13名であり, 通常の発話速度 (以下, 基準文) を1倍速とし, これに対して2段階に倍速にした音声 (1.5倍速, 2.0倍速, 以下倍速文) の聴取成績を分析した。また, 各倍速音声に休止区間を文節, ランダムの2種の方法で挿入しその効果を実験的に検討した。この結果, 両対象者共に発話速度が速くなるにつれて有意に正答率の減少がみられた。特にCI装用者で顕著であり, 2.0倍速ではほとんどのCI装用者が聴取困難となった。また, 休止区間挿入の効果は, CI装用者で1.5倍速文においてのみ有効であった。倍速音声聴取が困難であるCI装用者であっても休止区間挿入により処理時間が確保され聴取能改善につながるため, 会話時においては意味的に区切って発話することの重要性が示唆された。
著者
高橋 真理子
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.109-114, 2020-04-28 (Released:2020-05-23)
参考文献数
16
被引用文献数
1

要旨: 2019年5月に日本ではじめて耳鳴診療ガイドラインが発刊された。この耳鳴ガイドラインでは, エビデンスに基づき推奨されており, 認知行動療法は強く推奨されている。しかし, 日本ではうつ病などに対して認知行動療法は行われているが, 耳鳴に対してはまだ行われていない。 日本で耳鳴に対する認知行動療法が行われていない理由の1つに, 海外では精神科医も耳鳴治療を行うという治療者の違いがある。また, 本邦では認知行動療法を行う精神科医も少なく, 認知行動療法が保険適応されているのは, うつ病など限られた精神疾患であることも要因であろう。現在, 慢性疼痛などへの効果など認知行動療法は注目されてきている。今後本邦においても耳鳴に対して認知行動療法が行われることを期待するとともに, 耳鼻咽喉科医ができる耳鳴の認知行動的介入 (アプローチ) として, 教育的カウンセリングや認知行動療法的アプローチをしっかり行っていくことが重要である。
著者
坂本 伸一郎 斉藤 久樹 古島 真理子
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.75-79, 1974 (Released:2010-04-30)
参考文献数
8

The fixed-frequency threshold tracings at 1, 000 Hz and 4, 000 Hz for periodically interrupted and continuous tones were obtained on 452 cases with various types of auditory disorders.Eleven cases among them showed type V audiogram in that the threshold for periodically interrupted tone is tracked at lower levels than thethreshold for continuous tone on one or more frequency tracings.One case was suspected of non-organic hearing loss, and another case was diagnosed of reflex epilepsy with normal threshold.Other 9 cases was diagnsoed of sensori-neural hearing loss and they showed type V at only one frequency threshold tracing.Authors considered that type V obtained at only one frequency threshold tracing did not indicate nonorganic hearing loss.
著者
笠原 桂子 廣田 栄子
出版者
日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.66-74, 2015
被引用文献数
2

要旨: 若年聴覚障害者の就労満足度と関連する要因を検討することを目的とし, 企業就労する35歳以下の聴覚障害者を対象にweb調査を実施した。<br> 回答者の聴力程度 100dB 以上は67%, 最終学歴は大学院・大学が多く (60%), 正社員率が74%であった。また,手話理解可能 (92%) であるが, 職場でのコミュニケーションは主に聴覚口話で, 情報保障は印刷資料, 筆談が多く, 手話通訳は僅かであった。入社満足については, 概ね満足が6割に認められ, 回答の因子分析では, 就労満足度は, 職場帰属意識, 職能充実感, 支援関係の3因子で構成されていた。就労満足度に関連する要因として, 年齢 (30歳以上>30歳未満), 聴力程度 (100dB 未満>100dB 以上), 学歴 (大卒等>高卒等) の要因の関与を認めた。<br> 若年聴覚障害者では, 情報保障は十分ではないが, 就労満足度は過半数で高い傾向を示し, 職場帰属意識と職能充実感に注目し, 長期的な定着支援が必要と考えられた。