著者
岩井 大 宇都宮 啓太 小西 将矢 安藤 奈央美 宇都宮 敏生 藤澤 琢郎 馬場 奨 友田 幸一
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.235-241, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
13

甲状腺全摘後の甲状腺分化癌高リスク症例に対するI-131の外来内用療法が認可され,われわれの施設でも本法の適応と考えられた22例中19例で実施できた。当初,東日本大震災の福島原発放射能汚染事故に関連し,本法に躊躇される例があった。甲状腺ホルモン休薬法に比しrhTSH(Recombinant human thyroid stimulation hormone,ヒト遺伝子組み換え甲状腺刺激ホルモン)法では合併症が少なかった。19例中3例に局所再発と1例に遠隔転移が認められた。これらの症例はいずれも頸部再発歴があり,再手術のあとにI-131内用療法を受けた症例であった。したがって,今回のI-131内用療法は,甲状腺癌再発症例の再々発予防に対する効果は十分でない印象であったが,さらに十分な症例数と観察期間をもって判断すべきと思われた。
著者
岩井 大慧
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.1-48, 1938-08

口繪:フィラデルフィア インクヮイヤー號外一 はしがき二 太平洋と日米三 日本との交易四 ペリー提督の琉球人歡待五 三使節の署名六 矢立と毛筆七 千二百九十五年マルコポーロの日本に關する報告八 太閤様の御代九 將軍(關白?)の政治的疑懼一〇 千六百年の和蘭人渡來一一 競爭一二 英國人の日本來航一三 和時計一四 日本鍛冶屋と鞴一五 日本の臺所と茶の間一六 下駄・足駄・草履・草鞋一七 日本の樂器一八 トミーと貴婦人一九 海軍兵工廠見學記念撮影二〇 日本料理自炊場二一 日本人安座喫煙二二 日本のクッション二三 日本小部屋の器具二四 結びの言葉
著者
長田 典子 岩井 大輔 津田 学 和氣 早苗 井口 征士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.86, no.11, pp.1219-1230, 2003-11-01
被引用文献数
13

従来の感性情報処理では,メディアを構成するパラメータとイメージとの対応関係を,感性語を介して表現していた.これに対し感性語を介さないメディア間の直接的・感性的な対応付けをノンバーバルマッピングと呼ぶ.そして「色聴現象」(音を聴くと色が見える)に着目し,音楽における調・音高・音色のパラメータを変化させた際に色聴保持者が感じる色の対応付け(マッピング)の規則性を,色相・明度・彩度のパラメータを用いて明示的に表現した.次にこのマッピングが色聴をもたない一般人にも受容可能かどうかの検証を行った.まず一対比較法による感覚尺度化を行い,音高と音色に関するマッピングについては一般群に受容されることを明らかにした.次に調同定トレーニングを実施し,調に関するマッピングを利用する試みを行ったところ,一般群にも色聴に似た現象が観察された.この結果,一般群においても音と色のマッピングが潜在的に保有される可能性を示した.
著者
片岡 真史 岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.132, no.12, pp.1999-2006, 2012-12-01 (Released:2012-12-01)
参考文献数
9

This paper proposes a novel stage lighting controller in which users can change stage lighting effects by selecting impressions through Kansei words. First, the paper describes a mathematical model that calculates output brightness value of each stage light by emotions to be perceived by audiences and by light information that includes position/orientation, color, and shape of each stage light. Second, a subjective evaluation of stage lightings was carried out in which the subjects observed computer graphics of various stage lightings on a projector screen and answered perceived emotions. Third, a stage lighting system is proposed and implemented, which automatically calculates the output brightness value of each stage light. A user of the system only has to input desired emotions and the light information of each stage light. To evaluate the proposed system, a user study was carried out in which the subjects observed stage lightings generated by the system in a real stage set. The subjects gave positive feedbacks on the usefulness of the system.
著者
宮田 恵里 苅安 誠 岩井 大
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.18-23, 2023 (Released:2023-02-23)
参考文献数
20

本邦の多言語話者は増加傾向にあり,言語聴覚士(以下,ST)が対応する機会も増加している.今回,英語と日本語を使用する小児の構音障害の評価と指導を行ったので報告する.症例は3歳11ヵ月の男児で構音以外に問題は認めなかった.耳鼻咽喉科医による診察後に,STによる日本語の構音検査とGoldman-Fristoe 2を用いた英語の構音検査および日本語と英語による自由会話で評価を行った.検査の結果,英語話者で最も多い子音連結に誤りを認めた(spoon:/spu:n/→[pu:n]).構音訓練では/s/の産生から始め,その後続けて/p/や/t/を発音させた.事情により頻回な通院が困難であったため,自主課題を作成し,自宅学習を中心に対応した.3ヵ月後の評価では子音連結も問題なく発音できた.多言語話者に介入する際は母語に対応した検査用具を準備する必要があり,さらに,対象言語の特性を理解することも不可欠である.
著者
丸笹 直子 岩井 大 吉永 和仁 泉川 雅彦 金子 明弘 立川 拓也 山下 敏夫
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.237-241, 2001-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11
被引用文献数
4

1988年1月から1997年8月までに, 関西医大耳鼻咽喉科で全身麻酔下に口蓋扁桃摘出術を施行された725例を対象とし, このうち術後出血例につき検討した.その結果, 11例 (1.5%) で術後出血が見られ, 6例 (0.8%) は再度の全身麻酔が必要な症例であった.習慣性扁桃炎の11~20歳の年齢層に術後出血が生じやすく, 出血部位は左に多く, 出血時期は術後24時間以内に多く見られた.扁桃摘出術に際し, こうした事項の認識が重要であると考えた.
著者
小林 誠 岩井 大輔
出版者
日本環境動物昆虫学会
雑誌
環動昆 (ISSN:09154698)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.133-136, 2007-09-20
参考文献数
11

The environmental conditions of the microhabitat of the giant water bug, Lethocerus deyrollei (Hemiptera : Belostomatidae) were studied in ponds and ditches in Tochigi Prefecture in the northern part of the Kanto Plain, Japan, during the its activity period between May and September in 2005. The relationship between the existence of Lethocerus deyrollei and the environmental factors was analyzed. The results showed that the factors affecting on the microhabitat of Lethocerus deyrollei were water temperature, water depth, substrate type and the presence of vegetation cover.
著者
岩井 大慧
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.439-528, 1932-04
著者
岩井 大慧
出版者
東洋文庫
雑誌
東洋学報 = The Toyo Gakuho
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.445-456, 1933-03
著者
岩井 大 小西 将矢 安藤 奈央美 馬場 奨 友田 幸一
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.228-231, 2014 (Released:2014-10-31)
参考文献数
10

高度肥満(BMI 52)の甲状腺癌手術症例を経験した。術後出血の診断や,出血に対する気管切開術の容易化のため,甲状腺手術の際に前頸部脂肪組織切除術を併用した。今後の高度肥満症例の増加が考えられるが,肥満症例でも積極的に甲状腺手術が行えるよう,前頸部脂肪組織切除術併用などの手術法の工夫が必要と思われる。
著者
宮本 真 宮田 恵里 岩井 大 友田 幸一
出版者
日本喉頭科学会
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.90-93, 2017-12-01 (Released:2018-06-08)
参考文献数
17

The vagus nerve is one of the 12 cranial nerves, which is considered as the 10th nerve. The vagus nerve extended from the medulla oblongata to the second segment of the transverse colon. This nerve innervates the majority of the muscle of the pharynx, soft palate and larynx. In cases of vagus nerve paralysis, palatal arch movement is restricted. The arches cannot move up and back in order to close off the nasopharynx. This causes hoarseness, nasal speech, aspiration and regurgitation of liquid through the nose. In this article, we report 10 cases of the vagus nerve paralysis. The patient’ mean age is 59.4 (range 34-83). There were 5 male and 5 female patients, among which there were 6 cases of right and 4 cases of left side paralysis. In six cases the chief complaint was vocal disorders. The causes included 5 cases of Varicella-Zoster virus infection (all confirmed) and 4 cases of central paralysis. In 9 cases of the 10 patients, nasopharyngeal incompetence, elevation or constriction of the paralyzed side and saliva pooling in the pyriform sinus were observed. In 4 cases of the 10 cases, the vagus nerve paralysis improved after treatment within 6 months. In cases of vagus nerve paralysis immediate and accurate diagnosis and treatment are crucial. It is important to observe the palatal arches as they contract and the soft palatal as it swings up and back in order to close off the nasopharynx.
著者
中山 研一朗 島田 久弥 浦東 聡介 岩井 大河 吉川 厚
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2022年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.120, 2022 (Released:2022-03-28)

1. はじめに 日本における合計特殊出生率(以下TFR)は、南西の地域ほど高く、北東の地域ほど低いことが知られている 。佐々井(2007) は、日本全国を9つのブロックに区分して、夫婦の出生力と、その原因と考えられる項目を比較・分析した。一方、国立社会保障・人口問題研究所による出生動向基本調査(2015)では、男女が結婚を決める理由と、夫婦が子どもを持つに至る理由について幾つかのアンケートを集め、分析を行っている。佐々井の研究におけるブロック単位での分析を、都道府県単位へと細分化することで、都道府県固有の特性にも視点を持たせたより詳細な分析を目指した。出生動向基本調査を踏まえながら、TFRに対する影響要素とそれを示す項目を仮説的に案出し、それらに相当する統計データとTFRの相関の状況を比較・分析した。2. 方法2.1 データ収集方法 項目の分析にあたっては、都道府県別(以下 県)で得られるデータを用いて2項目間の相関分析を行った。データの多くは国勢調査を利用したが、2020年実施分は未だ公開されていない項目があるため、2015年実施分を利用し、他の項目も原則として2015年のデータを用いることとした(2015年のものがない一部項目は近い年のデータを採用)。 2.2 仮説として設定したデータ項目 1)「女性の婚姻率」:日本における非嫡出子割合は低水準であることも踏まえ、TFRとの直接的な相関を確認 するとともに、同項目への影響要素として他項目を案出した。 2)「夫婦あたり子ども数」:同様にTFRに直接かかわる項目であることを確認3し、同項目への影響要素を案出。 3)「女性の就業率」:仕事を優先することで出産を控えるよう影響するものと想定。 4)「非正規雇用率」:非正規雇用による低所得や就業の不安定さが結婚、出産を躊躇させると想定。 5)「女性の大学進学率」:高学歴化により就業開始年を引き上げ、仕事への意欲から結婚の優先度が下がると想定。 6)「三世代同居率」:祖父母に子どもの面倒を見てもらえることが、子育てのしやすさに繋がると想定。 7)「女性の初婚年齢」:早期結婚は出産可能期間を拡げ、体力のある若い時期の子育てが多産へ繋がると想定。 8)「世帯年収」:収入が高いことで養育費、教育費が確保でき、多産につながると想定。9)「教育支出」:教育支出が高い地域では、2人目、3人目の出産を躊躇する傾向にあるとの想定。3. 分析結果の概要 今回の分析結果は要旨に記載した表1のとおり。 3)20代の女性就業率が高い県は婚姻率も高く、仮説に反して強い正の相関が認められ、TFRとの正の相関もみられる。 4)男性20代の非正規雇用率が高い県は婚姻率が低く、強い負の相関がある一方で、男性30代の非正規雇用率の場合、婚姻率との相関は低下した。 5)女性大学進学率が高い県は、30歳前後の女性婚姻率とTFRに強い負の相関がみられる。 6)三世代同居率は夫婦あたり子ども数とは相関はみられず、仮説には合致しなかった。 7)女性初婚年齢が高い県は、女性婚姻率、TFRともに低く、強い負の相関がみられた。 8)世帯年収が高い県は、仮説に反し、夫婦あたり子ども数、TFRともに低く、強い負の相関がみられる。9)教育への支出は、仮説に反して夫婦当たり子ども数には相関が見られない一方で、女性婚姻率とTFRに負の相関がみられた。4. 考察 分析前に立てた仮説に合致しなかったものについて、下記のとおり仮説を修正、考察する。 3)女性就業率との正の相関は、仕事をきっかけに出逢いの機会が得やすいことと、「出生動向基本調査」(2015)にある通り、結婚への最大の障害が結婚資金であるという調査結果を支持すると考える。 4)男性30代非正規率を県別に見ると、20代に比べ分散が低い。歳とともに正規雇用が増えることで県別正規雇用率が均され、婚姻率との相関が弱まったものと予想。 6)三世代同居率との無相関は、子どもが増えると家が手狭になり別居し始めることや、子ども数の少ない東北地域で三世代同居率が高かったことが背景していると予想。 8)世帯年収との負の相関は、世帯年収の高い世帯は共働き世帯が多く、出産を抑制する影響があるためと予想。 9)子ども数の少ない県では一人あたりの教育支出が高く、多い県では一人あたりの教育支出が低く、結果として子ども数と教育支出に相関が現れないと予想。更なる分析を行う上では、対象地域の細分化や、複数年度のデータによる精度の向上や、相関分析から一歩進め、因果関係の側面から掘り下げるなど、仮説の更なる検証を進める余地があり、これが今後の課題と考える。
著者
岩井 大輔 佐藤 宏介
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.65-75, 2007 (Released:2008-07-30)
参考文献数
16

本論文では,熱情報の入力をVR 空間と物理空間との間を繋ぐチャネルとして利用した画像創作支援システムを提案する.筆者らはこれまで,赤外線カメラから入力されるスクリーン上の温度変化を絵道具の接触判定に利用して描画作業を支援するシステムを構築してきた.本論文では,このシステムを発展させ,赤外線カメラより取得される熱情報を積極的に利用して,心理マッピングモデルに基づいたユーザの持つ熱感覚を利用した画像創作支援を行う.熱印象を介して彩度・色相といった画像パラメータを直観的に操作するThermoRetouch と,熱現象を介して3 次元形状モデルの塑性パラメータを操作し形状を変形させるThermoModeler を提案する.これらのシステムでは,自らの熱感覚が画像に反映されるため,直観的で発想を重視するような画像創作が可能となる.
著者
岩井 大 島野 卓史 馬場 奨 金田 直子 岡崎 はるか 完山 理咲 小西 将矢 宇都宮 敏生 友田 幸一 福森 崇之
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.157-163, 2012 (Released:2012-08-25)
参考文献数
17
被引用文献数
1

Forestier病は全身の靱帯・腱付着部の硬直・骨化を示す強直性脊椎骨増殖症 (diffuse idiopathic skeletal hyperosteosis) の1つである. 頸椎で生じたものでは喉頭や咽頭・食道を圧迫して咽喉頭違和感や呼吸障害・嚥下障害をきたす. 進行例には切除術が選択されるが, 十分な病変切除がされたにもかかわらず, 手術効果が即座に出ない例も認められ, 症状発生には, 病変の物理的な喉頭・食道圧迫だけでなく, 局所での浮腫や繊維化を含めた炎症の機序が考えられている.我々は今回, 本疾患の5例に対し手術的治療を行った. 病変部の正確な切除と上・下喉頭神経などの温存を図ったが, 症例1・2では不十分な手術成績であった. そこで, 手術に際し骨病変切除で生じる椎骨と骨膜間の死腔を減少させるため骨膜を寄せて縫合する処置を追加し良好な成績を得た. こうしたことから, Forestier病の手術に際し, 椎前部の死腔縮小処置が局所の炎症を低下させ, 術後の症状回復を早めるのではないかと考える.
著者
黒木 開 川上 孝介 岩井 大志 石塚 湖太 中田 和秀
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.2D3OS7a02, 2021 (Released:2021-06-14)

リスティング広告における広告文の品質向上は、消費者をランディングページ(LP)へ誘導し、購買へと繋げるために大変重要である。 品質向上手法には一般的に知られた手法がいくつかあり、例えば検索キーワードを広告文内に含めることで、クリック率など各種指標が改善することが知られている。そこで本論文ではより優れた広告文を生成するために、特定のキーワードを高確率で含む文生成手法を提案する。ベースとなる自然言語処理モデルには事前学習済みBERTをEnc-Dec構造にしたBERT2BERTを採用し、学習データはgoogle広告において配信されていた約69万件の広告データを用いた。また、生成時に「ドア」と「扉」といった類語の生成を防止するため、キーワードをマスクした形で学習を行なった。加えて文生成時にはキーワードを優先出力する手法を検討した。実際に配信された広告データを用いてその精度を評価した結果、提案手法は最大約80%の確率で広告文内にキーワードを挿入できることを確認し、既存モデル(BERT2BERTを学習データでfine-tuningしたのみのモデル)の挿入率を有意に上回ることができた。