1 0 0 0 OA レトルト食品

著者
横山 理雄
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.791-796, 1990-08-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1
著者
森 俊夫
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.82-82, 2003

目的 パターンや形態の視覚的特徴は複雑で、正確にその情報を伝えることは難しい。しかしながら、パターンなどの多種多様な視覚的情報が感覚的、心理的に働いて、われわれに美しいとか快いという感情を与える。このような視覚パターンの最も具体的なものが画像である。画像は空間上の各画素がどのような情報をもち、どのように分布しているかによって規定される視覚情報である。本研究では画像を構成する基本的なパターン要素の種類や個数、位置などを変化させて、パターンの視覚的特徴と美しさについて検討する。方法 試料画像は正方形や円などの基本的パターン要素の個数や位置などを変化させて作成した白黒濃淡画像を用いた。画像解析により、これらのパターン画像の角二次モーメント(ASM)、コントラスト(CON)、相関(COR)、エントロピー(ENT)、グレイレベル平均(MIU)およびフラクタル次元(D)を算出した。また、パターンの美しさに関する官能検査を3段階評価で行なった。結果 正方形などのパターン要素の個数が増大すると、パターン全体の一様性や均一性が失われ、局所的変化や情報量、複雑性は増大した。正方形などのパターン要素の個数を一定にして、それらの位置をランダムに変化させた場合には、視覚的特徴に変化はみられなかった。しかしながら、正方形(一辺20ピクセル)と円(直径20ピクセル)の組み合わせでは、正方形の個数を増大(円の個数は減少)させると、パターン全体の不均一性や局所的変化が増大した。ENTを秩序の、Dを複雑さの尺度と考え、バーコフの美的測度を算出した。これと美しさに対する官能評価値との間には比較的よい一致が見られた。
著者
今田 節子 藤田 真理子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.171-181, 2003-02-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
21
被引用文献数
3

The traditional habits of eating the fermented and preserved foods, shiokara and gyosyou, and their regional characteristics were investigated by studying Nihon-no-Shokuseikatsu-Zenshu which records the traditional eating habits of each prefecture in Japan. One hundred and fourteen kinds of shiokara and gyosyou are recorded in Nihon-no-Shokuseikatsu-Zenshu throughout the entire country. However, most of these records are for fishing villages and nearby farming villages in the Sea of Japan coastal areas and the Pacific coastal areas. The fish most commonly used to make shiokara and gyosyou are cuttlefish, sweetfish, sardines, bonito, mackerel and their internal organs. shiokara and gyosyou are grouped into three types : type A, in which the fish is mixed in fermented liquid, account for 70%; type B, a pureed form, account for 25%; and type C, a liquid form, account for 5%. Types A and B are eaten as side dishes with sake and rice. The fish of type A are also used as cooking ingredients for boiled, grilled and dressed food, and the fermented liquid of type A and types B and C are used as condiments. shiokara and gyosyou are very common foods; in fishing villages, this preservation method efficiently uses very large catches of fish, and in the Tohoku and Hokuriku areas, the fish are preserved to insure a food supply throughout the winter.
著者
山﨑 薫 奈良 一寛 石神 優紀子 杉村 愛
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> 市販グミには様々な色があり,華やかだが,花の色素を活用しているものは大変少ない.よって,食用花の活用を検討している中,食用花に含まれる色素をグミに活用した場合,どの程度,色付けにいかせるのか検討した.<br><b>方法</b> 食用花として本学で栽培しているマリーゴールド(オレンジ・イエロー),カーネーション(レッド),八重桜(ピンク),キンギョソウ(レッド・ホワイト・イエロー),ペチュニア(レッド・ホワイト),ベゴニア(レッド),ジニア(オレンジ),ガザニア(イエロー),バラ(レッド)の9品種,花弁色違い含め13品目を試料とした.花弁色素と甘酸っぱさを生かせる条件を検討し,シロップを作成後,グミ作りに用いた.食用花試料本体,作成シロップ及びグミ,各々の色差とpH測定を行った.<br><b>結果</b> 電子レンジ使用により,花弁色が抜けることが抑えられ,鮮やかな色合いを出すことができた.作成グミの色差測定結果の特徴として,ゼラチンが黄色を有していたため,その影響を受けたものもあった.pH測定の結果,レモン果汁添加前のシロップは中性でレモン果汁添加後,酸性になったが最終的に作成したグミはゼラチン等の素材の影響を受け,中性となった.官能評価の結果,一番好しかったものは八重桜のシロップを用いたグミであった.グミにおける色素の安定性も認められ,果汁を用いたグミと同様,活用できると判断した.食用花シロップは他の料理にも活用できると考えている.
著者
川村 昭子 新澤 祥恵 中村 喜代美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.64, 2012

<b>目的</b> 石川県独自の行事で、奥能登地区に伝わる農耕儀礼「あえのこと」は、だんだんとこの行事を行う地区・農家が減少しつつある。時代と社会の変化に合わせて現代どのように意識され、伝承されているかを調査した。<br><b>方法 </b>1)日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学-行事食-」に「あえのこと」を加えて、2010年4月に石川県内19市町村の食生活改善推進員461名を対象とし、認知・実施状況、この行事で食する食べ物・料理について調査した。2)2011~2012年に石川県能登町(旧柳田村)で行われた行事について調査した。<br><b>結果</b>&nbsp; 「あえのこと」は、田の神様をもてなし、感謝をささげる奥能登の伝承行事で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、国の重要無形民族文化財にも指定されている。毎年12月5日に田の神様を迎え、翌年の2月9日に田の神様を送り出す行事で、現在は輪島市、能登町、珠洲市などで行われている。1)この行事の認知率は40.6%であったが、実施(経験)率は6.1%と低く、奥能登の輪島市、能登町、珠洲市などで行われていた。2)12月5日の「田の神様お迎えの儀」、2月9日「田の神様送り出しの儀」両儀式後、必ず「直会の儀」として、甘酒、小豆飯、汁物、刺し身、煮しめ、焼き物、酢の物、漬け物、ぼた餅などの「ご馳走」でもてなし、神様のおさがりとして家族全員で食事をする。調査では喫食経験のある料理として、煮しめ(13)、尾頭付き焼き魚(10)、小豆飯(7)、酢の物(6)、ぼた餅(4)、甘酒(3)などが出現していた。だんだんと簡略化され、家庭で「ご馳走」を作らないのか、行事は行ってもあまり食されていない傾向であった。
著者
鈴野 弘子 鈴木 恵子 石田 裕 笹田 陽子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.469-480, 2012-08-15 (Released:2013-10-15)
参考文献数
20
被引用文献数
1

We conducted a survey on the forms of food served in nursing homes for the elderly and evaluated their physical properties by measuring the texture. The forms of food were mostly determined according to the observations of such experts as dietitians and registered dietitians. The suitability of the forms of the food was mostly assessed by care providers. We observed that the nursing homes provided 4.0 ± 2.5 forms of major staples and 4.4 ± 2.3 forms of side dishes as averages. The meat dishes served at the nursing homes had been cooked to be sufficiently soft according to the requirements specified by the universal design food table. The hardness of rice gruel and mixed rice gruel met the requirements applied to foods for people with difficulty in swallowing as specified by the Ministry of Health, Labour and Welfare, although the adhesiveness was too high to meet the requirements. The texture of chawan-mushi satisfied the Level III allowance, but the adhesiveness of steamed egg custard exceeded the Level III allowance. The hardness and adhesiveness of the rehydrating jelly drink met the Level II or III allowance, and its degree of cohesiveness was between0.2 and 0.6. These results indicate that the forms of food served in nursing homes are suitable and safe for consumption by the elderly.
著者
中澤 弥子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>【目的】</b>本研究の目的は、戦後、導入された学校給食の牛乳について、文化的・社会的な影響等を検証し、今後の学校給食における牛乳利用について検討することである。<br><b>【方法】</b>学校給食と牛乳導入の歴史については、乳業関係会社の社史、学校給食に関する史誌や統計資料、調査資料等を広く収集して調べた。学校給食と牛乳摂取に関する意識、実態については、学校給食と牛乳摂取に関するアンケート調査を、学校給食の経験者である長野市内のN短期大学学生と3小学校の保護者を対象に実施した。 <br><b>【結果】</b>危機的な食料不足と学童の深刻な栄養失調を背景に、旧日本軍の保管食料やララからの救援食料をもとに再開した学校給食では、脱脂粉乳のミルクが導入された。「学校給食法」にも、脱脂粉乳のミルクは、学校給食の基本的メニューとして奨励され、小児の栄養改善のため最も費用効果的な方法の1つと考えられ継続されてきた。昭和32年度より、国策として国産牛乳が学校給食で使用されるようになった。アンケート調査の回収率は、小学校85.4%、短期大学100%であった。米飯給食のとき、牛乳を「全く抵抗なく飲んでいる」という設問に小学生78.9%、短期大学生64.5%、「少し抵抗はあるが飲んでいる」に小学生15.8%、短期大学学生25.6%の回答が得られた。その他、牛乳飲用の時期等、今後の学校給食での牛乳利用に関する資料が得られた。
著者
谷口 明日香 丸山 里菜 京極 奈美 渡辺 裕子 飯村(久松) 裕子 長尾 慶子 小林 理恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.157, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】近年、雑穀粉の健康機能性に注目が集まっているが、これらはグルテンを形成しないため、調理への利用用途は限定的である。しかし、小麦粉のグルテン形成を抑制しながら揚げ加熱する天ぷら衣には利用の可能性が高い。そこで、小麦粉以外に天ぷら衣として利用例がみられる主穀のうるち米粉・もち米粉と共に、雑穀の大麦粉・ソバ粉・ハトムギ粉を用いた天ぷら衣の力学特性並びに外観及び吸油量とから客観的に嗜好性を評価した。【方法】各穀物粉15 gに、小麦粉の粘度と同程度となるよう加水し、バッターを調製した。これを直径30㎜×高さ10㎜のシリコンカップに2.0mLずつ分注し180±5℃に熱したキャノーラ油600 mLにカップごと投入して140秒間揚げ加熱した。各揚げ衣は1分放冷後、重量、表面色(L*, a*, b*値)、破断強度を測定した。また、各揚げ衣5 gに付着した油を石油エーテルで抽出後、40℃で蒸留して吸油量を測定比較した。【結果】揚げ衣の圧縮初期の応力及び微分値を比較すると、その硬さはうるち米粉・ハトムギ粉>大麦粉>ソバ粉となり、うるち米粉、ハトムギ粉、ソバ粉は小麦粉に比べて吸油量が少なかった。雑穀粉の揚げ衣の色は、主穀粉に比べて暗褐色であったが、特にソバ粉では濃い灰褐色を呈していた。天ぷら衣は淡黄色でもろく軽い仕上がりが望ましいことから、雑穀の大麦粉及びハトムギ粉は天ぷらの衣として小麦粉と代替えできる可能性が高い。
著者
鈴木 佐代 福永 美紗 豊増 美喜 秋武 由子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的</b> 福岡県春日市は12の小学校すべてにログハウス造の放課後児童クラブを設置している。ログハウス舎は利用児童数が増加した1992年から2006年の間に、ほぼ1年1棟のペースで新築された。設計に関して、初期の頃は指導員や保護者が要望を出し、変更が加えられていった。本研究では、ログハウス舎の建築図面および指導員対象のヒアリング調査から空間構成の変化を分析し、放課後児童クラブに求められる空間・設備の要件を明らかにする。<br><b>方法</b> 春日市から収集したログハウス舎12棟の建築図面の分析と、勤務年数の長い指導員2名を対象としたヒアリング調査(2013年11月)を行った。<br><b>結果</b> 1)1992年~1996年建築の初期5棟は、1階建て延べ床面積118.8㎡であったが、1997年の6棟目以降は2階建てとなり、建設時期が後になるほど2階の延床面積は拡大した(46.6~62.6㎡)。2)1階は、1室29.7㎡の 4室からなる田の字型プランである。初期の設計では、室間の丸太の壁が大きく、各室の独立性が高かったため、死角をなくし空間を広く使えるよう壁を小さくしていった。3)トイレ空間は、男女共用から男女別へ、和式便器から洋式便器へ、身障者用トイレの導入など変化が大きい。4)台所空間では、流し台の向きが屋外向き&rarr;児童の活動室が見える向き&rarr;出入口が見える向きへと変化した。また、台所と活動室との間に、おやつを配る際に使用する配膳台が設けられるようになり、後のクラブ舎ほどそのサイズは大きくなった。5)2階からの転落防止網や避難用の2つ目の階段の設置などの安全対策が市によって行われた。<br>本研究は、H25~27年度科研費(基盤研究(C):25350048)の助成を受けた。
著者
後藤 昌弘 山根 千弘 橋本 和弘 岩田 惠美子 畑 欣宏 吉川 政敏 浅見 孝志
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.68, 2016

<b>目的 </b>新たに開発されたセルロース複合麺を用いて,麺の性状や調理法が食味評価におよぼす影響と既存の低カロリー麺類とのちがいを官能検査や物性測定によって比較し,セルロース複合麺の特性や改善点を明らかにすることを目的とした。<br><b>方法 </b>配合割合が異なるセルロース複合麺(軟性麺,標準麺,硬性麺)を用い,かたさ,歯切れ,麺の食感,のどごし,総合評価の項目について官能検査(順位法,評点法)を行った。同時に破断強度をレオロメーター(山電RE2-3305B)により測定した。また,市販の糸こんにゃくやコンニャク粉,グルコマンナン,アルギン酸等を原料とする低カロリー麺類と同様の比較をした。<br><b>結果</b> 調理前の破断荷重は硬性麺が標準麺や軟性麺よりも大きかった。糸こんにゃくは標準麺と有意差がなかった。複合麺をゆでて調味したものを用いた官能検査では,総合評価やのどごしの項目で硬性麺よりも軟性麺,標準麺が好まれた。官能検査の評価の高かった標準麺と市販のコンニャク粉やアルギン酸を原料とする麺,糸コンニャクと比較すると硬さ,歯切れ,食感,のどごしの項目で市販品が好まれた。アルギン酸を原料とする麺との比較では,かたさ,麺の食感,のどごし,総合評価でセルロース麺が好まれた。しかし,いずれも総合評価では有意差は見られなかったことから,セルロース複合麺は,比較に用いた市販の低カロリー麺類と同様に受け入れられる可能性が高いと考えられた。
著者
徳山 孝子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.66, 2014

<b>目的</b> 明治天皇は嘉永5(1852)年9月22日、孝明天皇の第二王子として誕生し、明治元(1868)年1月15日、天皇元服される.その時代は、幕末・明治維新を経て、徳川幕府が崩壊し天皇中心とした中央集権体制、藩閥政治へと世の中が変わった.本研究では、国民の新時代を印象づけた明治天皇の御正服(軍服)を取り上げ、その歴史的経緯と意匠を調査収集とその分析により明らかにした. <br><b>方法</b> 皇室では束帯装着は朝儀のみを除いて廃止され、西洋からの礼服導入が始まった.明治天皇の肖像画でその足跡をたどることができる.パリAICP校(Acad&eacute;mie Internationale de Coupe de Paris)には、&ldquo;empereur&rdquo;と記された軍服のデザイン画が残されていた.<br><b>結果</b> 明治天皇の軍服は、AICP校に所蔵されている軍服の絵型と酷似していた.その絵型には「DOLAMN DE L&rsquo;EMPEREUR DE JAPON」と記され、日本の明治天皇の軍服であると推測される.絵型は、首から後ろ肩にかけて菊と唐草文様、前身頃から腰回りも全部菊と唐草文様で縁取り、両脇にスリット、助骨五段(モール二条)に菊花文様の5つボタンであった.
著者
野田 奈津実 小川 宣子 久慈 るみ子 山崎 泰央 坂田 隆 大竹 美登利 佐々井 啓 中島 明子 宮野 道雄 浜島 京子 加藤 浩文 萬羽 郁子 吉井 美奈子 生田 英輔 奥山 みどり
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> JSHE生活研究では、石巻市にて「郷土料理の伝承」「特産物を生かした料理の提案」を目的とした料理教室と料理コンテストを行ってきた。これらの活動による参加者の意識・意欲の変化を明らかにする。<b></b><br><b>方法 </b>郷土料理教室は3回(2012年3月~2013年12月)、わかめ料理コンテストは1回(2014年10月)実施し、それぞれ参加者へアンケート、聞き取りを行った。<br><b>結果 </b>郷土料理教室の1、2回目は仮設住宅入居者を対象として行ったが、以前から郷土料理を作り、食べている参加者が多かったため、3回目は仮設住宅入居者を講師とし、大学生を対象に行った。終了後、大学生からは「石巻の食文化を知ることができた」「家族や友人に教えたい」、仮設住宅入居者からは「若い人たちと話せて楽しかった」「やりがいを感じた」という感想が多く、「郷土料理の伝承」の新たな形としての可能性が感じられた。わかめ料理コンテストは地域住民34組から応募があり、最終審査は10組で行われた。参加者からは「わかめだけでなく、他の石巻の食材も調べた」「参加者同士で意見交換できた」との声も聞かれ、両活動とも郷土料理や特産物に対する関心や愛着、誰かに伝えたいという意欲を生み、さらに地域関係者も含めたコミュニケーションの場となった。<br>本研究は科学研究費補助金(課題番号:24300243、25350040)、平成25年度(公財)浦上食品・食文化振興財団の助成を受けた。
著者
山村 明子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.67, 2015

<b>目的</b> 従来の主婦論は社会学を基盤として、主婦の存在意義や役割などについての研究なされてきた。しかし、その服飾を研究対象とすることで、主婦・母親に求めた理想的な姿を検証する。近代に日本の家族観、家庭観に強く影響を及ぼしたイギリス社会の家庭生活、主婦像についてその服飾行動から明らかにする。本発表では家事行為と主婦の装いについて、検討する。<br><b>方法</b> 主な資料にイギリスで発行された<i>The Lady&rsquo;s Realm</i>などを利用する。同誌は1896年に創刊された女性向け月刊誌で、連載小説、家庭生活一般、職業、ファッションといった、当時の女性の関心事を幅広く網羅している。<i></i><br><b>結果</b> もてなしを司る女主人の役割はその家庭の文化度を測る指標であり、主婦の装いは外部に向けて教養や社交術を表明した。20世紀初頭には主婦の役割が家庭内において変化した。主婦の生活スタイルの変容は服飾行動にも関わり、ファッション記事には家庭内での装いとして、Housefrockなどが繰り返し登場する。また、20世紀初頭は家事奉公人の減少や家庭生活技術の発展に伴い、主婦が家事労働に携わる機会が増加、または家事労働の内容が変化した。資料には衣食住の技術や知識の紹介、またはそれらを学ぶスクールを取材した記事が登場し、家事労働の位置づけの変化を認めることができる。ヴィクトリア朝の女性家事奉公人の表象となっていたエプロン姿は主婦=女主人のものへと変化をとげた。
著者
田野井 真美 水本 徳明 大久保 一郎
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.725-736, 2012 (Released:2014-02-14)
参考文献数
26

It has been recognized that teachers have a very busy schedule. However, little attention has been paid to teachers' time-use. Therefore, the purpose of this study is to examine the time-use and role conflict that result because of the lack of work-life balance of junior high school teachers.  In conclusion, we would like to state the following three points. First, junior high school teachers invest their time in work. Second, the long working hours and inappropriate time-use result in a role conflict. Third, the role conflict is due to fact that junior high school teachers lack a work-life balance. Hence, it can be inferred from the results of this study that junior high school teachers are in a difficult position.
著者
吉松 藤子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.359-361, 1954-12-21 (Released:2010-03-09)
参考文献数
6
被引用文献数
1

1. 鰹節の煮出汁をとる場合、材料を沸騰水中に入れても、水に入れて直ちに加熱しても、水浸しておいて加熱しても馬見成分の侵出量に大した差異を認めない。汁の香気は、沸騰水中に入れたものが最もよい。2. 鰹節は使用量が増すに従つて、旨味成分の侵出率は低下する。3. 煮出汁を取るのに用いる鰹節の使用量の最大限度は、水の5%内外とされている。使用量が更に増して8%にもなると、煮出汁の味は渋みを伴つて不味である。4. 一番煮出汁に用いた水の量の半分の水を用いて取つた二番煮出汁、三番煮出汁中に侵出される旨味成分の侵出率は、材料の使用量の多いもの程低くなる。5. 血合肉の多い部分の煮出汁は、背の部分の煮出汁に比較して、色や匂が悪いのみでなく旨味成分の侵出量も少い。6. 手で削つたままのものと、それを更に細をく砕いたものとは、旨味成分の侵出量には差異は認められない。手で削つたままの形が既に侵出し易い状態であると考えられる。7. 沸騰水中に於ては、鰹節の旨味成分は極めて短時間内に侵出される。
著者
吉松 藤子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.25-27, 1957-03-31 (Released:2010-03-09)
参考文献数
3
被引用文献数
1

1. 二番煮出汁を取る際の水の量を従来行のれている量の倍量用いてみたが、成分の浸出量に大差は認められなかつた。一般に二番煮出汁の旨味成分の含有量は多くないが、実際に語理に応用するには従来行われているように一番煮出汁の半量の水を用いて取るのが適当と思われる。二番煮出汁への旨味成分の浸出が悪いのは一番煮出汁を取る際の加熱による影響かと考えられる。2. 浸出温度の影響については、低温においても可成りの旨味成分の浸出をみたが(100℃の時に比較して40℃で総N91% アミノ態N75%)味・香・清澄度が幾分劣るようである。3. 土佐醤油については、1cc当りの総N及びアミノ態N量を原料の醤油に比較してみると著しい増加ではないが、アミノ酸組成が複雑化して来るので、古くより行われているものと考えられる。4. 食塩の添加による影響は、アミノ態Nは無添加の場合と差異は認められなかつたが総Nにおいては食塩添加6%の所に山が出来更に添加量が増すと総N量は減少する傾向が認められた。5. ダシガラと共に放置した場合の変化は総N量には変化が認められなかつたがアミノ態N量は時間の経過と共に幾分減少してゆくようである。
著者
小伊藤 亜希子 岩田 智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.47-58, 2011-01-15 (Released:2013-07-16)
参考文献数
6

This paper first identifies the different security measures and parental restrictions on children's playing activity in a number of elementary school districts. It then clarifies the cause of the difference by analyzing the environmental factors of each district. In districts which are crowded with high-rise condominiums and highways, and in which the alternative places for children to play are few, control is found to be stricter. It is also found that the increasing level of crime and the excessive information about it often makes the parents control the children's activities very carefully and their playing area very small and within a five-minutes walk from their homes.
著者
名倉 秀子 大越 ひろ 茂木 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.58, no.12, pp.753-762, 2007 (Released:2010-07-29)
参考文献数
23

A questionnaire survey was carried out in 1998 to determine the regional characteristics of the main dishes and side dishes eaten on new year's day. The respondents were either university or junior college students from twelve hometown regions, and data were taken from 1,801 valid responses. The average number of meals eaten during the day was 2.92, those eaten out being 0.34. The number of meals eaten out in the Kanto-I area was the highest, while in the Hokkaido and Kyushu areas, was the lowest. The number of main dishes and side dishes was 2.56 dishes a meal per person including 1.97 animal foods. According to the special coefficient analysis, area was the highest for fish and shellfish, and that in the Hokkaido area was the highest for meat. It was proved that there is the regional characteristics of feast day dishes for new year's day.
著者
須見 洋行 浅野 倫和
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.937-942, 2001-10-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15

ナットウキナーゼ活性を指標として納豆菌 (Bacillus natto NB-1株) による大麦の固体発酵が可能であることを明らかにした.その活性は37℃の発酵で1日目にピークを示す一過性のものであり, その後漸減したが, 1.0M尿素の共存下ではピーク後の濃度の減少は抑えられ, 酵素の生産量は持続的に高められることが分かった.この納豆菌による麦発酵物中にはナットウキナーゼが持つ強力なフィブリン分解能 (10万IU以上/100g乾燥物) と共に, Suc-Ala-Ala-Pro-Phe-pNA, H-D-Val-Leu-Lys-pNA, Suc-Ala-Ala-Ala-pNAなどの合成アミド基質に対する分解能, そして大量のビタミンK2 (メナキノン-7) (約9,500μg/100g乾燥物) の存在が確認された.また, 未処理物に比べて発酵大麦は遊離アミノ酸含量が高く, 特にPhe, Val, Tyr, およびGlu濃度は10倍以上優れていることが分かった.