著者
細田 智子 加藤 千晶 三戸 夏子 平山 倫子 佐藤 和人
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.473-479, 2000-06-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
14
被引用文献数
1

乾燥ビール酵母摂取が免疫機構に与える影響について検討するため, DBA/1Jマウスに対照飼料およびビール酵母飼料 (BY) を4カ月間投与した.(1) 実験1 : 腸管免疫系における免疫組織学的観察において, 腸管のB細胞数がBY摂取により減少していた.(2) 実験II : タイプIIコラーゲン誘導関節炎 (CIA) モデルマウスに与える影響について検討した.関節の組織学的観察において, 関節炎はBY摂取により抑制された.さらに経口トレランスもBY摂取により影響される可能性が示された.以上の結果より, BYは腸管免疫系に影響を与え, CIAの抑制に有効であることが示された.
著者
後藤 昌弘 彼末 富貴 西村 公雄 中井 秀了
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.521-525, 2000-06-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
17
被引用文献数
1

真空調理法の条件設定は, 経験と勘に基づく試行錯誤によって決められることが多い.本研究では, 少ない実験回数で最適値を決定することができるRCO法を用いて, 真空調理によるリンゴコンポートの最適調理条件を求めた.リンゴ果実は, 高知県佐川町産 “ジヨナゴールド”, “ふじ” を用いた.まず, 一般的調理書5冊の調理条件の平均値を用いて普通調理と真空調理を行い, 評点法によりどちらのコンポートが好まれるかを調べた.その結果, 真空調理品が有意に好まれた.次に, シロップの糖濃度10~50% (w/w), 加熱時間0~60分の範囲でRGOプログラムにより示された調理条件で調理を行い, 官能検査の総合評価が最も高くなる条件を最適調理条件とした.その結果, シロップの糖濃度37%, 加熱時間32分が最適調理条件であることがわかった.
著者
和田 淑子 霜田 有花 肥後 温子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.597-606, 1997-07-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
11

低水分食品が微量の水分吸着によって硬くなったり, 軟らかくなる現象について, 市販の菓子・ 乾物類など31種類を用い, 6 段階の湿度条件下 (相対湿度 7.6~97.0%) で検討し, 以下の結果を得た.(1) 試料は吸湿後, ある時点より硬さが低下し軟化するグループ (クッキー類, ビスケット類, ボーロ類, クラッカー類, ゲル化製品) と, 硬さの低下が少ないか, むしろ硬くなるグループ (米・ 小麦煎餅類, 乾パン類, スナック菓子, 種実類, その他の乾物類) に分類できた. 軟化するグループは湿度 43% 付近より軟化が進み, 軟化しにくいグループは湿度 68% 付近で硬さがピークに達する場合が多いことがわかった.(2) 吸湿曲線の大部分は二つの変曲点をもつS 字状曲線を示した. 単分子吸着水量は 2.5~14g / 100g乾燥物で, 試料による差が大きかった.(3) 大部分の食品において, 単分子吸着水領域以上の広い吸着水領域においてテクスチャー変化が少なく, むしろ水分吸着によってテクスチャーが安定化した.(4) 吸湿後, 軟化しやすい食品グループは 5% 程度の水分量で軟化するものが多く, 軟化しにくいグループは 10% 程度の含水率でも軟化しないものが多かった. 前者は後者に比べて単分子吸着水量が少なく, 高湿度での吸着水量が増大するものが多い傾向があった.
著者
大西 真理子 小川 宣子 山中 なつみ 庄司 一郎
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.303-313, 1997-04-15 (Released:2010-03-09)
参考文献数
20
被引用文献数
2

(1) 米を搗精する際の米の種類が理化学的特性に及ぼす影響について, 山田錦, コシヒカリ, タカネミノリの3品種の化学的成分, 吸水率, 酸度, 粘度特性から調べた結果, 以下のような傾向を示した.1) いずれの品種も化学的成分の水分, 粗タンパク質, 粗脂肪, 還元糖比は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれ減少した.2) 搗精度が高くなるにつれ, 吸水率は高くなり, 山田錦の搗精度60%, 50%の吸水率はより高くなった.3) 脂肪酸度と水溶性酸度は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれ減少した.4) アミログラムによる糊化温度は搗精度が90%, 80%, 70%と高くなるにつれて低くなり, 特に山田錦は80%搗精での温度低下が大きくなった.最高粘度と崩壊度は搗精による影響はコシヒカリではみられなかったが, タカネミノリや山田錦ではそれぞれ高い値を示し, 品種間に差異がみられた.老化度では, 搗精度を高くすることにより, コシヒカリは老化しやすい性質を示したがタカネミノリや山田錦ではこの傾向はタンパク質染色搗精度 50 % 脂質染色みられなかった.(2) 酒造米 (山田錦) における搗精度が理化学的特性および米組織での成分分布と表面構造に及ぼす影響を調べた.1) 蒸し加熱した米飯組織におけるタンパク質, 脂質の分布状態を光学顕微鏡で観察した結果, 果皮, 種皮, 胚芽, 糊粉層および胚乳におけるでんぷん細胞の細胞膜に沿った部分にタンパク質の存在が認められ, 脂質は種皮, 胚芽, 糊粉層のみに分布していた.搗精度の異なる米飯においては, タンパク質, 脂質が多く存在する胚乳部が段階的に削られていく様子が観察され, 粗タンパク質と粗脂肪の含量の分析値の変化と一致するものであった.2) 米の表面構造は搗精度が高くなるにつれ胚乳部のでんぷん細胞膜が破壊され, でんぷん粒の露出が観察された.
著者
山岸 裕美子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 61回大会(2009年)
巻号頁・発行日
pp.219, 2009 (Released:2009-09-02)

目的 武芸を業とする職能集団の武士にとって、直垂は歴史を通じて用いられてきた衣服である。鎌倉時代の武士は当時、これを平服から礼服にいたるまで幅広く用いていた。そして中でも白の直垂は、北条氏執権体制下の武家社会においては何らかの特別な衣服となっていたと思われる。そこで、これがどのような意味合いをもって装われたのかについて検討し、考察を行った。方法 鎌倉時代の東国社会の様子について知るための一等史料である「吾妻鏡」をはじめ、当時の記録や物語類などを手がかりとして検討した。さらに、公家社会と武家社会が政治と文化の両面において複雑な駆け引きを行っていた時代背景を考え、武家の特性及び独自の主張についても考慮した。結果 白の衣服が浄衣と照応する形で神事などの場で用いられたことは、武家の白直垂についても同様である。しかし、当時の武家の白直垂にはそれとは異なる別の意味もあることがわかった。つまり、威儀を正した装束として儀礼などの晴の場で着用されるとともに、独自の儀でも盛んに用いられて、武家としての存在を示すものとなった。そして、やがては上級武士の好む装いの一つともなったと考えられる。
著者
長津 美代子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.42, no.11, pp.949-959, 1991-11-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
20

The purpose of this study is to explore gaps between attitudes toward gender roles of male and female students, by using such criteria as attitudes toward role relationships between male and female, the double standard of sexual morals, men's leadership in dating, and energy allocation to occupation and homemaking after marriage. The survey was conducted in January, 1990 to 735 university students in Tokyo and its outskirts. The major findings are as follows :(1) ISRO (The Index of Sex-Role Orientation, E.A. Dreyer et al.) scores on attitudes toward role relationships between male and female point out that 45% of the female students are innovative type, but about the half of the male students are traditional one.(2) Compared with female students, male students tend to accept the double standard of sexual morals.(3) Female students expect that males play leadership roles when they go out together more than male students themselves intend to.(4) Male students wish to allocate less energy to occupation than their fathers do, and female students hope to allocate less energy to homemaking than their mothers. As a result, the present tendency to give too much attachment to occupation for males and homemaking for females will be relieved in their married life.
著者
森田 美佐
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.79-91, 2012-02-15 (Released:2013-09-30)
参考文献数
23

The objectives of this paper are to clarify the situation of kurumin companies, the leading ones in supporting employees' childcare in Japan, and to discuss the breakthroughs that are needed to solve their problems. This study surveyed all kurumin companies from March to May 2009. The main conclusions are as follows: Firstly, they have actively planned and practiced supporting employees’ childcare in order to recruit top-class personnel and to improve their employees’ work-life balance. Secondly, they have discovered the benefit of this work. They are, however, facing many problems. For example, in these companies, childcare support for male employees and long working hours have not improved enough. And some female employees want to delay their career advancement. From these results, it is important that kurumin companies should consider female employees as essential members, that they should understand the concept of “work-life synergy”, and that they should have a sense of responsibility when it comes to supporting childcare. These seem to be effective ways of raising next-generation children. In addition to these points, overtime should be eliminated. And the companies have to consider whether their childcare policies are really financial burdens.
著者
木村 友子 加賀谷 みえ子 福谷 洋子 小杉 信之
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.887-895, 1990-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8
被引用文献数
1

女子大学生の昼食行動と食生活との関連を調べる目的で, 女子大学生の昼食の取り方について弁当群 (A群) 146人, 外食群 (B群) 140人の計286人に昼食行動に関する意識調査を行い, さらに岡じ対象者のA・B群より弁当群 (a群) 60人, 外食群 (b群) 60人を無作為抽出し, 生活行動調査と食物摂取量調査を実施し, 次の結果を得た.(1) 対象者は自宅生が94%と多く, 昼食のとり方は弁当群 (4日以上弁当/週) 51%, 外食群 (4日以上外食/週) 49%であり, それぞれ簡便化を志向し, 習慣化していた.(2) 月額の小遣い額は弁当群27,911±13,381円, 外食群31,589±13,027円であり, 外食群の昼食代は小遣いの22~33%に相当した.(3) 身体状況では弁当群・外食群ともに, 体型は太っていると思う傾向が強く痩身型志向が多くみられ, 生活行動調査でも消費エネルギー量は摂取エネルギー量を弁当群が 253 kcal, 外食群が292 kcal上まわり, 痩身体型の現状を裏づけた.また両群ともに疲労感のある者は91%に及んだ.食欲は, 外食群では弁当群に比し, 食欲のない者が5%高率であった.休養では, 休養不足がちと思う学生は外食群のほうが弁当群より21%多かった.(4) 生活行動調査では弁当群は学業時間が53分長く, 一方, 外食群では休養に関与する睡眠時間が17分と余暇時間が31分長く, 両群の生活時間に若干の相違を認めた.(5) 食事調査による欠食率は, 外食群のほうが弁当群に比し, 朝食10%, 昼食6%, 外食3%高かった. 1日あたりの栄養素摂取量では, 栄養的には弁当群のほうが多少良好とはいえ両群ともにエネルギー量が低く, カルシウム, 鉄の不足が顕著であった.摂取食品数も両群ともに22品目前後にとどまっていた.(6) 買取り調査での昼食内容は弁当群では食品数平均10品目をとっていたが摂取重量301gと少なく, また所要量の1/3量に対し, エネルギー量や栄養素不足の現状にあった。一方外食群は, エネルギー量は充足していたが, 食品数は弁当群に比し平均8品目と少ない.(7) 外食内容の選択は両群ともに好み・見た感じを優先していた.(8) 食生活の満足感では満足者は弁当群42%, 外食群33%にすぎず, 不満足者は外食群が3%多かった.総合的にみると, 外食群は家事的生活時間や余暇時間がやや長く, 一方, 弁当群は外食群に比し勉学時間が長く, 1日あたりの食事調査からは欠食者も少なく, 栄養素摂取量ではやや良好と判断された.しかし総体的には両群ともにやせ志向を根底に摂取食品数, 食事量, 安易な食選択等々, 昼食行動に慎重さが欠け必然的に1日のエネルギー量や栄養素不足になっていることがうかがわれた.今後いっそう自己管理能力を高めるための積極的アドバイスを加えた実践的教育の強化の必要性を痛感するとともに, 近い将来健康な母親となるべき女性としての反省と努力を望みたい.
著者
佐藤 真理子 齋藤 紘野 田村 照子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 63回大会(2011年)
巻号頁・発行日
pp.124, 2011 (Released:2011-09-03)

【目的】日本舞踊の伝統的所作である「振(ふり)」は,日本舞踊特有の身体動作であり,舞踊表現の基本的要素として伝承されてきた.本研究では,「振」のポーズと動きにおいて,男舞と女舞の所作の違いが,和服と人体の関係性にいかなる影響を及ぼすか,明らかにすることを目的とした.【方法】被験者は現代日本舞踊T流師範を持つ22歳の女性2名.着装条件は通常の稽古時と同様,浴衣・半幅帯・足袋・下着(キャミソール・スパッツ・和装用ブラジャー・ショーツ).測定動作は,(1)「束(そく)」;両足を揃えてまっすぐに立つ,(2)「座り」;片膝を付いて座る,(3)「入れ込み」;片足の爪先の前に反対の足を入れ込んで置く,(4)「姿見」;袖を胸に当て自分の姿を見る,(5)「振り返り」;片方の肩を引いて振り返る,(6)「かけ回り」;片足を軸足にかけるようにして身体の向きを変える,(7)「すり足」;足をするように前に出し歩く,の7種の「振」とし,男舞と女舞で踊り分けた.測定項目は,(1)~(5)の静止時の衣服圧と重心動揺,及び(1)~(7)の動作時の筋電とした.【結果】重心動揺では,「姿見」において女舞の総軌跡長の値が大であった.女舞は,男舞に比べ腰を落とし膝を曲げるため,姿勢の保持が難しいと考えられる.筋放電量では,男舞で前脛骨筋と大腿直筋,女舞で腓腹筋と大腿二頭筋の値が大であり,女舞で脚部の背面の筋をより使う傾向が明らかとなった.衣服圧では,女舞の所作において,身体をねじる,腰を落とす等,女らしさを強調する曲線的な動きをとるため,総じて値の大きい傾向が示された.
著者
西藤 栄子 中川 早苗
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.55, no.9, pp.743-751, 2004-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15

中高年女性の服装に対するおしゃれ意識とその根底に流れる規範意識を, 近畿圏在住の 50 歳代から 70 歳代の女性, 302 名を対象にして, 質問紙調査と服装写真提示実験によって調べた.得られた結果は, 次のようであった.1. 1) 質問紙調査の結果から, 中高年女性のおしゃれ意識と規範意識はともに高いことがわかった.1. 2) おしゃれ意識は, 年齢や外出頻度, 余暇活動の有無によって差のあることがわかった.1. 3) 規範意識については, どのような属性の中高年女性であっても高かった. とりわけ年齢が高くなるにしたがって, その意識は高くなった.1. 4) 服装の機能性や審美性に対する期待を問う服装観については, 年齢に関係なく機能性とともに「自分らしさを表現する」ことを重視しており, 中高年女性のおしゃれ意識の高まりを確認した.1. 5) その一方で, おしゃれ意識の高い人でも, 規範に応じた服装を心がけるなど, 服装規範から逸脱しない範囲で, おしゃれに積極的であることも認めた.2. 1) 服装写真提示実験によって, 質問紙調査で得られた服装規範意識の検証を試みた. その結果, 提示された服装のふさわしさに対する個人的評価は, いずれの服装でも社会的評価よりも低かった. このことから, 「世間の人は, 私以上にこの服装で良いと考えていると思うが, 私自身は, 世間の人ほどふさわしいとは思わない」という意見をもっている実態を確認した.2. 2) 各場面における服装のふさわしさに対する社会的評価と個人的評価との評定平均値の差は, 規範意識の低い人ほど大きかった. つまりこの差が大きいほど, 「世間の人はこの服装でよいと考えていると思うが, 私自身はそうとは思わない」という意識の強いことを表していることになり, この傾向は, 年齢が低いほど, 中都市よりも大都市に住む人で, 大きかった.したがって, これらの人ほど, 服装規範への同調性が弱くなっていることが確かめられた.
著者
岡田 宣子 鐸木 夏実
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.64, no.10, pp.623-635, 2013 (Released:2014-10-23)
参考文献数
31
被引用文献数
2 2

In order to ascertain appropriate clothing requirements for young children it is necessary to take into account their ongoing physical development. To this end, a lifestyle survey of infants was carried out (Okada 1990). This survey used a sample of 622 boys and girls under the age of 6 years and made particular reference to the youngsters’ clothing preferences.   The following observations were made: 1) Hayashi’ s Quantification Method Ⅲ was applied to 24 motor skills related to the subject’s ability to get dressed and undressed. The data, plotted along two axes of a graph, resulted in a clear ‘U’ curve. A correlation was thus established between motor skills and scores. This study provided useful data with respect to clothes’ design for young children. 2) With the exception of tying and untying drawstrings, Okada’ s data suggests that children show more dexterity (dressing and undressing themselves) at an earlier age than suggested by Yamashita (1935). Socio-cultural factors reflecting the time span between the two sets of data may account for this difference. In other respects, both sets of data show a number of similarities; for example, their developmental stages are in regular order and girls were proven to have higher levels of dexterity at an earlier age than boys. 3) In order to foster a sense of independence it is necessary to encourage youngsters to dress and undress themselves at the age correspond with their developmental stage. With this in mind, we hope the results of this research will better help mothers and carers make more appropriate clothing choices for their children.
著者
和田 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.903-914, 1999-09-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
51
被引用文献数
1
著者
富田 弘美
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 67回大会(2015年)
巻号頁・発行日
pp.50, 2015 (Released:2015-07-15)

目的 高校生が体育時に着用する体操着は長い間改良がみられず、大まかなサイズ展開で好みのディテールやシルエットを選ぶことができない。そこで、袖・上着・パンツ・衿・裾などのディテールやシルエットに特徴をもつ体操着の写真を提示し、各体操着から抱くイメージのアンケート調査を行う。また、その結果を基にして新しいデザインを提案する。 。方法 対象者は東京都、神奈川県の公立、私立の女子高校生各100 名である。調査内容は体操着の写真4種類(A:上着は全開、ボトムがストレート、リブ無し、B:上着は全開、ボトムリブ付、C:上着は全開、ボトムの裾がフレア、リブ無し、D:上着は途中開き、ボトムリブ付き)について、イメージ項目として15項目の形容語対(好き-嫌い、個性的な-平凡な、かっこいい-ダサい、着脱しやすい-着脱しにくいなど)を1~5段階尺度で回答する。さらに、体操着をデザインして実物を製作する。 結果 イメージのプロフィールでは、ボトムの裾がフレアのCは個性的な、ラフな、女性的な、着脱しやすい、スタイリッシュな、かっこいいなどの項目がプラスのイメージをもち、次いで裾がストレートのAがプラスイメージであった。一方、リブ付きのBとDは、嫌い、ダサい、弱そうな、デザインが悪いなどの項目からマイナスイメージをもっていた。因子分析の結果では、4個の因子が累積寄与率66.2%で抽出され、第1因子は「悪い印象」、次いで「良い印象」、「センス」、「好み」と因子名をつけた。新しい体操着としては、「女子力UPジャージ」「学校帰りに着て帰れる体操着」など5つのデザインを提案した。
著者
杉田 洋子 田中 美智 高橋 裕子 佐藤 由紀子 山田 寛
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.5, pp.421-427, 2001-05-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
9
被引用文献数
1

人が他者の身体シルエットについて, 身体のどの部位を見て好ましさの判断をしているかを知るために, 女子大生201名を対象として, 別の女子短大生のシルエッター写真100体中より抽出された普通体型10体に対する身体シルエットの好ましさを一対比較法によって比較判断する実験を行った.多次元尺度構成法による分析の結果, 他者の身体シルエットに対する女子大生の好ましさの判断には二次元的な側面があることが見出された.一方, 刺激として用いたシルエッター写真上の身体シルエットの写真計測値を求め, 回帰分析によって尺度化との関係について検討を行い, 視覚的なシルエットとしての身体のどの点に着目したか, 好ましさを決める客体の条件についての分析を行った.その結果, 身体シルエットの判断には好みにおいて二次元的な変数が見出されたが, いずれも身体の正面よりは側面からの観察によって得られ易い判断であるという興味深い事実が明らかになった.一つは身体シルエットの角度と関係があり, もう一つは厚みと関係があることがわかった.すなわち, 側面における腹部の角度が小さく厚みは少ない方, バストとヒップの厚みは多い方が好ましいと判断される身体シルエットであることが示された
著者
大森 桂 古泉 佳代 鈴木 智恵美 金子 佳代子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.221-229, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
26
被引用文献数
1

Enhancing the physical activity level has become a significant issue for the Japanese to prevent lifestyle-related diseases. For developing a simple and valid method to assess daily energy expenditure, we measured the energy expended by several physical activities in 13 young Japanese adults using the portable expiration gas metabolic monitor. Each subject wore a heart rate monitor on the chest and three-dimensional accelerometers on the wrist, waist and ankle. The energy expenditure was correlated with the heart rate and with the acceleration at the wrist, waist and ankle. Energy expenditure showed higher correlation coefficients with the acceleration at the waist and ankle than at the wrist. A multiple regression analysis showed that the energy expenditure could be estimated from the accelerations at the wrist and waist, the heart rate, gender, height and weight. The results indicate that measuring both the body acceleration and heart rate was important for developing a simple and valid method to assess daily energy expenditure.
著者
木岡 悦子 森 由紀 大森 敏江 大村 知子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.647-656, 2001-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
15
被引用文献数
1

中学生の学習用具携行の実態に基づいて, 通学用鞄の携行方法による負荷を実験観察により検討した.被検者は中学生6名, 携行重量を6kgとし, 携行の方法は背負い式と肩掛け式とし, 肩掛けの仕方を斜めにクロスする方法と片側におろす二つの方法に分けた.負荷実験の内容は通学用鞄を掛けた状態での支持基底面の重心動揺測定, 直立時および歩行時の姿勢変異の観察, 肩中央部にかかる荷重圧の測定である.結果は以下の通りであった.(1) 鞄を片側に掛ける方式では, その対照として測定した無所持の場合と比較して, 支持基底面の重心動揺の単位面積軌跡長が小さいという結果が得られた.被検者自身が姿勢のくずれを細かく制御しにくい状態であると解された.(2) 支持基底面の重心動揺軌跡やその外郭内の面積等には被検者固有のパターンが発現し, 姿勢制御機能に個人差のあることが認められた.(3) 通学用鞄の携行方法別姿勢をシルエッター写真から観察した結果, 肩掛け式では鞄を提げた側と反対の方向への傾きが大きく, 無所持の場合と比較して有意に差のあることが認められた.片側式の場合では全身を傾斜させており, 斜め式では胴部でくねらせた状態での傾きが大であることが認められた.背負い式では前傾姿勢がみられ, いずれも鞄装着による負荷を姿勢の傾きによってバランスさせていることがわかった.(4) 肩中央部に加わる荷重圧は片側式の場合が最も大で, 直立時の平均値は53.0kPa, 歩行時最大値が102.4kPaであった.背負い式の場合が最も小さく, 各携行方法問に有意な差がみられた.(5) 実験終了後の着用感では, 片側式において肩への痛み・重量感や歩きにくさなどの負荷を感じたのに対し, 背負い式が最も負荷を感じなかったという結果が得られ, 実験結果と一致した.通学用鞄の携行に関する問題を, 中学生の心身をまもり育てるための類被服の観点からとらえ, 解決への具体的な方策をすすめていくべきであると考える.
著者
井上 芳恵 中山 徹
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.7, pp.573-581, 2003-07-15 (Released:2010-03-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

This paper aims to analyze the impacts on consumers by the closure of large-scale shopping stores. Studied were how their shopping behavior changed, to what degree they got satisfaction from shopping after the closure, and what types of consumers were most affected. 1) Most affected may be the elderly people living near the city center who used to frequent the closed large-scale shopping center that was within walking or cycling distance from their homes. 2) The consumers had to change their shopping place to supermarkets or suburban shopping centers, and their choice of stores changed from preference to convenience; in other words, some consumers have only limited choice. 3) The elderly consumers living near the city center must feel inconvenience and their shopping satisfaction should be much less than before. 4) It should be pointed out that the opening of suburban large-scale shopping centers are often linked with their closure in the city center. If businesses have their mind on the interests of customers, they should investigate in what way a closure of their business at one place would affect their customers; they should try to balance their interest against their customers' interest.
著者
金 和子 小林 彰夫 河村 フジ子 松本 睦子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.7, pp.603-608, 1989-07-05 (Released:2010-03-10)
参考文献数
8

辛味大根と青首大根の辛味臭成分をエーテル振とう抽出により分離し, GCおよびGC-MSにより分析し, 比較した.辛味大根の香気成分は99.5%以上が含硫化合物であり, 5種のメチルチオイソチオシアネートが主要成分として同定された.なかでも, (E) -4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネートは香気中96.5% (62.7mg%) を占め, かつこの化合物は1.3ppm以上あると単独でも生大根辛味臭を呈し, 濃度の増加につれ香辛性が強化される.実際の辛味大根中における存在量は627ppmであることから, 辛味大根の辛味臭は主としてこの物質であることが明らかとなった.